【 連続テレビ小説「ちむどんどん」】53話のネタバレです。
あらすじ
暢子(黒島結菜)は、房子(原田美枝子)にシェフ代行に任命される。賢秀(竜星涼)のアドバイスを受けて「舐(な)められないように、強気で」という態度で臨むが、厨(ちゅう)房スタッフの矢作(井之脇海)らは反発して…。なかなかうまくいかない仕事に暢子はどうしたらいいのか悩みはじめる。沖縄やんばるでは良子(川口春奈)が復職を希望するが、いろいろな障害が立ちはだかる。
53話ネタバレ
あまゆ2階・ゴーヤー
賢秀「う~ん…。 どんなしたらいいか 分からん。 和彦の会社のことは 難しいな。」
暢子「全部 解決するんじゃ なかったわけ?」
賢秀「う~ん けど 暢子のレストランの悩みは 答えは 簡単。」
暢子「しんけん?」
賢秀「うん。 いいか よ~く聞けよ。」
暢子「うん。」
賢秀「謝ったら 負けやんどー。」
暢子「謝ったら 負け?」
賢秀「何があっても 謝らない。 お礼も言わない。 ケンカ上等ヤサでいけ! 暢子は なめられてるわけよ。」
回想
長山「どこが違うか 指示してやれよ。」
玉島「何だ それ。」
長山「バカバカしい…。」
回想終了
暢子「確かに なめられてるかも。」
賢秀「うん…。 俺の知ってる女は 絶対に謝らない。 お礼も言わない。」
暢子「誰のことね?」
賢秀「はぁ~…。 さて 明日の職探しのために 今日は お開きヤサ。 うん。」
暢子「職探しって そもそも 今まで どこで どんな仕事してたわけ?」
賢秀「もちろん グレイトなビジネスさ。 今日は ここまで。 お休み!」
暢子「謝ったら負け お礼も言わない…。」
比嘉家
良子「うちが 働くことを ご両親に認めさせて。 それまで うちは帰らないから。」
石川「そこまで言うなら 俺も腹をくくる。 那覇の両親には もう反対させない! 必ず説得して 迎えに来るから。」
石川の実家
小太郎「許さん。」
石川「ははっ!」
小太郎「本家長男の嫁が 外に働きに出るとか論外。 良子は 嫁の立場 嫁の務めを 全く分かってない。」
修「だから 最初っから反対した。」
石川「お父さん…。」
博太郎「おじぃの言うとおり。」
小太郎「博夫 長男としての自覚を持たんか!」
博夫「分かりました! 仕事に復帰することは諦めろと きっぱり言ってきます!」
比嘉家
良子「那覇で同居? 石川の家の皆さんと? 何で そうなるわけ?」
石川「おじぃも親父も 晴海のためにも その方がいいって。」
良子「うちが仕事するのを 認めさせるんじゃなかったの?」
石川「俺の立場も分かってくれ。 俺は 本家の長男だよ。」
レストラン・フォンターナ
厨房
暢子「長山さん これ ボイルお願いします。」
長山「おう。」
江川「1番様 プリモ出します。」
スタッフたち「はい。」
暢子「後ろ 通ります。 うわっ。」
矢作「いってえな。 ちゃんと 洗って返せよ。」
暢子「あっ ご…。」
回想
賢秀「暢子は なめられてるわけよ。 謝ったら 負けやんどー。」
回想終了
矢作「おい 聞いてんのか?」
暢子「ぶつかってきたのは そっちですよね?」
矢作「はあ? 何?」
暢子「3番様 急いでください。」
山辺「暢子ちゃん ディナーの配席 ちょっと 変更したくて…。」
暢子「駄目です。 指示したとおりにしてください。」
山辺「いや… でも この方が現場は…。」
暢子「これは 決定事項です!」
山辺「は~い…。」
長山「代行 これ ボイルじゃなくて ヴァポーレの間違いだよな?」
暢子「分かってるなら 今すぐ ヴァポーレしてください。」
長山「何だよ お礼ぐらい言えよ。」
玉島「(小声で)桃木さん 昨日とは 別人ですね。」
暢子「そこ! 無駄話 しない。」
桃木 玉島「は~い。」
矢作「お前 変だぞ? オーナーに 何言われたんだ?」
暢子「別に 何も 3番様 急いでください。」
矢作「はいは~い。」
(電話の呼び鈴)
控室
暢子「もしもし フォンターナです。 えっ? ズッキーニが納品できない? そんなの困ります。 なんとかしてください! そんなこと言われても…。 ちょっと! まさかやー。 来週からのメニュー 考え直しかねぇ…。」
智「ズッキーニか?」
暢子「智 なんとかならん? 来週使うわけ。」
智「いや この店のレベルの上物は そんなすぐ無理。」
厨房
矢作「来週のメニュー変更? 何で今更?」
暢子「おおまわりフーズさんから ズッキーニが 予定どおり納品できないと連絡が。 協力してください。」
矢作「誰が協力するか。」
暢子「これは シェフ代行の命令です!」
矢作「命令なら 従うよ。 はい 命令して。 女のシェフなんか 無理に決まってんだろ。」
暢子「女だからといって バカにしないでください! うちは シェフ代行の時は 男のつもりです!」
矢作「あ~あ…。」
オーナー室
暢子「今日は 大きなトラブルもなく 回せたと思います。」
房子「このままだと シェフ代行 失格。」
暢子「失格? どうしてですか?」
房子「自分で考えたら? 休み明けが 最後のチャンス。 それまでに 答えを考えてきなさい。」
(ドアが閉まる音)
暢子「(心の声)答え…。」
沖縄料理店・あまゆ
智「つまり 書いた記事を 載せたいと言い張れば 和彦の立場は悪くなる。」
愛「和彦が 局長を 殴ったことにされてるからね。」
暢子「でも 先に手を出してきたのは 上司でしょ?」
智「上司や取引先相手に 簡単に ケンカできないさ。」
暢子「そんなの分からん! 何でか あれこれ 腹の立つことばっかりさ…。」
トミ「余りものだけど よかったら食べて。」
暢子「ポークたまご! デージおいしそう!」
和彦「ありがとうございます。」
愛「ありがとうございます。」
智「食いもの見ると すぐ機嫌が直る 分かりやすい女ヤッサ。」
暢子「おいしいものを食べるのに 女も男も関係ない。」
智「で 和彦は どうしたわけ? これから。」
和彦「このまま 泣き寝入りするつもりはない。 男の都合で 女を『専業主婦』という型に はめるべきじゃない。 男も女も それぞれ あるがまま 尊重されて 大切にされる世の中で あるべきなんだ。」
暢子「よく分からんけど うちも そう思う。」
愛「近頃は 働く女性も増えてるしね。」
和彦「『おふくろの味神話』なんて 女性を 台所に縛りつける理想像にすぎない。」
愛「さあ 議論は その辺にして 頂きましょう。」
暢子「賛成!」
愛「はい。」
和彦「ありがとう。」
暢子「頂きます。」
和彦 愛 智「頂きます。」
暢子「アキサミヨー。 うちのポークが 少ない。」
愛「あっ ごめん。 男の人の方が いっぱい食べると思って。 よかったら 私のも食べて。」
和彦「僕のもあげるよ。」
智「暢子 愛ちゃんが 分けたとおり食べれ。 男は 女より体がでかい。 たくさん食べて 当たり前。」
暢子「うちは 男よたくさん食べる!」
愛「ごめんね 私が余計なこと しちゃった。」
暢子「愛さんは 悪くない。 智の態度が 気に入らないわけ。」
智「たかがポークで むきなるな。 女は 愛嬌 愛ちゃんを見習え。」
暢子「何で 愛嬌がないといけないわけ? 女も 男と同じように働けるし ポークも食べる!」
智「だけど 実際 結婚すれば 女には 出産も子育てもある。」
和彦「いや それはどうかな。 出産と子育てだけが 女の幸せとは限らないよ。」
愛「それは 私も そう思う。 仕事が生きがいの女性がいても いいと思う。」
智「今は 夢を追いかけてもいい。 だけど いずれは結婚して 子供を産んで…。」
暢子「嫌だ! うちは ず~っと仕事を続ける。」
智「あっ ちょっ やめれ。 これは 俺の。」
暢子「あ~! ぽってかす。」
玄関前
(戸の開閉音)
三郎「まだ膨れてんのか?」
暢子「何で うちだったのかな。 女のうちを シェフ代行にしたら みんなが反発するのは 目に見えていた。 なのに オーナーは…。」
三郎「女ってだけどもねえだろう。 暢子ちゃんは オーナーさんの親戚だろ。」
暢子「うん…。」
三郎「血縁を えこひいきしている。 そんな 心ない陰口を 言われるおそれもある。 それでも あえて指名したのは 期待したから。 俺には そうとしか思えねえ。 オーナーは 男に負けじと 死の物狂いで闘ってるか?」
暢子「確かに 厳しいけど 闘ってはいないです。」
三郎「男みたいになろうとしてるかい?」
暢子「いつもきれいで お客様とのおしゃべりは 上品で優しい。 女性らしいといえば 女性らしいような…。 でも…。」
三郎「でも?」
暢子「オーナーは オーナーです。 男とか女とか言うよりも。」
三郎「答えは 出てるじゃねえか。 ポークと卵みたいなもんだよ。 どっちが上か下かじゃねえだろう? ポークは ポークらしいのが一番。 卵もそうだ。 元の豚や 生まれるヒナが オスなのかメスなのかなんて 関係ねえだろう。 ん? そういうことだよ。 なっ。」
暢子「どういう意味…?」
比嘉家
賢吉「良子!」
良子「おじさん。」
賢吉「優子さんは? 子供は?」
良子「今 畑に。 晴海は 歌子と遊びに。」
賢吉「那覇の 石川さんのお父さんから 電話があった。 お前 先生の仕事に戻るというのは 本当か?」
良子「はい。」
賢吉「今すぐ 博夫君の所に帰れ。 結婚は 家と家のもの。 お前一人のわがままで 親戚中に 大変な迷惑が かかってる! 女は 家庭を守り 男を支えるのが仕事! 諦めれ! お前が悪い!」
優子「良子は 悪くありません! 良子は 悪くありません。」
良子「お母ちゃん…。」
優子「良子は 一生懸命考えて 決めようとしているだけです。 それが 悪いはずありません。」
レストラン・フォンターナ
厨房
暢子「おはようございます。 寝坊しました!」
シェフ代行 暢子。 大ピンチです。