ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「ちむどんどん」23話「フーチャンプルーの涙」

【 連続テレビ小説「ちむどんどん」】23話のネタバレです。

あらすじ

暢子(黒島結菜)は卒業後に上京する夢をあきらめざるを得なかった。兄・賢秀(竜星涼)は責任を感じてどこへかともなく家を出ていき、暢子は地元での就職が決まる。だが、姉の良子(川口春奈)は、口では厳しいことを言いながらも、実は暢子を東京に行かせてやりたいと思っていた。暢子がフーチャンプルーを作ったある夜、母・優子(仲間由紀恵)が暢子の上京を再び提案し、長い長い家族の夜が始まる。

23話ネタバレ

1972年(昭和47年)2月

年が明け 沖縄の本土復帰まで あと3か月。 暢子の卒業が 間近に迫っていました。

山原高等学校

早苗「ふ~ん…。 じゃあ ニーニーから手紙もないわけ?」

暢子「うん。 頼りがないのは 元気な証拠って言うけど お母ちゃんは 心配してるはず。」

早苗「暢子は 東京に行けなくても ちゃんと 内間食品に就職決めて 親孝行だねえ。 うちは心配さ。 大学受験。 もし 落ちてたら 反対を押し切ってでも 浪人するつもりだから。 たまには 遊んで。」

暢子「もちろんさ。 うちが給料もらったら 一緒に 遊びに…。」

宮里「早苗! たった今 連絡あって…。 合格!」

早苗「はっさ! しんけん?」

暢子「やった! 早苗! おめでとう!」

早苗「アキサミヨー!」

宮里「よく頑張ったな。 おめでとう。」

珠子「早苗先輩! おめでとうございます!」

「部長 すごい!」

「おめでとうございます!」

早苗「東京… 東京!」

暢子「フフッ…。 よかったねえ…。 おめでとう。」

比嘉家

優子「頂きます。」

良子 暢子 歌子「頂きます。」

暢子「味 薄いね。 ごめん 塩 持ってくる。」

歌子「いいよ。 うちは大丈夫。」

暢子「無理しなくていいよ。」

良子「暢子 最近ちょっと ボーッとしてない?」

暢子「そう?」

良子「分かってる? 4月から社会人。 毎朝 バス乗って仕事だよ。 会社は 学校と違って甘くないからね。」

暢子「分かってる。 お母ちゃん 社会人になる前に 春休み 東京に遊びに行きたい。」

優子「ん?」

暢子「ほら 早苗が大学で東京行くから その時に。」

良子「春休みは 今年も 名護の工場でアルバイト。 大体 東京に行くお金がどこにある? 寝ぼけたこと言わないで。」

暢子「でも うちは この先 やんばるで ずっと働くだけだよ? 最後の春休みぐらい。」

良子「社会人は 毎日働いて当たり前。 うちも お母ちゃんも一緒でしょ。」

暢子「分かってる! だから 最後の春休みぐらい 楽しい思い出を作りたいわけさ。 お金は 給料もらったら ちゃんと返すから。」

優子「そうだよね。 暢子も たまには息抜きしないと。」

良子「駄目。 春休みはアルバイト。」

暢子「ありえん! 小学生の頃から 家族のごはん作ってきた うちの身にもなって!」

良子「家の仕事 手伝ってるのは あんただけじゃないさぁ。」

暢子「じゃあ もう うちのごはんたべないで!」

良子「あっ… ちょっ 何なわけ? 返して!」

優子「暢子も 良子も!」

良子「離して!」

暢子「絶対 嫌!」

優子「もう やめなさい!」

暢子「もう 嫌! ごはんとか作らない!」

優子「暢子!」

良子「ほっとけばいいさ。」

(物音)

翌朝

(包丁で食材を切る音)

良子「お母ちゃん もう畑?」

暢子「うん。 ゆうべは ごめん。 言い過ぎた。」

良子「畑 手伝ってくる。」

暢子「うん…。」

(包丁で食材を切る音)

優子「じゃあ 売店行ってこようね。」

歌子「うち… 高校やめて働いたら駄目?」

優子「アキサミヨー。 何で 急に?」

歌子「暢ネーネー 必ず こっちで就職しないといけない? うちが 高校やめて働けば おじさんたちも…。」

優子「そんなこと 気にしなくていいから。」

歌子「うち 何もできない…。 いつも みんなに 迷惑かけてばっかり。」

優子「そんなことないよ。 歌子のおかげで みんな いつも助かっているんだよ。 心配しないで。 ねっ。」

歌子「うん…。」

優子「じゃあ 行ってこようね。」

歌子「うん 行ってらっしゃい。」

山原高等学校

早苗「暢子! 昨日は ごめん。 うち はしゃぎ過ぎた。」

暢子「はしゃいで当たり前さ。 本当に おめでとう。」

早苗「うち これからも ずっと 暢子と友達でいたい。 だから… 本当にごめん!」

暢子「いいなあ 東京。 うちも そのうち お金ためて 絶対 遊びに行くからね!」

宮里「早苗~! 東京に送る書類 まだあるよ~!」

早苗「は~い! ごめん。」

暢子「早く行って! うちは 帰って 元気に ごはんの支度!」

早苗「うん ごめんね!」

山原小中学校

良子「お願いします。」

校長「はい。 じゃあ これ 300ドル。」

良子「ありがとうございます。」

校長「本当に 大丈夫?」

良子「はい。」

校長「そこまでして 妹さんを東京に?」

良子「はい。」

校長「いいネーネーだね。 妹さんは 足向けて寝れないな。」

良子「逆です。」

校長「逆?」

良子「最高の妹なんです。 いつもは つまらないことで ケンカばっかりしてますけど。」

校長「フフッ…。」

比嘉家
居間

良子「ただいま。」

歌子「お帰り。」

暢子「お帰り。」

良子「歌子 体調は?」

歌子「うん だいぶいい。」

寝室

良子「よし…。『暢子 このお金で 東京に行ってきなさい。』待って… おじさんたちが先?(せきばらい)『おじさん 借金の一部を返済します。 これで 暢子が どこで働いても 文句を言われる筋合い ありません。』」

良子「ケンカ売ってる? また怒られるかな?『暢子 これで 東京行ってきなさい。』うん いい感じ。」

暢子「何してるの?」

歌子「今日は何?」

暢子「フーチャンプルー。 ネーネー ごはん!」

良子「待って 今行く!」

居間

良子「おなかすいた~。 アイ フーチャンプルー?」

歌子「暢ネーネーの おいしいからねぇ。」

3人「頂きます。」

賢吉「こんばんは。」

和恵「ハイタイ! こんばんは。」

良子「おじさん おばさん。」

和恵「優子さんが 話があるって言うから。」

賢吉「あれ まだか。」

暢子「もう 帰ってくると思います。」

歌子「どうぞ。」

賢吉「おお…。」

暢子「フーチャンプルー 一緒に…。」

和恵「いや うちは食べてきたから。」

暢子「あっ でも 早く食べないと おいしくなくなるから。」

和恵「後で 炒め直せばいいさぁ。」

暢子「炒め直したら 麩が かたくなる。」

和恵「確かに おいしそうだね。 食べたら? 気にしなくていいよ。」

良子 暢子 歌子「頂きます。」

優子「ただいま。 アイヤー お待たせしてすみません。」

賢吉「あっ…。 ああ…。 先に食べろ。」

良子「おじさん あの 私…。 あの 実は…。」

優子「良子 今日は うちが大事な話があって 来てもらったわけ。」

暢子「大事な話?」

優子「おじさん おばさん 暢子を 東京に行かせることを 許してください。 お願いします。」

賢吉「また その話か…。」

優子「300ドルあります。 これを 借金の返済に充てます。 全然 足りないことは 分かっています。 ただ このお金は 今のうちが出せる 精いっぱいの誠意と思ってください。」

和恵「お金 どっからね?」

優子「共同売店の給料を前借りしました。 もっと 内職増やします。 市場で働く相談もしています。 借金は 必ず返します。」

暢子「だけど そんなに働いたら お母ちゃん…。」

優子「西洋料理 やりたいんでしょ? やりたいこと やっと 見つけたんでしょ?」

暢子「もういいよ お母ちゃん。 うちは もう 諦めた。」

優子「あんたが諦めても うちは諦めないよ! お願いします! 暢子を東京に! たった一度の人生 やりたいこと やらせてあげたいんです! このとおりです!」

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