ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「ちむどんどん」42話「てびち!てびち!てびち!!」

【 連続テレビ小説「ちむどんどん」】42話のネタバレです。

あらすじ

暢子(黒島結菜)は房子(原田美枝子)に命じられて、とある飲食店の立て直しにでむくことに。それは、イタリア料理の店ではなく、なんと、屋台のおでん屋さんだった…。暢子はびっくりするやら、がっかりするやら…。その頃、やんばるの優子(仲間由紀恵)たちは、フォンターナのオーナー、房子について驚きの事実を発見する。そして怪しい商売を始めた賢秀(竜星涼)が暢子のもとに現れる。

42話ネタバレ

おでん屋台

ヨシ「ヨッコイショウイチ。 ああっ はあ…。 寒くなると 腰の神経痛が…。」

暢子「ヨシさん 何で屋台を始めたんですか?」

ヨシ「オイルショックのあおりで 去年 息子の勤め先が潰れてね。 今 職安に通ってるけど せめて 自分の食いぶちぐらいは 稼がなきゃと思って。」

暢子「おでんを選んだ理由は?」

ヨシ「これ 安く譲ってもらえたし おでんなら簡単だと思ったけど 甘かった。 房子さんには さんざん世話になったのに また 助けてもらうことになって。 頼りにしてるよ。」

回想

房子「その店を黒字にしなさい。 1週間続けて黒字になったら 合格。」

暢子「万が一 黒字にならなかったら?」

房子「よろしくね。 頑張って。」

回想終了

男性「はあ おなかすいたなあ。 早く どっかで食いに行こうぜ。」

男性「どこに 食いに行きます?」

暢子「いらっしゃいませ おでんいかがですか?」

男性「あっ あっちの方にいい店あったんですよ。」

男性「あっ そう。」

ヨシ「あ~…。」

暢子「ヨシさん 一つ 重大な告白してもいいですか?」

ヨシ「ん?」

暢子「うち 生まれてから一回も おでんを食べたことがないんです。」

ヨシ「アッと驚く為五郎~ ハッハッハ。 何!? おでんは 関東煮とも いわれている。」

ヨシ「いろんな具材を カツオ節と昆布でとって しょうゆで味付けした出汁で 2~3時間ほど 静かに煮る。 タネの王道は 大根 卵 昆布 はんぺん ちくわ 練り物や揚げ物は その店の 独自の作り方で。 まず 食べてみて。」

暢子「頂きます。 ん~。 マーサンヤー。 デージ味がしみてて おいしい!」

ヨシ「何で 売れないんだおうね。」

暢子「確かに。」

ヨシ「今夜から この屋台ごと あんたに貸すから。」

暢子「えっ ちょっと待ってください。 全部 うち一人で? 味付けも?」

ヨシ「ヨッコイショウイチ。 房子さんが 万事 あんたに任せていいって。 店が繁盛するようになったら あんたから 作り方を教えてもらう。 腰の調子がよければ たまに顔出すよ。」

暢子「えっ?」

ヨシ「じゃあ 頼んだよ。」

暢子「あっ… ちょっと待って。」

ヨシ「あっ 屋台の取り扱いとか 引き継ぎは ノートにまとめといたから そこの棚ね。 じゃあ 頼んだよ。」

暢子「待って 待って! もし この屋台が繁盛しなかったら?」

ヨシ「あたしゃ 首くくるしかないね。」

暢子「そんな…。」

ヨシ「そしたら 毎晩 あんたの枕元に 化けて出てやる。 ハハハハ…! 恨めしや~。 ヒュ~ ドロドロドロ…。」

沖縄料理店・あまゆ

多江「私の場合 辛口の日本酒を多めに加えて 煮干しとシイタケも たっぷり入れるんだけどね。」

暢子「ん~ マーサンヤー。」

トミ「おいしい。 このまま 屋台で出しても いいんじゃない?」

暢子「うん!」

多江「そうは いかないと思う。」

暢子「んっ どうしてですか?」

多江「これは あくまで うちの味。 それに 家の中で食べる 家庭料理のおでんと 外の屋台で食べるおでんでは きっと 何か違うはず。 暢子ちゃんは 暢子ちゃんなりのやり方を見つけて。」

暢子「なるほど。 うちのやり方か…。 お出汁 お代わりください。」

多江「はいはい。」

トミ「だけど 何で 暢子ちゃんが いきなり おでん屋台を?」

暢子「そうなんですよ。」

(戸が開く音)

賢秀「おっ 暢子!」

暢子「ニーニー。」

賢秀「出た 出た 出た! ちゃんと 出てたぞ!」

トミ「えっ 見せて 見せて。」

賢秀「ほれ! うい!」

トミ「あ~ いた! 暢子ちゃん!」

順次「本当だ!」

賢秀「仏頂面してからに。」

暢子「だって うち 急に振られたんだのに…。」

比嘉家

歌子「『美食家たちから 高い評価を受ける名店【アッラ・フォンターナ】の女性オーナー 大城房子さん』。」

優子「えっ!?」

歌子「どうしたわけ? この人 知ってるの?」

沖縄料理店・あまゆ

暢子「もしもし お母ちゃん?」

優子「暢子 びっくりしないで 落ち着いて 聞いてね。」

暢子「どうしたわけ?」

優子「あなたが 今 働いてる店のオーナー 大城房子さんなんだけど…。」

暢子「うん。」

優子「うちたちの 親戚であるわけよ。」

暢子「まさかやー! オーナーが 親戚?」

優子「お父ちゃんの叔母さん。 覚えているでしょ。 お父ちゃんが 亡くなった時 子供を1人 引き取ってもいいって 手紙をくれた。」

回想

和恵「賢三の叔母?」

賢吉「4人のうち誰かを 東京で 引き取ってもらえるっちゅうことか。 いい話じゃないか。 1人でも大助かりだろ。」

回想終了

暢子「あの時の 東京の叔母さん!?」

優子「うちも 雑誌に出てた名前を見て びっくりしたわけよ。」

暢子「そうか そういうことか…。」

優子「んっ 何?」

暢子「いろいろ確認したら また連絡する。 じゃあね。」

優子「あっ…。」

比嘉家

優子「切れた。」

歌子「ああ…。」

沖縄料理店・あまゆ

順次「お父さんの叔母さん ということは 暢子ちゃんにとっては 大叔母ということヤサヤ。」

トミ「それは びっくりして当然だよね。」

順次「ああ。」

賢秀「待てよ。 そのオーナー 大城房子には 旦那も子供もいないって言ってたな?」

暢子「うん。 何で?」

賢秀「ということは レストランの店と土地 大城房子の財産を相続するのは…。」

暢子「ニーニー 何考えてるわけ?」

賢秀「お前だって 謎が解けて 喜んでただろう。」

暢子「うちが喜んだのは 親心と分かったからさぁ。」

賢秀「親心?」

暢子「オーナーが 今まで うちに厳しくしていたのは 全部 親心。 うちのことを 娘のように思って かわいくて 立派な料理人に育てたくて 新聞社に修業に出したり 今回も 屋台を任せたわけ。」

賢秀「であるかな?」

暢子「うん。 とにかく オーナーの期待に応えるためにも 何が何でも 売れるおでんを作って あの屋台を 立て直さんとヤッサー!」

賢秀「よし 暢子 頑張れ~!」

おでん屋台

暢子「ど~ん!」

和彦「暢子…。」

暢子「ん?」

和彦「これは 何?」

暢子「うちなりの いわば イタリア風のおでん。」

暢子「この 緑のソース サルサ・ヴェルデを た~っぷりとつけて 食べてください。」

和彦「頂きます。」

愛「頂きます。」

田良島「頂きま~す。」

愛「ん~! うん おいしい。 おでんを イタリア料理に しちゃうなんて 斬新!」

暢子「新しい発想でしょ?」

愛「うん。」

暢子「これが うちの個性と 工夫だと思うわけ。 和彦君は? 田良島さんは どうですか?」

田良島「う~ん… そうだね。」

和彦「うん…。 まあ…。」

和彦 田良島「うん…。」

賢秀「暢子!」

暢子「ニーニー!」

賢秀「よししょ! 俺も ここで商売したら 人が集まって 一石二鳥 ! どんなか? 商売繁盛させてるか?」

和彦「賢秀?」

賢秀「ん? 青柳和彦?」

和彦「賢秀だ!」

賢秀「和彦!」

2人「お~!」

賢秀「元気だったか?」

和彦「元気 元気…。」

賢秀「お~!」

和彦「痛い 痛い 痛い…。」

暢子「田良島さん 愛さん うちのニーニーです。」

愛「はぁ…。」

賢秀「チュラカーギーだなぁ…。 和彦君のお友達?」

暢子「はい。 ただのお友達じゃないよ。」

賢秀「えっ あっ…。」

暢子「離れて 離れて。」

賢秀「おっ おっ…。」

賢秀「あっ! 皆さん これ どうぞ。 はい。 これ どうぞ。」

田良島「これは?」

賢秀「(せきばらい)紅茶豆腐です。 豆腐の成分を ゼリー状の塊にして 紅茶に凝縮。 万病に効く 最高の健康食品!」

田良島「え~ 何か ものすごく…。」

和彦「うさんくさい。」

賢秀「何!?」

男性「いい匂いだなあ~。 おでんでも 食ってくか。」

男性「ああ。」

暢子「いらっしゃいませn。」

男性「おお。 おっちゃん2人 いけるかな?」

暢子「はい!」

暢子「お待たせしまた~。」

2人「お~!」

男性「珍しいなあ。」

男性「こんなおでん 初めて見たよ。」

暢子「ありがとうございます。」

賢秀「ご一緒に 紅茶豆腐もいかがでしょう? ねっ 紅茶豆腐。 飲めば 必ず元気が出る! 最高の健康食品ですよ。」

男性「座れるかな?」

男性「変わったおでんだね。」

暢子「あちらのテーブル席でも よろしいですか?」

男性たち「ああ。」

賢秀「どうぞ どうぞ。」

賢秀「グレイト… ビジネス…。」

暢子「ニーニー 起きて! みんな帰ったし そろそろ閉店だよ!」

房子「まだ いい?」

暢子「オーナー! じゃなくて… おばさん。」

房子「おばさん?」

暢子「お父ちゃんの叔母で うちの大叔母にあたる人だって 聞きました。」

房子「聞いちゃったんだ。」

暢子「何で 教えてくれなかったんですか?」

房子「どこの出身とか 誰の親戚とか 一切 関係ない。 大切なのは 料理人としての実力。」

暢子「分かってます。」

暢子「このおでんを食べて うちの実力を見極めてください。」

暢子「どうぞ。」

房子「ごちそうさま。 お代は ここに。」

暢子「えっ? 何で? えっ!? え~っ!?」

レストラン・フォンターナ
ホール

賄いの時間

二ツ橋「あ~ ごちそうさまでした。 暢子さん どうしました?」

暢子「すいません うちのニーニーが…。」

賢秀「お~! 立派 立派! ハハッ。 皆さん 初めまして。 いつも 妹が 大変お世話になって…。 いた! おばさん! 初めまして。 あなたの甥の 賢三の息子の比嘉賢秀です。 早速ですが…。 この紅茶豆腐 おばさんの店で売ってもらえません?」

房子「あなた ここで何してるの?」

暢子「すぐ おでんの仕込みに戻ります。 昨日 たくさんお客さんが 来てくれたんです。」

房子「客足は すぐ途絶える。 もって あと数日。」

暢子「まさか どうして?」

房子「自分で考えられないんだったら 料理人なんて 辞めちゃいなさい。 あの屋台を立て直せなかったら あなたは クビ。」

暢子「(心の声)クビ…。」

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