ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「ちむどんどん」32話「ソーミンチャンプルーVSペペロンチーノ」

【 連続テレビ小説「ちむどんどん」】32話のネタバレです。

あらすじ

暢子(黒島結菜)はレストランでの厳しい連続勤務を乗り越えた。そして故郷から鶴見にやってきた幼馴染(なじみ)・砂川智(前田公輝)と再会。職場ではオーナーの房子(原田美枝子)に対して不満をため、とうとう対決することに…。沖縄では、姉・良子(川口春奈)が、友人の石川(山田裕貴)に、「別の人から求婚されている」と告げる。良子は石川に想(おも)いを寄せているが、石川が出した答えは…。

32話ネタバレ

沖縄料理店・あまゆ
店内

三郎「やんばるの 若い2人の未来に乾杯!」

一同「乾杯!」

健男「頑張ってや~!」

智「ありがとうございます!」

「チバリヨー!」

智「で 順調なのか? 暢子の仕事は。」

暢子「はあ~ 朝から晩まで ずっと立ちっ放し。 一度に いろんな仕事を 言いつけられて 沖縄の言葉を笑われたり…。 うちは もっと楽しく 仲よく働けると思っていたのに。」

智「まあ そんなもんだろう。 どの仕事も 最初は きつくて当たり前。」

暢子「何で そんな冷たい言い方するわけ?」

順次「冷たいんじゃなくて そういうものってことさ。」

三郎「順次は 本土に出てきて 最初 どんな仕事した?」

順次「19で出てきて 港で 一日中荷降ろし。 給料の仕組みも分からんまま 汚い6畳間に 5人押し込まれて 高い下宿代 取られて。」

「部屋 借りるのも 難しかった時代さぁ。 あのころは きつい力仕事のあと 三線の音に涙が出たわけよ。」

栄吉「俺も 年に一度の 沖縄角力大会だけが楽しみだった。」

(笑い声)

順次「苦労したのはよ ウチナーンチュだけじゃないよ。 田舎から働きに来た人は みんな大変だった 昔は。」

三郎「今も あんまり変わらねえらしい。 なあ 智。」

智「ここに来る前 大阪で1週間 働いてきたんです。 大阪までの汽車賃しか持ってなくて。」

暢子「どんな仕事したわけ?」

智「朝から晩まで 工場のい廃液運び。」

「すぐにもらえる仕事は どれもきつくて 危険なものばっかりだからね。」

智「それでも どうしても 東京に行きたかったから ジェッタイ負けるかってからに 歯食いしばって頑張ったわけよ。」

客たち「お~!」

(拍手)

智「心ヤサ! 心が 体動かすわけよ。」

玄関前

(ドアの開閉音)

三郎「いや~ 夜風が気持ちいいいや。」

暢子「正直 明日 仕事に行くのが   ちょっと 嫌になってました。 でも ちゃんと行きます。」

三郎「お父さんも 暢子ちゃんくらいの年の頃 ここで 同じように働いてた。」

暢子「本当ですか? うちのお父ちゃんが?」

三郎「似たような気持ちになったんじゃねえかな 今の暢子ちゃんと。」

暢子「たくさん 聞きたいことが あったのに…。」

多江「暢子ちゃん! こんばんは。」

暢子「こんばんは。」

多江「あっ これ 暢子ちゃん 好きって言ってたから。 シークワーサー!」

暢子「わ~! ありがとうございます! こっちでも取れるんですか?」

多江「うちの庭に植えてるの。」

暢子「デージうれしいです! フフッ…。」

三郎「じゃあ 帰るか。」

多江「えっ いいんですか?」

三郎「俺の役目は ここまでだ。 お休み。」

暢子「本当に ありがとうございます! お休みなさい。」

多江「お休みなさい。」

レストラン・フォンターナ
控室

矢作「人間 休むと気が緩むだろう? おし 今日こそ来ないに500円。」

桃木「おっ それ乗ります。」

玉島「俺も。」

矢作「バカ それじゃ賭けになんねえだろ。 お前 来るにしろ。 え~ 俺だけ?」

暢子「おはようございます! ホールの窓拭き 終わりました!」

桃木「ウソ…。」

矢作「もう来てたの?」

暢子「あっ はい! これ 鶴見でもらった シークワーサー。 よかったら 食べてみてください。」

矢作「シークワーサーって…?」

桃木「何すか これ。」

(ドアの開閉音)

玉島「このまま食えるんすかね?」

矢作「さあ…。」

厨房

矢作「おい パセコンやっとけよ。 分かってるから? パセリのコンカッセだぞ。 粗めのみじん切り。」

暢子「はい!」

二ツ橋「比嘉さん ビネガーとリモーネをこっちに。」

暢子「はい! どうぞ。」

二ツ橋「ありがとう。」

暢子「あの 次の野菜を入れるタイミングって どうやって決めるんですか?」

二ツ橋「野菜の汗を見る。 ほら。」

暢子「ありがとうございます。 通ります。」

二ツ橋「簡単には 辞めそうにないですね。」

長山「比嘉 手が空いたら こっち片づけ。」

暢子「はい!」

長山「ムーランは ウラでいいから。」

暢子「パセコン終わったら すぐやります!」

サンセットバーガー

良子「婚約してもいいのかなと 思い始めてるんです。 その人と。」

石川「おめでとう。 君が出した結論だろ。」

良子「婚約すれば こうして2人で会うことも 後ろめたくなります。」

石川「そうだね。」

良子「今日で最後 これで 終わりでいいんですか? 私は もっと博夫さんと 話し合いたいと思ってました。 沖縄の子供たちの未来 私たちの未来も。」

石川「君の決断を尊重し 新しい門出を祝福する。 お祝いに おごらせて。 もう一杯だけ。」

良子「失礼します。」

(ドアベル)

サンセットバーガー

マスター「はい クローズだよ。 石川先生 明日は学校お休みですか? ねっ 先生 アリ…。」

石川「ん…。」

マスター「もう クローズよ。」

石川「はい はい はい…。」

レストラン・フォンターナ
玄関前

暢子「ありがとうございました!」

ホール

「今日の賄いは カツ丼です。 油の温度と加熱時間を調節して 肉がやわらかくなるように工夫しました。」

房子「頂きましょう。」

スタッフ「頂きます。」

暢子「頂きます。 ん~! デージマーサン! 卵も ふわふわ~!」

矢作「うん うめえ。 今日のは合格だ。」

二ツ橋「そろそろ 肉に前菜担当 いけるんじゃないですか?」

房子「二ツ橋さんが よければ。」

(椅子から立ち上がる音)

「本当ですか!? ありがとうございます!」

厨房

暢子「賄いで合格すると いろいろ やらせてもらえるように なるんですか?」

矢作「今更 何言ってんだ。 賄いは ただの昼飯じゃねえ。 俺たちにとっては自分の腕前を披露できる いわば 昇級審査。」

暢子「まさか 本当ですか?」

矢作「まっ お前には まだ関係ないけどな。」

暢子「シェフ! うちにも 賄いを作らせてください!」

房子「駄目。 まだ早い。」

暢子「いつになったら やらせてもらえますか?」

房子「さあ 私がいいと思ったら。」

沖縄料理店・あまゆ

暢子「(房子のまねで)『さあ 私がいいと思ったら』。 うっ 思い出しただけでも わじわじーする!」

「フォンターナの大城房子 鼻っ柱の強い金の亡者って評判さ。」

「嫌な女らしいな。」

平太「俺も聞いたことあるよ。」

伸吾「俺も うわさ聞いた。」

暢子「アイ でも 三郎さんの知り合いなんですよね?」

三郎「まあな。 もとは県人会にもいたし。」

「沖縄二世だのに 成功したら県人会やめて 助け合いの精神も忘れた 人でなしさ。」

暢子「こうなったら 正々堂々 勝負を挑んでやる!」

健男「おっほっほ~い!」

平太「暢子ちゃん 行け!」

健男「どうする? 乾杯する?」

比嘉家

良子「ごちそうさまでした。」

優子「良子。」

良子「うん?」

優子「善一さんが そろそろ 気持ちを聞かせてくれないかって。 断っても構わないんだよ。」

賢秀「沖縄県民 やんばる比嘉家の皆様! 沖縄の一番星 みんなの賢秀様のお帰りヤサ!」

優子「賢秀!」

良子 歌子「ニーニー!」

優子「お帰り! 早く上がりなさい! すぐ ごはんに支度しようね。」

賢秀「うん。 ハッハッハ…。」

レストラン・フォンターナ

二ツ橋「改良したペペロンチーノです。」

長山「試食をお願いします。 大丈夫かと。」

房子「駄目。 バランスが悪い。 やり直し。」

二ツ橋「すいませんでした。」

暢子「待ってください。 うちも食べましたけど おいしいと思いました。」

房子「聞いてないから。 どいて。」

暢子「絶対に これでも大丈夫です。」

房子「大丈夫? あなたに何が分かるの? あと10年 一日も欠かさず 料理をやってから言いなさい!」

暢子「オーナーは 自分で料理しないくせに 偉そうです!」

矢作「あいつ…。」

暢子「みんな そう思っています。」

房子「みんな? 少なくとも あなたよりは うまくできると思うけど。」

暢子「じゃあ うちと勝負してください。 あの…。 ペペロンチーノを どっちが おいしく作れるか。」

房子「あなたと 私が?」

暢子「うちが勝ったら 賄いを作らせてください!」

房子「分かった。 あなたが勝ったら 賄い当番に入れてあげる。」

暢子「ありがとうございます!」

房子「ただし 負けたら…。」

暢子「負けたら?」

二ツ橋「オーナー…。」

房子「あなたは クビ。」

暢子「クビ!?」

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