ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「ちむどんどん」47話「あの日、イカスミジューシー」

【 連続テレビ小説「ちむどんどん」】47話のネタバレです。

あらすじ

暢子(黒島結菜)はレストランの中で花形のポジション「ストーブ前」を務めたい、という気持ちを強く持っていた。そんなストーブ前を日々務めているシェフの二ツ橋(高嶋政伸)は、突然「店を辞めるかも」、と言いだし周りを驚かせる。オーナーの房子(原田美枝子)も止める気配は無かった。そんな中、ある夜酔っぱらった二ツ橋が、鶴見のあまゆに現れる。そして予想もしなかった事態に。

47話ネタバレ

沖縄料理店・あまゆ

智「間違いない。 ほれてる。」

暢子「ほれてる? 誰が 誰に?」

智「分かるだろ?」

暢子「全然 分からない。 智が 誰に?」

智「ぽってかす。 フォンターナのシェフが オーナーに ほれてるわけさぁ。」

暢子「まさかやー。 何で そう思うわけ?」

智「あの時 シェフは 最後の賭けに出た。」

暢子「最後の賭け? どういう意味?」

智「ちゃーならん。 恋する男の気持ちは 恋する男にしか分からんか。 何でかねぇ~。」

和彦「ただいま~。」

暢子「お帰り。」

智「お帰り~。」

和彦「おう。 何してるの?『おいしいものノート』。」

暢子「小さい頃から おいしいものを食べた時とか いつも書いていたノート。」

和彦「あ~…。」

暢子「フフッ。」

和彦「そうだ 聞いたよ。 新しいメニューを考えたら ストーブ前っていう花形ポジション 任せてもらえるって。」

暢子「新しいメニューといっても ただ 目新しいだけでは駄目。 イタリア料理の基本を大事にしながら フォンターナらしさを 表現できるものでないと。」

和彦「フフッ 何か 暢子も成長してるな。」

暢子「冷やかさないで。 うちは 真剣に悩んでるのに。」

トミ「暢子ちゃん。 お父ちゃん 寄り合いだから手伝ってね。」

暢子「あっ はい!」

智「でも 暢子は 新メニューの研究が…。」

和彦「まっ 考えるより まず 体を動かしてみる。 その方が 暢子らしいし いいアイディアが浮かぶかもよ。」

暢子「確かに。 そのとおりかもしれないね!」

和彦「うん。」

暢子「うん。」

智「単純ヤッサー。」

和彦「おいしそうじゃん それ。」

智「食べるか?」

和彦「食べる。」

トミ「はい。」

暢子「お待たせしました~。」

「ありがとう。」

(戸が開く)

暢子「いらっしゃい! シェフ!」

二ツ橋「(しゃっくり)」

暢子「どうしたんですか?」

二ツ橋「(しゃっくり)」

暢子「あっ…。 今 お水を。」

二ツ橋「酒。」

暢子「えっ? だけど もう…。」

二ツ橋「沖縄の酒。」

暢子「1杯だけですよ。」

暢子「お水も一緒に 飲んでください。 あっ…。」

二ツ橋「結構きついね。 母に 帰って店を継いでくれと 泣きつかれました。 父は もう年で ガタがきてるから そろそろ帰ってこいと。」

暢子「ご実家というのは…。」

二ツ橋「茨城の小さな町の洋食屋です。 だけど 私は 店主の器じゃない。 2番手が合ってる。 特に フォンターナの 大城房子の右腕というポジションが 私にとって 最も居心地のいい居場所でした。」

暢子「だったら なんとか 辞めないで済む方法を…。」

二ツ橋「『いつ辞めてもいい』と言われました。 お前の代わりは いくらでもいる。 辞めたければ 勝手に辞めろ。 私の前から 消えろ!」

暢子「いやいや そこまでは…。」

二ツ橋「目が言ってました! あの人の目が。 ピカーッつって。 フフフフフ。 私は 分かっていた。 分かっていながら 現実から目を背け 未練がましく すがりついて…。 醜い。 私の人生は あまりにも惨めで 醜い!」

暢子「いや そんな 醜いとか…。」

(戸が開く音)

三郎「あっ 暢子ちゃん 知り合いに いい医者がいるんで 紹介するよ。 妹さんの病院 探してるんだろ?」

暢子「あ~ 実は オーナーに 大学病院を紹介してもらったんです。」

三郎「ああ… そうかい。 あっ それならいいんだ。」

暢子「あっ オーナーに話してみるんで どこの病院か 教えてください。」

三郎「いや 今の話は 忘れてくれ。 房子さん いや オーナーさんにも 何も言わなくていいから。」

暢子「三郎さん 前から思ってたんですけど うちのオーナーと どういう関係ですか?」

三郎「どういうって… 何だい おりゃ。」

(椅子から立ち上がる音)

暢子「おっ…。」

三郎「お前さん フォンターナの…。」

暢子「あれ 知り合いですか?」

二ツ橋「あんたのせいで…。 あんたのせいで…。 あんたさえ いなければ…。 きひひひひ…。(泣き声)」

暢子「シェフ 今夜は そろそろ…。」

二ツ橋「全部 あんたが悪いんだ!」

智「ちょっ 待って…。」

健男「うちの会長に 何のつもりか!」

智「ちょっ… 2人とも…。 ちょっと…。」

三郎「健男! 離せ。」

智「一回 落ち着きましょう! 座って!」

暢子「シェフ とにかく今日は…。 うん 帰りましょう。」

智「帰りましょう。 友利さん 待って。」

二ツ橋「離せ!」

智「和彦 頼んだよ!」

和彦「ああ。」

二ツ橋「離せ 離せ…。」

健男「会長 大丈夫ですか?」

暢子「はぁ~…。」

和彦「二ツ橋さん どうした?」

暢子「さっき そこでタクシーに。」

和彦「はぁ~… 三郎さんと二ツ橋さん 一体 どんな関係なんだ?」

智「恨みがある感じだったよな。『あんたのせいだ』って。」

暢子「シェフが お店 辞めることと 何か 関係あるのかな?」

和彦「フォンターナのオーナーが 関係してるんじゃないか?」

暢子「どういうことね?」

智「和彦の言うとおりかも。」

暢子「何が?」

智「だからさ。 三郎さんとシェフの間に フォンターナのオーナーが…。 やめとく。」

暢子「何で?」

智「暢子には 言っても分からんのに。 感覚が鈍すぎるから。」

暢子「アキサミヨー。」

平良家

(戸の開閉音)

三郎「ただいま。」

多江「お帰りなさい。 お風呂は?」

三郎「うん 疲れたから もう寝る。」

多江「どうしたんです?」

三郎「ん? ちょいと 蹴つまずいてな。 フッ。 どうってことねえよ。 お休み。」

比嘉家

良子「これ 東京行きの旅費と病院代。」

優子「お金は こっちで なんとかするって。」

良子「使って。 お願い。」

優子「ありがとう。」

優子「で 良子の相談って 何?」

良子「またにする。 相談というほどのことでもないし。」

優子「本当に 大丈夫ね?」

良子「うん…。 それより 検査して 難しい病気でも見つかったら また 大変になるね。」

優子「だけど このまま 何も分からないで 暮らすのは かわいそうだから。」

良子「せっかく就職できたのに 今日で退職か。」

優子「病欠が多いと困るって言われたら 気まずくて もう居られないって言って。」

普久原運輸

(拍手)

歌子「短い間でしたけど 本当に お世話になりました。 本当に ありがとうございました。」

(拍手)

花城「ご苦労さまでした。」

歌子「初めてです 花束とか。」

社長「今日は もう一つ 報告がある。 花城。」

花城「はい。 この度 経理の伊志嶺利佳さんと 結婚することになりました。」

社員「お~!」

(拍手)

(拍手と歓声)

社員「ご両人 今のお気持ちを ひと言!」

(笑い声)

花城「幸せにします!」

利佳「ついていきます。」

(拍手と歓声)

利佳「比嘉さん 歌の雑誌 楽しんでもらえましたか?」

花城「あれ 彼女のもので もう要らないって言うから。」

歌子「あっ そうだったんですか。」

利佳「あんまり話せなかったけど 今度 私たちのおうちに 遊びに来てね。」

歌子「はい。 失礼します。」

レストラン・フォンターナ
オーナー室

房子「どうしたの?」

二ツ橋「野良犬に ひっかかれまして。」

房子「ひっかくのは 普通 猫でしょ。」

二ツ橋「猫… だったかもしれません。」

(ノック)

房子「はい。」

暢子「失礼します。」

二ツ橋「今月いっぱいで お願いします。」

房子「何?」

暢子「えっ あっ…。 あっ 木村様から お電話が お店の方に。」

房子「後で かけ直します。」

暢子「はい。」

房子「分かった。 退職金は 最後のお給料と一緒に。」

二ツ橋「そのような お心遣いは無用です。」

房子「どういう意味? 退職金よ。」

二ツ橋「失礼します。」

(ドアが閉まる音)

房子「はあ…。」

ホール

暢子「あの…。」

東京・銀座

優子「アキサミヨー。」

歌子「人がたくさん。」

病院での検査のために 優子と歌子が 上京してきました。 2人にとって 初めての東京です。

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