ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「ちむどんどん」83話「あのとき食べたラフテーの」

【 連続テレビ小説「ちむどんどん」】83話のネタバレです。

あらすじ

暢子(黒島結菜)が勤めるレストラン、フォンターナから、何者かが現金や権利書を持ち去った。動揺するスタッフたちを房子(原田美枝子)が静める。だがやがて、権田(利重剛)という男がフォンターナの権利書を持って現れて…。そんな中、暢子は和彦(宮沢氷魚)の母・重子(鈴木保奈美)に、自分たちの結婚に賛成してもらうためフォンターナに招待するが…。

83話ネタバレ

沖縄料理店・あまゆ

暢子「ん? 和彦君のお母さんが 東洋新聞に?」

和彦「黙っててごめん。 心配かけたくなかったから。 昨日 フォンターナで あんなこともあったし 今は これ以上 母さんを 刺激しない方がいいと思うんだ。 だから 弁当は…。」

暢子「持っていくさ。 今日のは とってもおいしく出来たから。」

和彦「だけど 暢子も弁当どころじゃ…。」

暢子「うちは 何か間違ったことしてる?」

和彦「いや 間違ったことは…。」

暢子「まくとぅそーけー なんくるないさー。 うちは 絶対 諦めない。 よし 出来た! フフッ…。 よいしょ。」

喫茶・サーカス

マスター「いらっしゃいませ。」

重子「いいかげんに目を覚ましなさい。 あなたは だまされてる。 私たちと あの子たちとは 住む世界が違うの。 あのオーナーさんも 闇市時代 県人会とのいさかい いろいろあるのよ。」

和彦「暢子は 今朝も弁当を作ってた。 母さんに 食べてもらうために。」

重子「沖縄のお嬢さんに伝えて。 もう二度と お弁当は 届けてくださらなくて結構です。」

和彦「言ってもやめないよ。 暢子は 簡単には諦めない。」

重子「私もよ。 その点は 気が合いそうね。」

(ドアの開閉音)

和彦「ふぅ…。」

レストラン・フォンターナ
玄関前

暢子「どうしたんですか? 誰が こんな…。」

長山「権田だよ 権田に決まってるよ!」

二ツ橋「とにかく すぐ片づけましょう。」

暢子「はい。」

オーナー室

弁護士「失礼します。」

房子「ありがとうございました。」

(ノック)

房子「はい。」

二ツ橋「失礼します。 弁護士さんは 何と?」

房子「明らかな恐喝や 暴力行為が 認められない限り 警察に通報しても 経過観察になるんじゃないかって。」

二ツ橋「では どうすれば…。」

房子「とにかく 被害の記録だけは きっちり取っておいて。」

二ツ橋「かしこまりました。」

(ドアを開ける音)

控室

暢子「はい フォンターナです。 ん? もしも~し…。 もしも~し。」

(電話が切れる音)

(不通音)

ホール

客「会計 7,800円だっけ?」

山辺「一円玉…?」

客「1 2 3…。」

「あの 急いでる…。」

暢子「申し訳ございません。」

客「201 202 203…。」

暢子「あの… お客様。」

客「うっせえな。」

それから2週間 フォンターナへの 執ような嫌がらせは続き 次第に 客足は遠のいていきました。

オーナー室

弁護士「弁護士仲間が言うには 権田は 月島のスッポンと言われるほど しつこい男で 一度 狙われたら もう最後。 これは もう 私どもでは どうにも…。」

房子「分かりました。 ありがとうございました。」

沖縄料理店・あまゆ

暢子「ただいま…。」

三郎「お帰り。」

(戸を閉める音)

三郎「どうした 疲れた顔して。」

暢子「あの あのですね…。」

和彦「(せきばらい)」

三郎「ん?」

暢子「あ… お休みなさい!」

レストラン・フォンターナ

和彦「何か いい解決策は ないもんでしょうか。」

田良島「完全にプロの仕業。 俺のツテで なんとかしてやる。 …と言いたいところだが。」

(テーブルをたたく音)

客「はっきり言え! 料理はまずい 接客はなってねえ。 何で こんな店 連れてきた!」

客「すいやせん。」

客「すいやせんじゃねえよ オラ…。」

二ツ橋「お客様 お客様! ほかのお客様に ご迷惑が。」

客「離せよ! こんなひでえ店には 二度と連れてくるんじゃねえ!」

客「すいやせん! こんなひでえ店 二度とお連れしやせん!」

客「声が小せえんだよ!」

客「この店は カスです! 料理も接客も カスです!」

二ツ橋「全部 あなたたちでしょ。 ゴミも 無言電話も いいかげんにしてください! ちょっ…。」

客「あいたっ! あ~! 折れた! 足の骨が折れた!」

客「きゅっ 救急車呼べ! 警察も!」

客「いってえじゃねえか バカ野郎!」

二ツ橋「申し訳ございません…。」

客「お前ら 見てたよな? おい!」

閉店後

田良島「向こうは 顧問弁護士を通じて 告訴するの 一点張りで。 恐らく 法外な治療費と慰謝料を 要求してくるかと…。」

二ツ橋「オーナー 私を クビにしてください。 この件の当事者は 私一人。 このお店には 関係ありません。 金を要求されるにせよ 告訴されるにせよ 私さえ解雇すれば 私個人の問題となるはずです。」

房子「いずれにせよ しばらく店は閉めます。」

暢子「臨時休業ということですか?」

房子「何より お客様に ご迷惑をかけたくない。 もちろん その間の手当は出すし その先のことも ちゃんと考える。 二ツ橋さん それでいいわね。」

二ツ橋「私は… 退職させていただきます。」

暢子「シェフ。」

房子「私は 認めていません。」

二ツ橋「暢子さん オーナーと このお店のこと よろしくお願いします。」

房子「私は 退職を認めません。」

そして

和彦「まだ帰らないの?」

暢子「また イタズラ電話が来た時 オーナー 一人だけだと…。 明日の重子さんのお弁当は 悔しいけど…。」

和彦「でも 帰って ちゃんと休んだ方が…。 行ってくる。」

暢子「えっ?」

(ドアベルとドアの開閉音)

(電話の呼び鈴)

暢子「はぁ…。 もしもし? いいかげんにしてください!」

比嘉家

良子「ごめん まだ仕事中って聞いたから ちょっとだけ ちょっとだけいい?」

暢子「あっ ネーネー?」

良子「うちは 今 デージ料理が 楽しくて 楽しくて。 だから ラフテーの作り方を 教えてもらおうと…。」

暢子「今 それどころじゃない。」

良子「そんな ひどことする人が いるわけ? 二ツ橋さんって人は どうなるわけ? 臨時休業は いつまでなの?」

暢子「分からん。 どうするかね。 このまま お店が潰れるようなことになったら…。 あっ お母ちゃんには 言わないでよ。 また 余計な心配かけるから。」

良子「分かった。 何もしてあげれなくて ごめんね。 話なら いつでも聞くから。」

暢子「ありがとう。 じゃあ またね。」

良子「またね。 ありえん… 絶対 許せない。」

レストラン・フォンターナ

(電話の呼び鈴)

暢子「はぁ…。」

房子「もういいから 帰りなさい。」

暢子「オーナー。」

房子「それと あなたに この前のこと 謝らなきゃ。」

暢子「この前?」

房子「和彦さんのお母様のお食事会。 迷惑をかけてしまって ごめんなさい。」

暢子「いや こんな時に うちの心配なんて。」

房子「とにかく 早く帰りなさい。」

暢子「あっ オーナー あの…。」

房子「あなたにできることはないわ。」

暢子「違うんです。 今夜は 飲みましょう!」

房子「ウフッ フッ… あなたという人は。」

房子「乾杯。」

暢子「ん~! おいしいです。」

房子「こうして飲むのも これが 最後になるかもしれないわね。」

暢子「どういう意味ですか?」

房子「この店に来て 何年?」

暢子「7年目です。 覚えています? 初めて会った時のこと。」

房子「もちろん。 あの人の紹介状を持ってきた。 あなたがいなければ 私の人生に あの人が 再び 現れることはなかった。 もう 一生 関わることはないと 思っていたのに。」

暢子「どうして三郎さんと あの…。」

房子「フッ…。 いいわよ。 言いたいことを言いなさい。」

暢子「どうして 三郎さんと 結婚しなかったんですか?」

房子「昔話なんて 誰にもしないつもりだったけど…。」

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