ドラマダイジェスト

夜ドラ「作りたい女と食べたい女」(第12回)

あらすじ

思いがけず新しいプロジェクトに推薦された野本さん(比嘉愛未)。SNSでやりとりしているyakoさん(ともさかりえ)と恋愛映画の話で盛り上がる。春日さん(西野恵未)は隣に引っ越してきた南雲さん(藤吉夏鈴)からたくさんのゆずや野菜をもらって…。

第12回ネタバレ

マンション

野本宅

野本「レズビアン映画…。 女性同士のラブストーリー。」

野本『これすごく気になる。 見てみたい』

yako『配信で見られますよ。 是非是非!』

野本『yakoさん、ありがとうございます! 見てみます!』

(英語の音声)

♬~(映画の曲)

野本「(すすり泣き) はあ…。」

♬~(映画の曲)

野本『いい映画だった。 主演のお二人の演技がすごく良くて、感動した。 映像もすごくきれいだったな…』

スーパー

春日「藤田さん お久しぶりです。」

藤田「あっ 春日さん どうも。 あっ 明けましておめでとうございます。 でしたよね。」

春日「そうですね。 明けましておめでとうございます。 最近 シフト入られてなかったんですか?」

藤田「うん~ そう ちょっとね。」

春日「何かあったんですか?」

藤田「う~ん 最近 義母の介護があってね ちょっと それが大変で。」

春日「そうだったんですね。」

藤田「ああ ごめんね こんな話。」

春日「いえ…。」

藤田「新しい商品 入ったんだね。 一緒に売り場に並べましょうか。」

春日「はい。 お願いします。」

@DESIGNPRO

田中「お疲れさまで~す。」

一同「お疲れさまです。」

田中「すいません 野本さんと佐山さんに ご相談したいことがあって。 2時くらいに少し時間もらっても 大丈夫ですか?」

野本「あっ はい。」

佐山「大丈夫です。」

田中「じゃあ 第一会議室にお願いします。」

田中「すり合わせに時間がかかって 進行が遅れてて。 それで コーディングに 人員補充することになったんです。」

野本「そうなんですね。」

田中「それで チーム長からの推薦もあって ぜひ お二人に入って頂きたいと 思っているんです。」

佐山「私たちですか?」

田中「お二人は仕事が速くて いろいろな面で気を利かせながら 作業に当たって下さると聞いていて。」

野本「あっ いえ そんな…。」

佐山「ありがとうございます。」

田中「忙しくなるので 少し残業も増えてしまうかも…。」

佐山「野本さんは どうするんですか?」

野本「私は受けようと思います。 私 実は結構好きなお店で たまに買ってて。」

佐山「そうなんですね。」

野本「はい。

佐山「最近ちょこちょこ見かけますよね。」

野本「はい。 あと あんなふうに 推薦してもらっていたなんて うれしいなあ… と。」

佐山「分かります。 ちゃんと仕事してれば 見てくれてる人は 見てくれてるんですね。」

野本「あっ じゃあ 佐山さんも?」

佐山「はい。 まあ 私は単純に 残業代増えるの うれしいなって感じですけど。」

野本「そっか じゃあ 一緒に頑張りましょう。」

佐山「はい! 頑張りましょう。 野本さん 今週空いてる日とかありますか?」

野本「え?」

佐山「よかったら 仕事のあととか ごはん行きませんか? 推薦されたお祝いというか 何というか…。」

野本「ぜひ!」

佐山「よかった!」

マンション

廊下

(ドアの開閉音)

南雲「あ…。」

春日「こんにちは。」

南雲「あっ すいません 邪魔で。 これ すぐに運びますので。」

春日「いえ 大丈夫ですよ。」

南雲「すいません…。」

春日「手伝います。」

南雲「あっ いや そんな…。」

春日「大丈夫です。」

南雲宅

春日「これで全部ですね。」

南雲「ありがとうごいます。 あ… 引っ越しのご挨拶にも 伺わないままだったのに すいません。」

野本「いえ 今は ひとり暮らしなら 挨拶しないほうが無難ですよ。 どんな人が住んでるか 分からないですから。」

南雲「はい。 あっ 引っ越してきた南雲といいます。 よろしくお願いします。」

春日「春日です。 よろしくお願いします。 では。」

南雲「あっ あの…。 これ ゆずなんですけど 食べられますか? あと 野菜とか もらってもらえませんか? 運んで頂いたお礼に。」

春日「いえ そんな。 悪いです。」

南雲「いえ よければ。」

春日「でも…。」

南雲「ほんとに。 捨てちゃうことになると もったいないので。 料理 そんなにしなくて よければ。」

春日「いいんですか?」

南雲「はい ちょっと待って下さい。」

春日「そんなに大丈夫ですか?」

南雲「こんなにたくさん食べられないって 言ってるのに 送ってくるんです。 実家から。 もし ご迷惑じゃなければ もらって頂けると助かります。」

春日「迷惑じゃないです。 では 遠慮なく。」

南雲「ありがとうございます。」

春日「これ お隣の方にも 少しお裾分けしてもいいですか?」

南雲「お隣?」

春日「はい 南雲さんのお隣の方です。 私と同じ年くらいの 女性の方なんですけど その方と仲よくさせて頂いていて。」

南雲「もちろんです。」

春日「ありがとうございます。 では 失礼します。」

南雲「はい。」

(ドアの閉まる音)

『よく食べて 頑張ってね!』。

野本宅

野本『昨日の映画、すごくよかったんだけど。 モヤモヤするところもあって、でもうまく言葉にできない。』

(通知音)

yoko『映画早速見てくださったんですね! 主演の二人最高ですよね!』

野本『ありがとうございます 女性同士の恋愛ものを初めて見たのですが すごくいい映画でした。 またおすすめあったら教えてください。』

(通知音)

春日宅

野本宅

(チャイム)

野本「あっ 春日さん こんばんは。」

春日「すみません。 夜遅く急に。」

野本「あっ 全然 全然いいんです。 寒いから ねっ 入って下さい。」

春日「お邪魔します。」

野本「はい。」

春日「あの 先ほどお隣さんにお会いしたんです。」

野本「あっ。 えっ そうなんだ?」

春日「はい。」

野本「へえ~。」

春日「それで これをもらって。」

野本「ゆず? すっごいたくさん。」

春日「はい ほかに野菜まで頂いてしまって。」

野本「へえ~! この すっごい立派なキャベツ。」

春日「たくさんもらったので 野本さんにお裾分けしようと思いまして。」

野本「うれしい! ありがとうございます。」

春日「ゆずは どういうふうに 食べるのがいいんでしょう。 調理したことがなくて。」

野本「私もないなあ。 何がいいかな。」

春日「お菓子ですか。」

野本「うん。 あっ ゆずジャムは?」

春日「ジャムですか。」

野本「うん。 春日さん 朝ごはんの時に パンに塗ってもいいし お湯で割って飲んだりとか。」

春日「ありがとうございます。 いいですね。」

野本「うん。 よければ これから作ってみますか。 あっ 時間 大丈夫?」

春日「はい。」

野本「ん~! すっごい いい匂いだね。」

春日「はい。」

野本「種も使うなんて知らなかった。 ペクチンという食物繊維が含まれていて これによって とろみがつく… だって。」

春日「種も一緒に煮るんですね。」

野本「ねっ。」

野本「あっ とろみがついてきた。」

春日「はい。 いい匂いです。」

野本「ん~ 本当。 幸せな気持ちになるね。」

春日「これぐらいですかね。」

野本「うん いいね。」

野本「どうぞ。」

春日「ありがとうございます。」

野本「はい。 じゃあ いただきますか。」

春日「いただきます。」

野本「はい。 う~ん おいしい。」

春日「おいしいです。 ほっとします。」

野本「あっ これはお隣さんの分ね。」

春日「はい。」

野本「あっ 持っていく時に 私も一緒に ご挨拶に行こうかな。」

春日「そうしましょう。 野本さん。」

野本「ん?」

春日「いえ 何でもないです。」

野本「え? えっ 何?」

春日「いえ… そんな大した話ではないので 大丈夫です。」

野本「えっ 春日さん それは困ります。」

春日「え?」

野本「言いかけたら言ってくれないと 私 気になって眠れません。」

春日「そんな大した話では…。 あの…。 ロールキャベツって作れるんですかね。」

野本「え?」

春日「私 実は作ったことなくて 実家でも出たことがないんです。 手間がかかりそうですし。 でも 野本さんと一緒に 作れたらいいなと思って。」

野本「ロールキャベツ…。」

春日「はい。 あの立派なキャベツで。」

野本「ロールキャベツ 作りましょう。 絶対作ります。」

春日「本当ですか。 絶対…。」

野本「一番おいしいの 作りましょう。」

春日「楽しみです。」

野本「私もです。 ほっとしますね。」

春日「はい。」

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