ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「ちむどんどん」44話「てびち!てびち!てびち!!」

【 連続テレビ小説「ちむどんどん」】44話のネタバレです。

あらすじ

暢子(黒島結菜)は、おでん屋で働く中で、フォンターナのオーナー、房子(原田美枝子)の秘められた過去を知ることになる。その頃、賢秀(竜星涼)は手を染めていた怪しげな飲料を売るビジネスが急展開…そして、思わぬ結果を迎えることに。おでん屋の立て直しに苦戦していた暢子は、料理の基本を大事にすることを痛感して、賢秀と過ごす中で苦境を打開する大きなヒントを手にする。

44話ネタバレ

おでん屋台

ヨシ「あの人がいなかったら あたしら親子は どうなってたか。 房子さんと出会ったから 今日まで生きられたんだ。」

暢子「何があったですか?」

ヨシ「鶴見の空襲で 夫を亡くして 息子と2人で 終戦を迎えた。 息子が 腹をすかせて泣いても 何も食べさせてやれなくてね。」

回想

1946年(昭和21年)冬

房子「待ちなさい!」

タケシ「おなかが減ったよ!」

ヨシ「すいません。 うちの子です。 許してください! ごめんなさい!」

ヨシ『それが 房子さんとの出会いだった。』

ヨシ『房子さんは 黙って あたしらに おでんを食べさせてくれてね。 あの時のおでんの味 忘れられないね。』

回想終了

ヨシ「房子さんは 仕事まで世話してくれて…。」

暢子「でも 何でオーナーは そこまで ヨシさん親子のことを?」

ヨシ「似たような境遇だったから… かな。」

暢子「似たような?」

ヨシ「あの人も空襲で たった一人の妹を亡くして。」

暢子「オーナーには 妹さんがいたんですか?」

ヨシ「何も知らないのかい? 親戚なんだろ?」

三郎「戦前に 二親は亡くしてた。 その妹は たった一人の家族だった。」

暢子「そうだったんですか…。」

比嘉家

優子「お父ちゃん。 暢子が 房子さんの所で お世話になっているって。 不思議な縁だねぇ…。」

おでん屋台

暢子「たった一人で ずっと…。」

賢秀「どんなか? 相変わらず はやってないわけか?」

暢子「ニーニー…。」

賢秀「(小声で)ほれ。 いいから! ここだけの話 もうすぐ 紅茶豆腐の テレビコマーシャルが バ~ンと流れる。」

暢子「まさかやー。」

賢秀「紅茶豆腐は 売り切れ続出で 値段が上がる! その前に 家族に 分けてやろうと思って。 ほれ! いいから さっさと片づけれ。 俺の会社に 連れていってやるから。」

我那覇のアジト

賢秀「アゲ? アキサミヨー!」

暢子「どうしたわけ? ニーニー?」

沖縄料理店・あまゆ

我那覇「『賢秀副社長へ 身内に不幸があり しばらく 東京を離れる。 ビジネスは 中断せざるを得ない。 君から預かった金は しばらく 貸しておいてくれ。 我那覇』。」

暢子「好きでしょ? 足てびち。 余りものだけど。 だまされたわけ?」

賢秀「違う!」

暢子「我那覇さん お金預かったまま いなくなったってことでしょ?」

賢秀「またか…。 今度こそはって 思ってたのに…。 俺は いつになったら 母ちゃんに 恩返しできる?」

暢子「まさか… また お母ちゃんから お金?」

賢秀「そのお金 全部 我那覇さんに…。 もう 家族やめる。 縁を切ってもらう。 俺は 疫病神。 家族の邪魔者さ…。 じゃあな。」

暢子「思い出すね。 昔も 同じようなこと言ってた。 うちたちが まだ子供の頃 ニーニーが お父ちゃんに叱られて…。」

暢子「あの時も 足てびちだったさぁ。」

回想

比嘉家
居間

暢子「マーサン。」

賢三「フフフフ…。」

良子「あっ 1人2個って約束でしょ。 ニーニーは もう 2個食べよった。」

賢秀「まだ 1個しか食べてない。」

良子「インチキ!」

賢秀「インチキじゃない! 女のくせに!」

良子「はっ? ぽってかす。」

賢秀「お前の母ちゃん で~べそ!」

良子「誰のこと 言ってるわけ。 この ぽってかす!」

賢秀「お前が ぽってかす!」

良子「インチキ!」

賢三「おい ケンカやめれ。 おい。 なっ。」

優子「やめなさい。 ねっ。」

賢秀「うりゃっ!」

暢子「お母ちゃん?」

賢三「優子 大丈夫か?」

歌子「お母ちゃん! お母ちゃん。」

暢子「お母ちゃん! はい お母ちゃん。」

優子「うちは 大丈夫だから。 ねっ。」

暢子「謝ろう。 一緒に 謝ってあげるから。」

賢秀「もう 家族やめる。 縁を切ってもらう。 俺は 役病神。 家族の邪魔者さ。」

賢三「賢秀 おいで。」

居間

賢三「アリ 父ちゃんのあげるから。 いいから 食べれ。」

賢秀「母ちゃん…。 ごめん。」

優子「もう いいよ。」

賢三「邪魔者とかは いない。 ケンカしても 仲直りできるのが家族。 この先 何があっても みんな お前の家族。 分かったか。」

賢秀「はい。」

賢三「うん。」

賢秀「マーサン。」

(笑い声)

暢子「マーサン。」

回想終了

暢子「覚えてるでしょ?」

賢秀「ああ…。 またいつか みんなで食べたいな。 足てびち。 うん!」

暢子「お父ちゃんが言ったとおり どんなことがあっても ニーニーは うちたちの家族。 いつか ニーニーが 一番星のビジネスマンになってからに みんなに おなかいっぱい 足てびちを ごちそうして!」

賢秀「一番星に… グレイトになるからよ。 暢子! 俺は 必ず 星をつかんでやるぜ!」

暢子「うん!」

賢秀「ごちそうさん! さらばだ!」

回想

和彦「もっと地味で 新鮮味はなくても 大切なことが きっとあるはずだよ。」

二ツ橋「フォンターナの味を 食べたいと思って 通ってくださってるんです。」

三郎「迷子になった時は 一回 入り口に戻る。 それが 人生の基本だ。」

賢三「いいか 足てびちを煮込む時は 焦らず じっくり 丁寧に。 基本の出汁は 当たり前で地味だけど それが 一番大事。」

暢子「うん。」

回想終了

和彦「おはよう。」

暢子「和彦君 ありがとう!」

和彦「えっ?」

暢子「こないだ言ってくれたこと すごいヒントになった! 今になって やっと気が付いた!」

和彦「うん…。」

暢子「一回 入り口に戻ってみる。」

和彦「入り口…?」

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