ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「ちむどんどん」37話「再会のマルゲリータ」

【 連続テレビ小説「ちむどんどん」】37話のネタバレです。

あらすじ

暢子(黒島結菜)は勤め先のイタリア料理店で、オーナーの房子(原田美枝子)から突然クビの宣告を受ける。そして、「それがいやだったら、ある場所で働いて評価を得てくること」と言われる。新しい職場に挑んだ暢子は、そこで子供の頃に沖縄で交流した青柳和彦(宮沢氷魚)と再会を果たす。その頃、沖縄の実家では、歌子(上白石萌歌)が、新人歌手発掘のオーディションを受けたいと思い…。

37話ネタバレ

東洋新聞
学芸部

野中「ボーヤさん。」

暢子「あっ すいません。」

暢子「ただいま… あっ あっ あっ!」

野中「あっ…。」

暢子「あっ… すいません。」

東洋新聞で ボーヤさんをすることになった暢子。

竹園「ボーヤさん。」

暢子「はい。」

「ボーヤさん。」

暢子「はい。」

竹園「仕分け 終わった?」

暢子「アイッ はがき! 政治部に…。」

竹園「政治部?」

暢子「あっ アガッ! うう…。」

田良島「だから そこは 滑るから気を付ける。 打ち身なら 4階の医務室で湿布もらえる。 急がないと あと5分で 先生が 飯食べに行っちゃうよ。」

ここで ボーヤさんとして 評価を得ること それが 暢子のフォンターナ復帰の 条件なのです。

野中「ボーヤさん 昭和34年から36年までの 3月の縮刷版 持ってきて。」

暢子「はい! 昭和…。」

暢子「よいしょ。 アガッ!」

竹園「気を付けろ!」

暢子「すいません。」

竹園「すいません。 先生 どうぞ。」

淀川「アッガ。」

暢子「お待たせしました。 お待たせしました。」

(電話の呼び鈴)

「ボーヤさん 電話!」

暢子「あっ…。 はい もしもし…。 あ~ 田良島さんは 今 お昼休みで。 はい… すいません。」

野中「身内に『さん』は付けない。」

暢子「あっ そっか… すいません。 あっ 今 電話がありましたよ。 田良島! 今 電話が。」

田良島「誰から?」

暢子「アイ 聞いてない…。 ごめんなさい。」

暢子「お宅の会社に 2時に行くと うちの会社の担当は言ってました。 はい さようなら。」

田良島「お宅の会社じゃんくて『御社』 うちの会社は『弊社』。 行くじゃなくて『伺う』。」

暢子「アイヤー 田良島さん ちょっと待って。 もう一回 お願いします。」

田良島「言ってましたじゃなくて『申しておりました』。 田良島さんじゃなくて 田良島様。」

暢子「『たらしまさま』…。」

田良島「いや それ 書かなくていいから。 ハハハハ…。」

暢子「はい?」

暢子「おんしゃ おんしゃ へいしゃ へいしゃ おんしゃ へいしゃ…。」

レストラン・フォンターナ
オーナー室

房子「すみません わがままなお願いを。」

田良島「とんでもない。 弊社学芸部にとって オーナーは 貴重なブレーンですから。」

房子「でも 想像以上に世間知らずでしょ? あんなんじゃ 使いものにならなから クビにしようと思ったんですけど。」

東洋新聞
学芸部

田良島「真面目で 正直で 明るくて 人柄は 100点満点。 オーナーが期待されるのも納得です。」

野中「なあ ボーヤさん。」

暢子「はい。」

野中「ここに置いといた原稿 どうした?」

暢子「えっ 何の原稿ですか?」

野中「戦後経済の連載。 ここに置いといたんだよ。」

暢子「えっ? 机の上は紙だらけだし。 はぁ… どれがどれだか。」

野中「さっき この辺り 片づけてただろ? おい どうすんだよ? 締め切り近いんだよ!」

和彦「これですか? これ。」

野中「これこれ!」

和彦「こっちのデスクに 紛れてました。」

野中「えっ… そっか。 ごめんごめん。 俺のうっかりだった。」

和彦「あの 沖縄の戦後経済についても 触れていましたが ドッジラインと B円についての解釈は 間違ってると思います。 それに B円には硬貨がなく 全て紙幣でした。」

野中「読んだの?」

和彦「すいません。 気になって。」

田良島「青柳は 沖縄に詳しいからなあ。」

暢子「あおやぎ? 沖縄?」

田良島「おお この春 学芸部に来た 青柳和彦。 取材で北海道に行ってたから 会うのは 初めてだな。 で こちらは 比嘉暢子さん。 沖縄出身。 世話になってるイタリア料理店に オーナーの紹介で 今 アルバイトに来てもらってる。」

和彦「もしかして…。」

回想

暢子「食べる?」

和彦「要らない。」

和彦「いつか 東京に来いよ。 おいしいもの 世界中のうまいもの 食べさせてやるからな!」

回想終了

暢子「まさかやー! しんけん? 和彦君?」

和彦「やっぱり 暢子!?」

暢子「はっさ! 和彦君!」

和彦「アハハッ 懐かしいな。」

暢子「和彦君も 何か 立派になったね~!」

和彦「そうかな?」

暢子「うん。 デージ 似合ってる!」

和彦「本当? よかった。」

廊下

和彦「ここの食堂のカレーがさ 絶品なんだよ。 卵の黄身が上に のってて…。 すっごい おいしいの。」

愛「和彦!」

和彦「あっ 愛。 ちょうどよかった 紹介するよ。」

愛「うん。」

和彦「比嘉暢子。 ほら 昔 沖縄で…。」

愛「あっ 山で 木の実や草を食べてた女の子?」

和彦「そうそう やんばるの。」

愛「アハハ。 暢子さんの話 何回も聞いてました。 初めまして 大野 愛と申します。」

暢子「比嘉暢子です。」

和彦「今から食堂。 どう? 一緒に。」

愛「ごめんなさい。 私 締め切りが。」

和彦「大変だな。 じゃあ また。」

愛「うん。 あっ ちょっと待って。」

和彦「ん?」

愛「この柄 すごくいいけど シャツは 薄い青系の方が合うかしら?」

和彦「いや 青いシャツで取材には行けないだろ。」

愛「あら シャツが 取材するわけじゃないでしょ? 固定観念に縛ら過ぎると 時代に乗り遅れるわよ。 暢子さん また。」

愛「ご苦労さまで~す。」

和彦「行こう。」

暢子「あっ うん。」

和彦「本当に おいしいんだよ。」

暢子「へえ~ ほかには何があるの?」

山原村共同売店

歌子「あっ…。」

沖縄料理店・あまゆ

暢子「アイ ちょうどよかった。 歌子 聞いて。 ビッグニュース。 うち 和彦君と再会した!」

歌子「あっ あの和彦君!? 何で? 暢ネーネーの働いてるレストランに 来たわけ?」

暢子「レストランには… 来てない。」

歌子「なら どこで?」

暢子「どこでって… 道で偶然! うん。 それより 相談って?」

歌子「あ… うん。 うち 歌手のオーディション 受けてみようかと思って。」

暢子「オーディション? 就職したくないわけ?」

山原村共同売店

歌子「別に 就職が嫌なわけじゃないけど ただ このまま 何もできないまま 高校を卒業するのは 嫌だなと思って。」

暢子「お母ちゃんや ネーネーには?」

歌子「まだ 誰にも言ってない。 暢ネーネーなら 分かってくれると思って。」

暢子「何で?」

歌子「うちも 暢ネーネーみたいに 挑戦してみたいわけ。 暢ネーネーは 東京どぇ コックさんになる夢をかなえたさぁ。 良子ネーネーは 幸せな結婚して もうすぐ お母さんになる。」

歌子「うちは 体も弱いし 家でも 何の役にも立ってないし 取り柄と言ったら 歌くらいしかないから だから…。」

暢子「分かった。 応援する。 でも お母ちゃんには 言っておいた方が いいと思うよ。」

歌子「であるよね。 そうする。 ありがとう。」

暢子「じゃあね。 バイバイ!」

沖縄料理店・あまゆ

順次「別に 本当のこと 言ってもいいんじゃない? 新聞社のアルバイトは 短期間でしょ?」

トミ「また すぐ レストランに戻れるんでしょ?」

暢子「妹に言えば お母ちゃんにも伝わるし 心配かけたくないさぁ。 大丈夫 さっさと 新聞社の仕事を終わらせて フォンターナに戻ったら 全部 報告します! フフフッ…。」

あまゆ2階・ゴーヤー

暢子「あ~…。 ん~ よく寝た~! ようやく休みヤッサー!」

ヒロシ「シュワッチ シュワッチ!」

暢子「ん?」

ヒロシ「おい 怪獣!」

「おっ!」

ヒロシ「シュワッチ シュワッチ!」

暢子「ヒロシ!」

ヒロシ「シュワッチ シュワッチ! シュワッチ!」

暢子「ん? 何?」

ヒロシ「暢子隊員 怪獣が来ます!」

暢子「怪獣!?」

和彦「ガオーッ!」

暢子「おおっ!」

ヒロシ「来たな シーサー怪獣! 必殺ビーム! ビビビビ…!」

和彦「ギャ~!」

ヒロシ「行くぞ とどめ キック!」

和彦「あっ いってえ!」

暢子「えっ 大丈夫ですか?」

和彦「すいません…。」

暢子「ハッ…。」

和彦「あっ…。」

暢子「何で ここに!?」

和彦「暢子こそ。」

順次「紹介しとこうね。 青柳和彦君。 うちの新しい下宿人。 仲よくしてね。」

暢子「まさかやー! しんけん?」

和彦「ああ… この辺りで部屋探してたら『貸間あり』の張り紙を見つけて。」

愛「和彦 ごめん 遅くなって。」

和彦「悪いね。 休みの日にわざわざ。」

愛「ううん。 あれ? 何で暢子さんがいるの?」

和彦「たまたま 同じ下宿だったんだ。」

愛「えっ。」

暢子「誰?」

和彦「あっ 昨日 新聞社で紹介した 大野 愛。」

愛「うん。」

暢子「あ~っ 愛さん! おしゃれ~!」

和彦「愛は ファッション担当の記者を 目指してるんだ。 ファッションの記事を通じて 女性の地位や立場の向上も 訴えていきたいんだって。」

暢子「アイ 座って。」

和彦「うん ありがとう。」

愛「へえ~ アーケードの屋根が見えるのね。 ふ~ん。 でも 鶴見に下宿すること お母様は 反対なさったんじゃない?」

和彦「母は母 僕は僕。」

暢子「あっ そうだ。 お父さんは? 元気?」

和彦「亡くなったんだ。 東京に帰って しばらくして病気で。」

暢子「まさかやー…。」

ヒロシ「シュワッチ シュワッチ! 来い 怪獣!」

和彦「おっ! ガオー! ガーッ!」

ヒロシ「シュワッチ シュワッチ!」

沖縄料理店・あまゆ

智「でも 驚いた! まさか あの和彦が 暢子と同じ下宿に 住むことになるとは。」

和彦「ねっ。 いや~ でも 僕にとって やんばるで過ごした夏は 特別で 人生で 一番の思い出なんです。」

三郎「10年ぶりの再会か。」

暢子「は~い。 お待たせしました~。」

健男「お~!」

暢子「は~い じゃ~ん!」

三郎「さあ 料理もそろった。 改めて 乾杯だ。」

智「暢子 こっち。」

健男「ヒロシ こっち…。」

三郎「それでは 和彦君 愛さんも ようこそ リトル・オキナワへ。 乾杯!」

一同「乾杯!」

和彦「よろしくお願いします。」

暢子「乾杯。」

愛「これが 沖縄料理?」

暢子「こっちが フーチャンプルーで。」

暢子「こっちが ラフティー。」

愛「頂きます。 ん~ おいしい!」

暢子「よかった~。」

和彦「何て言うんだっけ ほら デージ マーサン。」

智「何で そんな発音になるわけ?」

(笑い声)

和彦「合ってるでしょ?」

智「和彦は 何で新聞記者になったのか。」

和彦「ああ。 まあ もともと書くことが好きだったし 地方の文化に興味があって。」

暢子「地方の文化?」

和彦「うん。 最近の新聞は 大都市の事件や流行ばかり 取り上げる傾向にあるけど 僕は もっと 地方の暮らしや 生活様式の移り変わりを 見つめるような仕事をしたいと 思ってるんだ。」

智「やっぱり 昔から 頭がいいよ 和彦は。 よし 飲め!」

(笑い声)

和彦と 鶴見で再び出会った暢子。 どんな日々が 待っているのでしょうか。

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