ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「ちむどんどん」46話「あの日、イカスミジューシー」

【 連続テレビ小説「ちむどんどん」】46話のネタバレです。

あらすじ

暢子(黒島結菜)は房子(原田美枝子)の経営する東京銀座のイタリア料理店に勤めて4年ほどが過ぎた。暮らしにも仕事に慣れ始めた頃、暢子はシェフを務める二ツ橋(高嶋政伸)の技術や能力に改めて尊敬の念を抱いていた。そんなとき、その二ツ橋が「フォンターナを辞めるかもしれない」、という驚きの知らせが。沖縄やんばるの実家では、歌子(上白石萌歌)の体調不良が続いて、優子(仲間由紀恵)はある決意を固めつつあった。

46話ネタバレ

レストラン・フォンターナ

1976年(昭和51年)秋

厨房

暢子が フォンターナで働き始めて 5年目の秋です。

智「ストーブ前?」

暢子「コース料理の メインディッシュを作る仕事で 厨房で 一番の花形スター。 野球で言ったら 4番バッター。 そして 司令塔でもある。 フォンターナの肝心要さ! うちも いつか ストーブ前に挑戦したい。」

智「いつも 二ツ橋さんだよな?」

暢子「今は 矢作さんが 1か月限定で挑戦中。」

矢作「アチッ!」

フォンターナのストーブ前は ほぼ毎日 シェフの二ツ橋が 担当しますが ほかのスタッフも 実力を認められれば しばらくの間 ストーブ前を任せてもらえます。

智「どうすれば なれるわけ?」

暢子「矢作さんは 新しいメニューを提案して オーナーに認められたわけよ。」

矢作「おい! ノッチョーラかけたか?」

長山「はい。」

矢作「お前 それ 塩多くないか?」

桃木「すいません。」

矢作「ってか ブッロ 冷蔵庫 入れとけよ!」

桃木「はい。」

矢作「おい 玉島! そこ片付けろよ!」

玉島「すいません。」

矢作「えっと その前に え~っ…。 待てよ。 え~っと… アチ~ッ!」

房子「3番様のメイン まだ?」

矢作「あ~っ…!」

スタッフたち「あ~…。」

二ツ橋「代わりましょう。 矢作さんは しばらく ホールの方をお願いします。」

矢作「はい…。」

矢作「何だよ。 俺が ストーブ前 外されたのが そんなに面白いか? どけ!」

道中

児童「先生 さよなら~。 は~い さよなら~。」

教師「気を付けて帰ってよ。」

児童「はい!」

回想

児童たち「良子先生 さよなら~。」

良子「さよなら。」

児童「先生 さよなら~。」

良子「さよなら~。」

回想終了

晴海「どうしたの?」

良子「ううん。 何でもない。 行こっか。」

晴海「うん!」

良子「こんにちは。」

晴海「こんにちは。」

石川家

石川「教員に復職したい?」

良子「晴海のことは かわいいし 家事も嫌いじゃない。 だけど 毎日 朝から晩まで それだけだと 私は 生きてる実感が持てないって 分かったわけ。 私の名前は『晴海ちゃんのお母さん』じゃない。 社会参加もしたい。」

石川「3年前 君は 自分の意志で 仕事を辞めただろう。」

良子「3人前と今では 状況が違う。 もう 晴海を保育園に預けて 仕事に行っても 心配ないでしょう。」

石川「那覇の両親にも 意見を聞いてみないと。」

良子「那覇のご両親は 関係ないでしょ。」

石川「関係あるよ。 俺は 石川家の長男だのに。」

良子「認めないつもり?」

石川「明日早いから もう寝る。」

良子「明日 お母ちゃんの所に行ってくる。 歌子が また熱出してるって。」

石川「分かった。」

養豚場

賢秀「何べん言ったら 分かるわけ? だからよ。 お産が近づいてて 熱が出た時は 柿を食べさせる!」

清恵「ちゃんとした理由もなく 勝手に飼料 変えないでって…。」

賢秀「だから 理由は知らんけど それが いいわけよ。」

清恵「うるさい 言うとおりにして!」

寛大「賢秀の言うとおりだ。 獣医さんに電話したら 柿を食わせるのも 悪くないそうだ。」

賢秀「アリ 見てみ!」

清恵「あてずっぽうが 当たっただけじゃん!」

寛大「ずっと いてくれりゃ助かるんだがな。」

賢秀「そうはいきません。 今の俺は 仮の姿。 早いとこ 新しいビジネスチャンスを見つけて 沖縄の家族に 楽させてやらないと。」

寛大「沖縄か。 ハワイの豚の話 知ってるか?」

賢秀「ハワイの豚? 何ですか?」

弘台「うん… まっ そのうちな。 ふっ…。」

賢秀「ハワイの豚 ハワイ…。」

比嘉家

運送会社で働いていた歌子でしたが 度々 熱を出し 会社を休みがちになっていました。

花城「社長が言うには『できれば 明日からでも出勤してもらいたい』って。」

優子「ご迷惑をおかけして 申し訳ありません。」

花城「『待ってるから焦らないでね』って 伝えてくださいね。」

優子「わざわざ ありがとうございました。」

良子「これをくれた人でしょ? ただの同僚のこと あんなに心配する? 今度 会社に行ったら 告白されるかもよ?『歌子さん 僕と結婚してください!』。」

歌子「フフッ やめて。」

良子「彼は 絶対 本気だよ。」

歌子「ウフフッ…。」

レストラン・フォンターナ
厨房

二ツ橋「何か 気になることが?」

暢子「焼き色が デージおいしそう。」

二ツ橋「味と同じぐらい 見た目は大事。 醜い料理は お客様に出すべきではありません。」

暢子「『見た目が大事』…。」

控室

矢作「悔しいけど やっぱり シェフがストーブ前だと安心だよな。 腕は一流。 人柄もいい。 気配りもできる。」

暢子「シェフは 独立とか 考えたことないんですかね?」

矢作「ああ… 10年くらい前に 一度独立して 失敗して 出戻ったらしい。」

暢子「アキサミヨー。 そうなんですか?」

矢作「うん。」

ホール

淀川「これ 本当に君が?」

暢子「どうですか?」

淀川「通い続けて12年 今日のミネストローネは 今までで 一番…。 おいしい。」

暢子「まさかやー! しんけん?」

淀川「お客様への態度と言葉遣いが悪い。 マイナス10点!」

暢子「アゲ。 だけど 90点なら合格ですよね。」

淀川「謙虚さに欠ける。 マイナス20点。」

暢子「アイヤー。 100点が あっという間に70点さー。」

淀川「(笑い声)」

厨房

房子「暢子さん。」

暢子「すいません。 お客様への態度には 気を付けます。」

房子「2週間以内に 新しい 店のメインとなるメニューを提案して。 合格したら ストーブ前を とりあえず 1か月任せる。」

暢子「アキサミヨー。 ついに うちが ストーブ前? 分かりました!」

沖縄料理店・あまゆ

順次「つまり お店の 新しい看板メニューを考えたら…。 晴れて フォンターナの 4番バッターに?」

トミ「考えるだけじゃ駄目でしょ。 オーナーが食べて おいしいと思ってくれないと。」

暢子「肉か 魚か それともパスタか…。」

(電話の呼び鈴)

暢子「もしもし あまゆです。 アイ お母ちゃん? どうしたわけ? こんな時間に。」

比嘉家

優子「実は 歌子に 大きな病院で検査を受けさせたくて。」

暢子「検査? 歌子 そんなに具合悪いの?」

優子「急に悪くなったわけじゃないけど 診療所の先生も ちゃんとした 設備のある病院で 診てもらった方がいいって。 東京の どこか いい病院 探してくれない?」

暢子「オーナーに聞いてみる。」

優子「もっと早く ちゃんとした検査を 受けさせてればよかったと 後悔しているさ。」

レストラン・フォンターナ
厨房

(電話の呼び鈴)

矢作「はい フォンターナです。 少々 お待ちください。 二ツ橋シェフ 大洗の二ツ橋さんからお電話です。」

二ツ橋「はい。」

暢子「ん? 大洗の二ツ橋?」

二ツ橋「もしもし。 えっ…。」

智「毎度! 暢子。」

暢子「シーッ。」

二ツ橋「分かった。 じゃあ 仕事中だから。」

ホール

二ツ橋「オーナー。 来月 ちょっと 親元に帰ってきたいので 1週間ほど お暇を 頂けないでしょうか。 もしかしたら そのまま 大洗に引き揚げることに…。」

房子「ここを辞めるってこと? いつ辞めてもいいわよ。 あなたの都合に合わせる。 決まったら 早めに知らせてね。」

二ツ橋「かしこまりました。」

房子「ちょっと 銀行まで。」

山辺「はい。」

(ドアの開閉音)

暢子「シェフ 何で急に? 辞めないでください。」

二ツ橋「暢子さん。 あなたは あなた自身のことを 頑張ってください。 新しい看板メニュー 簡単には オーケーしてもらえませんよ。」

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