【 連続テレビ小説「ちむどんどん」94話のネタバレです。
あらすじ
暢子(黒島結菜)は自分の店の開店に向けて貯めていた資金すべてを、賢秀(竜星涼)を騙(だま)してビジネスに参加させていた黒岩(木村了)たちに渡してしまう。自分の店をあきらめようとする暢子に、沖縄やんばるの姉・良子(川口春奈)と石川(山田裕貴)がある提案をする。
94話ネタバレ
沖縄料理店・あまゆ
三郎「まあ 警察には 事情は分かってもらったし 田良島さんも 随分 口添えしてくれて 賢秀が お縄になることはなさそうだ。」
順次「それで 賢秀は?」
三郎「警察署で別れた。」
トミ「暢子ちゃんのお金は?」
三郎「それは… 戻ってくる可能性は 低いだろうって。」
トミ「そんな! だって 何年もかけて ためたお金でしょ? また ためるのに何年かかるのよ!」
三郎「トミよ 分かってるんだから 言うなよ。」
トミ「ごめんなさい…。」
暢子「うちは 大丈夫です。 ニーニーが無事だったから いいんです。 お店は またいつか…。」
道中
和彦「いってえ…。」
賢秀「あんな へなちょこパンチで 勝てるわけないだろう。」
智「賢秀こそ 元ボクサーのくせに。」
賢秀「だからよ。 素人相手に 本気出せないさ。」
智「おっ…。」
回想
優子「どうして そんなことしたわけ?」
善一「何人か仲間がいて みんな万引きしたんだが 賢秀は 俺の目を盗んで レジの小銭を…。」
賢三「次に こいつがこんなことしたら 俺が刑務所に入る。 すいませんでした。」
善一「賢三さん そんな やめてちょうだい。」
賢秀「ありえん! 父ちゃんは関係ない!」
賢三「関係ある。」
賢秀「関係ない!」
賢三「家族だのに 関係ある! 関係ないって言うな! 二度と言うな! お前は悪くない。 悪いことをしたけど お前は 悪い人間じゃない。 お前が悪いことをしたら それは 父ちゃんのせいヤサ。」
賢三「賢秀… お母ちゃんとみんなを 頼むよ。」
回想終了
賢秀「すまなかった! 俺は 本当に情けない 大バカ者ヤサ。」
智「おいおい…。」
賢秀「暢子に! 暢子に 幸せになってほしかった。 母ちゃんに 楽させてやりたかった。 でも… ただ それだけなのに。 俺は 今度こそ心を入れ替えて 地道に働く! 何年かかっても 暢子の200万 必ず… 必ず 倍にして返すから! 本当に…。」
沖縄料理店・あまゆ
暢子「ニーニーは 無事。 今は 和彦君と智といるはず。」
良子「暢子の200万は?」
暢子「戻ってこないさ。 だから お店は諦める。」
石川家
良子「そんな…。」
石川「暢子ちゃん お金を送ろうね。」
暢子「お金を送る?」
石川「海外旅行に行こうと思って 貯金してたから。 暢子ちゃんの開店資金にして。」
暢子「まさかやー。」
石川「良子に代わるね。」
良子「本当に いいの?」
石川「あのニーニーがいたから 俺たちは 結婚できたんだから。 ほら。」
良子「うん。 ニーニーを助けるためなら 200万使おうって。 博夫さんと話して そう決めたわけ。 うちが暢子の立場でも 迷わずお金を渡したと思う。 ニーニーが無事でよかった。 どうもありがとう。 本当に 本当に ありがとう。 200万 送るからね。」
暢子「でも… いつ返せるか分からんよ。」
良子「返さなくていい。 もらってちょうだい。 復帰の年から 一人で東京で働いて 何年 頑張った?」
暢子「でも…。」
良子「暢子のお店 楽しみにしてるから。」
暢子「ありがとう…。 ありがとう。」
良子たちからの援助を受け 暢子は 予定どおり開業に向けて 準備を進めることができました。
レストラン・フォンターナ
厨房
(拍手)
そして フォンターナ出勤 最後の夜。
暢子「本日をもって うちは このフォンターナを 卒業させてもらいます。 ここで 7年間 たくさんのお客様の笑顔を 見ることができました。 うちの人生の宝物です。 皆さん 本当に ありがとうございました。」
(拍手)
山辺「お疲れさま!」
「お疲れ。」
「お疲れさまでした!」
「お疲れさまでした!」
「頑張れよ。」
「頑張れ。」
「泣かせるなよ。」
(拍手)
ホール
房子「うん。 一つだけ教えて。 どうして 沖縄料理なの? ずっと イタリアンを 修業してきたのに。」
暢子「いろんな人に それを聞かれて うまく言葉にできなくて 考えていたんです。 小学生の時に 和彦君が やんばるに来たんです。 父が まだ生きていた頃です。 父と作った沖縄のそばを 食べてもらいました。」
回想
暢子「ん~ 難しい~。」
暢子「ど~ん!」
暢子「おいしくない?」
和彦「今まで食べた そばの中で 一番おいしい!」
暢子「ねえ やった! お父ちゃん やった~! やった! やった! やった!」
回想終了
暢子「うちが料理をして 誰かに食べてもらいたいのは あの日のうれしさが 忘れられないから。 父と作った 家族と食べたおいしいものを 食べてもらいたいからなんです。」
暢子「うちにとって足元の泉は 家族と食べた ふるさとの料理です。 うちは ふるさとの味で たくさんの人を笑顔にしたい。 だから 沖縄料理のお店を やりたいんです。」
房子「大きな店で 高級な料理を作ることだけが 料理人の幸せとは限らない。 その人が 何をやりたいのかによりけり。 ただ 何をやりたいのか 分からないまま終わることが多い。 分かりました。」
暢子「オーナー 約束は 絶対に守ってくださいね。」
房子「約束?」
暢子「うちがお店を開いたら 三郎さんと多江さんと 泡盛で乾杯しに来てください。」
房子「始めるだけなら誰でもできる。 こうしましょう。 知らないお客様だけで お店が満席になったら 私は あなたの店に行く。」
暢子「分かりました! 約束ですよ。」
房子「この店から独立する人 みんなに 言っていることを言います。 どんなに苦しくても 資金援助はしない。 借金の保証人にもならない。 たとえ親戚だといっても そのルールは変わりません。」
暢子「分かっています。」
暢子「だけど ちょくちょくお店には 顔を出させてもらいますね。」
房子「来なくていい。 あなたは もう このフォンターナとは 関係なくなるし 私とも関係なくなる。」
暢子「関係は なくなりません!」
房子「いつか あなたは私のことを忘れるし 私も あなたのことを忘れる。」
暢子「うちは 絶対に オーナーのこと忘れません。 オーナー うちのこと 忘れるんですか?」
二ツ橋「お別れのお食事に ぴったりなメニューを用意しました。」
暢子「ナポリタン! うちが 一番最初に作った イタリア料理です。」
二ツ橋「ナポリタンは イタリア料理ではありません。」
暢子「はい。 覚えていますか?」
回想
房子「これは?」
暢子「ナポリタンです!」
二ツ橋「ナポリタン?」
暢子「うちの得意な たった一つだけ作れる イタリア料理です!」
回想終了
房子「忘れられるわけないじゃないの。 頂きましょう。」
暢子「頂きます。」