ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「ちむどんどん」22話「フーチャンプルーの涙」

【 連続テレビ小説「ちむどんどん」】22話のネタバレです。

あらすじ

暢子(黒島結菜)は高校卒業後、上京して料理人になることを夢みていたが、兄・賢秀(竜星涼)の起こしたトラブルからそれどころではなくなってしまう。賢秀は警察沙汰寸前の大ピンチに。兄を、そして家族の窮地を救うためになぜか妹の歌子(上白石萌歌)が、音楽教師・下地(片桐はいり)の前で歌わねばならぬはめに。そして一家は経済的に更に窮地に陥り、暢子が上京することは許されなくなっていく…。

22話ネタバレ

比嘉家

タケヒロ「着きました 着きました。 ここです。」

暢子「お巡りさん?」

タケヒロ「こちらが 比嘉賢秀の自宅になります。」

下地「あの男 比嘉歌子の?」

タケヒロ「賢秀は 歌子の兄。 比嘉家の長男坊です。」

暢子「はっさ お母ちゃん。」

タケヒロ「こちらから 失礼します。 賢秀 いますか?」

優子「いません。」

タケヒロ「こちらの下地先生が 賢秀に 突き飛ばされた時に 脚を複雑打撲されたそうで。」

暢子「ふくざつ だぼく?」

下地「痛くて まともに歩けないの。 あいたっ…。」

タケヒロ「だけど ここまでは普通に 歩いてきてましたですね。 ハハハハ…!」

下地「執念で ここまで来たの! 神聖な音楽の場を ぶち壊暴挙を 決して許すわけには いかないから!」

優子「本当に 何と おわびしたよいか…。」

暢子「すいませんでした。」

歌子「すいませんでした。」

良子「許してください。」

優子「根は優しくて 素直な子なんです。 今度のことも 家族のためにと思って やったことが うまくいかなくて…。」

良子「許してください!」

暢子「ごめんなさい!」

歌子「ごめんなさい!」

優子「お願いします!」

下地「失礼します。 音楽への罪は 音楽で償ってもらいましょう。」

タケヒロ「と 言いますと?」

下地「歌子。」

歌子「はっ はい…。」

下地「今 ここで あなたが歌ったら 今回のことは 水に流します。」

良子「本当ですか? 歌えば 許してもらえるんですか?」

下地「ただし 中途半端な歌では駄目。」

良子「歌子… お願い。」

下地「どれだけ失敗してもいい。 あなたの魂の声を聞かせて。」

歌子「♬『名も知らぬ 遠き島より 流れ寄る 椰子の実ひとつ 故郷の 岸を離れて 汝はそも 波に幾月』」

下地「今 分かった。 あなたの才能を 花開かせるために 私は 音楽教師になった。」

良子「じゃあ あの ニーニーは 許してもらえるんですか? 告訴はしないんですね?」

賢秀を叩く下地

賢秀「アガッ!」

下地「しっかりしなさい! こんな いい家族がいるんだから。」

賢秀「はい! しっかりします!」

下地「お邪魔しました。」

優子「ありがとうございます!」

タケヒロ「賢秀 よかったな~!」

賢秀「おう…。」

タケヒロ「では。」

優子「ご苦労さまです。」

良子「歌子! ありがとう!」

優子「よく頑張ったね!」

暢子「いつもより ずっと デージ上手だった!」

賢秀「だからよ。 歌子 ありがとう! この恩は 必ず倍にして返すからよ!」

歌子「うん!」

賢秀「はあ~ あっ…。 みんな ちょっと聞いてちょうだい。 俺は… 腹が減った。 はあ…。」

良子「ニーニー! 本当に反省してる?」

賢吉「優子さ~ん!」

優子「おじさん…。」

賢吉「この間の金 返せなくなったっていうのは本当か?」

賢吉「元金は 必ず戻るって 言ったじゃないか。 何で 元金も返ってこない。」

優子「すみません…。」

賢吉「春には 暢子も就職だろ。 暢子の給料も 月々の返済に回せ。」

優子「おじさん 暢子は 地元で就職するのをやめて…。」

賢吉「何?」

暢子「うちは東京に行って 西洋料理の仕事を…。」

賢吉「東京?」

和恵「西洋?」

暢子「東京で働いて こっちにお金を送ります。」

賢吉「渡航費用はどうする。 船に乗る金 汽車賃 下宿を借りるには 保証金も要る。 そんな金 どこにある!」

優子「だけど おじさん 暢子は どうしても東京に行きたいと。」

暢子「うちは お母ちゃんと よく話し合って…。」

賢吉「女のくせに バカなことを言うな! 東京とか 絶対に許さん! 賢秀 お前が行け! 那覇でも大阪でも 稼げる仕事を見つけて こっちに金を送れ!」

賢吉「何か その目は! 頭のないやつは 体を使うしかない! お前のせいで この家が どんなことになってるか 分かってるか!」

夕食作り

優子「暢子 今日は うちが作るよ。」

暢子「うちがやる。」

(包丁で食材を切る音)

賢秀「暢子 ごはん まだ?」

優子「やっぱり 今日は うちがやるよ。」

暢子「うちがやる。」

賢秀「はあ…。 俺は もう 腹が減って死にそうなわけさー。」

良子「ニーニー 暢子の気持ちも考えて。 考えてるさぁ。 東京 行きたかったんだろ? 俺が悪かった。 謝るから ごはん作って。」

良子「ニーニー いいかげんにして!」

(包丁で食材を切る音)

暢子「ありえん…。 早苗とか みんなに言ったのに どうすればいいわけ? 絶対 ありえん…。」

賢秀「だからよ。 明日は明日の風が吹くって。 ねっ 暢子ちゃん。」

暢子「ぽってかす!」

賢秀「だからよ。」

暢子「ぽってかす!」

賢秀「落ち着け!」

暢子「ぽってかす! ぽってかす!」

賢秀「だからよ。」

暢子「ぽってかす!」

賢秀「おい! 暢子…。」

賢秀「暢子 起きてるか? ごめんな。 本当に ごめん。 俺は ただ うれしかったわけよ。 生まれて初めて 親以外の大人から 褒められて。 うれしかったわけよ。」

賢秀「今まで ずっと ウソつきとか ろくでなしって言われてきて…。 初めて褒めてくれた人を 信じたかった。 この人を信じて 俺を バカにした大人たちを 見返してやりたかった。 分かってくれんか? 暢子 起きてるか?」

暢子「もう 寝てるから。」

賢秀「そうか…。」

翌朝

優子「大変になってる。」

暢子「どうしたわけ?」

優子「賢秀が 出ていってしまったさぁ。」

暢子「まさかやー。」

良子「夜には また おなかすかせて 帰ってくるよ。」

優子「当分 帰らんつもりだはず。」

歌子「何で 分かる?」

優子「あれがない。 あの…。」

歌子「マグネット・オーロラ・スーパーバンド!」

優子「うん。」

バス停

(クラクション)

賢秀「まもるちゃん 元気でな。」

比嘉家

優子「それにしても 何をするつもりかね?」

良子「『倍』にして返す じゃない?」

歌子「倍か…。」

暢子「ニーニー…。」

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