ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「ちむどんどん」52話「ポークとたまごと男と女」

【 連続テレビ小説「ちむどんどん」】52話のネタバレです。

あらすじ

暢子(黒島結菜)は房子(原田美枝子)からシェフ代行に指名される。矢作(井之脇海)をはじめ厨(ちゅう)房の仲間たちには衝撃が走り、「親戚びいきだ」という不穏な空気が広がる。その頃、やんばるでは育児が一段落した良子(川口春奈)が、「もう一度働きたい」と石川(山田裕貴)に訴えるが…。一方で和彦(宮沢氷魚)と愛(飯豊まりえ)が勤める新聞社でも、男女の役割をめぐる議論から、トラブルが起こる。

52話ネタバレ

レストラン・フォンターナ
厨房

房子「暢子さん。 あなたに シェフ代行をお願いします。」

暢子「はあ?」

矢作「はあ?」

暢子「まさかやー!」

房子「なんとか 明日とあさっての土日を乗り切って。」

矢作「月曜日は どうするんですか?」

房子「月曜は 臨時休業。 私は 明日だけは 外せない用事がありますから 夜までいません。 味付け 盛りつけの判断は 全て 暢子さんを中心に確認してください。 来週のコースメニューの確認も お願いします。」

暢子「はい!」

房子「何か 質問は? じゃあ ご苦労さま。」

暢子「皆さん ご協力 よろしくお願いします。」

矢作「結局 親戚だもんな。 世の中 コネには かなわねえや。」

桃木「結局 身内か~。」

玉島「何だ それ。」

長山「バカバカしい…。」

比嘉家

優子「仕事に復帰?」

良子「山原小学校が臨時教員を探してて 今なら 採用してもらえるって。 昔 お世話になった先生が 連絡をくれて。 それで その… 晴海と一緒に ここに住んで ここから 学校に通いたい。」

優子「うちらは 大丈夫だけど 博夫さんは?」

歌子「名護の 博夫さんのアパートからでも通えるさ。」

石川「良子。 はあ はあ…。 帰ろう 良子。 お義母さん いつものことで すみません。」

良子「いつものことじゃない!」

石川「仕事復帰を 反対してるわけじゃない。 ただ もうしばらく待ってほしい。」

良子「しばらくって どのくらい?  3年? 5年? 待ってくれ 待ってくれって もう ずっと同じケンカの繰り返しさ。 那覇のご両親が 反対してるからでしょ? いつになったら 説得できるの?」

石川「前にも言ったさ。 うちは  封健的な家で おまけに 俺は長男で 話し合うには 時間がかかるって。」

良子「うちは 人として成長したいわけ。」

石川「それは 分かってるけど… 晴海が。」

良子「家事や育児は おろそかにしない。 しっかり両立して働いてみせる。 うちが どれだけ 夜 泣いたと思ってる?」

石川「えっ…?」

離婚届けを差しだす良子

石川「こんなもの 出さないでくれ。」

良子「出したくて出してるわけじゃないから。 うちが 働くことを ご両親に認めさせて。 それまで うちは帰らないから。」

石川「分かった。 そこまで言うなら 俺も腹をくくる。 那覇の両親には もう 反対させない! 必ず説得して 迎えに来るから。」

歌子「よかったね。」

優子「博夫さん 早く迎えに来てくれるといいね。」

良子「無理だと思う。」

歌子「どうして?」

優子「『俺も腹をくくる』って。」

良子「外面はいいけど 石川の家に帰ると…。 理想主義者って 案外 しんが弱いんだよね。」

優子「なら しばらく ここにいたらいいさぁ。」

良子「ありがとう。」

レストラン・フォンターナ
厨房

矢作「アルデンテ これでいいか?」

暢子「ん~ もう少しだけ ゆでた方が…。」

矢作「はっ? これ以上?」

暢子「すいません! じゃあ とりあえず そのままで。」

矢作「とりあえず? もう お客に出すんだぞ。」

暢子「あっ そうですよね。 ごめんなさい!」

玉島「盛りつけ こんな感じ?」

暢子「う~ん 何か もう一つ違うような…。」

玉島「違う?」

長山「どこが違うか指示してやれよ。 ったく もう…。」

山辺「暢子ちゃん 1番様のお料理 まだですか?」

暢子「えっ? アイヤー! すいません!」

山辺「1番様 後の用事があって急がれてる件 伝えてある?」

暢子「そうでした!」

矢作「邪魔!」

暢子「すいません! あの 1番様のパスタを 先にお願いします。」

矢作「はっ? 3番優先って言ったろ?」

暢子「すいません お客様のご都合があって。」

矢作「聞いてねえよ。」

暢子「すいません。」

矢作「それじゃ 仕事になんねえよな。」

暢子「すいません!」

ホール

笹森「入社5年目の若造が 編集局長に説教か?」

和彦「説教ではありません。 意見を述べているだけです。」

笹森「へ理屈をこねるな。 おい… おい 田良島。 お前んとこの 学芸部っつうのは あれだ。 ヒラの兵隊が 指揮官に説教垂れるのを 認めてるのか? ん?」

田良島「笹森さん 最後まで 話 聞いてくださいよ。」

厨房

山辺「暢子ちゃん!」

暢子「ん?」

山辺「ちょっと…。」

ホール

和彦「局長 何してるんですか!」

愛「やめてください!」

和彦「何するんですか! 放してください!」

(食器が落ちる音)

(悲鳴)

笹森「貴様… どういうことになるか 分かってんだろ…。」

暢子「大丈夫ですか?」

笹森「何だ お前は?」

暢子「この店の 責任者です。」

笹森「生意気な…。」

田良島「笹森さん… 局長!」

客「別の店 行こう。」

暢子「あっ 申し訳ございません。 すぐ ご用意しますから…。」

客「いや もういいです。 行こう。」

暢子「申し訳ございません。」

厨房

矢作「おい 明日の注文 変更分も済んでるよな?」

暢子「やっておきます。」

矢作「うん。」

暢子「あっ 仕込みの段取り 一緒に 確認をお願いしたいんですけど…。」

矢作「何か やる気出ねえなぁ。」

(ドアの開閉音)

暢子「今日は 本当にいろいろと すいませんでした。 やっぱり うちがシェフ代行なんて 荷が重すぎるというか…。」

房子「最初から完璧にできる人なんていない。」

暢子「叱らないんですか?」

房子「今夜は 何も考えない。 早く帰って寝なさい。」

沖縄料理店・あまゆ

和彦「お帰り。 暢子 今日は悪かった。」

愛「暢子ちゃん 今日は 本当にごめんなさい。」

暢子「どうして あんなことに…。 何があったわけ?」

和彦「これ。」

暢子「ん?『おふくろの味 子どもの笑顔 おいしいごはんを作るのは お母さんの仕事』。」

愛「1週間前に載った 食品会社の広告なんだけど…。」

回想

和彦「料理を作るのは女と 決めつける表現は 男女の役割分担を固定化するものです。」

愛「読者からも 批判の声が寄せられています。」

和彦「これに対する我々の見解を はっきり 打ち出すべきじゃないでしょうか。

田良島「全く お前は…。 青臭い 生意気ばっかり 言いやがって…。 分かった。 思ったとおり 書いてみろ。 俺が 上に当てる。」

和彦「ありがとうございます。」

回想終了

愛「ところが 和彦が書いた原稿を読んだ  営業部長が どなり込んできて…。」

回想

営業部長「おい この記事は何だ 田良島! 東風食品は 大事な広告主。 あそこの会長は うちの社長の親戚筋だ! こんな記事を出してみろ。 お前を飛ばすだけじゃ 済まさないからな。」

回想終了

暢子「そんな…。」

和彦「僕らと同じ思いの社員も多いはずなのに 上の顔色うかがって 誰も 力になってくれない。」

愛「田良島さんが 編集局長に 直接 話し合う機会を作ってくれたんだけど…。」

回想

和彦「広告は広告 記事は記事。 目先の広告料のために 自由に記事を書けなくなったら 新聞社として終わり。 あの広告を批判する記事も 載せるべきです。」

笹森「お前らと話すことはない。」

笹森「何だよ。」

田良島「笹森さん… 編集局長 それは横暴でしょう。 議論することをやめたら 新聞は…。」

笹森「放せ!」

和彦「何するんだ!」

笹森「お前 誰に向かって物言ってんだ こら。」

和彦「局長! 何するんですか! 放してください!」

(食器が落ちる音)

(悲鳴)

回想終了

暢子「そういうことだったわけね。」

愛「明日 編集局長に 一緒に おわびに行こう。」

和彦「おわび? 何で 俺が。」

愛「ジャーナリストである前に サラリーマン。 悔しいけどね。」

和彦「俺は サラリーマンである前に 一人の人間だ。」

(戸が開く音)

賢秀「おう! 労働者諸君! ん?」

暢子「ニーニー。」

賢秀「どうした? どいつもこいつも お通夜みたいな面してからに。 悩み事なら 話してみー。 沖縄の一番星が 全部 解決すんどー! ん? ハハッ。」

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