ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「ちむどんどん」66話「渚(なぎさ)の、魚てんぷら」

【 連続テレビ小説「ちむどんどん」】66話のネタバレです。

あらすじ

暢子(黒島結菜)、和彦(宮沢氷魚)、智(前田公輝)たち4人は、一晩濃密な時間を過ごすことになった。それから暢子は何か吹っ切れたように、元気に働いている。ある日、暢子の勤めるイタリア料理店フォンターナに、一組の家族が来店する。房子(原田美枝子)の昔からの知り合いだというが、何やら事情を抱えているようで…。

66話ネタバレ

比嘉家

暢子「『お母ちゃん ネーネー 歌子 元気ですか? うちは ますます忙しく働いています』。」

良子「歌子 寝てなくていいわけ?」

歌子「朝は もう微熱だったし 大丈夫。」

優子「無理しないでね。 行ってきます。」

良子「行ってきます。」

晴海「行ってきます。」

歌子「行ってらっしゃい。」

良子「行こう。」

レストラン・フォンターナ
厨房

暢子「『まだまだ 勉強の日々ですが お客様に おいしいと 言ってもらえることが デージうれしいです』。」

智「毎度 スナガワフードです。」

暢子「『智は 得意先が増えて 商売も 軌道に乗っているようです』。」

智「スナガワフードは 絶好調。 また 従業員 増やしたから どんどん稼がんと。」

暢子「『そして 和彦君と愛さんは 新居も決まり もうすぐ 結婚します』。」

東洋新聞
学芸部

田良島「局長たちの小言は 気にするな。 重要なのは 読者の反応。 読者に きちんと伝わるか もう一度 推敲してみろ。」

愛「分かりました。 ラストの 一文 こっちで締めたいと思うんですが どうですか?」

田良島「断然 この方がいい。」

愛「ありがとうございます。」

暢子「『和彦君は 結婚を機に 鶴見から引っ越します』。」

沖縄料理店・あまゆ

和彦「お~ おいしそう。」

暢子「じゃあ 式場はこれから?」

和彦「うん なかなか 2人で下見に行く時間が作れなくて。」

智「結婚祝は 何がいい?」

暢子「『お別れするのは さみしいけど 2人の門出は とってもおめでたいです』。」

愛「あっ 今日 お父様からの電話は 何だったの?」

和彦「ああ 引っ越しの日取りを 早く決めてくれって。」

愛「あっ… ごめんね せっかちで。」

和彦「ううん。 僕が のんびりしてるから。」

智「新しい愛の巣か 羨ましいヤッサー。」

和彦「おいしい。」

暢子「やった~。」

暢子「『お盆には 休みを取って やんばるに帰ります』。」

智「うん! デージマーサンヤー。」

愛「うん。」

暢子「角力大会か~。 もう そんな季節なわけ?」

和彦「結局 一度も参加できなかったな。」

順次「年に一度の 県人会の遠足だから。 この角力大会は 遠足の余興みたいなものさ。」

和彦「2年連続で 智が優勝してるんですよね?」

順次「3連覇確実って 自分で言ってた。」

暢子「んっ アイ。 13日の日曜日 うち 見に行ける! 休みだ!」

和彦「えっ じゃあ 僕も 鶴見最後の思い出に参加してみようかな。」

暢子「角力大会に?」

和彦「うん。」

暢子「しんけん? 勝てるわけないさぁ。」

和彦「勝ち負けの問題じゃないよ。 参加することに 意義がある。 そういえば 昔 やんばるの浜で 教えてもらったな。」

回想

(声援)

回想終了

暢子「あのころは 楽しかったね。 もちろん 今も楽しいけど。 それにしても 和彦君 デージ弱かったよね。 ハハハッ…!」

和彦「笑い過ぎ!」

暢子「本当に弱かったんですよ。 もう ニーニーに すぐ て~んって!」

(笑い声)

暢子「アイ 怒った? ごめん。」

和彦「ううん。 じゃあ 行ってきます。」

トミ「行ってらっしゃい。」

(戸の開閉音)

レストラン・フォンターナ
ホール

西郷「学校は 楽しい?」

めぐみ「うん。」

房子「西郷様 いらっしゃいませ。」

西郷「今年も この日を楽しみにしていました。」

厨房

房子「西郷様のお料理は?」

暢子「あっ 間もなくです。」

房子「違う それじゃない。」

暢子「えっ? でも…。」

二ツ橋「あっ 失礼しました。 暢子さん 西郷様のお料理を担当するのは 初めてでしたね。」

暢子「ん?」

ホール

(笑い声)

房子「お待たせしました。 ポルチーニのリゾットでございます。」

西郷「頂きます。」

めぐみ「頂きます。 ん~ やっぱりおいしい!」

西郷「温かくて 優しい味。 いつも 心が安らぎます。」

房子「どうぞ ごゆっくり。」

厨房

暢子「年に一度の お客様?」

二ツ橋「毎年 必ず お嬢様の めぐみさんのお誕生日に ご家族でいらっしゃる 特別なお客様なんです。」

暢子「そうだったんですね。」

二ツ橋「5年前に 奥様が 病気で亡くなられてからは お二人で。 奥様が 最後にいらした時 たまたま オーナーが 材料を手に入れたので お出ししたのが ポルチーニのリゾット。」

二ツ橋「まだ 日本では 簡単には手に入りませんから。 その時に 奥様が大変お気に召されて。 それから毎年 年に一度 西郷様とお嬢様のためだけに 材料を仕入れているんです。」

暢子「一組のお客様のために?」

二ツ橋「『フォンターナは そういう店でありたい』と。 どんなに 時が過ぎようと 決して 色あせない 思い出の味 思い出の場所を 提供し続ける店で あり続けたいと。」

暢子「思い出の味 思い出の場所…。」

ホール

♬『ハッピー バースデー トゥ ユー ハッピー バースデー トゥ ユー ハッピー バースデー ディア めぐみさん ハッピー バースデー トゥ ユー」

(拍手)

二ツ橋「おめでとうございます。」

暢子「おめでとうございます。」

(拍手)

房子「年々 奥様に似てこられますね。」

西郷「ええ 声や しゃべり方も。」

房子「やっぱり 親子ですね。 どうぞ ごゆっくり。」

西郷「ありがとうございます。」

西郷「めぐみ 今日は お前に 大事な相談がある。」

めぐみ「私のお母さんは お母さんだけだから!」

西郷「あっ… めぐみ!」

(ドアベル)

沖縄料理店・あまゆ

智「父親が再婚?」

暢子「うん。 お相手は お母さんが入院していた時に ずっと 付き添ってくれていた 看護婦さんで すごく よくしてもらって。 亡くなってからも 時々 会って 思い出話をしているうちに だんだん そういう感じになったって。」

愛「分かるな 娘さんの気持ち。 父親を取られる寂しさ。 思春期なら なおさら 親の恋愛とか そういう 人間くさいところを見たくないかも。」

智「とはいえ 自分も いつか嫁に行く。 そしたら 父親は一人になる。 そこまで 考えてあげないと。」

和彦「恋愛は 理性だけでは どうにもならないしね。 人を好きなる気持ちは 誰にも止められないし 無理やり止めてしまえば 心の傷になって ずっと 後悔するかも…。」

智「結婚と恋愛は 違うと思う。 結婚に 一番大事なのは 経済的な基盤。 俺は 父親を早くに亡くして さんざん 金の苦労をしてきたから よく分かる。 次に大事なのが 育った環境や価値観。 例えば 同じ田舎の出身とか 親兄弟のことを よく分かってるとか。」

和彦「暢子は どうする?」

暢子「ん? いや うちは結婚とか 全然。」

順次「読んだよ 愛ちゃんの記事。 この新聞に載ってた…。」

トミ「すっごく面白かった! おっ これこれ…。」

暢子「うちも読んだ 改めて 愛さんのこと 尊敬したさ。」

智「あの夜は 楽しかったなぁ。」

暢子「はあ? 後半は ほとんど寝てたくせに!」

智「暢子も寝てたさぁ いびきかいて 鼻ちょうちん膨らませて。」

暢子「はあ? 鼻ちょうちんとか ありえん!」

暢子「アイ 愛さん どうしたわけ?」

愛「実は 社内では あんまり評判がよくないの。」

智「えっ? どこが駄目なわけ?」

愛「『女性の視点に 偏り過ぎてる』って 言ってる上司がいるみたい。 だから 毎日びくびくしてる。 読者からも 抗議の電話が かかってくるんじゃないかって。」

暢子「そんなこと 絶対ない。 自信持って 頑張って。」

愛「うん…。 明日も 朝から取材だから もうそろそろ 帰るね。」

和彦「送るよ。」

愛「うん。 お休みなさい。」

智 暢子「お休み。」

暢子「ん~…。」

(戸が閉まる音)

暢子「あっ…。」

和彦「ただいま。」

暢子「お帰り。」

和彦「あれ 智は?」

暢子「さっき帰ったよ。」

和彦「あっ…。」

暢子「うん。 あっ…。」

和彦「ごめん。」

暢子「あっ…。」

和彦「ごめん。」

男性「あんだ この野郎!」

男性「なめんじゃねえ!」

(悲鳴)

和歌子「やめでください!」

(物音と悲鳴)

賢秀「アガ~ッ!」

暢子「ニーニー? アイ…。 ニーニー!」

男性「立てよ オラ!」

男性「この おねえちゃん 助けるんだろ?」

和歌子「もう やめでください!」

順次「どうしたわけ?」

和彦「賢秀!」

暢子「ニーニー 生きてる?」

賢秀「暢子 見てたよな? 先に 手出したのは これなんかヤサ。 これで 遠慮なく たっぴらかせるヤッサー! ハッハッハッハ…。」

暢子「ニーニー 駄目! 元ボクサーなのに!」

男性「ボクサー?」

順次「手加減どー 手加減!」

賢秀「うり~!」

男性「覚えとけよ!」

賢秀「ヘッ お前なんかが よく覚えとけ! 俺が 沖縄の一番星 比嘉 アッ 賢秀様だ!」

賢秀「おっ…。 大丈夫か?」

和歌子「ありがとうごぜいました。」

賢秀「チュラカーギーさー。」

三郎「まだ開けてるのか?」

暢子「あっ 三郎さん。」

三郎「ん? 何かあったのか?」

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