あらすじ
楽しかったカレーパーティーを思い出す南雲さん(藤吉夏鈴)。思いがけず、また野本さん(比嘉愛未)と春日さん(西野恵未)からマシュマロを使ったスモアを作る場に誘われ、こういう楽しい時間が好きなんだと実感する。そして自らと向き合うために…。
第24回ネタバレ
マンション
南雲宅
夢
矢子「うん!」
春日「おいしいです。」
野本「うん。」
南雲「夢か…。 カレーパーティー 楽しかったな。」
矢子『カレパ楽しかったね! また4人で集まろうー!』
野本『楽しかったー!』
春日『また是非です』。
(通知音)
矢子『友達追加した! 会えてうれしかったよ。 また会おう!』
道中
春日「大量にマシュマロを買ってきたんです。」
南雲「マシュマロですか。」
野本「春日さん 南雲さん!」
春日「野本さん。」
南雲「こんばんは。」
野本「こんばんは。」
南雲「お仕事帰りですか?」
野本「うん。 え~ 3人一緒になるなんて珍しいね。」
南雲「うれしいです。」
野本「うん。」
マンション
エントランス
南雲「春日さん 今日は たくさんマシュマロを食べるって 意気込んでるんですって。」
野本「え? マシュマロ?」
春日「今 ビールについてるおまけが マシュマロなんですけど 日々 大量に運んでたら食べたくなって。」
野本「え? え~ すごい量! でも ビールの景品にマシュマロって どういう組み合わせ?」
春日「私も不思議だなと思いながら つけてました。」
野本「何か変わってるね。」
廊下
南雲「じゃあ また。」
春日「おやすみなさい。」
野本「おやすみなさい。」
南雲「おやすみなさい。」
野本宅
野本「春日さんとマシュマロ…。 春日さんとマシュマロ…。 春日さんと…。 マシュマロ…。 はっ。」
通話
春日『野本さん どうしましたか』。
野本『実は うちに チョコレートとビスケットがあって。 マシュマロと一緒に オーブンで焼けば スモアが作れると気付きまして』。
春日『スモア ですか… ちょっと調べてもいいですか』。
野本『はい』。
春日『何ですか この おいしそうな食べ物は』。
野本『よかったら ごはん食べたあと集合しない?』
春日『南雲さんも誘ってみましょう』。
野本『いいね!』
野本宅
南雲「お誘いありがとう~。 再集合だね。」
野本「あ どうぞ どうぞ。」
南雲「お邪魔します。」
野本「は~い。」
野本「じゃあ 作っていくので見てて下さいね。
2人「はい。」
野本「はい。 まずは チョコを細かく割っていきます。 しっかりと敷き詰めたところに… 上から マシュマロをのせます。 で オーブンへ。 これだけなんです!」
春日「簡単ですね。」
野本「あ 待ってる間に お茶いれますね。」
南雲「あ それなら…。 ココア飲みませんか?」
野本「あっ ココア! いいね!」
春日「マシュマロも入れましょう。」
野本「それ最高! マシュマロパーティーだね。」
野本「マシュマロ入れ放題だ~!」
南雲「ですね。」
野本「え~ どうしよう…。」
野本「春日さん 入れたね…。」
春日「入れ放題ですから。」
野本「アッハハ…。」
野本「できました~。」
春日「おいしそうです。」
野本「ね~。 あったかいうちに食べましょう。」
春日「はい。」
野本「はい。 いただきます。」
春日「いただきます。」
野本「え~っとね スモアは…。 うわ~ ふわふわ… こうやって ビスケットの上に… のせて 挟んで食べます。 どうぞ。」
春日「ありがとうございます。」
野本「はい。」
春日「南雲さんは スモアを知ってましたか?」
南雲「聞いたことある くらいだったかも。」
春日「こんなにすてきな食べ物が あったんですね。」
野本「あ 春日さん ついてる。」
春日「ここですか。」
野本「そう。 うん。 おいしいね。」
南雲「うん。 こないだのカレーパーティーも 楽しかった。」
野本「うん。 ほんと楽しかった。」
南雲「ありがとう 誘ってくれて。 今日も。」
春日「いえ。」
南雲「二人と こういう時間を過ごして 人とごはんを食べる場所って やっぱりコミュニケーションの場として 大切だなと思っていて。」
野本「うん。」
南雲「私 仕事してた時にね…。 ランチとか会食とかあったんですけど 私にはできなくて それで うまくいかなくて 体調も崩しちゃって。」
南雲「でも できないだけで 嫌いなわけじゃないって 改めて気付けて。 だから… やっぱり 病院に行ってみようと思うんです。 人前で食べることが どうしてできないのか どうしたら できるようになるのか ちゃんと向き合いたいから。」
春日「そうですか。 南雲さん 応援しています。」
野本「私も。」
南雲「ありがとう。」
廊下
野本「じゃあ おやすみなさい。」
春日「お邪魔しました。」
南雲「おやすみなさい。 春日さんも おやすみなさい。」
春日「あ あの… 南雲さん 少しいいですか?」
道中
南雲「どうしたの?」
春日「唐突な質問で 大変申し訳ないんですけど つきあうって どういう感じか ご存じですか?」
南雲「えっ。 つ… つきあう。」
春日「はい。 こういう関係性は初めてなので。」
南雲「ああ。」
春日「私が あまりにも 今までと変わらないので 野本さんを 少し不安にさせてしまっているのではと。」
南雲「そうなの?」
春日「はい。 カップルらしいって どういうことをするんですかね。
南雲「え!」
春日「すいません 急に。」
南雲「あ ううん。 でも 私からしたら 二人は 十分に仲がよくて すてきなカップルだよ。 信頼関係もあって 好きなことを共有していて。」
春日「そうですか…。」
南雲「う~ん…。 私も たくさん 経験があるわけじゃないけど 日々 連絡を取って どんなことがあったのかを共有したり…。」
春日「それは 結構もう していますね。」
南雲「あ… そうだよね。 あとは お出かけしたり。 春日さんが 一緒にしてみたいことを したらいいんじゃないかな。」
春日「一緒にしてみたいことを…。」
マンション
南雲宅
南雲「よし。」
病院
南雲「人と食事の予定があると思うだけで冷や汗が出てきたり。 どうきがしたり。 食事に行っても この辺りが苦しく感じて 全然 飲み込めなかったり。」
医師「会食恐怖症の方に よく見られる症状です。 会社を辞められたことにも 大きく影響していたようですし これまで大変なことも たくさんありましたよね。」
南雲「会食恐怖症…。」
医師「社交不安症の一種で 認知行動療法や薬の服用などで 改善することができます。 一緒に治療法を探っていきましょう。」
南雲「治るんですか。」
医師「治りますよ。 ちゃんと治った方を見てきましたから。 一緒に頑張っていきましょうね。」
公園
矢子「へ~ 竹炭ラテって珍しいですね。 これにします。 ホットで。」
矢子「え!? 南雲さん?」
南雲「矢子さん!」
矢子「何で! あ ねえ 竹炭ラテ 飲む?」
南雲「ここ よくテイクアウトするんだよね。」
矢子「あっ ごはん よかった? もう食べた?」
南雲「あ… うん。」
矢子「ん?」
南雲「今 病院行ってたんです。 この近くの。」
矢子「ああ そうだったんだ。」
南雲「うん。 そこでね 会食恐怖症って 診断されて。」
矢子「え?」
南雲「うん。」
矢子「会食恐怖症って 人とごはんを 食べることが難しいっていう…。」
南雲「はい。」
矢子「この間も 詳しくは聞いてなかったけど ごはんは食べないって ユキさんから聞いてて そういうことだったんだね。」
南雲「うん。」
矢子「そっか…。」
南雲「病院行ったら ずっと悩んでたことに名前が付いて 治りますよって言われて… 力抜けちゃった。」
矢子「そっか。」
南雲「そんな簡単ではないと思うけど でも 治るんだなあ。 人とごはん食べるなんて みんなが当たり前にできることなのに 私には難しくて 自分は駄目な人間なんだって ずっとずっと思っちゃってたんだけど。」
矢子「そうだったんだね。 あ… さっき 私 ごはん食べる? とか聞いちゃってごめんね。 カレーパーティーの時も大丈夫だった?」
南雲「ううん。 むしろ 私が食べないのに 何でとか 聞かないでくれたから 居心地よかった。」
南雲「帰りにくれたお土産も おうちでなら おいしく食べられて。」
矢子「そっか。 食べないってことだけ聞いてたから 了解! って思って 深く考えてなかったな。」
南雲「ハハ…。」
矢子「でもさ 人とごはんが食べられないから 駄目な人間ってことはないよね。」
南雲「え?」
矢子「本当は 食べるのも食べないのも 好きにできたら 一番いいのに。 無理せず 自分のペースでいられたらいいよね。 もちろん 南雲さんの治したい気持ちは 全力で応援するんだけど!」
南雲「うん ありがとう。」
矢子「あのさ どうしてほしいとか 逆に してほしくないこととかある?」
南雲「う~ん…。 あ 野本さんと春日さんに出会って 二人が ごはんがある場所に 誘ってくれるようになって うれしかったんだ。 矢子さんとも出会えて。 だから これからも 気にせず誘ってくれたらうれしい。 あと 気にせず食べてくれたらうれしい。 私は 自分のペースを これから見つけていくから。」
矢子「分かった。 気にせず食べる。」
南雲「ありがとう。」
矢子「じゃあ 私 お昼食べるね。」
南雲「はい。」
矢子「ここのさ サラダのドレッシングが めっちゃおいしいんだよ。」