ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「ちむどんどん」77話「御三味(うさんみ)に愛を込めて」

【 連続テレビ小説「ちむどんどん」】77話のネタバレです。

あらすじ

暢子(黒島結菜)は、和彦(宮沢氷魚)との結婚を決めて、和彦の母・重子の家をふたりで訪れた。重子は初対面の暢子に「結婚は許さない」と宣言する。立ちはだかる重子をどう説得できるか、暢子はある作戦を思いつくが…。その頃、沖縄では良子(川口春奈)が夫・石川(山田裕貴)の実家で、歌子(上白石萌歌)が唄三線の稽古で、それぞれに壁にぶつかっていた。

77話ネタバレ

青柳家
リビング

和彦「母さん 電話で言ったとおり 僕は 暢子さんと…。」

重子「許しません。 結婚は 許しません。」

和彦「だけど この間 電話した時は…。」

重子「結婚を認めるとは 言ってません。 熟慮の結果 あなたには ふさわしくないと判断しました。」

和彦「そんな… まだ 会ったばっかりで…。」

重子「比嘉暢子さん。」

暢子「はい。」

重子「昭和29年生まれ 沖縄県山原村出身。 最終学歴は 山原高校卒業。 母 兄 姉 妹の5人家族。」

暢子「アイヤー どうして分かるんですか?」

和彦「調べたの? だから 1週間後に来いって…。」

重子「暢子さんが 小学5年生の時に お父様が病死。 借金返済のために サトウキビ畑を手放し お母様は 工事現場や 村のスーパーマーケット 内職もして 家計を支えた。 ご家族で 大学を卒業されたのは 現在 教師をされている 長女の良子さんだけ。 大学と言っても 地元の短大。 どこか間違ってます?」

暢子「あっ… スーパーマーケットではなくて 共同売店です。」

重子「きょうどうばいてん?」

暢子「あっ 村のみんなで お金を出し合って 村のみんなのために…。」

和彦「いいよ 長くなるから。」

和彦「コソコソ調べなくても 僕は 沖縄で暢子に出会って 小さい頃から よく知ってる。 きょうだいも みんな仲よく すばらしい人たちだ。」

重子「あなたは だまされてる! お姉様は しばらく ご主人と別居されていた。 妹さんは 地元の会社に 事務職としてお勤めされていたけれど ご病気で退職して 現在 無職。 お兄さんは 千葉の牧場で牛飼いの仕事。」

2人「牛飼い?」

重子「あら ご存じなかった?」

和彦「知ってた?」

暢子「牛飼いとか 初耳さ。」

重子「ご実家の資産は 持ち家のみ。 地元の金融機関に借金があり お姉様のお給料などで 細々と返済されている。」

暢子「うちも 毎月送金しています。 以前 兄が 紅茶豆腐という事業で失敗して。」

重子「こうちゃどうふ?」

和彦「とにかく みんな いい人だってことは 間違いないから。」

重子「家柄 家の格が釣り合いませんん。」

暢子「家の格?」

重子「あなたのご家族と 私たちとでは 常識も価値観も 違い過ぎます。」

和彦「そんなの 話してみないと…。」

重子「青柳家は 代々 大学教授や文筆家も多い 学者肌の家柄。 私の実家は 明治以来の実業家で 私の父は 銀行の重役。」

和彦「結婚に 一番重要なのは 愛情だろ。」

重子「ハッ 愛情? そんなものより 学歴や家柄の方が ずっと信頼できます。」

暢子「そんな…。」

重子「あなたのことを 悪く言うつもりはないの。 ただ 和彦とは 釣り合わないと言ってるだけ。 ほら こういう会話も 成り立たないでしょう? 違い過ぎるのよ。 はぁ…。 大野 愛さんとは どうして別れたの?」

和彦「今 彼女の話は…。」

重子「学歴も家柄も申し分ない ずっばらしい お嬢さんだったのに。 嫁いだ家の作法に倣って 家事一切を 切り盛りし 働く夫を支える。 こちらの沖縄のお嬢さんに できると思う? 今はよくても いつか 必ず後悔する。 絶対 許しません。」

和彦「母さん…。」

暢子「お義母さん…。」

重子「あなたに お義母さんと 呼ばれる覚えはありません。」

暢子「重子さん うちの名前は『沖縄のお嬢さん』ではなく 比嘉暢子です。」

重子「だから?」

暢子「確かに うちは 学歴もないし 貧乏だけど うちの家族は 母も きょうだいも みんな仲よしで もちろん たまには ケンカもするし 兄の牛飼いのことも 初めて知ったけど 心の底では しっかり結び付いている 大好きな家族なんです!]

暢子「それと もう一つ うちは 結婚しても仕事を続けて いつか 独立して 自分のお店を持ちたいと思っています。」

重子「はぁ…!」

和彦「仕事を続けることは 僕も賛成してる。」

重子「あなたは 何も分かってない!」

和彦「父さんが生きていたら この結婚の話には 賛成してると思う。 父さんは 沖縄のことをライフワーク…。」

重子「あなたも お父さんも どうして そこまで 沖縄のことに執着するの? 私には 到底 理解できません!」

和彦「とにかく もう決めたから。 誰に反対されても 僕は暢子と結婚する。 帰ろう。」

重子「絶対 後悔します。」

和彦「もう してるよ! 母さんの子供に生まれたこと。 僕は 好きで 母さんの子に 生まれたわけじゃない!」

波子「坊ちゃま。」

暢子「和彦君 待って!」

玄関前

暢子「待って! ごめん つい 頭に血が上ってしまって。 だけど 和彦君も言い過ぎさ。 昔 和彦君のお父さんとお母さんが お互いを好きになったから 和彦君がいるんだよ?」

和彦「家同士が勝手に決めた縁談だったんだ。 お互いが好きになったわけじゃない。 母さんは お手伝いさんが 当たり前にいる家の 箱入り娘で 学者肌の父さんとは 最初から 反りが合わなかった。」

和彦「父さんと口論したあとは 決まって 裕福な実家との違いを嘆いていた。 僕は 物心が付いた時から 両親は 毎晩のように言い争い 僕は 食卓を囲むこと 食べること自体 嫌になっていった。」

和彦「そんな僕を心配して 父さんは 僕を沖縄に連れていき 母さんから 遠ざけてくれたんだと思う。」

暢子「そうだったわけね。」

和彦「やっぱり 結婚の話は 母さんを無視して進めるしか…。」

暢子「それは 駄目。 うちは お母ちゃんを がっかりさせたくないし ちゃんと 披露宴をやって喜ばせたい。 株彦君のお母さんにも うちのこと この結婚のことを認めてもらって 披露宴に出てほしい。 諦めないで 頑張ろう。」

和彦「うん…。」

名護中央公民館

♬~(三線)

(拍手)

長峰「次 比嘉歌子さん。」

歌子「はい。」

長峰「ネーネーの披露宴で歌い唄の練習だったね。」

歌子「はい。」

長峰「どうぞ。」

♬~(三線)

歌子♬『てぃんさぐぬ(つっかえながら)花 てぃんさぐぬ(つっかえながら)花』

長峰「今日は ここまでにしとこうか。」

歌子「すいません。 もう一度 歌わせてください。 うちは… 諦めたくありません。」

♬~(三線)

石川の実家

小太郎「仕事を辞めるつもりはない?」

良子「はい。」

石川「家事も育児も 2人で分担して 助け合って 家族3人 もう一度 やり直すと決めました。」

小太郎「良子さん あんた 料理は得意か?」

良子「いいえ。」

小太郎「石川家では 女たちが 行事の際の 御三味料理を作るのが しきたり。」

修「来週 仏壇行事がある。 あんた 御三味料理 作ってきてくれるか?」

良子「…。」

修「できないんだよね? 本家の嫁は 務まらん!」

石川「お父さん…。」

博太郎「おじぃと おじさんの言うとおり。」

小太郎「博夫 これが最後ヤサ。 長男としての自覚を持て!」

良子「私は 諦めません!」

小太郎「私は 博夫さんの妻 石川家の家族です。 そして 働くことに 誇りを持っています! 仕事は 辞めません! その上で 家族の一員と認めてもらうまで 絶対に 諦めません!」

養豚場

賢秀「これからは 心を入れ替え 身を粉ににして働いて 真面目に コツコツ 頑張ろうと思いました。」

寛大「うん。 よく言った! うん。」

賢秀「でも… 諦めます!」

賢秀「結婚する妹のために 長男として… 一発 ド~ンと勝負に出ます! お世話になった ご恩は 一生忘れません! じゃあ! 待ってろよ 暢子~!」

沖縄料理店・あまゆ

三郎「そいつぁ なかなか 手ごわいな。」

順次「構うことないよ。 結婚は 当人同士の意志が 一番重要さ。」

暢子「駄目です。 うちは お母ちゃんにも約束したし 和彦君のお母さんにも 祝福してもらいたい。 そのためには まず 和彦君が お義母さんと仲直りしないと。」

和彦「いや だけど…。」

暢子「昔 和彦君が 初めて沖縄に来た時 うちのお父ちゃんが言ってたさ。」

回想

賢三「和彦君と 仲よくなれない?」

賢秀「俺たちとは 住む世界が違うぜって感じさ。 完全の俺たちをバカにしてる。」

賢三「東京の中学生なら いろんなこと知ってるから 友達になれば 面白い話が たくさん聞けるはすよ。」

暢子「友達になるって どうやって?」

良子「うちらのこと 嫌いみたいだのに。」

賢三「相手に好きなってもらうには…。 まず 相手を好きなることさ。 諦めずに 話してみれ。」

回想終了

和彦「そんなことがあったんだ。 でもなあ…。」

暢子「ヤサ! 分かった! 言い考えがある!」

和彦「何?」

三郎「何すんだよ?」

暢子「おいしいものを作って 和彦君のお母さんに 食べてもらうわけ!」

暢子「よ~し…。 あ~…。 何作ろうかな…。」

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