ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「ちむどんどん」60話「古酒(くーす)交差点」

【 連続テレビ小説「ちむどんどん」】60話のネタバレです。

あらすじ

暢子(黒島結菜)は、和彦(宮沢氷魚)と愛(飯豊まりえ)の様子を偶然に見てしまったことに動揺する。賢秀(竜星涼)がひょんなことから暢子の勤め先、レストランのフォンターナで、房子(原田美枝子)の酒を勝手に飲んで酔いつぶれてしまい、迎えに行った暢子は、房子とふたりで差し向かいで酒を酌み交わすことになってしまう。房子との会話の中で、暢子は生まれて初めての「恋愛感情」に気づいてしまう。

60話ネタバレ

横浜・鶴見

愛「お休みなさい。」

和彦「送るよ。」

愛「大丈夫。」

和彦「愛。」

暢子「ごめん…。」

和彦「ううん。 送ってくる。」

沖縄料理店・あまゆ

トミ「お帰り。」

順次「今日は 一日ご苦労さん。」

暢子「アガッ! 痛っ。」

順次「アイヤー 大丈夫ね?」

暢子「あっ… 大丈夫です。」

トミ「あっ 暢子ちゃん。 夕方ね フォンターナのオーナーさんから 何度か 電話が かかってきたよ。」

暢子「オーナーからですか?」

比嘉家

歌子「♬『天(てぃん)ぬ群星(むりぶし)や  読みば読まりしが 親(うや)ぬ寄し事(ぐとぅ)や 読みやならん』」

歌子「お母ちゃんと お父ちゃん どこで出会ったの?」

良子「何? いきなり。」

歌子「今 お父ちゃんのことを思い出したら 急に 2人は どこで出会って どんなやって 結婚することになったのかなって。」

良子「そういえば 結婚する前の話は ほとんど 聞いたことないね。」

歌子「うん。」

優子「良子は?」

良子「えっ? うち?」

優子「晴海が 大きくなって『何で お父さんと結婚したの?』って 聞かれたら 何て答える?」

良子「先生になるために 勉強している時に出会って…。 お父さんちお一緒に 沖縄の未来を 考えていきたいねって話し合って。 お互いに 立派な先生に…。 立派な先生に 一緒になりたいって思ったから。」

歌子「すてきだねえ。」

優子「であるねえ。」

良子「お休みなさい。」

歌子「お休み。」

優子「お休みなさい。」

レストラン・フォンターナ
オーナー室

(ノック)

房子「どうぞ。」

(賢秀のいびき)

暢子「はぁ~…。 すいません。 ニーニー! 起きて。 帰るよ。」

賢秀「ん… ああ…。」

暢子「はい。 ん~!」

賢秀「ああ… ああ…。」

房子「店で ワイン8本頼んで 半分は 一人で飲んじゃったの。」

暢子「アイヤー。」

回想

矢作「お待たせいたしました。 1070年の バルバレス・ラスぱどーりでございます。」

賢秀「貸せ!」

回想終了

暢子「ぽってかす! 何やってるわけ?」

房子「その上 ここで待たせていたら 私の… 秘蔵のワインを勝手に…。」

暢子「申し訳ありません!」

房子「ピエモンテで ロンバルディアで トスカーナで カンパーニャで 私が集めてきたワインを…。」

暢子「一生かかっても 償います!」

賢秀「幸せになれるかな…。 俺が 幸せにしてやりたかったヤッサー…。」

暢子「ちゃーならん! もう帰るよ!」

賢秀「直美~!」

房子「あ~ やってらんない。 私に つきあいなさい。 おいしい酒でも飲まなきゃ やってらんない。」

暢子「えっ うちが オーナーと2人でお酒を?」

房子「これは 頂き物の沖縄の古酒(くーす)。 20年ものよ。 あなたには もったいないけど。」

暢子「古酒?」

房子「丁寧に 仕次ぎをして 泡盛を熟成させたもの。」

暢子「あ~ 実は うち 泡盛は あんまり得意ではなくて…。」

房子「古酒。」

暢子「じゃあ 一杯だけ。」

沖縄料理店・あまゆ

和彦「ただいま。」

トミ「お帰り。」

順次「お帰り。」

和彦「あの… 暢子は?」

順次「さっき フォンターナから電話があって。 何か 急用って。 こんな時間にね。」

多江「さっき 聞いたわよ。 大野 愛さんと ついに婚約だって?」

和彦「まあ…。」

三郎「おめでとう。」

多江「おめでとう。」

和彦「失礼します。」

三郎「和彦 飲もう。」

和彦「ちょっと そんな気分じゃないんです。」

三郎「いいから。 座んな。」

レストラン・フォンターナ
オーナー室

暢子「これ… バニラの香りがして まろやか?」

房子「もう一杯。」

暢子「えっ…。 あっ あ~! あっ 待って… こんなに!?」

沖縄料理店・あまゆ

和彦「愛は… 彼女には 何の問題もないし 何一つ 不足もない。 僕には もったいないくらいの女性です。」

三郎「だったら 幸せにしてやんなよ。」

多江「あら 幸せは 2人で築いていくものでしょ。」

和彦「ただ…。 このまま 結婚したら いけないような気がして。」

多江「どうして?」

三郎「まあ 飲みなよ。」

和彦「あっ すいません。」

三郎「人間 生きてりゃ 何度も分かれ道に立つ。 どっちに行きゃいいか 何度も迷う。 その度に エイヤッ! どっちかに進むしかねえ。 なっ?」

レストラン・フォンターナ
オーナー室

暢子「であるわけさぁ。 何で 今のままで いられないんですか? みんな 結婚とか考えないで 何もかも 全部 今のままで いいじゃないですか! あ~! あっ もう一杯 いいですか?」

房子「フッ あんた そういう酒だったの?」

暢子「これ 本当に まろやかで うちにの 飲みたい時があるんですよ。」

房子「もういい ぼちぼち帰りなさい。」

暢子「質問に答えて!」

房子「フッ…。 愛が恐れているのは 愛の破滅よりも むしろ 愛の変化である。」

暢子「アイ?」

房子「ニーチェの言葉。」

暢子「にーちゃん?」

房子「ドイツの哲学者 フリードリッヒ・ニーチェ。」

暢子「うちは 恋愛も結婚もしない。 料理が 恋人です。 どうせ うちは 豚ですから。」

房子「豚?」

暢子「『豚に真珠』って言われたんです。 そもそも みんな どうやって 恋愛したり 結婚したりするんですか? うちには さっぱり分からん。 あ~…。 やんばるの頃に 戻りたいさぁ。」

房子「つまり あなたは 生まれて初めて 恋をしたっていうこと?」

暢子「恋? うちが? まさかやー。」

房子「胸がドキドキして 気が付くと ボーッと誰かのことを考えちゃう。」

暢子「あっ そうです そのとおり! 何で 分かるんですか・ うちは どうすればいいんですか?」

房子「答えは あなたにしか分からない。」

暢子「それが 分からないから 聞いてるわけさぁ。」

房子「でも あなたのお父さんやお母さんも なぜか惹かれ合って 夫婦になって だから あなたが生まれた。 みんな そういうものじゃない?」

暢子「お父ちゃんと お母ちゃんも…。 お母ちゃん… 会いたい。 お父ちゃん 会いたい。 う~…。」

房子「大丈夫?」

暢子「あ… あっ もう一杯いいですか? これ 本当に飲みやすくて…。」

房子「フフッ…。 しょうがないねえ。」

暢子「ん~…。」

房子「フフフフフッ…。」

暢子「幸せって 何ですか? どうやったら なれるんですか? だけど うちの幸せは うちにしか 決められないじゃないですか。」

房子「だから あなたはどうしたいの? まず それを決めなきゃ 話は 前に進めない。」

暢子「でも 恋人がいるんだのに 好きとか 言えないじゃないですか。 えっ? 今 うち 何て? えっ? アイヤー…。」

暢子「ぽってかす…。」

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