【 連続テレビ小説「ちむどんどん」86話のネタバレです。
あらすじ
暢子(黒島結菜)が勤めるフォンターナに、三郎(片岡鶴太郎)のおかげで、平和が戻ってきた。ただ、房子(原田美枝子)と三郎の再会は果たせなかった。暢子は、大事な人を集めた披露宴をフォンターナで行おうと決意する。しかし、重子(鈴木保奈美)からはまだ和彦(宮沢氷魚)との結婚を認めてもらっていない。そんな中、良子(川口春奈)が、妹の結婚のために動きだすことに。
86話ネタバレ
レストラン・フォンターナ
良子「お食事 とってもおいしかったです。 あっ これ サーターアンダギーと うちの母が作った アンダンスーです。 よこったら 召し上がってください。」
房子「ありがとうございます。 優子さんにも よろしく伝えてください。」
暢子「あっ お母ちゃんには 和彦君のお母さんのこと ないしょだよ。」
良子「分かってる。 何回も言わなくても。」
和彦「申し訳ない。 母のことで みんなに気を遣わせて。」
良子「あの~ 和彦君のお母さんにとって 重要なのは 家柄や学歴 釣りあいで 愛情なんか 価値がないと。」
和彦「うん。 実際 僕の両親の間には 愛情や信頼関係は なかったのかも。 だから 家族団らんや いい思い出がないんだ。」
良子「う~ん…。 うちらは 楽しい思い出は いっぱいあるよね。」
暢子「あるある。 家族みんなで行った 那覇のレストランとか。 フフフッ。」
房子「どんなお店?」
回想
回想終了
暢子「昔 和彦君のお父さんに 連れてってもらったんです。」
房子「へえ~。」
暢子「生まれて初めての外食だったよね。」
良子「和彦君は 家族で外食してた?」
和彦「外食はしたけど 両親が いつもケンカになるから あまり いい思い出はないかな。 あっ マーケット…。」
暢子「マーケット?」
和彦「戦後すぐは 闇市と呼ばれていた場所で ぼんやりとしか覚えてないけど 何だか…。」
青柳家
重子『私は随分苦労して来た。 それがどうした苦労であったか、 語ろうなぞとはつゆさへ思はぬ。』
回想
和彦「僕は 母さんみたいな 奥さんが欲しいわけじゃない。 むしろ そんな女性は嫌だ。」
重子「絶対 後悔します。」
和彦「もう してるよ! 母さんの子供に生まれてこと。」
回想終了
重子『またその苦労が果たして価値の あったものかなかつたものか、 そんなことなぞ 考えてもみぬ。』
東洋新聞
学芸部
和彦『色々のことがあったんです。 色々のことをして来たものです。 嬉しいことも、あつたのですが、 回想されては、すべてがかなしい』
回想
重子「私の人生は つまらないのね。 母さんの人生は 否定するのね。」
回想終了
和彦『私の魂はたゞ優しさを求めてゐた。 それをさうと気付いてはゐなかつた。』
和彦「優しさを求めていた…。」
あまゆ・2階
良子「忘れ物なし。」
暢子「ごめんね。 ゆっくり 東京案内もできないで。」
良子「ううん。 うちの勝手で 急に来ただけだから。 顔が見られてよかった。」
暢子「心配かけてるいるよね。 でも うちも ネーネーに会えてうれしかった。 ありがとう。」
良子「本当は もっと 暢子の力になりたい。 これは 恩返し。」
暢子「恩返し。」
良子「うちは 子供の頃から 一人で 何でもやらないといけない 人に頼ることは 恥ずかしいと思ってた。」
暢子「ネーネーは 優等生だったから。」
良子「ううん。 本当は 弱くて 欠点だらけの人間だのに。 今 うちが幸せなのは 家族みんなのおかげ。 何があっても うちの味方でいてくれるから。 もし みんながいなかったら 空回りして 失敗ばっかりだったと思う。」
暢子「…。」
良子「どうしたの?」
暢子「うち ネーネーの妹でよかった。」
良子「やめて。 もう 何で?」
暢子「うちも 失敗ばっかりさ。 もしかしたら この結婚も…。」
良子「何で?」
暢子「ん… 和彦君のお母さんの言うとおり うちと和彦君は 釣りあわない。 和彦君を 不幸にするかもしれない。」
良子「ありえん。 暢子には 値打ちがある!」
暢子「どこに?」
良子「暢子と結婚できる人は 幸せ。 それは うちが保証する。」
暢子「何で 言い切れるわけ? うちは ネーネーみたいに 頭もよくない。 歌子みたいに 歌も上手じゃない。 ただの食いしん坊だのに どこに値打ちがあるわけ?」
良子「ここにある! このままの暢子でいい!」
暢子「いいわけないさぁ。」
良子「暢子は うちの大好きな自慢の妹。 誰が 何と言おうと 暢子は 暢子のままでいい。 何て言ったらいいわけ? 上手に言えないけど…。 とにかく うちは 本当に 暢子のことが大好きだから!」
暢子「ありがとう。」
良子「うまく言えなくて ごめん…。」
暢子「うちも ネーネーのことが大好きさ。 あいたっ!」
良子「アガッ! アガッ…。」
(笑い声)
暢子「ネーネー 来てくれて ありがとう。 もう大丈夫。」
良子「本当に?」
暢子「うん!」
良子「うん。」
暢子「ウフフッ…。 フフッ…。」
喫茶・サーカス
(ドアの開閉音)
マスター「いらっしゃいませ。」
和彦「ブレンドコーヒーを。」
マスター「かしこまりました。」
和彦「明日 フォンターナに来てほしい。」
重子「何を考えてるか分からないけど 私は…。」
和彦「もう一つ 暢子から提案がある。 僕と暢子と母さんと 3人で同居しよう。」
重子「同居!?」
回想
暢子「一緒暮らせば もっと お互いのことを 分かり合えると思う。 和彦君の子供の頃の話を 聞きたいし 沖縄にた頃の和彦君の話も してあげたい。」
和彦「何で そこまで。」
暢子「大好きな人のお母さんだのに。」
回想終了
マスター「お待たせしました。」
和彦「僕も まさかと思った。 だけど 暢子となら それもいいかなって。 どう?」
重子「どうって 急にそんなこと…。」
和彦「思い出したんだ。 僕らにも 家族で 楽しく過ごした思い出があったことを。」
重子「母さんにはない。」
和彦「暢子となら あのころみたいに また みんなで 楽しく暮らせるような気がして。 父さんが死んで 僕は逃げた。 母さんと僕は 価値観が違う。 住む世界が違うって決めつけた。 母さんの気持ちも 知ろうとしなかった。 ひどいことも たくさん言った。 だけど 母さんが ずっと 僕を愛してくれたから 今 僕は 人を愛することができる。」
和彦「 家族の幸せな思い出があるから 僕も 家族を持って 幸せになりたいって思える。 母さんへの感謝を 当たり前のことを 長い間 忘れていた。 母さんは 僕を産んでくれた この世 たった一人の大切な人。 これからは 決して 母さんを一人にはしない。 ありがとう 母さん。 明日 フォンターナで待ってる。」
レストラン・フォンターナ
オーナー室
房子「明日の重子さんのメニュー まだ決まらない?」
暢子「はい。 沖縄料理も イタリアンも うちにできることは 全部 今まで お弁当に詰めてしまって…。」
房子「おいしくないもの 出しましょう。」
暢子「おいしくないもの?」
青柳家
玄関前
良子「ここか…。」