ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「ちむどんどん」56話「古酒(くーす)交差点」

【 連続テレビ小説「ちむどんどん」】56話のネタバレです。

あらすじ

暢子(黒島結菜)は房子(原田美枝子)と二ツ橋(高嶋政伸)に見守られ順調に料理人として成長していた。沖縄やんばるでは、良子(川口春奈)と石川(山田裕貴)のふたりが、別居状態。夫婦の問題を抱えたまま和解することができずに過ごしていた。ある日、暢子はひょんなことから和彦(宮沢氷魚)と愛(飯豊まりえ)が、まもなく結婚するのでは、ということを知ってしまう。

56話ネタバレ

レストラン・フォンターナ

1978年(昭和53年)4月

暢子「『お母ちゃん ネーネー 歌子 元気ですか? 久しぶりに手紙を書きます』。」

暢子「お願いします。」

記者「はい。」

暢子「『早いもので うちが東京に来て もうすぐ 丸6年。 フォンターナは この前 雑誌の取材を受け うちも インタビューを受けました!』。」

記者「イタリア料理は 家庭で作るには なかなか ハードルが高いですよね。」

暢子「いえ。 この料理なら リコッタチーズを  水切りヨーグルトで代用すれば ご家庭でも作れると思います。」

(シャッター音)

記者「暢子さんは プライベートでも イタリア料理を?」

暢子「イタリア料理だけとは限りません! おいしいものは 何を食べても勉強になります。 料理の修業は 年中無休ですから。」

(シャッター音)

記者「暢子さん。」

暢子「ん?」

記者「現在 恋人は?」

暢子「まさかやー! うちは 料理が恋人です。」

記者「結婚願望は?」

暢子「全くありません!」

(シャッター音)

暢子「『毎日 忙しいですが やりがいを感じて とても楽しく仕事しています。 和彦君は 新聞社で活躍中。 今や 学芸部のエースと 呼ばれているそうです』。」

田良島「琉球政府時代か。」

和彦「はい。 首里城は いろいろな意味で 沖縄の歩みを 代表してると思います。 復帰前のことを掘り下げることが 今こそ 意味がるんじゃないですか?」

田良島「うん…。 気持ちは分かるが 今 お前 手いっぱいだろう?」

和彦「沖縄は 僕のライフワークなんです。」

田良島「分かった 分かった。」

暢子「『沖縄のことを話している和彦君は 何か キラキラしています』。」

沖縄料理店・あまゆ

和彦「砂川社長 チバリヨー!」

智「ありがとう!」

愛 暢子「チバリヨー!」

暢子「『智は 間もなく独立して 食品卸の会社を 始めることになりました』。」

智「頂きます。」

愛「フフッ…。」

暢子「あっ 和彦君 しょうゆ かけ過ぎ!」

和彦「そう?」

暢子「こお塩加減が パーフェクトなわけ。」

智「暢子は さっきから 取り過ぎやんどー。」

暢子「あっ 何で インチキ 返して!」

和彦「また始まったよ。」

愛「ほらほら ケンカしないで。」

智「じゃあ ジャンケン。」

暢子「ジャンケン?」

智「うん。」

暢子「『とにかく うちは 毎日 充実しています。 この幸せが いつまでも続けばいいのにと 願っています』。」

智「ジャンケン ポイ!」

比嘉家

歌子「『ネーネー お手紙ありがとう。 良子ネーネーは 晴海と 今でも ここで暮らしていて 働くことを 石川家の皆さんが認めてくれるまで 戻らないそうです。 博夫さんは 御父さんたちを 説得し続けてるみたいなんだけど…』。」

石川「最近 変わったことない?」

良子「バナナの味なら いつでも一緒。」

石川「だからさ。 バナナじゃなくて。」

良子「変わらないといけないのは 博夫さんの方 ア ラ ニー。」

山原村共同売店

善一「ああ ああ… 優子さんは 運ばなくていいから。」

優子「これぐらい大丈夫。」

善一「駄目駄目。 レジをお願いします。」

優子「いや でも もう すぐそこだから。」

善一「駄目なものは 駄目。 ほり 早く。」

優子「分かりました。」

善一「アリ アリアリ…。」

安室「やっぱり 第二の青春さぁねぇ。」

新垣「カナサンドー 老いらくの恋かねぇ。」

善一「おばぁ 老いらくって…。 アガッ!」

(笑い声)

善一「ったあ…。」

山原小中学校
職員室

良子「また 知念先生のクラスの子が 廊下を走ってましたよ。」

知念「アイヤー… すみません。」

良子「規則には 理由がある。 ぶつかってケガでもしたら 大ごと。 もっと 担任として 自覚を持って指導してね。」

知念「はい。 以後 気を付けます。」

教室

児童「『その手を母さんキツネは しばらく にぎっている間に かわいい人間の子供の手に してしまいました。 ぼうやのキツネは その手を ひろげたり にぎったり』…。」

良子「誠 ちゃんと前を向いて。 何回言えば 分かるの? やる気がないなら 廊下に立っておきなさい。 立ってなさい。」

良子「はい 続き読んで。」

児童「『つねったり かいでみたりしました』。」

養豚場

賢秀「お~…。 上等ヤッサー。 真面目に働いたからな。 うん。」

直美「ごめんくださ~い。」

賢秀「チュラカーギーさー。」

直美「ちゅ?」

賢秀「あっ いや ご用件は?」

直美「私 横浜の方で 化粧品や洗剤などを 作る会社に勤めている 多田直美と申します。 実は 今 経営の方が すごく厳しくて。」

賢秀「それは大変やんやー。 あっ どうぞ 入ってください。 おっ おおっ…。 汚いですけど どうぞ。 何で こっちの方まで?」

直美「こっちの方に親戚がいて 少しでも足しになればと思い 行商して回っているんです。 こんなものを 扱っているんですが いかがでしょう?」

賢秀「買います! この石鹸 あるだけ 全部 下さい!」

直美「本当ですか?」

直美「50個で お値引きさせていただきますので えっと…。」

賢秀「じゃあ これ。」

直美「えっ?」

賢秀「釣りは 要りません。」

直美「ありがとうございます。 若社長さん?」

賢秀「あっ いや 俺は…。 若社長… ですね。」

直美「本当ですか? これ 連絡先です。」

賢秀「俺 比嘉賢秀です。」

直美「比嘉さん。」

賢秀「沖縄の一番星と言われましてね…。」

清恵「どちらさま?」

賢秀「君! 遅かったんじゃないか。」

清恵「へっ?」

演習「お客様に お茶!」

清恵「ああ…。」

賢秀「全く 気が利かない従業員で しょうがないな~! ほら! お茶 お茶 お茶…。」

清恵「私? 何 押さないでよ!」

直美「あの!」

直美「ありがとうございました。 さよなら。」

賢秀「えっ? あっ…。 あっ… あっ ちょっ…。 あっ ちょちょちょ…。 さよなら! 必ず 連絡しますからね。」

寛大「何だ あの石鹸。」

清恵「さあ 好みなんじゃない?」

寛大「好み? 石鹸?」

賢秀「はぁ~…。 直美ちゃん。」

沖縄料理店・あまゆ
店内

和彦「デートに誘いたい?」

智「いつもとは違う雰囲気の ムードある お店で 暢子と しっかり 話をしたいと思ってるわけ。」

和彦「どんな話を?」

智「例えば… 未来の話とか。」

和彦「未来って 日本の? それとも沖縄の?」

智「いや そういう未来じゃなくて。」

愛「そういうことね。」

和彦「どういうこと?」

愛「鈍感。」

(ドアが開く音)

暢子「ただいま。」

愛「お帰り。」

和彦「お帰り。」

智「お帰り。」

暢子「えっ? どうしたわけ?」

智「暢子 次の休み いつ?」

暢子「日曜日。」

智「2人で どっか行かないか?」

暢子「横浜の中華街! この前は お店入る前に 肉まん食べたから ギョーザと 青葉炒めと マーボー豆腐と 酢豚と 五目あんかけごはんを 食べたところで おなか いっぱいで エビのチリソースも チンジャオロースも ホイコーローも 食べられなかったよねぇ。」

智「だからよ。 今度は そういうのじゃなくて…。」

暢子「あっ 分かった! 4人で行けば もっと おいしい料理を たくさん食べられる! 今度は 絶対 4人で行こう!」

和彦「いいね。」

愛「その日 私たち 予定があって。 ねっ。 うん。」

玄関前

暢子「大丈夫?」

愛「酔い覚ましっていうのは口実で 本当は これを早く読みたくて。 結婚願望は『全くありません!』。」

暢子「アイヤー 恥ずかしい。 うちのこと 変わり者だと思う?」

愛「ちっとも思わない。 ここだけの話 私も昔 結婚はしないって思い込んでたの。」

暢子「まさかやー。」

愛「私 洋裁をしていた母の影響で 子供の頃から ファッションに興味があったの。 夢は いつかパリで働くこと。」

暢子「パリ?」

愛「パリで働く自分を想像すると幸せで 結婚なんて 考えもしなかった。 だから 新聞社でも パリ支局に配属されることが夢だった。」

暢子「デージ格好いい!」

愛「今は もう諦めてるけど。」

暢子「どうして?」

愛「パリ支局は ファッション好きなだけで 行けるほど 甘くはないし…。 結局『結婚して 幸せになってほしい』っていう親の期待を 裏切れないと思う。 暢子ちゃんが 羨ましい。 いつも自由で 何にも縛られず 感じるままに生きていて。」

暢子「うちは 愛さんが羨ましい。 おしゃれで 上品で 頭もよくて。」

愛「ううん。 お互い ないものねだりってことなのかな。」

暢子「うちは 今 とっても幸せ。 ずっと このままで 暮らしたいわけ。」

愛「うん…。 それはどうかな。」

暢子「ん? 望んでも 望まなくても 変化は 突然やって来るものだから。」

暢子「変化は 突然…?」

愛「うん…。 あっ 明日 よろしくね。 父の誕生日祝いで 両親とフォンターナに行くから。 和彦も一緒。」

暢子「精いっぱい サービスします。」

愛「フフフッ。」

レストラン・フォンターナ
ホール

豊「先月行った 葉山のフレンチもよかったが この店のイタリア料理も なかなかだね。」

和彦「はい。 去年 連れてってくださった 軽井沢のステーキハウスにも 2人で また行ってみようって 愛さんと話していたんです。」

豊「来週辺り 4人でどうだ?」

富子「あなた 今日は そんなお話をしに来たんじゃ。」

暢子「失礼いたします。 ドルチェをお持ちしました。」

豊「うちで持ってる 白金台のマンションに 近々 空きが出るんだが 一度 2人で見に来ないか。」

和彦「マンションを見に?」

豊「籍を入れる前に 一緒に住むのは 気が引けるというなら 式は早めてもいい。 最近じゃ ジューンブライドという言葉も はやってるそうだし 結婚式は 6月でどうかね?」

和彦「結婚 ですか?」

愛「お父様 私たちは まだ はっきりと決めたわけじゃ…。」

富子「誰かが背中を押さなきゃ 2人とも 仕事仕事で 話は ちっとも前に進まない。 そろそろじゃないの?」

和彦「そうですね。」

暢子「失礼いたしました。」

厨房

矢作「暢子 どうした?」

暢子「矢作さんは 何歳の時に 結婚しました?」

矢作「はっ? あ… 19。」

暢子「アキサミヨー! 早すぎさぁ。」

矢作「結婚は 勢い。 逆に 勢いがなきゃ 一生できない。」

暢子「変化は 突然訪れる…。」

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