ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「ちむどんどん」93話「愛と旅立ちのモーウイ」

【 連続テレビ小説「ちむどんどん」93話のネタバレです。

あらすじ

暢子(黒島結菜)は経営者の立場に初めてなり、新たな不安も抱えていたが、和彦(宮沢氷魚)の賛同も得て、とうとう自分の沖縄料理の店を出す物件を決めることに。暢子の独立にむけて話が進む中、賢秀(竜星涼)は自分が参加した新たなビジネスについて、周囲の意見も聞いた末に、とうとう疑問を抱き、真相を確かめることに…。

93話ネタバレ

あまゆ・2階

(ドアが開く音)

和彦「ただいま。」

暢子「お帰り。 和彦君 うち あの物件 借りたい!」

和彦「ん?」

暢子「あそこなら きっとうまくいく気がする。 確かに 計画よりは家賃高いけど ほんのちょっとだし。」

和彦「よかった。」

暢子「ん?」

和彦「最近 ずっと難しい顔してたから。 慎重に考えるのも大切だけど 最後は やりたいかどうかで 決めるしかない。 応援する。 僕は 暢子の笑顔が 一番好きだから。」

暢子「ウフフッ…。」

和彦「そうと決まれば 早めに契約しないと。 誰かに先を越されたら 悔しいでしょ?」

暢子「うん。」

和彦「うん。」

暢子「でも 一つ問題があるわけ。」

和彦「ん?」

暢子「契約して保証金を払ったら すぐに家賃が発生する。」

和彦「ああ…。」

暢子「本格的に 準備に取りかかるためには なるべく早く フォンターナを辞めないと。 ただ そんなわがまま 許されるかどうか…。」

和彦「そうか…。」

暢子「こんなに早く いい物件が見つかると 思ってなかった。 人によっては 何か月もかかるって聞いたし。」

レストラン・フォンターナ
オーナー室

房子「その物件に決めたのね。 契約は いつ?」

暢子「今月末です…。」

二ツ橋「間取りも 立地も 悪くないですし 店舗の2階に住むことができるそうです。」

房子「そう。」

二ツ橋「しばらくは 仕事を続けながら 開店準備をしていただき どうでしょうか? 2か月 3か月後くらい…。」

房子「暢子さん。」

暢子「はい。」

房子「今月いっぱいで退職。 それでいい? 不都合があれば 考慮します。」

暢子「いいんですか?」

房子「いいの? よくないの?」

暢子「ありがたいです。」

房子「二ツ橋さん それでいい?」

二ツ橋「はい。」

房子「辞めていく人間に 余計な人件費かけたくないから。」

暢子「ありがとうございます。」

養豚場

清恵「待って! 待って 待って…。」

寛大「じゃあ 置くぞ。」

清恵「うん。」

寛大「置くぞ。 よっ…。 ふぅ…。」

清恵「はぁ…。 男手が必要な時に限って…。」

寛大「賢秀か? そういや いばらく音沙汰ねえな。」

清恵「変なもめ事に 巻き込まれてなきゃいいけど あのバカ。」

寛大「心配してるのか。」

清恵「別に。 関係ないし。」

レストラン・フォンターナ
オーナー室

賢秀「つまり これを飲めば 健康で 長生きができるだけではなく 幸せのジャイアントビタミン仲間を 増やし 会員になったみんなが 金持ちになれるという もう スーパーハッピーな システムなんです。 今 本部発表によると なんと全ての会員が 毎週5人は 新規会員獲得中! この勢いは 止まりませんよ。」

房子「それが本当なら 会員数は あっという間に日本の人口を超える。」

賢秀「えっ?」

房子「明らかに ねずみ講。 ねずみ講という 一派な犯罪です。」

賢秀「は… 犯罪? えっ いや…。」

房子「あなたは その歩合だか配当金だか もう もらったの?」

賢秀「それは… まだ…。」

房子「いつもらうの? あなたは 誰のために このビジネスを始めたの? 大事な人bに 迷惑をかけたくなかったら ちゃんと 自分で 真実を確かめてきなさい。」

賢秀「はい…。」

東洋新聞
学芸部

和彦「社員特別融資って 制度 ありますよね。 万が一の時に備えて どんな仕組みか知っておきたいんです。」

田良島「分かった。 総務に確認しとく。 金といえば 暢子ちゃんの兄貴が ねずみ講みたいな商売始めたって 言ってたけど まさか これじゃないよな?」

田良島「社会部の飲み仲間から聞いたんだが いくつかの会社を 既に 警察がマークしてて 近々 一斉に 逮捕に動く予定だと。 週刊誌も張りついてるらしい。 マークされてる会社のリストだ。」

田良島「おい ドンピシャ!」

ジャイアントビタミン商事

我那覇「話が違うじゃないですか。」

「どういうことですか。」

「納得できるように説明してくださいよ!」

我那覇「配当金を払って下さい。」

「そうだ!」

「そうだ!」

黒岩「配当金は 子供と孫が それぞれ ノルマを達成したあと 半年以内に支払います。 契約書に書いてある。」

我那覇「こんな小さい字で…。 第一 入会の時には そんな説明 一切…。」

黒岩「契約書を ちゃんと読まなかった あなたたちが悪い。」

我那覇「約束どおり 払ってもらわないと…。」

(ドアが開く音)

我那覇「賢秀君!」

賢秀「だましたんですね。」

黒岩「だました?」

賢秀「これ 悪徳商法の犯罪なんでしょ?」

黒岩「人聞きの悪い。 これは ネットワークビジネス。」

賢秀「俺は 会員をやめます。 預けた金を返してください。」

黒岩「ノルマを達成せず退会する場合 違約金200万円を 支払っていただきます。」

賢秀「200万!?」

幹部「やめたきゃ 違約金持ってこい!」

賢秀「200万なんて あるわけないさぁ。」

幹部「お前 だったら借りてこいよ。 お前みたいなクズにもいるだろ お前。 親とか きょうだいとか。」

賢秀「預けた金を返してください。 やんばるの母ちゃんが コツコツ働いてためた金。 あれだけは 返してください!」

幹部「あんな はした金。」

賢秀「はした金? 母ちゃんが 汗水垂らして稼いだ 大事な金ヤシガ! 返せ。 母ちゃんの金を返せ!」

我那覇「賢秀君! 大丈夫か?」

賢秀「見ましたね? 先に手を出したのは こいつら。 これで 思う存分 暴れられる。」

我那覇「賢秀君! すまん!」

(逃げる我那覇)

石川家

(電話の呼び鈴)

石川「はい 石川です…。 えっ? 比嘉賢秀の妹? 良子 電話?」

良子「もしもし お電話代わりました。 違約金? 何の話ですか? 200万? ここは 沖縄県ですけど…。 もしもし? もしも~し?」

沖縄料理店・あまゆ

順次「ああ お帰り。」

トミ「お帰り。」

順次「どうしたの?」

三郎「腹でも痛いのか?」

暢子「郵便局と信用金庫で うちの開店資金の全てを。 保証金と前家賃 そのほか含めて200万円。 明日の朝一番で払いに行くんです。 こんな大金 持ち歩くの初めてだから デージどきどきーして。」

三郎「しまっときな。 大声で言うことじゃねえ。」

暢子「はい…。」

順次「世の中 善人ばかりじゃないからね。」

智「甘く見てると 痛い目を見るよ。 昔の俺みたいに。」

暢子「智が いつ?」

智「今は どうにか軌道に乗ったけど 初めは 若造だからとなめられて。」

三郎「金は 生き物 大事にしてくれる人の所に集まる。 粗末にする人から離れてく。 商売やんなら そのこと きっちり 肝に銘じておかなきゃ。」

暢子「お金は 生き物…。 なるほど ありがとうございます。 しまってきますね。」

三郎「その方がいい。」

(電話の呼び鈴)

暢子「もしもし あまゆです。 比嘉暢子は 私ですけど。 違約金?」

黒岩「200万円 大至急 持ってきてもらえませんか。 でないと… お宅のお兄さんが。」

賢秀「やめれ! 家族を巻き込むな! うおっ!」

暢子「ちょっと待ってください。 あの… そこはどこですか? はい。」

賢秀「暢子 來るな! あっ!」

暢子「ニーニー!」

智「暢子。 暢子 おい!」

(戸が開く音)

和彦「暢子は?」

三郎「たった今 金持って。」

智「和彦 おい! 待て!」

ジャイアントビタミン商事

暢子「ニーニー!」

賢秀「来るな!」

幹部「おお おお…。」

(せきこみ)

黒岩「暢子さん お兄さんが 約束守ってくれなくて困ってるんですよ。」

暢子「悪いこととは 知らなかったんだよね?」

黒岩「お兄さんは 全て承知の上で 契約書にサインして会員になられました。」

賢秀「ケッ!」

幹部「違約金は お支払いできます?」

賢秀「暢子! やめれ 俺なんかのために! やめれ! 店を出すための 大事なお金だろ?」

黒岩「ハッハッハッハ…。 ア~ッハッハッハ。 大げさだなあ。 貧しい母親に育てられた 哀れなきょうだいだ。」

暢子「お母ちゃんを バカにするな!」

幹部「このアマ!」

暢子「キャッ アッ…。」

和彦「暢子!」

(サイレン)

黒岩「やっ やべえ! ずらかれ!」

賢秀「金返せ! おい!」

暢子「ニーニー! お金は もういいから!」

賢秀「金返せ! 金返せ!」

暢子「もういいから!」

賢秀「離せ!」

暢子「もう いいから…。」

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