【 連続テレビ小説「ちむどんどん」99話のネタバレです。
あらすじ
暢子(黒島結菜)は、かつてフォンターナでともに勤めていた矢作(井之脇海)の腕を見込んで「うちの沖縄料理の店を手伝ってもらえないか」と提案するが、自分の店を持ったものの失敗に終わった矢作は暢子の提案を断り、姿を消した。だが暢子はあきらめず、矢作を探し続けて…。その頃、沖縄やんばるでは歌子(上白石萌歌)が智(前田公輝)の協力を得て、初めてのライブを行おうとしていた。だが、緊張した歌子は…。
99話ネタバレ
沖縄料理店・ちむどんどん
暢子「皆さん お茶 ここに置いておきますね。」
業者「ありがとうございます。」
坂田「すいません! 鶴見北西信用金庫の坂田です。 あっ また遅刻しました!」
暢子「あ~ いえいえ…。」
坂田「前の打ち合わせが長引いて…。」
暢子「いつも お忙しいですね。 はい どうぞ。」
坂田「あっ ありがとうございます。 ああ…。 あ~っ。」
坂田「いや~ だんだん お店っぽくなってきましたね~。」
暢子「あちこち 修繕も必要で 思ったより 費用が かかってしまいました。」
坂田「提案したとおりだったでしょ。 融資は 多めに 申し込んだ方がいいって。」
暢子「いろいろ ありがとうございます。」
坂田「とんでもない。 我々みたいな 小さな金融機関は 事業者の皆さんとは 運命共同体ですから。 あっ 駄目だ…。 ちょっと お手洗いを…。」
暢子「あっ…。」
坂田「すいません…。 あっ どこだ?」
暢子「あっ 左です。」
坂田「左。 すいません。」
暢子「はい。」
和彦「暢子 仕事決まった。」
暢子「はっ…。」
和彦「小さい枠だけど 月刊誌が 企画を買ってくれることになった。」
暢子「はっさ! おめでとう! よかったねえ。」
和彦「ありがとう。 暢子の方は?」
暢子「ああ… ううん。 まだ 何の手がかりも。」
和彦「早く見つかって 話ができるといいね。」
暢子「うん。 矢作さん どこで 何をしているのかねぇ…。」
レストラン・フォンターナ
オーナー室
房子「ええ 矢作友洋です。 以前 うちで働いていた。 もし うわさを聞いたりしたら 連絡していただけますか? お願いします。 失礼します。」
(ノック)
二ツ橋「二ツ橋です。」
房子「どうぞ。」
二ツ橋「失礼します。 矢作さんですが 彼の昔の勤め先 何軒か尋ねましたが 何も 連絡はないと。」
房子「あと何軒か 聞いてみます。」
矢作サイド
回想
山辺「2番様 オーダー入りました。 B ドゥーエ。」
スタッフたち「はい。」
二ツ橋「5番様 もう前菜 出せますか?」
長山「あと少しです!」
江川「1番様のパスタ あと5分で上がります。」
スタッフたち「はい。」
回想終了
居酒屋・珊瑚礁
(笑い声)
店主「え~ 皆さん いよいよ やんばるの歌姫 比嘉花子ちゃん! 拍手!」
(拍手)
歌子「ご来店 ありがとうございます。 聴いてください。」
(三線の音)
客「チバリヨー。」
(三線の音)
智「もういいから 大丈夫。 早く。」
歌子「でも…。」
智「大丈夫。」
♬~(三線)
歌子「(小声で)♬『南風吹けば 咲く花の美らさよ。』」
(飛行音)
歌子「(小声で)♬『島の美童の ジントヨー 想い染めてよ ジントヨー ジントヨー』
(話し声)
智「大きな声で。」
客「ネーネー 全然聞こえん。 ここで歌って。 ここで。」
(拍手と笑い声)
客「うるさい 静かに飲め。」
客「何?」
店主「まあ まあ まあ まあ。 ねっ。」
客「何か あれ。」
客「何か あれ!」
客「ああ?」
店主「まあまあ…。」
客「勝負しよう。」
客「おうおう…。」
(ざわめき)
歌子「(小声で)♬『胸に揺れるよ ジントヨー』」
(ざわめき)
智「どうした? 次行こう。」
客「ナーシムサ 引っ込め!」
客「アイ ネーネー こっち来て おじさんと一緒に飲もう。 早く 早く。」
歌子「すいません!」
智「歌子!」
智「歌子。」
店主「話が違うアラニ。」
智「いや 今日初めてで。」
店主「あんたも プロなら ちゃんとやれ。 レコード歌手の卵だろ?」
歌子「すいません 帰ります。 お金は ちゃんと返します。」
店主「お金? 何か それ。」
智「あっ いや それは…。」
店主「うちは この人から タダでもいいから 歌わせてほしいって頼まれて。」
智「向こうで話しましょう。 あっちで。」
店主「俺は お金払ってないよね。」
智「いいから 向こうで。 歌子 ちょっと待ってて。 お店からというよりは…。 歌子…。」
店主「ちょっと! どんななってるわけ?」
比嘉家
智「歌子 待って!」
歌子「何で だましたの? うちに 同情したから?」
智「同情とかしてない。」
歌子「なら 何で? 何で? うちを からかったわけ?」
智「違う。」
歌子「レコードなんか出せるわけないのに バカみたいなこと言ってるって 心の中で 笑ってた?」
智「笑ってない!」
歌子「じゃあ 何で わざわざ あんなお店に…。」
智「あんなお店って何か? 俺の大事なお得意さんヤシガ。」
歌子「それは… ごめん。」
智「俺は ただ 歌子を応援したかっただけさ。」
歌子「暢ネーネーの妹だから?」
智「違う。」
歌子「智ニーニーは 今でも 暢ネーネーのことが好きで うちは 暢ネーネーの妹だから…。」
智「暢子は 関係ない! 俺は 暢子のことは すっぱり諦めた。 暢子と和彦の結婚を 心からお祝いすることができた。 あの披露宴に出席できたのは 歌子のおかげだったし。」
歌子「その お礼のつもり?」
智「違う それだけじゃない。」
歌子「なら 何で?」
智「歌子の唄が 好きだから。 歌子が レコード歌手 諦めないなら 俺は ずっと応援したいわけ。」
歌子「からかってる。」
智「からかってない。 何で 素直に受け取れないわけ? 俺は… 歌子のファン第1号になる。 ウソついて 店に引っ張り出したのは 悪かった。 だけど… 俺は 本気で 歌子を応援したい。 その気持ちは ウソじゃない。」
歌子「分かった…。 カッとなって ごめんなさい。」
智「よかった…。」
歌子「それに ちゃんと歌えなくて ごめんなさい。 本当に 歌手になりたいなら ちゃんと歌えないといけないよね。」
智「いや その…。 初めてにしては ちょっと やりにくい店だった。 俺も… ごめん。」
歌子「うちが ごめんなさい。」
智「あっ いや 俺が… ごめん。」
歌子「フッ… フフッ…。」
(笑い声)
歌子「あっ… ごはん食べていけば? お母ちゃん まだだから うちが何か…。 あっ…。」
智「おっとっと…。 大丈夫か?」
歌子「あっ…。」
智「あっ… 大丈夫か?」
歌子「うん…。」
智「よし… 帰ろうな。」
歌子「うん…。」
智「じゃあ。」
歌子「うん…。」
歌子「お母ちゃん?」
優子「えっ… あっ…。 そこにいたの? ただいま。」
歌子「いつからいたの?」
優子「いつからって… 今さ。 たった今。 とう ごはんにしようね。 お芋 お芋。」
歌子「どこから聞いてたわけ?」
優子「何を?」
歌子「うちと智ニーニーの話 どこから?」
優子「うちは 何にも聞いていないよ。」
歌子「今日ね 智ニーニーの紹介で 名護のお店に 唄を歌いに行ってきたわけ。」
優子「であるわけね。 全然 知らなかった~。」
歌子「だけど うち また弱気の虫に負けて 逃げ出してしまった。」
優子「何事も 最初から うまくいく人はいないさ。」
歌子「お母ちゃん。 うち… いつか レコードを出してみたい。」
優子「もし 歌子がレコード歌手になって レコードを出せたら うちが 一番に買いに行きたい。 そしたら うちが 智より先に ファン第1号になる。」
歌子「やっぱり 全部 聞いたでしょ。」
優子「お茶 いれてこようね。」
矢作サイド
暢子「矢作さん。」
三郎「暢子ちゃん。」
暢子「うちと一緒に 来てもらえませんか?」