ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「ちむどんどん」54話「ポークとたまごと男と女」

【 連続テレビ小説「ちむどんどん」】54話のネタバレです。

あらすじ

暢子(黒島結菜)はシェフ代行として、フォンターナの厨(ちゅう)房をうまく仕切ることができない。矢作(井之脇海)たち男性スタッフとの溝が大きくなってしまった。どうしたらいいのか、二ツ橋(高嶋政伸)からヒントをもらったが、スッキリしない暢子は沖縄の家族に相談をもちかける…。沖縄やんばるでは良子(川口春奈)の復職希望に、さまざまな障害が立ちはだかる中、優子(仲間由紀恵)が良子の想(おも)いを支える。

54話ネタバレ

レストラン・フォンターナ
厨房

暢子「おはようございます。 寝坊しました!」

二ツ橋「おはようございます。」

スタッフたち「おはようございます。」

暢子「シェフ… 足 治ったんですか? よかったですね~。」

二ツ橋「答えは 分かりました? どうして シェフ代行失格なのか。 まだ 分かりませんか?」

暢子「えっ?」

房子「おはようございます。」

暢子「オーナー!」

房子「答えは 分かった?」

暢子「答え? 答え…。 まだ 分かりません。」

房子「シェフ代行 失格! あなたは クビ!」

あまゆ2階・ゴーヤー

(目覚まし時計の音)

暢子「いやっ! ああっ…。 アイヤー! 答え… 全然分からん。 どうしよう…。 今日は 休みだ…。」

比嘉家

優子「気にしないで。 しばらく 晴海と ここで暮らしたらいいさ。」

良子「お母ちゃん 本当に ごめんなさい。」

優子「謝ることは何もないよ。 ここは 良子の家でも あるんだから。」

良子「だけど…。」

優子「子供は 一人で育てられるものじゃない。 うちも たくさんの人に助けられて いろいろ教えてもらって 良子たちを 育てることができた。 母親だからって 何もかかも 一人で抱え込まなくていい。」

優子「やりたいことがるなら 思いっきり やればいい。 母親が仕事をしてはいけないなんて 決まりは ないんだから。 誰が何と言おうと 世界中の人が敵になっても うちは 良子の味方。」

良子「ありがとう。」

優子「将来 晴海が 働きたいのに 許してもらえないって苦しむような そんな世の中に ならないようにしないとね。 そのために 良子にしか できないことが 必ずある。」

病院
病室

二ツ橋「誰だってそうです。 最初から完璧に シェフをこなせる人なんかいません。」

暢子「だけど やっぱり うちが女だから…。」

二ツ橋「推薦したのは 私なんです。」

回想

房子「今のメンバーの中で あんたの代わりができる人は誰?」

二ツ橋「強いて挙げるとすれば…。 暢子さんだと思います。」

房子「あの子は… 一番年下だし 第一 私の親戚だから。」

二ツ橋「いつも おっしゃってるじゃないですか。『コネも理屈も関係ない 実力とやる気が全て』。 女性だし 若いし オーナーの親戚ですから 初めは あつれきもあるでしょう。」

二ツ橋「だけど 技術もセンスもあります。 何より 暢子さんらしさを失わずに 代行をこなしてくれれば そんな暢子さんを中心に みんなが 力を合わせることができれば フォンターナ全体の 大きな成長につながると思います。」

回想終了

暢子「うちらしさ… ですか?」

二ツ橋「男も女も関係ない。 暢子さんは 暢子さん。 大事なのは あなたらしさ。 あなたのいいところを忘れずに 仕事してください。」

暢子「はい。」

レストラン・フォンターナ
厨房

(ドアの開閉音)

賢秀「やあやあ やあやあ 労働者諸君! 休日出勤 ご苦労さん!」

暢子「ニーニー どうしたわけ?」

賢秀「とある会社の面接に行った帰りに ばったり 智とよ。 ケンカ中って? 俺が 仲直りさせてやるからよ。」

智「というのは口実で。」

賢秀「腹が減って死にそうなわけさぁ。 何か食べさせてくれ。」

暢子「面接は?」

賢秀「ハッハッハッハ…。」

暢子「駄目だったんだね。」

賢秀「おう。」

暢子「お店のものを 勝手に出すことはできません!」

賢秀「固いこと言わんけー。」

智「ズッキーニ 仕入れのめど 立ったのか?」

暢子「めどが立たないから こうやって メニューを考え直してるわけさ。 はぁ~。 うちは もう 何をどうすればいいか…。」

智「ふ~ん…。」

賢秀「何で もう行くのか?」

智「お呼びでないみたいだから。」

賢秀「ガキじゃあるまいし いいかげん 仲直りせー。 ったく…。」

暢子「ニーニー 教えて。 うちのいいところって どこ?」

賢秀「何か いきなり。」

暢子「いいから。 うちらしさって 何ね?」

賢秀「何か 食わせてくれれば。」

暢子「真面目に考えて!」

賢秀「う~ん…。 フーチャンプルーを作るのがうまい。」

暢子「それから?」

賢秀「ヒラヤーチーも そばもうまい!」

暢子「沖縄の食べ物ばっかりさぁ。」

賢秀「であるわけさぁ 暢子といえば…。 そうだ… ポークたまごも うまい。 ハハハ…。」

回想

三郎「ポークと卵みたいな もんだよ。 ポークは ポークらしいのが一番。 卵もそうだ。 答えは 出てるじゃねえか。」

回想終了

暢子」(心の声)『ポークは ポーク 卵は 卵…。 うちは… うち?』あ~! あと もう少しで分かりそうだのに。 うちが もっと利口だったら…。 うち 頭が悪いから…。」

賢秀「暢子… 暢子!」

暢子「えっ? あっ ごめん ニーニー。 ちょっと 今は…。」

賢秀「気にするな! 俺は 外で食べてくるから。 分からんけど 今は 俺じゃ 助けにならないみたいだから。 悔しいけど。 ハハッ。」

暢子「そんな…。」

賢秀「でもよ 自分のこと悪く言って すねるのは 暢子らしくない。 それは 俺でも分かる。 困ったら いつでも俺を頼れ! 俺じゃない時は ほかの家族を頼れ! いいか?」

暢子「うん…。」

賢秀「あばよ!」

(ドアが閉まる音)

沖縄料理店・あまゆ

三郎「よ~い のこった!」

(声援)

(歓声)

「健男だ!」

三郎「健男の勝ちだ!」

(歓声)

三郎「答えはまだ ヤブの中か…。」

玄関前の公衆電話

優子「はい 比嘉です。」

暢子「もしもし お母ちゃん?」

優子「暢子? 仕事は 順調?」

暢子「お母ちゃんに 今更こんなこと聞くの ちょっと 恥ずかしいんだけど…。」

優子「何? 何でも聞いて。」

暢子「うちの いいところはどこ?」

優子「急に どうしたわけ?」

暢子「あ… ちょっと 聞いてみたくなっただけさ。」

優子「ん… 元気なところ?」

(ブザー音)

暢子「それから?」

優子「ん… 足が速い!」

暢子「それから?」

優子「何でも おいしく食べるところ。」

(ブザー音)

暢子「違う そういうことじゃない気がする。」

優子「違うって言われても。」

暢子「もっとない? それが分からないと うちは 一歩も先に進めない。」

店内

三郎「もう一息。 順次! 10円出せ 10円。」

順次「えっ じゅ… 10円!?」

三郎「トミちゃん! トミちゃんも!0円!」

トミ「えっ 10円?」

公衆電話

暢子「あ~ 十円玉が…。」

(ブザー音)

暢子「三郎さん?」

店内

三郎「ほら お前も早く出せ。 ほら。 1枚100円で買ってやるからよ。」

健男「えっ!?」

「十円玉 1枚100えん!?」

「俺 もう全部出しちゃう…。」

公衆電話

暢子「ありがとうございます!」

優子「とう! それが 暢子のいいところ!」

暢子「それが?」

優子「お父ちゃんと2人で いつも話してた。」

暢子「何て?」

優子「『ありがとう』と『ごめんなさい』を 大きな声で言えるところが 暢子の一番いいところよって。」

回想

暢子「お母ちゃん 今日まで 育ててくれて ありがとう。 いっぱい わがまま言って ごめんなさい。」

優子「偉いねえ。『ごめんなさい』と『ありがとう』が言えるのが 暢子の 一番いいところ。」

回想終了

暢子「『ありがとう』と『ごめんなさい』…。」

優子「うん。」

暢子「やっと答えが見つかった!」

優子「答え?」

暢子「お母ちゃん ありがとう!」

三郎「あっ!」

暢子「あっ! ごめんなさい!」

三郎「ああ… 大丈夫 大丈夫…。 ど… どうってことはねえ…。 電話 終わったのか?」

暢子「はい。」

三郎「終わった。 ああ よかった…。 大丈夫だって。」

レストラン・フォンターナ
玄関前

暢子「よし!」

厨房

暢子「皆さん 聞いてください!」

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