【 連続テレビ小説「ちむどんどん」91話のネタバレです。
あらすじ
暢子(黒島結菜)と和彦(宮沢氷魚)は、鶴見で新婚生活を始めていた。先日の披露宴で暢子は「沖縄料理の店を開く」と宣言しみんなを驚かせたが、和彦をはじめ、房子(原田美枝子)も重子(鈴木保奈美)もどうやらみんな暢子を応援してくれる様子。特に房子は店を出すうえでの心得を叩き込もうとしているようで…そんな暢子が独立に向けて動きだしたころ、ある男も動きだそうとしていた。
91話ネタバレ
比嘉家
歌子「すてきな披露宴だったね。」
優子「うん。」
暢子『お母ちゃん 歌子 その後 変わりはないですか?』。
石川家
暢子『ネーネー 博夫さん お祝いの夫婦茶わんが届きました。 どうも ありがとう。 2人で大切に使います』。
比嘉家
暢子『披露宴では みんなを驚かせて ごめんなさい』。
回想
暢子「うちは 沖縄料理のお店を開きます!」
回想終了
暢子『あれから 何度も よ~く考えて 和彦君にも相談して 気持ちは 変わりません。 うちは 沖縄料理のお店を開くと 決めました』。
あまゆ・2階
暢子『うちたちは ひとまず あまゆで 新婚生活を始めました。 重子さんの希望で 同居はしないことになりました』。
和彦「頂きます。」
暢子「頂きます。」
和彦「うん おいしい。 フフッ ありがとう。」
暢子「そんな言わないで。 簡単なものだのに。」
暢子『自分の店を出すという 大きな目標に向かって 新しく始まった2人の生活に うちは 毎日ちむどんどんしています』。
レストラン・フォンターナ
オーナー室
暢子『オーナーは 独立には賛成してくれています。 特に アドバイスは くれないのですが』。
田良島「なるほど フィレンツェの共和制では 事情は どうだったんですか?」
房子「そのころのフィレンツェでは ウマネジモを掲げつつも アルテと呼ばれる組合に参加していないと 参政権は なかったの。」
田良島「ほう…。」
(ノック)
暢子「失礼します。」
房子「だから 飲食店を出す 独立するということは まず ターゲットを決める。 どんな街で どんな客層を相手に どのぐらいの価格設定にするのか。」
田良島「はっ?」
房子「イメージに合う物件を見つけ 一日の売り上げ目標を決める。 家賃は 3日分の売り上げて 賄えるように抑える。」
田良島「3日分?」
房子「住居兼店舗でない限り 全て二重に 家賃 光熱費がかかってくる。 固定費は 必要最低限に抑える。」
暢子「なるほど…。」
房子「何 盗み聞きしてんの お行儀悪い さっさと仕事に戻りなさい!」
暢子「はい すいません! 失礼します。」
田良島「…。」
青柳家
暢子「かつしか ほくさいですか?」
重子「横山大観 竹久夢二の絵も 飾ったらどうかしら?」
和彦「母さん 暢子は 料亭をやるわけじゃ…。」
重子「私は 暢子さんの腕を 一流と認めているからこそ 絵画も 一流のものがいいと 言ってるの。」
和彦「却下。 ありえない。」
重子「はぁ…。 じゃあ 一つだけ これだけ これだけ 絶対に譲れない条件。」
暢子「どんなことでしょう?」
重子「和彦の仕事の足を引っ張るような まねだけはしない。 それだけは 絶対に許せません。」
和彦「母さん。」
暢子「重子さん それは大丈夫です。」
重子「しーちゃん。 そこ 大事だから。」
暢子「あっ しーちゃん… さん…。」
重子「しーちゃんに『さん』は要りません!」
暢子「はい…。」
重子「もう一回 言ってみて。」
暢子「しーちゃん…。」
重子「ああ フフッ…。」
和彦「母さん もう いいから。」
沖縄料理店・あまゆ
多江「こんなに もらってきたの?」
暢子「できるだけ 情報が欲しくて。」
三郎「しかし 驚いたよ。 一体全体 どうして沖縄料理の店なんだよ? イタリアン 修業してきたのに。」
順次「それと 何で 東京でお店出すわけ? 沖縄の人がたくさんいる この辺で やればいいのに。」
トミ「うちの商売敵に なっちゃうから?」
暢子「沖縄を知らないお客さんにも おいしいと喜んでもらえるお店に したいと思って。」
智「客単価は いくらぐらい?」
暢子「まだ 決め切れていなくて。 お店の大きさ 家賃の予算 考えてはいたんだけど いざ 決めるとなると いろいろ迷ってしまって。」
多江「初めてお店を持つんだから 大変なのは当たり前。 一人で考えこまないで 何でも相談してね。」
暢子「ありがとうございます。 頑張ります。」
東洋新聞
学芸部
田良島「お前は いいのか? フリーランスになって 沖縄をライフワークにする夢は。」
和彦「もちろん 諦めていません。 だけど今は とにかく 暢子の夢の実現を 応援したいと思っています。 もうしばらく ここで しっかり頑張らせてもらいます。」
レストラン・フォンターナ
厨房
暢子「お待たせしました。 お話しって 何ですか?」
二ツ橋「ご存じのとおり 私は かつて 自分の店を潰したことがあります。 矢作さんの店も 長くは続きませんでした。 暢子さんは 今まで フォンターナで 何を学んできたんですか?」
二ツ橋「もっともっと この店で オーナーのもとで イタリア料理を極めたいとは 思わないんですか? 故郷の料理を 大事に思う気持ちは分かる。 だけど ここまで イタリアンの修業を積んで もったいないじゃないですか。」
暢子「それは…。」
二ツ橋「夢や理想だけで 飲食店は やっていけない。 オープン当初は 知り合いが集まり にぎわったとしても 半年先 1年先 その人気が続く保証は 全くない。」
暢子「簡単ではないことは よく分かっています。 フォンターナで働いてきたことに 誇りも持っています。 このお店で うちが学んできたことは 無駄にはならないし 絶対に 無駄にはしません!」
二ツ橋「オーナーの気持ちも 考えてください。 オーナーは 今まで 独立したいと言った従業員を 止めたことなど 一度もありません。 ただ 相手が 暢子さんとなると…。 本心は…。」
暢子「どう思ってるんですか?」
二ツ橋「一つだけ 約束してください。 独立しても 月に一度… いや 週に一度は 時間を作って この店に顔を出し オーナーに お店の状況を報告すること。」
暢子「はい。 うれしいです。 独立しても うちは ず~っと フォンターナの一員でいたいと 思っていますから。 ありがとうございます。 失礼します。」
(足音)
(カーテンを閉める音)
養豚場
賢秀「ということで また 辞めさせてください!」
清恵「ありえない。 社会人失格。 もう二度と戻ってこないで。」
賢秀「今回は 戻らない。 戻るわけにはいきません! 貧しい妹の 力になってやりたいんです!」
清恵「貧しいあんたが どうやって妹の力になるの?」
賢秀「だからよ。 店を出す金が足りなくて 泣いてる妹がいる。 そこに ドカ~ンと 一発当てた俺が ふらっと現れる。 夕暮れ時 鶴見の労働者たちが家路を急ぐ頃…。」
賢秀「『暢子 これ 少ないけど 結婚祝ヤサ 好きに使いな』。 ポンと 札束を出す。 暢子は 腰を抜かして 俺に抱きついてくる。『あっ ちょっ 暢子…』。『ニーニー ありがとう。 いつかきっと 倍にして返すから』。 俺は 父親代わりの長男として 当たり前のことをしたまでよ』。」
寛大「ふわ~。 ふん いい兄貴だ。」
清恵「筋書きどおりにいけばね。」
賢秀「やんばるの母ちゃんも 泣いて喜ぶ。『さすが賢秀 沖縄の一番星さ』。 歌子も涙を流す。」
寛大「分かった。 お前の話は よく分かった。」
清恵「もう 早く行って。」
賢秀「だからよ。 その 先立つものが…。 ビッグビジネスマンとして 打って出るための資本金です!」
寛大「バカだねえ…。」
あまゆ・2階
暢子「はぁ…。 たくさん見て 疲れてしまった。」
和彦「『帯に短し襷に長し』ってわけ? はい。」
暢子「ありがとう。 それもあるし 物件探しもお金の計算も 頭では分かっていたけど 全部 一人で背負うのが すごく…。 う~ん… 孤独を感じてしまって。 こんなのは初めてで 自分でも驚いている。」
和彦「僕も 家族のみんなもついてるよ。」
暢子「分かってはいるけど お店をやるとなると 結局は 自分一人で責任取らないと。 はぁ…。」
道中
(ラジオ)
賢秀「差せ! 差せ 差せ 差せ 差せ 差せ~! あ~っ! あっ!」
賢秀「アガッ。 どこ見て歩いてる!? 我那覇さん!? おい!」
我那覇「待て 待て 待て…。 あの時は 申し訳なかった! 急な身内の不幸で 君に 直接話す時間もなかった。 申し訳ない! このとおりだ!」
我那覇「だけど 元気そうでよかったよ。 相変わらず いい目してるな。 ヘヘヘッ…。 どうだ 俺と もう一度 新しいビジネスに チャレンジしてみないか?」
賢秀「我那覇さん いくら何でも これ以上は カモになる気は…。」
我那覇「今度こそだ 今度こそだ! 時代の最先端を行くビジネス。 才能さえあれば あっという間に 金が5倍10倍だ。」
賢秀「5倍? 10倍…?」
我那覇「当てようぜ 2人で。 人生の万馬券。 間違いなく 俺たち2人が ビッグになる道を知っている!」
賢秀「いやいやいや。 危ない 危ない…。」