ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「ちむどんどん」4話「シークワーサーの少女」

【 連続テレビ小説「ちむどんどん」】4話のネタバレです。

あらすじ

暢子(稲垣来泉)の熱心な誘いで比嘉家での夕食会にやってきた、青柳史彦(戸次重幸)と和彦(田中奏生)の父子。慣れない沖縄の料理に戸惑いつつも、暢子たち比嘉家の家族との仲は近しいものになり、暢子の父・賢三(大森南朋)、母・優子(仲間由紀恵)も含めた、家族ぐるみのつきあいが始まる。やがて、史彦の提案で、比嘉家の家族はそれまで行ったことがないようなきれいなレストランに招待される。

4話ネタバレ

比嘉家

賢三「じゃあ 頂きます。」

一同「頂きま~す。」

賢秀「正月でもないのに 豚まで食べられるとは思わなかったさ。」

良子「お盆とお正月が いっぺんに来たみたいだね。」

暢子「あっ それうちの!」

良子「あっ インチキ!」

賢秀「どけ!」

暢子「うわっ!」

歌子「押すな!」

暢子「あ~っ。」

良子「もう ニーニー。」

優子「和彦君 これはラフテー。 豚肉をしょうゆとかで煮たもの。]

優子「こっちは ジーマミー豆腐。 落花生を 芋くずで煮るわけ。」

暢子「おいしいよ。 食べて。」

賢三「お待たせ。」

暢子「うちが作ったそば。 ど~ん!」

賢三「どうぞ。」

史彦「これが 沖縄のそばですか。」

賢三「ええ。」

史彦「私も初めてです。」

暢子「ねえ 早く食べて。 うちが作ったわけ。 絶対おいしいと思うよ。」

史彦「頂きます。」

暢子「頂きます。 おいしい。」

良子「自分で作って 自分で褒めるとか おめでたいねえ。」

(笑い声)

暢子「ねえ 和彦君。 食べて!」

暢子「おいしい? おいしくない?」

和彦「今まで食べた そばの中で 一番おいしい!」

暢子「まさかやー。 しんけん?」

和彦「うん!」

暢子「ねえ やった! お父ちゃん やった~! やった!」

優子「暢子 頑張ったかいがあったね。」

暢子「やった やった~! やった! やった!」

和彦「ねえ これ 本当に君が作ったの?」

良子「お父ちゃんでしょ。」

暢子「最後の味付けは うちがやったのに。 ねっ 和彦君。『君』じゃなくて 暢子でいいよ。」

和彦「暢子。」

暢子「うん。」

史彦「なるほど 関東のしょうゆ風味とは全く違う。」

賢三「出汁は 豚とカツオでとるんです。」

史彦「やや太めのねじれ麺。 いや 出汁の味わいがすごく深い。 これは うまい! この豚肉もおいしい。 どこで買うんです?」

賢三「豚肉は… ふだんは 近所が潰した時に お裾分けしてもらって 食べるんですけど うん…。」

良子「これは?」

賢三「あの これは だから…。」

賢秀「あっ うちも 今年から 豚を2頭飼っていて 俺と暢子で 毎日餌やったり 掃除して世話してるわけ。」

史彦「偉いね。」

賢秀「アベベとアババ なっ。」

暢子「うん!」

良子「まさか…。]

歌子「この豚肉…。」

賢秀「えっ? えっ? あっ アキサミヨー!」

賢秀「ストップ! みんなストップ! 俺のアババを食べないでくれ! 食べるな!」

賢三「賢秀。 黙って潰したのは 悪かった。 だけど お前たちも分かっていただろう。 いつかは こんな日が来るのを。 生きているものは ほかの生き物 植物や動物を食べないと生きていけない。 人間も 同じさぁな。」

賢三「『頂きます』とは『命を頂くこと』。 だから きちんと感謝しながら きれいに食べてあげる。 それが人の道 筋を通すということさぁ。」

賢秀「だからよ。 いつかこんな日が。 だけどまさか こんなに早く…。」

暢子「アババ…。」

優子「残さず 食べてあげようね。大切な命を頂いて 私たちは 生きるんだから。」

賢秀「暢子 食べるよ!」

暢子「うん…。」

賢秀「頂きます!」

暢子「頂きます。」

和彦「頂きます。」

史彦「頂きます。」

良子「頂きます。」

歌子「頂きます。」

賢秀「おいしい。 おいしいなあ 暢子。」

暢子「うん おいしい。」

和彦「うまい。 うまいよ。 賢秀。」

賢秀「だからよ! もっと食べれ。 残さず食べれよ!」

和彦「うん!」

歌子「アベベは お正月に食べるの?」

良子「シーッ。」

史彦「この家も 自分で建てたんですか?」

賢三「若い頃 那覇で 大工の見習いをやっていまして。 今でも毎年 農閑期には出稼ぎに。」

史彦「多才ですね。」

賢三「とんでもない。 行き当たりばったりの人生で。 この島と同じです。 フッ…。」

史彦「日本の沖縄県だった時代 戦争の時代 そして今は アメリカ。」

賢三「戦前は 大和世(やまとゆー)。 戦時中は 戦世(いくさゆー)。 今は アメリカ世(アメリカゆー)といいます。」

歌子「すごい! ネーネーすごい!」

暢子「大丈夫?」

和彦「難しい 難しい。」

史彦「1曲 お願いしてもいいですか?」

賢三「喜んで。」

(三線の音)

♬~(三線)

♬『唐船ドーヰさんてーまん 一散走ーえならんしや ユウヰヤナー【若桜町村ぬ(指笛)サー 瀬名波ぬタンメー』

ポストを作る賢三

歌子「わ~!」

賢秀「デージ上等!」

歌子「かわいい。」

良子「ありがとう。」

暢子「お~!」

歌子「歌子も 歌子も。」

賢秀「じゃあ 俺も!」

(シャッター音)

暢子「すごい! やった~!」

賢秀「アハハハ!」

暢子「『何食べた? のぶこより』。」

和彦「『クーブイリチー食べたよ この前 海で何食べてたの? 和彦より』。」

和彦「うわっ やっぱり無理だ。」

歌子「アイヤー…。」

暢子「もったいない!」

賢秀「アキサミヨー。」

和彦「ごめん…。」

賢秀「『続きが読みたい 賢秀』。」

和彦「『すごい! 全問正解! さすが未来の先生!!』。」

歌子「『和彦君へ 舟木一夫にあったことある? うたこ』。」

和彦「『会ったことないよ テレビでは よく見るけどね』。」

ウージ畑

暢子「おいしい おいしい。」

賢秀「甘いなあ。」

砂川とうふ店

一同「お~!」

智「島豆腐はよ 大豆を生のまま搾って 豆乳を作って熱を入れるから 栄養もあるし 味もデージ濃い。 海の水で固めるから 塩味なわけよ。」

和彦「塩味 うまい!」

暢子「智の豆腐は 世界一さーね!」

賢秀「はい!」

良子「頑張って~!」

歌子「チバリヨー!」

良子「頑張れ~!」

(声援)

青柳家

暢子「うん。」

和彦「酸っぱ!」

暢子「冬になったら熟して 黄色くなって すごく甘くなるわけ。 いろんな料理に シークワーサーをかけて食べるんだよ。」

和彦「冬か… もう東京にいるな。」

暢子「いつ東京に帰る?」

和彦「運動会が終わったら。」

暢子「連れていって! 東京には おいしいものが たくさんあるんでしょ?」

和彦「中学を卒業したら アメリカの高校に行くかもしれない。」

暢子「アメリカ? 何で?」

和彦「僕は もっと広い世界を 見てみたいって思ってて。」

史彦「父さんは どってでも構わない。 自分で決めたらいい。」

暢子「いいはず。 うちも世界中のおいしいもの 全部 食べてみたい!」

史彦「暢子ちゃん 今度の日曜日 レストランに行ってみる?」

暢子「レストラン? アメリカの?」

史彦「那覇のレストラン。」

レストラン

受付「いらっしゃいませ。」

史彦「予約した青柳です。」

受付「青柳様 お待ちしておりました。 どうぞ こちらへ。」

良子「すご~い。」

賢秀「アイヤー。 何か これ。」

暢子「うわ~ ちむどんどんする~!」

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