ドラマダイジェスト

夜ドラ「作りたい女と食べたい女」(第13回)

あらすじ

食事に出かけた野本さん(比嘉愛未)と同僚の佐山さん(森田望智)。「恋ってむずかしくないですか?」野本さんは、佐山さんに思わず悩みを打ち明ける。隣人の南雲さん(藤吉夏鈴)を訪ねた野本さんと春日さん(西野恵未)だったが、食事に誘うと南雲さんの表情が曇って…。

第13回ネタバレ

@DESIGNPRO

田中「じゃあ 作業は来週からになるので よろしくお願いします。」

野本「はい お願いします。」

佐山「よろしくお願いします。」

田中「二人が入ってくれて 心強いです。」

野本「いえ そんな。」

佐山「はい 頑張ります。」

飲食店

野本「すてきなお店ですね~。」

佐山「ですね。 私も初めてなんですけど。 そんなに高くなくて いいんですよ。」

店員「いらっしゃいませ。」

佐山「あっ 予約した佐山です。」

佐山「野本さんってお酒飲める人でしたっけ。」

野本「あ はい。 お酒は結構 好きですね。」

佐山「おっ そうなんですね。」

野本「佐山さんは飲まれる人ですか?」

佐山「味は好きなんですけど 弱くて。 最初の一杯だけにします。」

野本「はい 無理なくで。」

佐山「はい。」

野本「じゃあ 私も一杯だけにしよっかな。 あっ 私 このワインにしてみようかと思います。」

佐山「おっ いいですね。 じゃあ 私もそれにします。」

野本「は~い。」

2人「お疲れさまで~す。」

佐山「うん!」

野本「お~ おいしい!」

佐山「うん おいしい。 じゃあ… いきます。」

野本「そっち いきますか。 じゃあ 私は こっちにしよっかな。 いただきます。」

佐山「いただきます。」

野本「うん!」

佐山「うまっ!」

野本「おいしいですね。」

佐山「うん。」

野本「うん うん。」

佐山「あ そうだ 野本さん。」

野本「はい。」

佐山「進展がありまして。」

野本「え… あっ マッチングアプリの?」

佐山「はい。」

野本「えっ もうですか?」

佐山「フフフ。」

野本「すごいですね。」

佐山「今はですね こんな人と連絡を取っておりまして。」

野本「えっ この人と?」

佐山「はい。」

野本「え~。」

佐山「ちょっとだけ いい感じですね。」

野本「え… いい感じっていうのは?」

佐山「あ~ 連絡が続いてるってことですかね。」

野本「あっ なるほど。」

佐山「今の時点では 話が続くっていうのは やっぱ 一個基準なんですよ。 話してても すぐ途切れちゃう人のほうが多くて。」

野本「あっ あの…。」

佐山「はい。 そこから友達じゃなくて 恋人になりたいと思う その違いっていうのは 佐山さんにとって何なんですか?」

佐山「えっ 何だろう。 難しい質問ですね。」

野本「あ… すいません。」

佐山「いやいや。 まず 恋人を探すアプリなので その前提では見てるんですけど ん~ でも 好きだなって思う基準は う~ん やっぱり その人のことを ずっと考えちゃうとか ですかねえ。」

野本「ああ… うん。」

佐山「バイバイしたあとも また会いたいって思うとか あと私の場合は その人に触れたいって思うかどうかとか。」

野本「触れたい…。」

佐山「っていうか いちゃつきたい?」

野本「いちゃつきたい…。」

佐山「そういう感じってないですか?」

野本「な… ないことはないです。 いや あるかな… うん 多分。」

佐山「まあ この人にそう思うかは まだ分かんないですけどね。 どんな人かも分かんないので。」

野本「そうですよね。」

佐山「うん これ パンにつけるとおいしい。 野本さん?」

野本「ん? あっ! あっ すいません。」

佐山「いいえ どうかしました?」

野本「いや あの…。 あの。」

佐山「はい。」

野本「恋って難しくないですか?」

佐山「恋? まあ そうですね。」

野本「片思いの状態って難しくないですか? みんな そうなんですかね。」

佐山「う~ん そうですね… いや でも 状況によりますけど でも片思いの時って 楽しくないですか?」

野本「まあ うん 楽しいですよ 楽しいんですけど でも 相手がどう思ってるとか そんなの分からないじゃないですか。」

佐山「まあ 確かに。 でも 何となく分かることも あるんじゃないですか。 相手からの距離感とかで。」

野本「上級者ですね。」

佐山「そんなことはないですよ。」

野本「いや すごいです 本当に。 あっ 先日 映画を見ていまして レズビアンの恋愛を描いた 映画だったんですけど。 何かこう 参考になるかなとも思って。」

佐山「お~ どうでした?」

野本「映画は すごくよかったんです。 でも 何かこう もやもやして。」

佐山「もやもや…。」

野本「果たして この人たちと同じレズビアンなのだろうかって。」

佐山「うん うん うん。」

野本「私は女性を好きだし レズビアンではあるんですけど でも 映画の人たちは すごくドラマチックで 情熱的な感じが 自分とは全然違う気がして 何か全然 参考にならなかったというか。」

佐山「まあ でも 映画は映画ですもん。 映画みたいな すてきな恋愛なんて したことないですよ。」

野本「そっか そういうことなんですかね。」

佐山「うん 私はですけどね。」

マンション

野本宅

野本「『どうなりたいんだろう 自分の気持ちばっかり考えて、 ほんとうに』(ため息)」

野本『恋つらたん』。

野本「夜中のつぶやき… 絶対 駄目。」

(通知音)

春日『今日、お時間ありますか?』

南雲宅

(チャイム)

野本「いらっしゃるかな。」

春日「はい。」

インターホン・南雲『はい』。

春日「すみません 隣の春日ですが。」

インターホン・南雲『あ はい。 ちょっと待って下さい』。

春日「突然すみません。」

南雲「いえ。」

野本「あ… こんにちは。 あの こっちの隣の 野本と申します。」

南雲「すいません ご挨拶に伺っておらず… 南雲です。」

野本「全然 気にしないで下さい。」

春日「この間もらったゆずで ジャムを作ったんです。 それで お裾分けにと思いまして どうぞ。」

野本「あと あの ご挨拶もしたかったので。」

南雲「ゆずジャム…。」

野本「よろしければ。 すごく立派なゆずだったので たくさんできて。」

南雲「ありがとうございます。 おいしそう。」

野本「こちらこそ ありがとうございました。 あっ あと お野菜もね 頂いてしまって。」

春日「はい。」

南雲「いえ そんな。」

野本「あっ あの ご迷惑じゃなければ 今度 こはん食べにいらして下さい。 私たち よく一緒にごはん食べてて。」

南雲「いや…。」

春日「あ もちろん 無理せずで。 もし ご都合が合えば。」

南雲「あ すいません。 あの ちょっと今 実は手が離せなくて。 あの すいません…。」

野本「あっ すいません お忙しいところ。」

南雲「あ… これ ありがとうございます。」

野本「あっ いえ。」

(ドアの開閉音)

春日宅

春日「どうかしましたか?」

野本「あっ ううん。 南雲さんに 失礼だったかな。」

春日「ああ 食事に誘った時ですよね。

野本「そう 急に誘っちゃって 少し嫌な思いさせちゃったかなって。 私 調子に乗って… 初対面の人に食事に誘われるって よく考えたら怖いよね。」

春日「人によっては そうなのかもしれません。」

野本「はあ~。」

春日「私は うれしかったです。」

野本「え?」

春日「野本さんが ごはん食べませんかって 誘って下さった時。」

野本「ああ… でも あの時も 本当に急だったよね。」

春日「そうですね。 でも 私は本当にうれしかったんです。 それがあって 仲よくなれましたし。 私たちが こういうふうに 一緒にごはんを食べる関係性に なれているのは すごく まれなことですね。」

野本「本当にそうだね。」

春日「温かいお茶 いれましょうか。」

野本「あっ うん。 ありがとう。 春日さん そういえばなんだけど 私 今の仕事で 新しいプロジェクトに 配属されることになったんです。」

春日「そうなんですね。 それは 野本さんにとって いいことですか?」

野本「いいこと ですね。」

春日「そうですか それなら よかったです。」

野本「ありがとう。 私 就職活動も あまりうまくいかなくて やりたい仕事があったわけでも 好きなことが はっきりしていたわけでもなかったから。 こんなふうに仕事を認められて 新しいプロジェクトに 声をかけてもらえるのは うれしいなって。」

春日「そうでしたか。」

野本「うん。 あっ 春日さんは 今の仕事どんな感じ?」

春日「私は どうでしょう。 今の仕事は 商品を運んだり 一人の時間も多いので ストレスはないです。 車の運転も好きですし。」

野本「そっか いいね。」

春日「はい。 私も 特別やりたいこととかは なかったんですけど まずは 自立したかったので 最初は そのことで一生懸命で。」

野本「そっか そうだよね。」

春日「でも 結果としては よかったと思っています。 今のところ。」

野本「うん。」

春日「紅茶 どうぞ。」

野本「ありがとう。 うん いい香り。」

春日「野本さんは 新しいプロジェクトでは どういうことをするんですか?」

野本「ああ えっとね お店のアプリを リニューアルするんだけど それが私も好きな雑貨屋さんで。」

春日「すごいですね。」

野本「いや 私はただのチームの一員で 作業としては単純なものなんだけどね。 でも こうやって 好きなお店の仕事に関われるのは うれしいなあって。」

春日「すごいです。 でも 少し分かります。 私も好きな飲み物を納品している時は うれしいので。」

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