ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「ちむどんどん」21話「フーチャンプルーの涙」

【 連続テレビ小説「ちむどんどん」】21話のネタバレです。

あらすじ

暢子(黒島結菜)は助っ人として参加した料理大会の会場で、「東京に行き、料理人になりたい」と爆弾発言。すっかりその気になってしまう暢子だったが、その頃、比嘉家には暗雲が近づいていた。兄・賢秀(竜星涼)が投資話だと思ったものは、実は騙(だま)されていただけと分かってしまった。絶望した賢秀は大荒れに荒れてしまう。そしてその余波は大きく家族にのしかかってくることになる。

21話ネタバレ

暢子「うちは… レストランで働きたい! 東京に行って 料理人になりたい。  コックさんになりたい。 やりたいこと 見つかりたい!」

と 将来の夢を見つけ ちむどんどんする暢子でしたが 比嘉家には 大きな災いが 忍び寄っていました。

比嘉家

優子 良子 歌子「アイヤー!」

良子「どうしたわけ? いつもと違う。」

歌子「ごちそうだね。」

暢子「一応 プロ目指すことにしたし。」

優子「暢子の進路も決まったし 気持ちいいの朝だね。 頂きます。」

良子 暢子 歌子「頂きます。」

一同「ん~!」

暢子「うん うん… 我ながら 上出来!」

良子「おいしい。」

良子「ニーニーは?」

優子「帰ってこなかったね。 友達と飲み明かしたんじゃない?」

暢子「きょうは 1,000ドルが倍になる日?」

歌子「もし 倍にならなくても 預けたお金は 戻ってくるんだよね?」

優子「うん。 賢秀が そう言ってたよ。」

良子「やっぱり 話が うますぎると思わない? お母ちゃん おじさんから いくら借りたの?」

優子「大丈夫 うちは 賢秀を信じてるのに。」

回想

優子「どうしたわけ?」

賢秀「一生に 一度の頼みがある!」

優子「人生を変える?」

賢秀「変えたいわけ 俺は! 母ちゃんに もう苦労をかけたくない。」

優子「だけど もしインチキだったら?」

賢秀「倍にならない時でも 預けた1,000ドルは ちゃんと戻ってくるって!」

優子「であるわけね?」

賢秀「ああ。 一発当てたら 家族みんな 毎日 笑って暮らせる。 父ちゃん 最後に俺に言いよった。 母ちゃんとみんなを 頼んだよって。 だから 頼む。 もう一回だけ おじさんに 頭下げてくれん! このとおり!」

回想終了

良子「そんなこと言ったわけね。」

歌子「ニーニー やっぱり優しいね。」

暢子「1,000ドルが2,000ドルになれば 前からの借金も返せる?」

優子「何より そのお金があれば 暢子は 東京に行けるし。」

良子「大丈夫かなぁ。」

山原村共同売店

善一「立ち入ったこと聞くけど お金のめどが 立ったって…。」

優子「賢秀が 為替の仕事を見つけてきて。」

善一「為替? 大丈夫? 最近 通貨交換を利用した詐欺が 増えてるって…。」

優子「詐欺?」

賢秀サイド

回想

金吾「我那覇! こいつさ! 親父の工場に来た詐欺師。」

我那覇「あさっての昼までに この金を 2,000ドルにして ここに持ってくるから。」

優子「うちの貯金と おじさんから借りたお金。 おじさんには 来週 必ず返しますって 言ってあるからね。」

賢秀「ありがとう! 本当にありがとう!」

回想終了

山原高等学校
調理実習室

早苗「いい香り。」

珠子「暢子先輩なら 東京のレストランで すぐに料理長?」

暢子「まさかやー。 そんなに甘くないぜ。」

珠子「はっさ! 東京弁! いつ覚えたの?」

暢子「東京弁ぐらい もとから使えるじゃん。 意外に 簡単だぜ。」

(笑い声)

「えっ えっ 東京のどこに住むの?」

暢子「銀座だぜ。」

早苗「もう決めてるわけ? 銀座は 家賃も物価も 一番 高いんでしょ?」

暢子「銀座には 有名なレストランが 一番 たくさんあるんだぜ。」

(笑い声)

早苗「何それ!」

「だぜ! だぜ!」

(笑い声)

一同「あ~!」

サンセットバーガー

照屋「チェック チェック…。 ハッハッハッハ…。 ハ~ ハッハッハ~…。 ハ~ ハッハッハ~…。 チェック チェック…。 ハ ハ ハ~ ハ~。」

賢秀「お代わり! ウイスキー ストレート!」

マスター「もう 5杯目だろ?」

智「7杯目です。」

マスター「完全に 目 据わってやし。」

賢秀「我那覇さん 何で来ないわけ? 昼までには 絶対来るって言ってたのに。」

マスター「知らないよ。 電話してみたら?」

賢秀「何度もかけたのに かからんわけよ!」

マスター「えっ?」

賢秀「マスター 友達でしょ?」

マスター「ただの客さ。 投資関係の仕事をしてる 実業家って聞いただけってば。 落ち着け。 なあ 落ち着け。 音楽でも聴いて。 水飲め 水…。」

賢秀「ウイスキー! ウイスキー ストレート!」

(拍手)

照屋「こんばんは。 照屋良太郎です。 今夜 ライブができるのも 高校時代の恩師 下地先生のおかげです。 聴いてください。『バラが咲いた』。」

(拍手と指笛)

下地「こら!」

♬~(ギター)

照屋「♬『バラが咲い』」

(電話の呼び鈴)

賢秀「もしもし 我那覇さん!」

女性☎『もしもし サンセットバーガー…。」

賢秀「この…。」

マスター「落ち着けって お前は。 ごめん。 続けて。」

(拍手)

照屋「改めまして…。」

賢秀「ウイスキー!」

照屋「『バラが咲いた』。」

♬~(ギター)

「我那覇って男 来てる? 金を倍にしてやるって言われて預けたのにお 全然 連絡つかん!」

下地「ちょっと あなた。 静かにしなさい!」

賢秀「見せろ!」

「我那覇は 詐欺師? 俺は だまされたの?」

マスター「いや 俺も 知らないってば 詳しいことは。」

「警察に行く! 返せ!」

(ドアベル)

下地「今夜は 神聖なライブ。 あなたも 出ていきなさい!」

賢秀「我那覇を呼べ! 俺の960ドル 返してくれ! 母ちゃんに 何て言えばいいわけ? おい!」

マスター「やめろ はなせ!」

(悲鳴)

賢秀「金返せ! 我那覇は どこだ! 我那覇 どこだ!」

(騒ぎ声)

下地「出ていきなさい!」

賢秀「うるせえ!」

下地「あ~! 血!」

照屋「先生 それケチャップ!」

下地「何ね これ!」

賢秀「離せ!」

翌朝

警官「では 失礼します。」

マスター「ご苦労さんです。」

優子「比嘉賢秀の母です。 この度は 本当に… 息子がご迷惑を。」

暢子「すみませんでした。」

マスター「ご苦労さんですね。」

暢子「これ 全部ニーニーが?」

優子「賢秀は どこに?」

マスター「遠くには 行ってないと思います。 ベロベロだったから。 お母さんには 気の毒だけど 壊れた椅子 割れた食器の代金は 弁償してね。 今日 営業できなかったら その分も営業補償もよ。」

優子「もちろんです。 本当に 申し訳ありません。」

マスター「うちの方は それでいいんですけど どうしても 賢秀君を 何が何でも 訴えるって 言ってる人がいて…。」

暢子「誰ですか?」

山原高等学校
音楽室

下地「絶対 訴えます!」

教頭「しかしね 告訴となると 父兄なんかにも知られるし 何も そんな 大げさな…。」

下地「大げさじゃありません! あの男がしたこと 酔っ払いの悪ふざけじゃありません。 音楽を愛する全ての人に対する 冒とくです!」

山原小中学校
職員室

教師「告訴?」

教師「良子先生のお兄さんを?」

教師「もしも 有罪になったら 良子先生も 仕事続けにくいんじゃない?」

教師「犯罪者の妹ってことに なってしまうわけ?」

山原村共同売店

善一「残念だけど お金は倍になるどころか 1セントも戻ってこないだろうな。 もう少し早く聞いてたら 絶対 賢秀を止めてたのに。」

暢子「ニーニー どこにいるのかね。」

善一「困ったね。 その店も弁償もだけど おじさんには 今回のお金は すぐに返すと言ってあるんだよね?」

優子「はい。」

善一「それに 暢子の東京行き。 賢秀が持ってくる金があるから 東京 行けると思ってたわけでしょ?」

比嘉家

優子「ただいま。」

暢子「どうだった?」

優子「下地先生には 会えなかった。 ちょうど 入れ違いで。 だけど 教頭先生は 学校としても 大げさにはしたくないと。 なるべく 当人同士で 穏便に済ませたいって。」

良子「つまり 下地先生さえ許してくれたら それで済むわけだよねぇ?」

優子「とにかく 会って ちゃんと謝らないと。」

良子「許してもらうしかないさぁ。 何が何でも。」

賢秀「(賢秀のいびき)カッ…。(せきこみ)」

風呂場

暢子「ニーニー!」

賢秀「あっ…。」

良子「何してるの?」

歌子「いつからいたの?」

暢子「お金は? お金はどうなった?」

縁側

良子「何で 謝りに行かないわけ? 預けたお金は 戻ってこない。 謝りにも行かない。 それで済むと思ってるわけ?」

賢秀「俺は悪くない。 悪いのは 全部 我那覇さぁ。」

良子「うちらは どうなるわけ? お母ちゃんの借金は? 教師のうちは どうなるわけ? 先生になる夢を かなえるために うちは ずっと頑張ってきた。 ニーニーが 校庭でドッジボールしてる時 うちは 図書館で勉強してた。」

良子「ニーニーが ラジオ聴いて騒いでる時 うちは 耳にちり紙を詰めて勉強した。 ニーニーが 那覇で遊び歩いてる時 うちは アルバイトしながら 短大に通ってた。」

良子「お化粧も おしゃれもしないで勉強して やっと採用試験に合格した時 うちは お父ちゃんのお墓の前で 1人で泣いた。『お父ちゃん 約束守ったよ』って。 だのに 今更 ニーニーのせいで 教師 辞めるようなことになったら…。」

タケヒロ「着きました 着きました。 ここです。」

暢子「お巡りさん?」

タケヒロ「こちらが 比嘉賢秀の自宅になります。」

下地「ここ?」

タケヒロ「賢秀は 歌子の兄。 比嘉家の長男坊です。」

賢秀「ハッ…!」

暢子「はっさ お母ちゃん。」

モバイルバージョンを終了