【 連続テレビ小説「ちむどんどん」】35話のネタバレです。
あらすじ
暢子(黒島結菜)は、房子(原田美枝子)とのペペロンチーノ勝負に挑む。「負けたらクビ」の背水の陣。まず暢子が作ったペペロンチーノは、シェフの二ツ橋(高嶋政伸)らに好評だった。そして、房子の作ったペペロンチーノの出来は…。実家の沖縄では、良子(川口春奈)が石川(山田裕貴)と無事に結ばれることに。そして賢秀(竜星涼)は、再び実家を去り関東を放浪する中で、ある出会いを迎えることに。
35話ネタバレ
レストラン・フォンターナ
ホール
暢子「うちのペペロンチーノです。」
スタッフたち「頂きます。」
暢子は 房子との勝負の日を 迎えていました。
二ツ橋「うん よく出来てると思います。」
矢作「風味が独特だな。」
暢子「よかった~。」
房子「悪くない。 沖縄の島ニンニクを使ってるのね。」
暢子「アイヤー。 よく分かりましたね。」
二ツ橋「しまにんにく?」
暢子「よく母が作ってくれた ソーミンチャンプルーの味付けのコツを 応用しました。」
回想
優子「はい お待たせ。」
暢子「お母ちゃん 作り方教えて。」
優子「ちょっとした コツがあるわけさぁ。」
優子「これくらいね。」
回想終了
暢子「母のソーミンチャンプルーは 島ニンニクが 味の決め手だったんです。 島ニンニクを使うと 普通のニンニクとは違って 少し優しくて 新しい香りと辛みを 引き出せるんじゃないかと。 加減をあれこれ工夫して 試してみました。」
矢作「ソーミンチャンプルー?」
山辺「そーみん?」
暢子「うん。」
二ツ橋「確かに 新しい世界が 開けていると思います。」
暢子「ありがとうございます。」
二ツ橋「では オーナー お願いします。」
暢子「オーナーも 昔は 厨房で働いてたんですか?」
矢作「俺は ここで5年働いてるけど 見たことがない。 昔は 包丁一本で いつくも店を始めて 戦後の闇市では 伝説の人だったらしいけどな。」
暢子「闇市で イタリア料理のお店を?」
二ツ橋「いやいや 一膳飯屋から和食や中華 洋食と さまざまな料理をされて 後年 本場イタリアで 修業されたそうです。」
暢子「まさかやー!」
矢作「行ってみてえな イタリア。」
暢子「うちも 世界中のおいしいものを 全部 食べたい!」
房子「お待たせしました。」
二ツ橋「では…。」
房子「あっ ちょっと待って。」
二ツ橋「では 頂きます。」
スタッフたち「頂きます。」
暢子「頂きます。 んっ…。 デージマーサンヤー! おいしい!」
二ツ橋「絶品…。」
矢作「比嘉のとは 比べものになんねえ。」
暢子「うちも そう思います! どうして こんなに違うんですか?」
房子「料理の基本は 目の前の材料の魅力を 最大限引き出す そして 何より 食べる人のことを 第一に考えること。 ニンニクを丸ごと オリーブオイルで火にかけた。 そうすることで より それぞれの素材の味や香りが引き立つ。」
矢作「なるほど ニンニクをホールで… か。」
二ツ橋「オーナー 仕上げに かけていたものは?」
暢子「それは 分かりました! シークワーサーです。」
矢作「確か 比嘉が持ってきた。」
暢子「うん。」
房子「シークワーサー 正解。」
二ツ橋「仕上げに かんきつ類の皮を使うことで 爽やかな風味が出て 食後感が軽くなってます。」
矢作「そういえば 腹も楽になったような。」
房子「同じ料理を2度も食べれば 胃は疲れる。」
二ツ橋「なるほど。 食べる人のことを 第一に考えての工夫ですね。」
矢作「でも どうして 搾り汁じゃなくて皮を?」
房子「搾り汁だと 風味の主張が強すぎて トウガラシやニンニクのうまみが 薄まってしまう。」
暢子「アイヤー。 シークワーサーが ペペロンに使えるなんて 気が付かなかったさぁ! オーナーは 沖縄料理にも詳しいんですね。」
房子「たまたま 厨房にあったから 使わせてもらっただけ。」
矢作「今 目の前にある材料を最大限に生かす 柔軟な発想…。」
二ツ橋「材料と真摯に向き合う姿勢 食べる人への心配り お見事としか 良いようがありません。」
暢子「デージマーサン。 早く こんなのを作れるようになりたい。 これに比べたら うちのは 底が浅いというか…。 お代わり いいですか?」
房子「どうぞ。」
矢作「まさかやー…。」
暢子「このおいしさには デージ感動です。 皆さんも そう思いますよね?」
矢作「お前 分かってる? 負けを認めるとってことは…。」
暢子「アイヤー! であるよね。 あまりのおいしさに つい…。」
房子「約束は約束です。 さようなら。」
暢子「待ってください! ここで 働かせてください!」
房子「負けたらクビでもいいと言ったのは あなたでしょ?」
暢子「負けるとは 思ってなかったんです…。 うちが間違っていました。 ごめんなさい! お願いだから クビにしないでください! 何でもします。 お願いします!」
房子「条件がある。」
暢子「何でも言ってください。」
房子「これから先 何があっても泣かないこと。」
暢子「はい。」
房子「それと 私に対して 質問や口答えを 一切しないこと。」
暢子「はい。」
房子「それと…。」
暢子「あっ あっ…。 ちょっと待ってください。 メモします。『なかない しつもん くちごたえしない』。」
房子「私の命令は 絶対。」
暢子「『めいれいは ぜったい』。」
房子「守れる?」
暢子「守ります!」
房子「二ツ橋さん。」
二ツ橋「はい。」
房子「比嘉さんの仕事に 検品と伝票管理も加えて。 それと 賄い当番のシフトにも 入れておいて。」
暢子「まさか! 本当ですか? やった~! あっ… うちからも 一つ お願いしていいですか?『暢子』と 名前で呼んでください。」
矢作「何で?」
暢子「ずっと そう呼ばれてて 東京に来て 初めて『比嘉』と呼ばれて 何か なじめなくて…。 わがまま言って すいません お願いします。」
二ツ橋「オーケーが出ました。」
暢子「えっ? 今の オーケーの顔? 何で分かるんですか?」
二ツ橋「暢子さん 改めて よろしくお願いします!」
暢子「こちらこそ よろしくお願いします。」
こうして 暢子は賄いを作って 自分の実力をアピールする日々を 送ることになりました。
厨房
暢子「ん~っ!」
江川「比嘉。 じゃなくて暢子。」
暢子「んっ?」
江川「ムーラン取ってきて。」
暢子「分かりました!」
ホール
賄いの時間
暢子「本日の賄い うちが作りました。 カレーライスです。」
房子「頂きましょう。」
スタッフ「頂きます。」
二ツ橋「うん よく出来てる。」
暢子「ルーのスパイスも 自分で調合しました。」
玉島「この肉 やけにうまいな。」
桃木「味のバランスもいい。」
二ツ橋「オーナー いかがですか。」
房子「うん。」
暢子「ありがとうございます!」
暢子「ん~!」
玉島「はあ うまかった。」
矢作「しかし 賄いの予算内で よく こんな肉 買えたな。」
暢子「えっ? お肉は 冷蔵庫にあるものを。」
矢作「はあ?」
桃木「えっ もしかして 冷蔵庫の2段目の 牛肉の肩ロース…。」
暢子「あっ はい それです! ちょうどいいなと思って。」
長山「あれは 今夜のメイン用の肉だぞ。」
暢子「まさかやー! 本当ですか?」
矢作「おいおい。」
玉島「どうすんだよ。」
暢子「ごめんなさい!」
房子「ごちそうさま。」
二ツ橋「暢子さん 以後 気を付けてくださいね。」
暢子「はい。 本当に 申し訳ありませんでした。」
矢作「肉のことは差し引いても 暢子のカレー うまいな。」
山辺「ねっ お代わり。」
玉島「確かに。」
江川「俺も。」
暢子「えっ?」
桃木「俺も。」
玉島「俺も。」
暢子「えっ?」
暢子は フォンターナの料理人として ようやくスタートラインに 立つことができたのです。
半年後
比嘉家
上京後 初めて暢子は 沖縄に帰りました。
安室「東京のにおいがするよ。」
新垣「アイ 来たよ。」
善一「皆さん お待たせしました!」
(拍手)
良子が結婚し この日 山原村で お披露目が行われました。
「良子 きれいヤッサー。」
「おめでとうだ!」
「見事 見事!」
「こっち こっち こっち!」
暢子「ネーネー デージきれい!」
歌子「幸せになってね。」
良子「ありがとう。」
暢子「それにしても ニーニーは どこに行ったのかね?」
賢秀「『全略(ぜんりゃく) 良子。 結こんおめでとう! いつかは 明惑(めいわく)かけてごめんな。 俺は今、 ひたすらに 反せいの日々を送っています。 そして みんなの暮らしを薬(らく)にするため ビッグなビジネスの順(じゅん)びを ちゃくちゃくと進めています。 遠い空の下、良子の幸せを祈りながら。 またやーさい』。」
寛大「おい あんちゃん。 何で こんなとこで食ってんだよ。」
賢秀「別に 何かちょっと 懐かしくて。」
寛大「懐かしい? 豚が?」
(豚の鳴き声)
沖縄料理店・あまゆ
店内
順次「おお…!」
暢子「お土産です!」
トミ「ありがとう。」
順次「ニフェーデービル。」
トミ「頂きます。」
暢子「アイ 智のは…。」
智「結婚式は りょ… 良子 きれいだったか?」
暢子「最高さ~! 智にも よろしくって。」
智「次は 俺なんかの番だな。」
暢子「うん? 何?」
智「暢子…。」
(戸が開く音)
三郎「外 降ってきたぜ。」
暢子「ん?」
玄関前
暢子「うわ~! これが 雪? あ~ すごい! あっ…。 すぐなくなる!」
智「暢子 興奮し過ぎ! ただの雪だろ!」
三郎「初めての時は みんな こんなもんだ。」
暢子「アイ 智 雪が積もったら 一緒に 雪だるま作って 雪合戦もしようね!」
智「ガキヤッサー!
暢子「デージきれい…。 ちむどんどんする~。」