【 連続テレビ小説「ちむどんどん」】51話のネタバレです。
あらすじ
暢子(黒島結菜)は房子(原田美枝子)のレストラン、フォンターナでシェフの二ツ橋(高嶋政伸)に見守られ修行を続け、厨房の花形「ストーブ前」をこなせるまでに成長していた。そんなある日、二ツ橋が大けがをして入院するという大事件が起こる。二ツ橋を失った厨(ちゅう)房は大混乱。退院までの1か月、厨房の司令塔・シェフの役割を誰が代わりに担うのか。房子が二ツ橋と相談して選んだ「シェフ代行」は…。
51話ネタバレ
レストラン・フォンターナ
ホール
1977年(昭和52年)6月
山辺「ごゆっくりどうぞ。」
客「ありがとう。」
暢子がフォンターナで働き始めて 6年目に入りました。
暢子「お待たせしました。 ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナでございます。 ごゆっくりどうぞ。」
今や 花形ポジションのストーブ前も 度々 任されるようになりました。
山辺「2番様 間もなくセコンドです。」
スタッフたち「はい。」
暢子「もうすぐ上がります。」
山辺「お願いします。」
暢子「うん。」
江川「シェフ アルデンテの具合 どうですか?」
フォンターナの料理長は ずっと 二ツ橋が勤めています。」
二ツ橋「ばっちりです。」
江川「ありがとうございます。」
玉島「シェフ 盛りつけの確認 お願いします。」
二ツ橋「大丈夫です。」
料理長は シェフと呼ばれ いわば 厨房全体の司令塔。
二ツ橋「急いでください。」
桃木「はい。」
控室
二ツ橋「新タマネギのスープか そら豆か…。」
季節を意識しながら食材を選び 原価計算もしながらメニューを考え…。
厨房
二ツ橋「お願いします。」
料理の腕は もちろん 注文と待ち時間を見定めて よどみなく料理が客席に届くよう 絶え間なく 指示を飛ばし…。
二ツ橋「桃木さん タマネギが足りませんので むいておいてください。」
桃木「分かりました。」
二ツ橋「玉島さん そっちより 2番様の前菜を先に。」
玉島「はい。」
「シェフ お願いします。」
最高のおもてなしを演出する 厨房のコンダクター。 それが シェフなのです。
矢作「どうした?」
暢子「あっ いえ…。 改めて シェフって すごいなって。」
矢作「俺も ストーブ前やった時に 痛感したよ。」
控室
暢子「ん?」
二ツ橋「橋本様は 20時5名様。 個室をご希望。」
二ツ橋「忘れ物ですか?」
暢子「いえ。 毎日遅くまで 大変ですね。」
二ツ橋「皆さんが 最も力を発揮できる環境を 整えることが 私の使命。 全ては お客様の笑顔のためです。」
暢子「お客様の 笑顔…。」
沖縄料理店・あまゆ
和彦「独立?」
智「社長にも言われたヤッサー。『お前には 商売の才能がある』って。 今すぐというわけじゃないけど 30までには 独立したい。 で 会社が軌道に乗ったら 嫁さんもらって 子供は最低5人。」
愛「えっ!?」
和彦「5人!?」
智「まずは 先立つものが要る。 もっともっと頑張って 貯金しないと。」
愛「食費も たくさんかかりそう 暢子ちゃん 食いしん坊だから。」
智「えっ なっ… 何で暢子?」
トミ「またまた。 とぼけちゃって。」
順次「いつも言ってるさ。『暢子ちゃん デージ好きヤッサー! カナサンドー』。」
智「いや 俺は そ… そんなこと…。」
順次「口が言わなくても 目で言ってる。」
トミ「そうそう。 目が言ってるさー!」
和彦「ちょ… ちょっと待って ちょっと待って。 智は 暢子のことが好きなの?」
トミ「えっ?」
順次「ええっ?」
愛「鈍感。」
和彦「えっ!」
智「『えっ!』って な… 何?」
暢子「ただいま~。」
トミ「あっ 暢子ちゃん お帰り~!」
暢子「にぎやかだね~。 何の話?」
智「だっ だからヤー ちょっ… あ… あれさ アリ。」
暢子「あっ 分かった! こないだ智が ドブに はまった話でしょ。」
智「あ… あれな! そうそう ズド~ンてね 慌てて抜け出そうとしたら 顔から転んで ここ擦りむいてな…。」
(笑い声)
暢子「あれ デージおかしかったね~。」
(笑い声)
智「ぽってかす…。」
トミ「暢子ちゃんは 何も気付いていないね。」
順次「であるわけよ。」
比嘉家
そのころ やんばるでは…。 歌子は会社を辞め 家で体を休めながら きちんと 家事をこなしています。
山原村共同売店
歌子のおかげで 優子は これまで以上に 共同売店の仕事に 精を出しています。
善一「あっ ごめんね。 会合が長引いて 遅くなって。」
優子「大丈夫。 ごはんの支度も 歌子がしてくれてるし。 はい。 帰りに 山入端のおじいに 野菜 届けてきましょうね。」
安室「優子のおかげで 村の年よりは 大助かり。」
善一「朝早くから 夜遅くまで 本当に申し訳ない。」
優子「今更 何言ってる。 困った時は お互いさまさぁねぇ。」
新垣「明日も朝早くからね。 ヤサ。 泊まっていけば?」
安室「アイ ヤサヤサ! 善一と一緒に 住めばいいさ。 おうちも大きいのに。」
優子「それは名案であるさぁねぇ おばぁ。」
安室「ヤサー!」
善一「何を言ってるわけ。」
優子「アンセー うちはそろそろ。」
善一「ご苦労さま。 明日もよろしく。」
優子「お休みなさい。」
新垣「アイ。」
安室「またやー。」
新垣「第二の青春だーるねぇ。」
安室「だーるねぇ。」
養豚場
そして 千葉の養豚場では。
賢秀「はぁ~ やめといた方がいいな。」
清恵「何で?」
賢秀「お前みたいな女が 嫁に行けるわけがないアラニ。」
清恵「あんたの嫁にだけは 絶対にならないから安心して。」
賢秀「ああ?」
清恵「たまに お金が入ると ふらふら街に出かけて 今日はパチンコ 明日は競馬 あさってには 一文無しのぷー太郎。」
賢秀「とう! 見とけよ。 その内グレイトなビジネスで 一山当てて 成り上がるからよ。」
清恵「全く 親の顔が見てみたいね。」
賢秀「母ちゃんの悪口は 言うな! ヤナカーギー。 黙れ!」
清恵「黙るのは お前だ!」
賢秀「うおあ~! アガッ!」
寛大「大丈夫か?」
賢秀「謝れ。 そこに正座してからに 謝れ!」
清恵「嫌だね。 死んでも謝んない!」
賢秀「ちゃーならんさー! お前みたいな女の下で 働けるか! んっ! フン。」
寛大「賢秀!」
清恵「お父ちゃん ほっといて!」
石川家
そして そのころ 良子は…。
レストラン・フォンターナ
玄関前
暢子「はあ。 ふう…。 よし。」
厨房
玉島「どこにもいません。」
暢子「何かあったんですか?」
矢作「シェフが遅刻で まだ来ねえんだ。」
暢子「まさかやー。」
房子「私が指示するから とにかく 仕込み始めて。」
スタッフたち「はい。」
(電話の呼び鈴)
控室
暢子「もしもし フォンターナです。 えっ!? シェフが?」
厨房
暢子「今朝 早く 堤防で釣りをしていたら 子供が 海に落ちそうになって 慌てて助けようとして 足を滑らせて 今 病院に。 両足骨折で 1か月は入院だそうです。」
矢作「1か月?」
江川「どうすんだ?」
房子「それで その子供は?」
暢子「子供は ただカニを眺めていただけで シェフが 勝手に 海に落ちると思い込んで… 自分が 転落したそうです。」
山辺「え~。」
「駄目だこりゃ…。」
「シェフ…。」
「あ~あ…。」
房子「仕込み再会。 とにかく 今日一日 力を合わせて乗り切るしかない。」
矢作「明日は どうするんです?」
房子「シェフ代行を立てます。」
暢子「シェフ代行?」
房子「とにかく 私は病院に。 じゃあ あと お願いします。」
スタッフたち「はい。」
「まずいですね…。」
玉島「誰になるんですかね シェフ代行。」
矢作「オーナーは 人を見る目があるお方 この中で 誰が一番仕事ができて人望が厚いか よく分かってらっしゃるはず。」
暢子「それはつまり 誰ですか?」
矢作「鈍感。 いいから 仕事しろ。」
暢子「はい。」
病院
病室
二ツ橋「あっ…。」
房子「大丈夫?」
二ツ橋「あっ はい…。 よりによって オーナーが ご多忙な時期に こんな ご迷惑をおかけするとは…。」
房子「起きてしまったことは しかたがない。」
二ツ橋「一日も早く 復帰します。 明日には…。」
房子「無理に復帰して かえって 全治が長引くようなことは やめて。」
二ツ橋「は… はい。 申し訳ありません。」
房子「シェフ代行を立てます。」
二ツ橋「代行ですか…。」
房子「今のメンバーの中で あなたの代わりができるのは誰?」
二ツ橋「強いて挙げるとすれば…。」
レストラン・フォンターナ
厨房
矢作「暢子 パスタまだか!」
暢子「あっ すいません!」
矢作「遅えんだよ。」
暢子「あっ もうすぐです!」
矢作「桃木 玉島 お前らも急げよ!」
桃木 玉島「はい!」
山辺「4番様 お料理 催促されてます!」
矢作「分かってる! 遅い! 貸せ!」
暢子「えっ? アガッ!」
桃木「うわ~っ!」
(食器が割れる音)
暢子「アイヤー! すいません!」
矢作「バカ野郎! 早く片づけて ソース作り直し!」
暢子「はい!」
矢作「急げ 急げ! 早く 早く 早く!」
長山「片づけないとな…。」
桃木「いや もう ぐっちゃぐちゃでしたよ。」
山辺「やっぱり うまく回りませんね。」
房子「集まって。 二ツ橋さんと相談して シェフ代行を立て 全てを取りしきってもらうことにしました。 明日から 1か月 シェフ代行をお願いするのは…。 暢子さん。」
暢子「ん?」
房子「顔を拭きなさい。」
暢子「はっさ もう びっくりした~。 ありがとうございます。」
房子「あなたに シェフ代行をお願いします。」
暢子「はあ?」
矢作「はあ?」
暢子「まさかや~!」