【 連続テレビ小説「ちむどんどん」】71話のネタバレです。
あらすじ
1978年8月。沖縄のお盆、ご先祖様をあの世へお見送りする最も重要な日「ウークイ」に、比嘉家の四きょうだい、賢秀(竜星涼)、良子(川口春奈)、暢子(黒島結菜)、歌子(上白石萌歌)が久しぶりにやんばるの実家に顔をそろえた。母・優子(仲間由紀恵)に起こった再婚話が気になったからだ。一方、新聞社の和彦(宮沢氷魚)のもとに、沖縄での大きな仕事のチャンスが舞い込んでくる。
71話ネタバレ
バス停
1978年(昭和53年)8月18日 ウークイの日
沖縄の旧盆は3日間あり その最終日である『ウークイ』は ご先祖様をあの世へお見送りする 最も重要な日です。
賢秀「ああ… ああ~…。」
暢子「沖縄の道路も 左側通行になったんだね。」
賢秀「あっ… はぁ…。 あ~ 気持ち悪い。 第一 あんな大きな鉄の塊が 空を飛ぶことに 納得いかんさ。 エアポケットって 何か? 空に ポケットみたいな穴が 開いてるわけ?」
暢子「文句ばっかり 言わないで。 ニーニーの飛行機代も うちが払ったんだよ。」
賢秀「だからよ。 飛行機代ぐらい すぐに倍にして…。 あ~ 気持ち悪い。」
良子「暢子 ニーニー!」
暢子「ネーネー 歌子!」
良子「お帰り。」
歌子「お帰り。」
暢子「ただいま! 4人そろうの 何年ぶりかね?」
歌子「復帰の前の年だから 7年? 8年ぶり?」
良子「昔は よく この道 みんなで歩いたね。」
歌子「ニーニー 何でねぇ?」
暢子「飛行機酔い。」
良子「ニーニーは 今 東京で 何をしてるわけ?」
賢秀「だからよ。着々と グレイトなビジネスの準備中で…。」
良子「いいかげん 地道に働かないと 人生 終わってしまうよ。」
賢秀「はあ~ だからよ。 今は 人生のエアポケットなわけ。 これから ぐんぐん上昇気流に乗って…。 気持悪い。」
海
暢子「つまり 博夫さんは ネーネーが仕事に復帰したことを 石川に認めてもらおうと 頑張ってるけど 博夫さんのお父さんたちが なかなか 認めてくれないわけね。」
良子「女って 難しいよね。 私は 石川博夫と結婚した。 それと同時に 石川家の嫁になったということで。 とにかく 面倒くさいわけ。」
歌子「博夫さんは すごく頑張ってくれてると思う。 今日も 朝早くから 晴海を預かるために来てくれたし。」
良子「博夫さんへの愛情が 薄れてるわけじゃない。 だけどこのまま別々に暮らす方が お互いにとって 幸せなのかなって。 うちは もう 諦めかけてる。」
暢子「民謡の勉強会?」
歌子「まだ 行ったことはないんだけど。 お父ちゃんみたいに 沖縄の歌を 思いっきり歌えるようになりたいわけ。 だけど 知らない人の前では…。」
暢子「でも 歌子は 知らない人の前でも 思いっきり歌えるようになりたい。 そう思ってるわけね?」
歌子「うん…。」
ポスト
良子「じゃあ 智のプロポーズを断った次の日に 今度は 和彦君から? どうするの? 和彦君と 結婚するわけ?」
暢子「ん… 今は 仕事が楽しいし。 結婚も 仕事も 両方というわけには いかないから…。」
東洋新聞
学芸部
和彦「はぁ…。」
田良島「大野の件は 聞いているよな? 東洋グラフ移ったら すぐに パリに たつそうだ。 本人の希望で 送別会は辞退したいと。 で 早速 仕事の話なんだが…。」
和彦「すいません。 少し 時間を下さい。 まだ 気持ちの整理がつかなくて。」
田良島「無理もない。 しばらく ゆっくり休め。」
和彦「ありがとうございます。」
田良島「…とでも言ってもらえると思ったか? お前の煮えきらない態度と 余計な優しさのせいで 大野も 暢子ちゃんも 傷ついた。」
田良島「婚約者と幼なじみのはざまで さんざん 迷走したあげく 土壇場で 婚約者に 別れを切り出そうとしたら 逆に振られて傷つき それでは こっちと幼なじみに告白したら そっちにも拒絶された。 ハッハッハ!」
田良島「つまり 今のお前は 穴があったら 入りたいくらい みっともない上に 大野への罪悪感と暢子ちゃんへの未練で パンク寸前! お前の犯した罪と受けた罰を解剖すると おおよそ そういうことか?」
和彦「まあ 大体…。 いや ものすごく 正確に そのとおりです。」
田良島「お望みなら この中間管理職が いくらでも慰めてやるぞ。」
和彦「結構です。 何だか 急に 猛烈に 仕事がしたくなりました。」
田良島「(拍手)はい。 で 仕事の話。 沖縄 行けそうだ。」
和彦「えっ 遺骨収集の嘉手刈源次さん 取材 オーケーしてくれたんですか?」
田良島「人づてに 奥さんに 事情を話したら『本人は 口数少ないから 取材に応えるか分からないが 現場に同行する分には 構わない』と。 今日は 仲間の方たちと山の中で 収集作業をするそうだ。 場所は ここ。」
和彦「今日?」
田良島「急げ。 今すぐ空港に向かえば間に合う。」
和彦「分かりました。」
田良島「ただし この取材は 一旦自腹だ。」
和彦「えっ?」
田良島「すぐ記事にするスケベ心で 会う相手じゃないし 上を説得する時間なんかないから 取材費も下りない。 でも お前は 沖縄をテーマにしたいんだろ? それなら 今 行くしかない。」
和彦「はい。」
田良島「よし いい根性だ。 で これ。 カンパ。」
和彦「ありがとうございます。 でも どうやって 嘉手刈さんの奥さんと連絡を?」
田良島「連絡を取ってくれたご本人に 聞いてみろ。」
田良島「オーナー 若者へのカンパ ありがとうございます。」
和彦「嘉手刈さあんと お知り合いなんですか?」
房子「ちょっとね。」
和彦「だけど 確か オーナーは 沖縄には…。」
房子「一度も行ったことがない。」
和彦「なのに どうして…。」
房子「これ 嘉手刈さんに渡して。 もし受け取らなかったら 奥さんに。」
和彦「何です?」
房子「渡せば分かる。」
和彦「分かりました。 行ってきます。」
比嘉家
賢秀「ごちそうさまでした! あ~ 落ち着いた。 給油完了! 完全復活~! あ~。」
暢子「それで お母ちゃんと善一さんが再婚って どうなってるわけ?」
良子「善一さんは すごく乗り気で 歌子のことも引き取って 絶対に不自由はさせないと 言ってるって。」
暢子「お母ちゃんは?」
良子「前向きみたい。」
暢子「しんけん? お母ちゃんが そう言ったの?」
良子「安室のおばぁと 新垣のおばぁから聞いた。」
賢秀「えっ? 再婚したら母ちゃんは『前田優子』になるわけ? 母ちゃんと別々の名字になるのは 納得いかん!」
暢子「ニーニーは 相変わらず子供だね。」
賢秀「暢子は 相変わらず のんきすぎヤサ。」
良子「歌子は?」
歌子「うちは お母ちゃんの気持ちを 大事にしてあげたい。」
良子「うちは 賛成できない。 結婚は 当人同士だけの問題じゃない。」
歌子「お父ちゃんは どう思ってるのかねぇ。」
暢子「考えてもしょうがない。 直接 聞いてみよう。」
賢秀「おう。 よし 行こう!」
山原村共同売店
善一「暢子 賢秀! お盆で 帰ってきたの?」
暢子「善一さん そんなことより。」
善一「あっ 縁談の話 聞いたわけか。」
うなずく一同
善一「申し訳ない! 俺と優子さんが再婚するという うわさが広まってしまって。 不愉快な思いさせて 本当に… 申し訳ないねぇ。」
暢子「なら 善一さん自身は…。」
善一「優子さんのことは 人として尊敬してる。 とても 大事に思ってる。 だけど 俺の勝手な思いで 優子さんを苦しめたり この村に いづらくなったりすることが あってはならんさぁ。」
良子「どんなするの?」
善一「ああ… どうしたらいいか 俺自身 分からなくなってる。 いい年して 恥ずかしい限りヤサ。」
新垣「アイ 久しぶりね。 暢子 賢秀~!」
安室「お帰り。 元気ね? アイ 優子は?」
善一「ああ 今日は 休み。 アリ あれよ。」
新垣「ああ… あれやー。」
安室「ああ… であるわけね。」
暢子「休み?」
良子「お母ちゃんは どこに?」
善一「ああ それは…。」
賢秀 暢子「ん?」
賢秀「何?」
洞窟
そのころ 和彦は 嘉手刈老人が 遺骨収集をしているという 沖縄本島南部の洞窟に 取材に訪れていたのですが…。
ツル「あんた。」
和彦「嘉手刈さん 初めまして。 東京から来た 東洋新聞の青柳といいます。」
嘉手刈「帰ってちょうだい。」
ツル「何で? 昨日 言ったでしょ?」
和彦「嘉手刈さんが 遺骨や遺品を 家族のもとに返す活動を続けてらっしゃる お気持ちを伺いたいんです。」
嘉手刈「マスコミは 好かん。」
優子「すいません うちは そろそろ。」
男性「ヤサ お宅は やんばるだったよね。」
和彦「やんばる? おばさん!?」
優子「和彦君…。」