ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「ちむどんどん」98話「青いパパイアを探しに」

【 連続テレビ小説「ちむどんどん」98話のネタバレです。

あらすじ

暢子(黒島結菜)がどうしてもこのまま開店するというのなら…と、房子(原田美枝子)は3つの条件を出した。そのひとつが、店の味を任せられる料理人を雇うこと。暢子がこの条件にあう料理人を探すなか、ばったり出会ったのは、食い逃げで捕まった矢作(井之脇海)だった。その頃、沖縄では良子(川口春奈)が学校給食の改革に悪戦苦闘していた。困った良子が優子(仲間由紀恵)に相談すると、優子のおかげで話が動き始める。

98話ネタバレ

沖縄料理店・あまゆ
玄関前

暢子「矢作さん!?」

矢作「まさかやー!」

三郎「知り合いか?」

暢子「はい。 お店の先輩で。」

順次「先輩?」

三郎「何があったか 言ってみな。」

男性「こいつ そこの食堂で 2人分 飯食って『金がねえから働いて返す』って 言いやがって。」

男性「待て コラ!」

男性「おい コラ!」

男性「何だ これ。」

矢作「返してくれ! それは…。」

男性「こいつ 刃物まで持ってやがる!」

矢作「違う! 返してくれ!」

男性「いってえな この野郎!」

男性「何すんだ!」

男性「いいかげんにしろ!」

暢子「あっ…。」

和彦「暢子!」

暢子「乱暴は やめてください! うわっ!」

男性「何すんだよ!」

矢作「うわっ! 放せ!」

店内

三郎「訳 聞かせてもらおうか。」

矢作「借金取りに追われて 女房とも別れて 日雇いの仕事を転々としているうちに この辺りに来て。 だけど 不景気で 何日も職にあぶれて 腹が減って 腹が減って…。」

三郎「だからって 無銭飲食していいのか? 不景気なのは お前さんだけかい?」

矢作「笑うだろ。 調子乗って独立して 見え張って分不相応な店構えて 半年も もたねえで このざまよ。」

暢子「矢作さん もしよかったら うちの沖縄料理のお店を 手伝ってもらえませんか?」

和彦「暢子…。」

矢作「沖縄料理の店? お前の?」

暢子「独立して お店を出すことにしたんです。」

矢作「イタリア料理の店じゃ ねえのかよ?」

暢子「沖縄料理のお店を出します。 ただ 妊娠してることが分かって。」

矢作「今 そのおなかに?」

暢子「オーナーから お店と出産を両立したいなら お店を任せられる 信頼できる料理人を雇えと言われて。」

順次「フォンターナの権利書を盗んだのも この人だよね?」

トミ「その上 今日は食い逃げだよ?」

暢子「矢作さんは うちの求めている 料理人の条件を 全部満たしています。」

矢作「冗談じゃねえ 何でお前の下で。 沖縄料理なんて 知らねえし。」

暢子「沖縄料理は うちが教えます。」

矢作「嫌だね。 第一 俺は もう料理人じゃねえ。 料理なんて こりごりだよ。 どうも。」

(戸を開ける音)

和彦「暢子。」

玄関前

暢子「矢作さん 待ってください。」

矢作「さっきは 突き飛ばしたりして すいませんでした。 おなかの子 大事にしろよ。」

石川家

良子「ただいま。 ごめん 寝てた?」

石川「お帰り。 今 寝たところ。 今日も 給食で残業?」

良子「電話で 栄養士さんと 献立の打ち合わせをしてて だけど 安室のおばぁが…。」

回想

安室「仕入れ先は誰が探すわけ? うちらは手伝わんよ。 全部 1人で できるねぇ?」

回想終了

良子「確かに 仕入れとか どこから どう手をつけていいのか…。」

比嘉家

優子「この村の野菜を 給食に? とってもいい考えさ。」

良子「だけど なかなか 周りの理解を得られなくて…。」

「ハイタイ!」

「ハイタイ。」

新垣「ハイタイ。 あっ 良子も来てたの? これ よかったらよ うちで取れた ナーベラー。 はい。 はい。」

優子「アイエーナー。 ありがとうね。 あっ ねえ 少し休んでいかない?」

新垣「いいの? 休んでってってよ。 よいっしょっ はあ~。 今日 暑かったねえ。」

優子「村のお野菜を 給食にって 話していたわけ。」

新垣「ゴーヤーだったらさ 嘉数のおばぁの畑が 一番ヤサ。 ねえ。 ハハハ…。 だけどよ 学校の子供たちの みんなの分まで 用意できるかねぇ。」

「ん~ 金武のおじぃも 腰を痛めて 畑をやめてしまったし。」

新垣「昔より 畑が減ってしまったからね。」

良子「そうですよね…。」

優子「でも どうしたらいいかねえ。」

「中村のおじぃにも 話 してみようかね。」

新垣「上等じゃない?」

優子「こうやって 相談したら 井戸端会議で人の輪が大きくなって いろんな知恵が集まるから。」

良子「ありがとう。」

山原共同売店

良子「あっ 善一さん 昨日お願いした農家の件 どんなでした?」

善一「あ~ ごめん 言いに行こうと思ってた。 断られてしまった。 どこも 年寄りが多くて 新しいことをやるのを嫌がって。」

新垣「学校の給食用となると 責任が 大きくなるからねぇ。」

良子「農家を紹介してもらえませんか? 私から 直接お願いしてみます。」

善一「何で そこまで?」

良子「復帰して だんだん マイカーを持つ家が増えて この辺りでも 町のスーパーで買った 野菜を食べるおうちが 多くなりました。 スーパーは便利だけど 子供たちが 地元の野菜を使った料理を 食べることが 少なくなったんです。」

良子「だからこそ 給食を通して もっと子供たちに このやんばるの ふるさとの味を知ってもらいたいんです。 私にできることは 何でもやります。 お願いします。」

善一「それは まあ 力には なってあげたいけどね…。」

居酒屋・珊瑚礁

智「比嘉歌子っていう 俺の幼なじみの子で デージ歌のうまい レコード歌手の卵がいるんですけど。」

店主「レコード歌手の卵?」

智「このお店で 歌わせてやってもらえませんか?」

店主「それは 歌手の卵が歌ってくれたら お客も喜ぶと思うけど その女の子 チュラカーギー? 美人?」

智「チュラカーギーです。」

店主「ああ… だけど うちには お金まで払う余裕は…。」

智「お金は 要りません。 歌わせてもらえるなら うちの野菜も サービスしますから。」

比嘉家

歌子「何で うちに?」

智「知り合いが 唄三線できる人 探してて ギャラも 前払いで払うって。 もう もらってきたさ。 アリ。」

歌子「うちには無理。 これは返してきて。」

智「そう言わずに 頼む。 大事な取引先で どうしても断り切れないわけ。 俺の顔を立てると思って。 頑張れ。」

歌子「うん…。」

智「うん。」

山原小中学校

良子「ありがとうございます。 栄養士さんに そう言っていただけると助かります。 仕入れ先が見つかったら すぐに連絡しますので 引き続き 相談の乗ってください。 私は 諦めません。 失礼します。 ふぅ~…。」

(足音)

良子「どうしたんですか? こんな時間に。 ん?」

安室「うちの親戚と友達。 この人たちは 給食用に 野菜を提供してもいいって 言ってくれてる。」

良子「頼んでくれたんですか?」

安室「世間話のついでに ちょっと話しただけさぁ。」

良子「だけど… そんな簡単に受けてくるはずが。」

安室「いちいち うるさいよ! 大事な給食を あんただけに 任せられんからねぇ。」

良子「ありがとうございます。」

安室「あとは あんたの仕事。 その人たちの気が変わらんうちに 連絡しなさい。」

良子「はい すぐに連絡してみます。 本当に ありがとうございます!」

安室「あんたのためじゃない。 子供たちのためヤサ。」

レストラン・フォンターナ

(ドアベル)

暢子「こんばんは。」

「失礼します。」

(ドアベル)

暢子「オーナー ちょっと お話が…。」

二ツ橋「そうですか。 矢作さんが そこまで…。 悪い予感はしてたんですが 食い逃げするほど 追い詰められていたとは。」

暢子「もし オーナーが いいと言っていただけるなら うちは 矢作さんに お店を手伝ってもらいたいんです。」

房子「えっ 矢作さんを?」

暢子「矢作さんなら お店を任せられる 料理人だと思うから。」

二ツ橋「いや 技術的にはそうでも 彼は…。」

暢子「もちろん 分かっています。 このお店にも迷惑をかけたし。 独立開業に失敗して 奥さんとも別れて。」

房子「さっき そこで あなたが擦れ違った女性…。」

暢子「ん?」

房子「矢作佳代さん。 矢作さんの奥さん。」

暢子「アキサミヨー。 そうだったんですか?」

二ツ橋「上京して最初に働いたお店で 同じレストランの コックとウエイトレスとして 出会ったそうです。 矢作さんの一目ぼれで やっと プロポーズを受け入れてもらったと うれしそうに話してたことも ありました。」

暢子「だけど 別れた奥さんが 何で今頃 このお店に?」

ちむどんどん・2階

和彦「そっか 矢作さんの別れた奥さんが フォンターナに。 ありがとう。 …で 暢子はどうしたいの?」

暢子「うちは やっぱり 矢作さんに賭けてみたい。 矢作さんとしか ちむどんどんは やれないと思えてきた。」

和彦「暢子が そう決めたなら 僕は 全力で応援するだけ。」

暢子「ありがとう。」

和彦「あとは 矢作さん自身が 引き受けてくれるかどうか。」

暢子「うん。 矢作さんは まだ 料理人としての自分を 諦めていないと思う。」

和彦「だけど もう料理は こりごりだって。」

暢子「大丈夫。 まくとぅそーけー なんくるないさー。」

和彦「うん。」

暢子「食べて。」

和彦「うん。 おいしそう。」

暢子「ジューシーお握り。」

和彦「うん。」

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