【 連続テレビ小説「ちむどんどん」】74話のネタバレです。
あらすじ
沖縄のお盆の最終日、「ウークイ」に、暢子(黒島結菜)と賢秀(竜星涼)、良子(川口春奈)、歌子(上白石萌歌)の四人は、優子(仲間由紀恵)から初めて亡き父とのなれそめなど、過去のいきさつを聞く。四人はそれぞれに、多くの苦労を経てきた母の思いを受け止める。
74話ネタバレ
1946年(昭和21年)山原
優子<うちらは お父ちゃんの生まれ故郷の この やんばるに戻って きょうだいのように暮らし始めた。>
<うちは あんまり 食べる気もなくなって 泣くことも 笑うことも できなくなっていた。 自分だけ生き残って この先 生きていても 楽しいことは 何もないと思っていた。>
賢三「家族の思い出を 話してくれ。」
優子<賢三さんから『家族の思い出を話してくれ』と 何度も言われた。>
優子「お父ちゃん… お母ちゃん…。」
賢三「家族の分まで 幸せになれ。 優子の心の中に 優子の家族は生きている。 家族の分まで 幸せになってくれ。」
<うちは その時 もう 絶対 離れないと決めた。>
比嘉家
優子「この人と家族となりたい。 2人で生きていきたいって。 もう一度 一からコツコツ働いて 生きていきたいって。」
優子「結婚して 賢秀が生まれた。 死んだ弟に そっくりだと思った。 そして 良子 暢子 歌子。 うれしかったねぇ。」
優子「だけど うちのお父さんとお母さん ネーネーは 今でも どこかの山の中に…。 そう思うと たまらなかった。 そんなある日 新聞で この記事を見つけたわけ。」
暢子「遺骨収集活動…?」
優子「お父ちゃんと相談して 一年に一日でもいいから お手伝いしようって。 行方不明になっている人は ほとんど みんな亡くなっているはず。」
優子「でも 遺品の一つもないと いつまでも 気持ちが割り切れなくて つらくて たまらないわけ。 そんな思いをしている人が 1人でも 2人でも救われたらって…。」
沖縄料理店・あまゆ
田良島「沖縄で戦死した兄は 骨も戻ってこなかった。 今でも 沖縄のどこか 山の中にいるんです。」
田良島「自分は まだ10歳でした。 兄が どうして死んだのか 分からずに泣きました。 大人になったら 分かるのかなって。 でも 今でも分かんないんです。」
比嘉家
優子「房子さんも 陰ながら ずっと援助してくれている。」
暢子「オーナーが?」
優子「あの人も 同じように つらい思いをしてきたから。 房子さんだけじゃない。 善一さんも 毎年 寄付をしてくれている。 善一さんは 本当に 良い人さ。 いつも うちたち家族の味方で いてくれて。 だけど 再婚はしない。」
賢秀「母ちゃん…。」
優子「はぁ…。 フフッ。 ようやく お父ちゃんとの約束が 果たせたさぁ。」
良子「約束?」
優子「いつか 必ず 子供たちに 昔のこと 伝えようって。」
歌子「何で 今まで 話せなかったわけ?」
優子「怖くて たまらなかった。 何年たっても 思い出すと 泣いてしまうから…。 泣いてしまって おかしくなってしまいそうで…。 秀夫のことを 思い出すと…。 この腕の中で 冷たくなった。 うちの腕の中で…。」
優子「自分の食べる分も 弟にあげればよかった。 死なずに済んだかもしれない…。 もっと 遊んだり 働いたり 恋をしたり 泣いたり 笑ったり したかったはず…。 うちだけ こんなして 食べていていいのか 生きていていいのか…。 終わっていないわけ うちの戦争は。 いつまでたっても…。(すすり泣き)」
優子「亡くなった人たちの分まで あんたたちには 幸せになってほしい。 幸せになることを 諦めないでちょうだい。 ずっと そう思っていた。 だから あんたたちには 絶対に 家族を亡くすような思いを させないはずだったのに…。」
優子「賢三さんが 無理していたことに 気付いてあげられなかった…。 ごめんね。 みんなの大好きなお父ちゃん 守ってあげられなくて…。 ごめんなさい…。 ごめんなさい。 ずっと ずっと言えなかった…。 ごめんなさい ごめんなさい…。」
賢秀「それは 違う。」
良子「誰も そんなふうに思ってない。」
歌子「お母ちゃんのせいじゃないさ。」
暢子「お父ちゃんは ずっと うちたちの心の中で生きてる。 会いたい時は いつでも会える。」
良子「暢子の言うとおりだよ。」
暢子「うちたちは 絶対に幸せになる! だから うちたちに謝ることなんて 何もない。」
歌子「うちも 幸せになる!」
良子「うちも。」
賢秀「俺は グレイトな ハッピーになるからよ!」
暢子「お母ちゃん! 話してくれて ありがとう。」
賢秀「もう謝らんで 謝らんでちょうだい。」
良子「お母ちゃんが 大好きだからね。」
歌子「お母ちゃん ありがとう。」
優子「ありがとう…。 みんな ありがとうね…。」
♬~(三線)
歌子♬『てぃんさぐぬ花や 爪先に染みてぃ』
歌子♬『親ぬ寄し事や 肝に染みり 親ぬ寄し事や 肝に染みり』
歌子♬『天ぬ群星や 読みば読まリしが』
歌子♬『親ぬ寄し事や 読みやならん 親ぬ寄し事や 読みやならん』
優子「また来年ね。」