ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「ちむどんどん」28話「はじまりのゴーヤーチャンプルー」

【 連続テレビ小説「ちむどんどん」】28話のネタバレです。

あらすじ

暢子(黒島結菜)は鶴見で沖縄県人会の会長・平良三郎(片岡鶴太郎)に救われ、紹介を受けて銀座のレストランへ。大城房子(原田美枝子)がオーナーを務める「アッラ・フォンターナ」だ。就職を希望する暢子は試験を受けることになる。その試験の内容とは…。その頃、沖縄やんばるの実家では、姉・良子(川口春奈)に想(おも)いを寄せる製糖工場の息子・喜納金吾(渡辺大知)から、衝撃の申し出が…。

28話ネタバレ

レストラン・フォンターナ
厨房

暢子「アキサミヨー。 ちむどんどんしてきた!」

二ツ橋「改めまして 料理長の二ツ橋です。」

暢子「比嘉暢子です!」

二ツ橋「早速 テストを始めます。 サラダを作ってください。 使っていいのは 塩 コショウなど ここにあるもの。 それと…。 このオリーブオイル。」

暢子「オリーブオイル! 昨日 初めて知りました!」

二ツ橋「制限時間は 10分。」

暢子「時間内に おいしいサラダが作れたら合格?」

二ツ橋「始めてください。」

暢子「はい!」

暢子「うん! フフッ。 出来ました!」

二ツ橋「いいの? まだ時間が…。」

暢子「食べてみてください! はい。」

長山「これは…。」

房子「出来た?」

二ツ橋「お願いします。」

暢子「お願いします。」

房子「合格。」

暢子「やった~!」

房子「このオリーブオイルは 香りも味わいも 爽やか。 その個性を生かした味付けが できています。 今まで 沖縄では どんなものを食べてきたの?」

暢子「おうちの畑で取れた野菜 海で 貝を拾ったり 山で 木の実や 草を取ってきて 食べてました。」

房子「水は?」

暢子「昔からの湧き水を飲んでましたよ。」

房子「味覚は悪くない。」

暢子「いや~ 意外に すんなり合格できて よかったです。 皆さん よろしくお願いします!」

房子「次のテスト!」

暢子「まさかやー! テストは 1回じゃないの?」

二ツ橋「得意料理を作ってください。 ここにある材料で作れれば 何を作っても構いません。 時間は 1時間。」

暢子「はぁ~! もう料理させてもらえるんですか? うわ~ ちむどんどんする! う~ん イタリア料理だったら…。 決めた!」

そのころ 比嘉家でも 大きな事件が起ころうとしていました。

比嘉家

賢吉「つまり もう一度 銀行から金を借り直し 全額 ボクシングジムの返済に充てる。 その保証人になってくれって?」

優子「本当に ご迷惑をおかけして 申し訳ありません。」

賢吉「良子 お前 いくつになった?」

良子「21です。」

賢吉「見合いしれ。 財産持ちの家との縁談を探してやる。」

金吾「失礼いたします。」

良子「何で?」

賢吉「社長 アイヤー! どうしたんです? お久しぶりです。 いつも お世話になっております。 何事です? まさか! 社長も この家に 金貸してるんですか?」

銀蔵「いや 今日は息子と ちょこっと ご挨拶に。」

賢吉「ご挨拶?」

銀蔵「ほら 金吾 改めて 皆さんに。」

金吾「良子さん お母さん 歌子ちゃん。 僕の父 喜納製糖工業株式会社 社長の 喜納銀蔵です。」

銀蔵「そうじゃなくて。『今度 善一さんから 正式な話が来ると思うんで その時には ひとつ よろしくお願いします』。 ああっ アキサミヨー。 お父さん 全部 説明してしまったじゃないか。」

優子「善一さんから?」

賢吉「正式な話?」

銀蔵「いや それはね また 善一さんから。」

金吾「お母さん! 良子さんを僕に下さい!」

良子「なっ…!」

金吾「良子さんとの結婚を 許してください!」

良子「何で 急にそんな話に。」

賢吉「本当ですか!?」

銀蔵「お前が 今 そこまで言ってしまったら 仲人をお願いした 善一さんの立場がなくなるじゃないか!」

金吾「必ず 幸せにします! 世界一周の 新婚旅行に行きましょう! お母さんや 歌子ちゃんのことも 自分の家族だと思って 大事にします! だから あの…。」

銀蔵「もういい!」

金吾「だから…。」

銀蔵「やめろ! とにかく 善一さんから 正式なお話が来ると思うので その時は ひとつ よろしく。 どうぞ お納めください。」

金吾「あの…。」

銀蔵「いいんだよ 金吾! ほら 金吾…。」

金吾「良子さん 人生に大切なものは ラブとピース! またね また来るよ…。」

良子「ありえん。 お母ちゃん 分かってると思うけど 今の話は…。」

賢吉「『渡りに船』『棚から牡丹餅』! こんないい話 なかなかないよ! 火野車から抜け出す 最後のチャンス!」

良子「おじさん…。」

賢吉「すぐ 決めれ。 金吾君 ああ いやいや… 社長さんの気持ちが変わらんうちに 結婚せ。」

良子「だけど…。」

賢吉「いるのか? ほかに 結婚を約束した男が。」

回想

石川「だから良子 俺と…。 け…。 沖縄の子供たちの未来を 一緒に 真剣に考えよう。」

回想終了

良子「今は まだ…。」

賢吉「なら 問題ない! いいか 良子。 結婚は 昔から 家と家のもの。 家族のために 豊かな家に嫁ぐの 悪いことじゃない。 とにかく 俺は 善一さんの所に行ってくる!」

優子「おじさん! はあ…。 良子 おじさんは あんな言ってるけど 仕事もあるし 何より 良子の気持ちが 一番大事だからね。」

良子「分かってる。 大丈夫。 ちゃんと考えて決めるから。」

レストラン・フォンターナ
厨房

暢子「おっ…。」

房子「これは?」

暢子「ナポリタンです!」

二ツ橋「ナポリタン?」

暢子「うちの得意な たった一つだけ作れる イタリア料理です!」

房子「とにかく 食べてみよう。」

暢子「おいしいですよね?」

二ツ橋「悪くないけど…。」

房子「不合格。」

暢子「まさかやー! 何で? どこが駄目なんですか?」

房子「二ツ橋さん。」

二ツ橋「まず ナポリタンは イタリア料理ではない。 日本人が独自に作った洋食。 ナポリには このような料理はありません。」

暢子「しんけん?」

二ツ橋「その勘違いは置いといても これは パスタとして不合格。 パスタは 基本的に 歯応えが心地いいもので このように 長くゆで やわらかくし過ぎない。」

二ツ橋「しかも あなたは 麺のゆで汁に 塩を入れなかった。 だから 下味がついてない。 炒める時も 具と麺の味付けにムラがる。」

房子「ご縁がなかったようね。 紹介者に よろしく。」

二ツ橋「もう一度 チャンスを与えるべきでは。 このテストは イタリア料理限定でなく ここにある材料で出来れば 何を作っても構わないテストのはず。」

暢子「アイヤー。 そうだったんですか?」

二ツ橋「彼女は ついうっかり イタリア料理を作らなければならないと 思い込んだ。 ナポリタンは イタリア料理ではないけど 作るのは 何度目?」

暢子「2回目です。」

二ツ橋「もう一度 ふだん作り慣れているもので テストしましょう。 そうしないと 本当の実力を 見極… め… ることが…。 すいません! 全て オーナーがお決めになること。 差し出がましく 余計なことを。 お許しください!」

房子「時間がないから 午後の賄いの時間で。」

二ツ橋「かしこまりました。」

暢子「ありがとうございます!」

暢子「ありがとうございます!」

二ツ橋「今度は得意なもの 何度も 作ったことがあるものを作りなさい。 お惣菜でも 何でもいいんです。」

暢子「はい!」

二ツ橋「さあ 仕事に戻りましょう。」

スタッフたち「はい。」

矢作「おい サラダ 水に戻してるよな。」

玉島「あっ まだです。 すぐやります。」

暢子「(心の声)『うちの得意な料理って? フーチャンプルー? ソーミン? でも イタリア料理の厨房には 麩も ソーメンもないし…。 材料は 何が…。』あの 一つ 質問いいですか?」

二ツ橋「はい。」

暢子「賄いの時間って 何ですか?」

山原村共同売店

(電話の呼び鈴)

優子「もしもし。」

暢子「お母ちゃん? 居てくれてよかった!」

優子「うちも ちょうど話したいことがあったわけ。 実は 良子のことなんだけどね…。」

暢子「アイッ あっ 待って!」

(ブザー音)

暢子「10円が…。 アイヤー。 ああっ アキサミヨー!」

優子「早く用件を言いなさい!」

暢子「うちが 一番得意な料理は何?」

優子「そんなことは どうでもいいから 用件を早く。」

暢子「だからさ それが用件…。」

(ブザー音)

暢子「ナポリタンは イタリア料理じゃなかったわけよ。」

優子「今 イタリアにいるわけ?」

部子「東京さ。 何 言ってるの?」

(ブザー音)

暢子「うちの得意な料理は 何?」

優子「そばでしょ。 お父ちゃんに習った そば。」

暢子「そばは 無理。」

(ブザー音)

暢子「イタリア料理のお店の食材で…。」

優子「何でイタリア? そこは 東京でしょ?」

暢子「だからよ…。 あった!」

暢子「お母ちゃん ありがとう!」

(電話が切れる音)

優子「暢子… 暢子!」

暢子「お父ちゃんのそば 作れるかも!」

レストラン・フォンターナ

(ドアベル)

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