【 連続テレビ小説「ちむどんどん」97話のネタバレです。
あらすじ
暢子(黒島結菜)と和彦(宮沢氷魚)は、店のことなどを相談しようと重子(鈴木保奈美)のもとを訪れる。和彦は自らの退職については秘密にしようとするが、重子はそのことを知っており、話は思わぬ方向に…。暢子は店を出すことを反対し始めた房子(原田美枝子)と改めて話し合いをする。房子はどうしても開店するつもりなら…と。暢子にいくつかの条件を出す。
97話ネタバレ
青柳家
重子「悪徳商法の事務所で 乱闘事件を起こしたんですって? 新聞社に電話して 事情を聞きました。」
和彦「仕事を辞めたことを 黙っていたのは 謝る。 だけど辞めたのは 僕が自分で決めたとこと。 むしろ 暢子に迷惑をかけたのは…。」
重子「そのとおり。 悪いのは 和彦。 暢子さんの独立を控えた大事な時期に 2人の経済的基盤を揺るがして 責任感に欠けてます。 暢子さんの夫として ふさわしくない。 だから 私は 暢子さんのために 別れなさいと言っているの。」
暢子「離婚とかしません。 うちたちは 大丈夫です。」
重子「何が 大丈夫なの? 暢子さんのお店が 軌道に乗るまで これから2人で どうやって生活していくの?」
和彦「仕事は ちゃんと探す。」
重子「どうしても離婚が嫌なら 和彦 叔父様の銀行に勤めなさい。 私は もともと 大学に出る…。」
和彦「銀行員になるもりはない。」
重子「じゃあ いとこの広告代理店か 大叔父の商事会社…。」
和彦「就職活動はしない。」
重子「なぜ?」
和彦「フリーランスの記者になる。 いろんな雑誌や 出版社に企画を売り込む。 地方文化の企画。 自由に動けるし これまでよりも もっと時間を取って 深い内容の仕事ができる。 いずれは 父さんの夢を受け継いで 僕なりに 沖縄のことを 一冊の本に まとめてみたい。」
重子「認めません。」
暢子「何でですか?」
重子「フリーなんとかの記者って 言ってみれば 売れない漫画家や 小説家みたいな 不安定な仕事でしょ?」
和彦「確かに 収入は減るだろうし 生活は苦しくなるかもしれない。 でも やりがいと喜びが。」
重子「あなた いくつになったの? やりがいや喜びで 夫婦2人が 生活していけるとでも?」
和彦「3人になる。」
重子「3人!?」
和彦「暢子は 妊娠してる。 本当は 今日 そのことを報告に。」
重子「だったら なおのこと許せません。 夫が 身重な妻を放り出して 好き勝手に日本中 飛び回るなんて。」
和彦「とにかく そういうこと。 暢子 帰ろう。」
暢子「待って。 うちは 和彦君のやりたい仕事を 応援したいです。 うちも お店を開きますし お金のことは 大丈夫かと。」
和彦「行こう。」
暢子「失礼します。」
重子「待って! 名前? もう決めたの?」
暢子「決めました。」
重子「何て名前?」
暢子「『ちむどんどん』。」
重子「はっ?」
暢子「名前は ちむどんどんです。」
和彦「もう決めたから。」
波子「奥様 お加減でも?」
重子「由緒ある 青柳家の子供の名前が『ちむどんどん』だなんて…。」
波子「子供? 坊ちゃまと暢子さんに?」
重子「そうなの。 私に 孫ができるの。」
レストラン・フォンターナ
オーナー室
房子「つまり あなたの考えは 変わらないのね?」
暢子「はい。」
房子「あなたは まだ若い。 この先 いくらでも 自分の店を持つ機会はある。 今が最善とは思えない。」
暢子「今 諦めれば やんばるの姉が出してくれた お金も 無駄になってしまうんです。 次に 開店資金がたまるまで また 何年かかるか分かりません。 どうして そこまで反対するんですか?」
房子「妹のような思いをさせたくない。」
暢子「妹さん?」
房子「戦時中 私は 妹と一緒に暮らしていた。 妹は 新重の体で 出征した夫の帰りを待っていた。」
回想
客「ごちそうさん。」
智子「ありがとうございます。」
房子<ただで 居候させてもらうのは 悪いと言って 商売を手伝ってくれたの。>
智子「ありがとうございます。 また お願いします。」
房子<毎日 目が回るほど忙しかったから 私は ついつい厚意に甘えて。 だけど ある日…。>
(食器がおちる音)
房子「智子? 智子? ちょっ… 智子!」
回想終了
暢子「流産?」
房子「直接の原因は 分からない。 仕事を手伝ってくれていたからかどうかも 本当は 分からない。 だけど どうしても考えてしまうの。 私が もう少し 気遣ってあげていればって…。」
暢子「話してくれて ありがとうございます。 今まで以上に 気を付けます。 自分の命と 新しい命と どちらも大切にします。 でも うちは 諦めたくないんです。 長い間の いろんな人の支えがあって うちは 今 お店を始めようとしています。」
暢子「そんな時に おなかに この子がいてくれることは うちは 逆に 最高に心強いことだと 思っています。 うちは お店をやりたいんです。 この子と一緒に 頑張りたいんです。」
房子「条件が3つある。」
暢子「はい。」
房子「1つ…。 店の味を任せられる料理人を 雇うこと。 体調が悪い時 疲れた時 それから 産前産後に あなたは 必ず 店を休まなくてはならない。 そんな時 100%信頼できる料理人が いなければ あなたのその思いも『絵に描いた餅』。」
暢子「はい。」
房子「もう一つは 店の看板メニューを決める。」
暢子「看板メニュー?」
房子「お客様を引き付ける 魅力的な看板メニューがあれば 仕入れも調理も 全て効率よくできる。 結果 体の負担が減る。」
暢子「なるほど…。 もう一つは?」
房子「心身ともに健やかでいること。 どんなに忙しくても きちんと お医者さんに通う。 重いものと持ったり 立ちっ放しに なったりしないようにする。 階段は 1弾ずつ上り下り。 体を冷やさず よく寝て よく食べて 体が しんどいと思った時には すぐに仕事の手を止める。 この3つを守れるなら… 私は 反対しない。」
暢子「分かりました。 ありがとうございます。」
房子「泣くことはないでしょ。」
暢子「泣いてません!」
房子「あなたのことを信頼する。 やるからには 成功させなさい。」
暢子「はい。」
喫茶・サーカス
マスター「お待たせしました。」
和彦「それで 大事な話って?」
重子「どうしても… どうしても もう一度 考えてほしいの。 ちむどんどんのこと。」
和彦「はぁ…。 言ったよね? 口出ししないでくれって。 僕は すばらしい名前だと 思ってる。」
重子「でも… お願い。」
和彦「店の名前は ちむどんどん。 それは もう決まりなんだ。 絶対に 譲らない。」
重子「そんな…。 えっ? お店の名前?」
和彦「沖縄の言葉で『ちむ』は心 心がどんどん ワクワクする。 僕が 暢子に初めて会った時…。」
重子「いい! いい名前ねえ…。 すてき。 で 子供に名前は?」
和彦「それは まだたけど。」
重子「男子20名 女子20名分 考えたわ。 生まれてくる子供の名前。 あくまで あくまで候補として。」
和彦「何だ 大事な話って これのこと?」
重子「とても大事なことでしょ? 名前というのは 親が子にあげる 一番最初の贈り物。 父さんだって あなたの名前を決める時は 何日も図書館に通って 何十冊も本を借りて 悩んで悩んで決めたのよ。」
和彦「父さんが?」
重子「もちろん 私も一緒に。 いくつも候補を出し合って 最終的に 平和への祈りを込めて『和む』『和らぐ』という字を選んで『和彦』に決めた。」
和彦「ありがとう。」
そして 暢子は ちむどんどん開店に向け 信頼できる料理人を探し 和彦は フリーの記者として あちこちに 自分の企画を 売り込む日々が続きました。
営業先
和彦「せめて 企画書に目を通すだけでも…。」
「駄目駄目。 そんな地味な企画…。 こう パ~ッと明るいさ もっと ナウいっていうかさ。」
和彦「ナウい?」
沖縄料理店・ちむどんどん
暢子「前職は 横浜のホテルで 厨房?」
「ウチナーンチュは 俺一人。 デージ苦労サンドー。」
暢子「あっ どんな料理を 担当されてたんですか?」
「あっ しょこは 皿(しゃら)洗いで1か月。 だけどよ 巣鴨(しゅがも)の寿司(しゅし)屋には 3(しゃん)か月いたからよ フッフッフ…。」
暢子「しゅが… しゅし…。」
「巣鴨(しゅがも)。 巣鴨。」
暢子「巣鴨!」
「しょう しょう しょう…。 で お寿司(しゅし)。 お寿司。」
営業先
和彦「今 おっしゃった原稿料は 取材の経費込みということですか?」
「全て 込み込み。 不満?」
田良島「青柳は 学芸部時代も 骨太な記事を書く記者で 実力は 保証します。」
「いくら新聞で実績があっても うちは 週刊誌だからね。」
沖縄料理店・ちむどんどん
暢子「沖縄料理は 食べたことありますか?」
「板前人生50年。 魚を見る目には 自信がある。」
沖縄料理店・あまゆ
店内
三郎「しかし そいつは困ったなあ。 俺の方でも 知り合い 当たってみるよ。 沖縄料理の経験があるやつ。 まあ ウチナーンチュがいいんだよな?」
暢子「沖縄出身じゃなくても いいんです。 沖縄料理の経験がなくても 構いません。 料理人として 幅広い知識と 腕があって 料理にまっすぐな人であれば。」
順次「ヤサ! 灯台デモクラシー! フォンターナの二ツ橋さん スカウトしよう。」
トミ「できるわけないでしょ!」
暢子「ほかのお店で働いている人を 強引に 引き抜くようなことは したくないんです。」
順次「であるよね。」
「食い逃げだ! 捕まえろ!」
三郎「ん? どうした。」
玄関前
矢作「やめろ!」
「おとなしくしろ!」
三郎「おい どうした?」
「会長!」
「会長!」
「三郎さん。」
暢子「矢作さん!?」
矢作「まさかやー!」