ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「ちむどんどん」49話「あの日、イカスミジューシー」

【 連続テレビ小説「ちむどんどん」】49話のネタバレです。

あらすじ

暢子(黒島結菜)は、退店を決意した二ツ橋(高嶋政伸)から、仕事の引継ぎを受ける中でこれまで知らなかった房子(原田美枝子)をめぐる過去の話を知ることに。一方で、やんばるから上京してきて病院で検査を受ける歌子(上白石萌歌)は不安のせいか塞ぎがちになり、優子(仲間由紀恵)を心配させる。暢子も歌子のことを心配する日々を過ごす。そして、検査結果が出る日…。

49話ネタバレ

病院

優子「やんばるの診療所とは 大変な違いだね。」

レストラン・フォンターナ
ホール

二ツ橋「暢子さん 来週のお休み 予定入ってます?」

暢子「えっ ああ… いいえ。」

二ツ橋「暢子さんに 引き継いでおきたい 仕入れ先があって。 よかったら つきあってもらえませんか?」

暢子「じゃあ シェフは やっぱり…。」

二ツ橋「今月いっぱいです。 来週の水曜 よろしくお願いします。」

沖縄料理店・あまゆ

(戸が開く音)

優子「ただいま。」

トミ「お帰りなさい。」

暢子「お帰り。 遅かったね。」

優子「電車の乗り換えに 手間取ってしまって。」

智「お帰りなさい。 歌子 どんなだった?」

優子「検査の結果は 1週間後で 今日は 何も分からないって。」

智「じゃあ まだ しばらくは こっちにいますね。 歌子 その間に 上野動物園に パンダ見に行こう。」

歌子「智ニーニー 忙しいでしょ?」

暢子「歌子 ごはんは?」

歌子「いらない。 お休みなさい。」

それから1週間 歌子は 上野のパンダを見に行くこともなく 暢子の部屋で 過ごしました。

1週間後

仕入れ先

暢子「いろんな人を紹介してくださって ありがとうございます。 本当に 勉強になりました。」

二ツ橋「仲買さんは こわもての人が多いけど 根は優しい人ばっかりですから。」

暢子「うちも そう思いました!」」

暢子「おいしそう~!」

二ツ橋「いいイカですね。 お好きですか?」

暢子「はい!」

二ツ橋「食べていきますか。 そこの食堂で さばいてくれます。」

暢子「えっ すぐ食べられるんですか?」

食堂

暢子「うん! ウフフフ…。 おいしい。 ウフフフ。」

二ツ橋「どう?」

暢子「うん!」

暢子「だ~! おいしかった~! ごちそうさまでした!」

二ツ橋「新しい看板メニューの方は どうです?」

暢子「ああ… それが あんまり集中して考えられなくて。」

二ツ橋「妹さんのことで?」

暢子「今日 検査の結果が出るんです。」

二ツ橋「私の父も 今 療養中です。 母は この機会に実家に帰って 店を継いでくれと。」

暢子「それで 決心したんですね。」

二ツ橋「私が辞めたあと オーナーのことを くれぐれも よろしくお願いします。」

暢子「えっ? 何で うちに?」

二ツ橋「皆さんにも 言っておきたいんですが なかなか チャンスがなくて。」

暢子「よろしくって 言われても 具体的に どうすれば?」

二ツ橋「オーナーは 誤解されやすいタイプです。」

暢子「誤解?」

二ツ橋「お客様にとって よりよい店にしたい という思いがあふれ 必要以上に スタッフに厳しくしたり 冷たい態度を取ったり。 心の中は 愛情であふれているのに その愛を 素直に 表現できない場合が多い。 私は オーナーほど美しく 優しく 知性と気品に満ちあふれた すばらしい女性を ほかに 知りません。」

暢子「好きなんですか?」

二ツ橋「はい?」

暢子「二ツ橋さんは オーナーのことが 好きなんですね?」

二ツ橋「今の話の どこを どう聞けば…。」

暢子「どこを どう聞いても 好きだとしか思えません。」

二ツ橋「昔 そんな後輩がいました。」

暢子「後輩?」

二ツ橋「長年 オーナーに仕え 苦楽を共にするうちに 尊敬が 愛情に変わった。」

暢子「それで?」

二ツ橋「10年前 勇気を出して 清水の舞台から飛び降りるつもりで 思いを告げた。『オーナー 私と 結婚していただけませんか』。」

暢子「プロポーズしたのは…。」

二ツ橋「私の 後輩です。」

暢子「そしたら オーナーは?」

二ツ橋「『悪いけど あなたの気持ちには 応えられないわ』。『なぜですか?』。『忘れられない人がいるの』。「ええっ? 一体 どこの誰です?』。『その人とは 結ばれない運命 一生 添い遂げることはできないの』。」

暢子「結ばれない運命?」

二ツ橋「オーナーが忘れられない相手は 別の女性と結婚なさってます。」

暢子「アイヤー…。」

二ツ橋「後輩は その相手を突き止め 直接 話をしました。」

暢子「そしたら?」

二ツ橋「相手の男は『悪いのは俺だ。 あの人のこと くれぐれも よろしく頼む』。 だから 私は…。」

暢子「私は?」

二ツ橋「いや その 後輩は オーナーに『今までどおりの関係で結構ですからこれからも おそばで働かせてください』と お願いしたそうです。」

二ツ橋「バカな男です。 きっぱり諦めて店を辞め 新しい道を選べばよかったのに。 いつまでも 未練がましく…。 心のどこかで ひょっとしたらという 淡い期待を捨て切れず…。 身の程知らずな 醜い男。」

暢子「その話は 二ツ橋さん…。」

二ツ橋「後輩の 話です。」

暢子「えっ ちょっと待って…。」

回想

二ツ橋「全部 あんたが悪いんだ!」

回想終了

暢子「そうか そういうことだったのか。」

二ツ橋「(せきこみ)」

暢子「あっ 大丈夫ですか?」

二ツ橋「大丈夫。」

沖縄料理店・あまゆ

順次「なるほどね。 ついに 暢子ちゃんも そんな話を 聞いてしまったか。」

暢子「順次さん 知ってたんですか?」

順次「もう 大昔の話さぁ。 まだ 戦争が始まる前 あの2人は 結婚するはずだったらしいよ。」

暢子「オーナーと 三郎さんが?」

順次「いや 俺も詳しいことは 知らんけど。 わざわざ 聞くこともしないし。」

暢子「何で?」

順次「いや 何でって…。」

田良島「分かってても 分かってないふりを した方がいいこともある。 世の中は 不公平で理不尽なことが たくさんある。 時代の流れで 思わぬ方向に 人生が変わってしまったり ほれ合ってるののに 結ばれないなんてこともある。」

田良島「頑張れば 必ずハッピーエンドになる。 …わけでもない。 頑張っても 頑張っても どうにもならないことがあるのが人生。 だけどね。」

暢子「だけど?」

田良島「『明日は きっと いい日になる』と 思うことが大事。 何があっても 諦めないで どうすれば 少しでも楽しく 希望を持って生きていけるか。 料理作りも 新聞作りも そんな思いを込めて やってるんじゃないかな。」

順次「ヘッ 参ったヤッサー。 田良島さんに 言いたいこと 全部 言われてしまったさ。」

(笑い声)

順次「王手!」

田良島「えっ?」

順次「王手。」

田良島「はっ 王手?」

病院

歌子「お母ちゃん。」

優子「ん?」

歌子「もしも 検査の結果が すごく悪くても お願いだから 高い薬は使わないで。 こっちで入院は 嫌。 うちは 沖縄のおうちに帰りたい。」

優子「歌子…。」

(ドアが開く音)

看護婦「比嘉歌子さん。 お母さんも ご一緒にどうぞ。」

優子「あっ… はい。」

あまゆ2階・ゴーヤー

回想

歌子「仕事も 恋愛も 結婚も 何にもできないまま 死んでいくと思う。」

田良島「だけどね。『明日は きっと いい日になる』と 思うことが大事。」

回想終了

暢子「これ!」

沖縄料理店・あまゆ

トミ「今夜は どんなメニューに挑戦するの?」

暢子「これ 歌子の大好物なんです。 フフフッ…。」

優子「ただいま。」

和彦「お帰りなさい」

智「お帰りなさい。」

順次「お帰り。」

暢子「お帰り。 検査の結果は?」

優子「膠原病でも 結核でもない。 疑わしい病気は 全て調べたけど 熱が出る原因は 今の医学では 分からないって。」

順次「あっ… だけど 大変な病気が 見つかったというわけではないよね。」

暢子「そうだよね。 何の病気もなかったということかも! うん。」

歌子「じゃあ どうして熱が出るわけ? どうして うちだけ? どうして?」

優子「歌子… 歌子!」

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