【 連続テレビ小説「ちむどんどん」】5話のネタバレです。
あらすじ
暢子(稲垣来泉)たち比嘉家のみんなは、東京からやってきた民俗学者・青柳史彦(戸次重幸)と息子の和彦(田中奏生)と親しくなる。そして家族みんなで、史彦の招待を受けてレストランで食事をすることに。初めて見るきらびやかな西洋料理、さっそうとした料理人の姿に、食いしん坊の暢子は心を奪われてしまう。そんな楽しい日々の後、比嘉家の大黒柱・賢三(大森南朋)の身に不吉な事件が…。
5話ネタバレ
レストラン
暢子「何で こんなにあるわけ?」
史彦「料理ごとに使い分けて食べるんだ。」
和彦「外側から順に使うんだ。」
和彦「料理が来てからでいいよ。」
暢子「あっ であるね。」
良子「ニーニー やめて。」
賢秀「これがよ 恰好いいと思われるわけさ。」
良子「…なわけないさぁ。」
優子「歌子? 大丈夫ね?」
賢三「大丈夫 お父ちゃんも緊張してるから。」
ウェイトレス「お待たせしました。 こちらは あさりのクリームスープでございます。」
暢子「ちょっと待って! もう一度 ゆっくりしゃべって。」
ウェイトレス「失礼いたします。 こちらは あさりのクリームスープでございます。」
暢子「『あさりの』…。」
賢秀「描かなくていいさ 学校の勉強じゃないだろ。」
暢子「一生の思い出にするわけ。 忘れないように。」
史彦「さあ 冷めないうちに。」
賢三「頂きます。」
一同「頂きます。」
賢秀「アキサミヨー。」
良子「おいしい。」
暢子「おいしい~。」
優子「青柳さん 本当に…。 ありがとうございます。」
史彦「とんでもない。 先日のごちそうのお返しです。」
ウェイトレス「こちらは 海の幸のサラダです。」
暢子「『海の幸』…。」
暢子「ん~。 これも おいしい。」
ウェイトレス「お待たせしました。 メインのデミグラスソースの ハンバーグステーキでございます。」
暢子「『ステーキ』。」
ウェイトレス「失礼いたします。」
暢子「フフッ…。 ん~ おいしい!」
賢秀「マーサンヤー!」
良子「大きな声 出さないで。 恥ずかしいさ。」
賢秀「おいしいものを おいしいって言って 何が悪いわけ?」
賢三「おいしいものを 大好きな人と食べると 誰でも笑顔になるからな。」
(笑い声)
和彦「ニヤニヤし過ぎ。」
暢子「いいさあ 幸せだのに。 レストラン 最高~!」
優子「お母ちゃんもね 昔 食堂の娘だったんだよ。」
良子「ん?」
暢子「しんけん?」
良子「知らなかった。」
賢三「いつ?」
優子「もう ずっと昔。」
暢子「お父ちゃん。」
賢三「ん?」
暢子「うち 東京に行ってみたい!」
賢三「えっ?」
賢秀「ありえん。 そんな金があったら 俺の新しいズックを買ってほしいよ。」
暢子「要らないって言ってたさ。」
良子「代わりに それ 買ってもらったでしょ。 お父ちゃん 体操着 先輩のお下がりだから 古くて ほつれてる。 新しいの買って。」
優子「何? みんな 急に ぜいたくなこと言って。」
賢秀「父ちゃん 頼む!」
良子「お願い!」
賢三「分かった 分かった 買ってあげるから。 早く食べなさい。」
賢秀「はい!」
良子「はい!」
優子「(小声で)大丈夫ね?」
賢三「まあ なんとかするさ。」
暢子「おいしい。」
シェフ「本日は ありがとうございます。」
「ごちそうさまでした。」
シェフ「お料理の方は いかがでしたか。」
暢子「恰好いい…。」
シェフ「ごゆっくりなさってください。」
シェフ「本日は お楽しみいただけましたでしょうか。」
史彦「はい。 おいしかったです。 ごちそうさまでした。」
シェフ「ありがとうございます。」
暢子「あの真っ白な服で料理してるわけ?」
史彦「コックコートっていうんだよ。」
優子「青柳さん あと1か月ぐらいですか?」
史彦「本当 あっという間で…。」
和彦「東京に遊びに来いよ。 おいしいもの いっぱいあるぞ。」
暢子「東京には レストランが 何軒ぐらいあるわけ?」
和彦「たっくさん。」
暢子「10軒? 20軒?」
和彦「もっと。」
暢子「50軒? 100軒?」
和彦「もっと もっと もっと!」
暢子「わ~ ちむどんどんする! いつか東京に行ってみたい。」
比嘉家
(三線の音)
賢三「もうすぐ 那覇に出るけど キビ倒しまでには戻るから。」
優子「出稼ぎに?」
賢三「いろいろ お金もかかるし。 銀行の借金も。 保証人になってもらってる叔父さんに 迷惑かけるわけにもいかないし。」
優子「無理し過ぎたかねえ。 家建てたのも キビ畑買ったのも。」
賢三「また いい時も来るよ。」
優子「無理しないでよ。 健康が 一番大事だからね。」
賢三「うん。」
賢三「何の悩みもない顔して寝てからに。」
優子「これから たくさん悩むさ。 うちらが来た道と一緒。」
賢三「いつか 話してやらんとな 昔のこと。 子供は不思議だな。 何でもしてやりたいのに 肝心なことは何もしてやれない。」
優子「だからよねえ。 うちの親は どんなしてかねえ。 今のうちを見たら 何て言うかねえ…。」
♬~(三線)
『てぃんさぐぬ花や 爪先に染みてぃ 親ぬ寄し事や 肝に染みり 天ぬ群星や 読みば読まりしが 親ぬ寄し事や 読みやならん 親ぬ寄し事や 読みやならん』
砂川とうふ店
暢子「おはよう 智!」
智「呼び捨て禁止!」
玉代「暢子ちゃん おはよう!」
暢子「おばさん 寝てなくていいわけ?」
玉代「診療所の先生が もう大丈夫って。」
暢子「よかったねえ。」
玉代「智 今日から行くから よろしくね。」
暢子「うん。」
比嘉家
賢三「頂きます。」
一同「頂きま~す。」
賢三「昨日のレストランと どっちおがおいしい?」
暢子「どっちもおいしい。」
賢三「ハハハハ…! 暢子が食べるの見てたら こっちまで幸せさぁ。」
暢子「みんなで食べるから おいしいわけよ。」
優子「お父ちゃんが出稼ぎに出たら さみしくなるねぇ。」
暢子「お父ちゃん 帰ってきたら うちが そば作ってあげる!」
賢三「おお。 それは楽しみだな。 ハッハッハ…!」
シークワーサーの木
暢子「ふんっ。」
児童1「おい 食いしん坊! 何してる!」
児童2「おてんばは結婚できないってよ!」
児童1「え~い おえんば暢子!」
児童2「女には無理ヤサ~!」
暢子「うるさい! あっち行け!」
2人「逃げれ~!」
暢子「アガッ 痛っ! まさかやー。 フフッ…。 やっぱり世界一! お父ちゃ~ん! 自分で取れたよ~!」
暢子「あっ…。(カバンを忘れかける」
ウージ畑
賢三「ああ…。 ああ… はあ…。 うっ…。」
(倒れる音)
賢三「うっ…。」
優子「えっ… 賢三さん! どうしたの? 賢三さん… 賢三さん! 賢三さん! 賢三さん!」
(賢三のせきこみ)
優子「賢三さん!」
山原小中学校
善一「賢秀! 良子! すぐ帰れ! 暢子も歌子も! 早く!」
道中
良子「歌子 早く!」
これは 沖縄本島北部 『やんばる』と呼ばれる地域の ある家族の物語です。
父や母 そのまた父や母が そうであったように 子供たちの未来には 誰も良そうできなかった出来事が 誰も通ったことない道が 待ち受けています。