ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「ちむどんどん」15話「悩めるサーターアンダギー」

【 連続テレビ小説「ちむどんどん」】15話のネタバレです。

あらすじ

暢子(黒島結菜)は自分の就職先と、兄・賢秀(竜星涼)の間で起こったトラブルから悩み、徐々に就職先に理不尽を感じていた。思い悩んだ暢子は、とうとう、母・優子(仲間由紀恵)と相手先を訪れることに…。そしてトラブルの張本人、賢秀も、実は責任を感じていて…。その頃、妹・歌子(上白石萌歌)は、唄を聞かれたことから、音楽の教師・下地(片桐はいり)に付きまとわれる羽目に。

15話ネタバレ

比嘉家

暢子「ただいま。」

優子「お帰り。」

暢子「すぐ手伝うから。」

優子「暢子。」

暢子「ん?」

優子「明日 学校終わったら 一緒に行こうね。 眞境名商事さん。 売店に 電話あったよ。」

暢子「はい…。」

山原高等学校
音楽室

歌子「♬『いま私の願いごとが かなうならば 翼がほしい この背中に 鳥のように 白い翼つけて下さい この大空に 翼をひろげ 飛んで行きたいよ 悲しみのない 自由な空へ 翼はためかせ 行きたい』」

(ドアが開く音)

下地「にらんだとおりね。」

逃げる歌子

下地「待て!」

歌子「ハッ!」

下地「待て! うわっ…。 比嘉歌子!? 比嘉歌子!」

校庭

正男「暢子 勝負しよう。」

暢子「いいよ。 さっさとやろう。」

「位置について…。 よ~い…。」

(ホイッスル)

(ホイッスル)

正男「よし!」

暢子「うちが… 負けた…。」

眞境名商事

優子「本当に 申し訳ありません。」

専務「秀樹君を 殴ろうとしたそうだね。」

優子「何で やったわけ? 訳があるんでしょ?」

専務「秀樹君が言うには さしたる理由もなく いきなり殴りかかってきたと。 社長 そうですよね。」

暢子「それは 違います。」

回想

秀樹「どうせ 玉の輿 目当てだろ? うちに応募してくる女は みんなさ。 仕事よりも いい結婚相手を あさりたいだけだろ?」

秀樹「お前の代わりくらい いくらでもいるんだからな!」

回想終了

専務「女のくせに強情だね。 女は 女らしくしないと。」

社長「殴ろうとしたのは 本当なのかね?」

暢子「はい…。」

専務「そういう訳でこのままじゃ とても採用できないと。」

暢子「女らしさって何ですか?」

優子「暢子。」

暢子「女のくせにって何ですか? 女は 強情じゃ駄目なんですか?」

専務「女は 愛嬌。 職場の潤滑油としての役割はもちろん良妻賢母になるためにも 自己主張せず一歩引いて男を立てる。 お母さん こんなこと言いたくありませんが お兄さんといい 彼女といい 親のしつけもにも 多少 問題があったんじゃないですか。」

優子「本当に 申し訳ありません。」

暢子「謝ることない。 お断りします!」

専務「何?」

暢子「うちは ここで働きたくありません!」

専務「いいの? うちみたいに 条件のいい会社は ほかに…。」

暢子「失礼します!」

専務「へっ?」

暢子「騒いで すみません。 ごめんなさい!」

専務「どういう娘さんです?」

優子「自慢の娘です。 失礼します。」

道中

暢子「どうして すぐカッとなるのかね。 自分でも よくない 直した方がいいと分かってるのに…。 どうしたら直ると思う?」

優子「お母ちゃんも そうだったさぁ。」

暢子「えっ?」

優子「若い時は すぐカッとなって 暢子と同じ。」

暢子「まさかやー。 ありえん。 信じられない。」

優子「暢子は 何に 一番腹が立ったの?」

暢子「女のくせにてって言われて…。 今日ね 初めて男子に かけっこで負けた。 負けたことは そんなに悲しくない。」

暢子「でも 今までは 勝ったら『女のくせ』って言われて これからは『やっぱり 女だから』って 言われると思うと すごく悔しい。 うちは この村も 沖縄も 自分が女だということも 全部 大嫌い!」

暢子「本当はね 自分で 自分に もやもやーしてるからかもしれない。 本当は 何か 心を燃やせるような 打ち込める 一生懸命になれるものを 見つけたいって ずっと思ってる。」

暢子「でも… それが何かが 全然分からない。 みんな  自分のやりたいことが分かってる。 でも うちだけ何もない。 何もできない。」

優子「泣いていいよ。 もっと いっぱい泣きなさい。 暢子は 暢子のままで上等。 大嫌いな自分も 大事な自分だからね。 いつか きっと この村に生まれてよかったって 女に生まれてよかったって 思える日が 来ると思うよ。」

暢子「お母ちゃん ありがとう。」

比嘉家

良子「ただいま。」

歌子「ただいま。」

智「お邪魔します。 賢秀!」

良子「帰ってきたの!?」

歌子「お帰り!」

良子「あっ お金 どうしたわけ?」

賢秀「博打で勝った!」

智「であるわけね。 賢秀は 博打の才能もあるからな。」

賢秀「あ~! 腹減った! 暢子は?」

良子「暢子 就職の話 断ったってよ。 さっき 売店で善一さんに聞いたさ。」

歌子「向こうじゃなくて 暢ネーネーんの方から 働きたくないって言ったって。」

賢秀「よし! 暢子 よくやった!」

歌子「それとね 暢ネーネー かけっこで 陸上部のキャプテンに負けたわけ。」

智「えっ?」

賢秀「なら 相当落ち込んでるなあ。」

智「暢子たちが帰ってきたら パーッとやるかか!」

賢秀「上等!」

智「フフフッ…。」

歌子「でも 多分 芋しかないよ。」

賢秀「売店で 何か買ってくるか。 あの金で。」

暢子「うち 泣いた顔してない?」

優子「大丈夫。」

(賢秀たちの笑い声)

暢子「ただいま!」

優子「ただいま。」

賢秀「お~! お帰り!」

歌子 良子 智「お帰り~!」

暢子「これ どこから?」

智「善一さんから 借りてきた!」

暢子「何で?」

賢秀「暢子の就職祝い! じゃなくて 就職断った祝い! パーッとやるわけさぁ! ハハハ!」

良子「フォークダンス 教えてほしい人!」

暢子「教えて 教えて! ちむどんどんする!」

智「俺たちは 先に習ったからさ。 ほい。」

良子「手 握って。」

♬~(レコード)

賢秀「せ~の! 後ろ。」

良子「左 回る。」

智「左 左!」

賢秀「おいおい おいおい…!」

良子「もう一回 前!」

賢秀「前~ 後ろ~! はい 左 左…。」

智「右 右 右!」

暢子「ニーニー!」

沖縄が本土復帰という 大きな時代の変わり目を迎えた頃 やんばるの小さな村のきょうだいは それぞれに傷つきながらも 大人の階段を上っていました。 そして 高校最後の日々を送る暢子に 運命を変える出来事が 起ころうとしていました。

良子「は~い 輪になって~!」

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