あらすじ
春日さん(西野恵未)に対して抱く気持ちについて、もやもやが晴れた野本さん(比嘉愛未)。そんな中、春日さんが快気祝いにと持ってきたブロック肉で、ローストビーフを作って食べることになった2人。春日さんがおいしそうに食べる様子を見て、野本さんは春日さんとごはんを作って食べることの幸せを噛(か)み締める。
第9回ネタバレ
マンション
野本宅
<もう自分の気持ちを無視したくない。 私は女の人を… 春日さんを…>
野本「好きでいいんだ。」
『LGBTQ。 彼女と猫と暮らしてます。 日々の様子をつぶやきます。』
<調べてみると 結構発信してる人がいるんだなあ…>
野本「この人 パートナーの方と 一緒に暮らしてるんだ。」
『レズビアンカップルで 子育て中。 LGBTQで子供がいる未来を あたりまえに』。
野本「子育てしてる人もいる…。」
(携帯の着信)
春日『ささみ買ってきました。 葛煮食べませんか? そろそろゼリーとかヨーグルトの甘い味に飽きてくるころじゃないかと思い』
野本『ありがとう! まさにその通り嬉しいです』
春日『了解です』
野本「優しいなあ。」
<私は 春日さんと どうなりたんだろう…>
@DESIGNPRO
森岡「野本さん 野本さん。」
野本「はい。」
森岡「ちょっと これ見て下さい。 じゃ~ん! お弁当作っちゃいました。 今日 自分で。」
野本「へえ… どうしたんですか 急に。」
森岡「…は モテるかなと思いまして。」
野本「ああ…。」
森岡「まあ それだけなんですけど。 よし! 仕事納めまで あと少し!」
真瀬「お疲れさまです」
高木「お疲れさまです。」
佐山「何あれ? 野本さん 今日も お弁当ですか?」
野本「あ~ はい。」
佐山「上で食べません? こないだの話の続き 聞きたいですし。」
野本「こないだのって?」
佐山「クリスマス 一緒に過ごした人の。」
野本「ああ…。 はい…。」
野本「あの… こないだの 同じマンションの人なんですけど… 女性なんです。」
佐山「ああ そうだったんですか!」
野本「男性だと思ってらっしゃったかも しれないですけど。」
佐山「…いや どっちとか あんま考えてなかったですけど。」
野本「え?」
佐山「いや 何か 恋してそうで 楽しそうだな~とは思いましたけど その相手の性別とか あんま考えてなかったですね。」
野本「あ そうですか…。 あ… いや すいません 何か。 佐山さんは お若いから… え いや… お若いからっていうか… 驚かないですか こういう女性同士で恋愛っていうのは。」
佐山「ん~ そうですね。 大学の友達がレズビアンで 今も女の子とつきあってますし 普通に回りにいますからね。」
野本「そうなんですね…。 ちょっと うちの地元じゃ 考えられないかも。」
佐山「あ~ 地域差あるんですかね そういう認識って。 野本さんは 前から そうなんですか?」
野本「え?」
佐山「女性を好きになるの。」
野本「いや… それが… 今まで あまり『人を好きになる』ということを考えたことがなくて…。」
佐山「え!」
野本「そういう機会なかったので。」
佐山「まじですか?」
野本「はい…。」
佐山「へえええ! でも それって めちゃくちゃ 奇跡的というかロマンチックな話ですね。 同じマンションで そんな人と出会えるって。」
野本「ロマンチック…?」
佐山「いいですねえ。 憧れますね そういう出会い。 何か 私 最近出会いなくて。 結構恋愛してきた人生だったんですけど。 ちなみに 私は 男性が好きなんですけど つきあってる人も 2年くらいいなくて もう どうしたもんかな。」
野本「そうなんですね。」
佐山「はい。 欲しいですね 彼氏。」
野本「つきあうって… どういう感じなんですかね。 とういうか 私の場合は どうなりたいんだろうっていう… そこも まだ よく分かってなくて。 もちろん 相手に どう思われてるのかっていうのもあるし。」
佐山「あっ そっか。 お相手は どう思ってそうなんですか?」
野本「え~ どうなんだろう。 全然分かんないです。 まあ 嫌われてはないと思いますけど。 でも それって ご近所さんのご好意かもしれないし…。」
佐山「え~ でも それだけってことは ないんじゃないですか? だって 向こうも楽しいから それだけ一緒にいるわけじゃないですか。」
野本「ええ… そうですかねぇ。」
佐山「絶対そうですって!」
野本「いや~ でも 向こうが 気遣ってるかもしれないもん。」
佐山「絶対絶対 そうです。」
野本「本当ですか?」
佐山「自信持って下さい。 大丈夫です。」
マンション
野本宅
春日「あっという間に年末ですねぇ。」
野本「ですねぇ。」
春日「もう お休み入りましたか?」
野本「あっ はい おかげさまで。 昨日 仕事納めしました。」
春日「そうですか。」
野本「春日さんが看病してくれたおかげで 仕事も休まずにすみました。」
春日「私は ちょっと買い物してきただけですよ。」
野本「そんなことないです。 春日さんが 持ってきてくれるもの 全部分かってるなあって感じで。 本当にありがとうございました。」
春日「いえ。 今日は 回復祝いに これを持ってきました。」
野本「え! すっごいお肉!」
春日『ローストビーフ用ブロック肉 500gです。』
野本「え! え… こんなすてきなお肉を… 何でもない日に焼いてもいいんですか 春日さん。」
春日「ローストビーフは いつ食べたっていいんですよ。」
野本「ええええ…。 すごい…。」
春日「赤ワインも買ってきました。 それと ローズマリーも使えるかなと 思って 家から持ってきました。」
野本「…ぬかりない! あっ じゃ ちょ ちょっと待って下さい。 と… じゃがいもある。 はあ ズッキーニも。 一緒にローストして…。 そんなの 楽しすぎるに 決まってるじゃないですか…!」
春日「楽しみですね。」
野本「あっ そういえば 春日さん ごはんも食べたいですか? 後で ローストビーフ丼にするとか。」
春日「それはいいですね。」
野本「ですよね。 じゃあ 急いで ごはん炊きますね。 早炊きで炊けば…。」
春日「うちにあるので持ってきます。」
野本「あ いいんですか?」
春日「はい 保温してあるので取ってきます。」
野本「あ すいません。 盛りつけ どれにしようかな…。 あ…。 これ…。」
回想
店員「いらっしゃいませ。」
<そういえば 引っ越してきた時に…>
野本「あ~ かわいい。」
<でも 大きいか。 私 少食だし 結局 棚の奥に眠ることになるか…。 まあまあ するし。 でも こういうお皿いっぱいに 料理を作れたら 楽しいだろうなあ>
野本「よし 買おう。」
<いつか 使える日が来るかもしれないし>
回想終了
春日「持ってきました。」
野本「あ…。 え 炊飯器!」
春日「野本さんも食べるかなと思ったので。」
野本「ありがとう。」
野本「できました!」
春日「きれいです。 お皿も合ってます。」
野本「ね!」
野本「はい。」
2人「いただきます。」
春日「おいしいです すごく。」
野本「幸せですねえ。 何か すっごく幸せなんです。」
春日「はい。 野本さん 食べてますか。 すきっ腹にワインは…。」
野本「ああ 食べる食べる。 牛肉って 高くて あんまり買えないから 特別感ありますね。」
春日「分かります。 牛肉コーナーは通り過ぎますよね。」
野本「ね! ちょっと遅れてクリスマスやってるって 感じがして うれしいです。」
春日「クリスマスといえば… 本当は 野本さんに クリスマスプレゼント買いたいなと 思ってたんです。」
野本「え?」
春日「ちょっとした調理器具をと 思ったんですが こだわりがありそうですし 何が欲しいか分からないなと思って…。」
野本「あ… あ そうだ 年末年始に食べるもの 奮発して買いません? お互いへのプレゼントに割り勘して。」
春日「いいですね。」
野本「あ でも こんなお肉も食べてるのに… 贅沢しすぎかな…。」
春日「野本さん これは クリスマス。 年末年始は別です。」
野本「そっか。 そうだね! じゃあ 一緒に調べよう! よし。 何がいいかな? はい。」
野本「特別に卵ものせましょう。」
春日「…いいんですか?」
野本「おいしさアップです。」
春日「ありがとうございます。」
2人「いただきます。」
野本「うわ~ おいしそう。」
春日「いただきます。」
野本「はい どうぞ。 どうですか?」
春日「おいしいです。」
野本「ねえ。」
春日「卵も よく合います。」
野本「う~ん。」
<これからも こうやって 春日さんと ごはんを食べていきたいな>
野本「うん 丼にしてもおいしい!」
春日「うん。」
廊下
春日「ごちそうさまでした。」
<この先 どうなるか 今は分からない。 私の気持ちを受けいれてもらえるかなんて 分からない>
野本「おやすみなさい。」
春日「おやすみなさい。」
<でも 私は 自分がどうありたいのか 気付くことができたから この先も たぶん大丈夫だと思う。 今は そんな気がする>
野本「さむ。」