ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「ちゅらさん」111話「かりゆしの出逢い」ネタバレ

2001年8月8日放送の【 連続テレビ小説「ちゅらさん」】111話のネタバレです。

現在は(2021年4月現在)NHKオンデマンドでも視聴可能です。

あらすじ

すれ違いの新婚生活も落ち着いた頃、二人は家と病院の仮眠室で、同時に幼い頃に死んだ和也の夢を見ました。数日後、恵里の妊娠がわかり、夢はその知らせだったのかと喜びます。一風館でもお祝いの食事会が開かれ、管理人のみづえは戦時中に失った息子の話をし、子どもは大事に育てるように諭します。恵里が産休に入る前日「看護師は一生できるいい仕事だよ」と声をかける看護師長の聡子。転勤が決まった聡子との別れでした。

111話ネタバレ

連続テレビ小説「ちゅらさん」111話「かりゆしの出逢い)」ネタバレ

一風館
ダイニング

恵里「上村恵里 妊娠いたしました!」

文也「え?」

真理亜「うわ!」

容子「ひゃ~!」

一同「乾杯!」

柴田「おめでとうございます。」

恵里「ありがとうございます。」

みづえ「恵里ちゃん このツミレは とても 栄養があるのよ。 妊婦さんには もってこいなの。」

恵里「そうなんですか?」

文也「恵里 食べて 食べて。」

恵里「はい。」

真理亜「あんたが そんなに食べて どうすんのよ?」

柴田「そんな…。」

容子「でも 恵里ちゃんがねぇ。」

恵里「え?」

容子「高校生の時から 見てるからさ なんか 不思議な気分だなあ。」

恵里「そうですか?」

真理亜「その分 容子さんも 年くったってことだ。」

真理亜「あんたもね…。」

真理亜「まあね。でもさ 大丈夫なの?」

恵里「何がです?」

真理亜「『子供が 子供を つくって 大丈夫なのか』って 聞いてるわけ。」

恵達「確かに…。」

恵里「恵達。」

文也「そっか。」

恵里「文也君まで 何 言ってるの?」

文也「あ いや 俺のことも含めてさ…。」

恵里「大丈夫さ。」

真理亜「何で?」

恵里「いや『何で』って 言われても…。」

容子「仕事は どうするの?」

恵里「続けますよ。 1年間は休みますけどね。」

容子「看護婦さんって そういうように 復帰しても 大丈夫なんだね。 専門職だからね。」

恵里「そうですよね。 でも いろいろ 大変みたいですよ。 医学は どんどん進歩しているし。 それに ほら 職場の人間関係も 新しく やり直すわけでしょう。 いろいろ 大変みたいです。」

恵達「ん? 人間関係で悩んだことあるの? 姉え姉え。」

恵里「え? いや ないけど。」

ハシを落とす真理亜w

恵里「いや ほら 看護婦が読む雑誌に そういう記事が載ってたからさ。」

恵達「やっぱり。」

恵里「何?」

柴田「でも どっちなんですかねぇ?」

恵里「どっち?」

柴田「いや 男の子か 女の子かですよ。」

容子「ああ。」

恵里「そうですよねぇ。」

恵達「分るんだろ? 男か女か。 いつぐらいだっけ?」

恵里「6か月過ぎたら 分かるけどね。 でも どんなかな? 知りたいような とっておきたいような。」

容子「まあね。 でも 生命の神秘っていうかさ 楽しみは 産まれる瞬間に 味わいたい気もするねぇ。」

恵里「そうですよねぇ。」

容子「でも 分かっているなら 教えてほしいって気持も 分かるしね 難しいねぇ。」

文也「ですよね。」

恵里「うん。」

みづえ「2人は どっちなの?」

文也「いや まだ そこまでは ね。」

恵里「うん… まだ。」

柴田「でも どっちかな? あ ぼくは どっちがいいかというとですね。」

容子「あんたの希望は 関係ないでしょう。」

柴田「いや そんな いいでしょう?」

恵里「いいですよ 柴田さん 聞かせて。」

柴田「では… どっちも いいなぁ! ウフフ。」

容子「何なの それは! 期待させといて。」

柴田「すみません。」

恵達「問題は… どっちに似た性格かってことさ。」

恵里「ん? どういう意味?」

恵達「『どういう意味』って ねえ。」

真理亜「そうよね。」

恵里「いや 分からないさ。」

恵達「だからさ 姉え姉えに似た 性格だったら 大変だなと思って。」

恵里「何で?」

恵達「『何で』って ねえ。」

真理亜「ねえ。」

容子「よくさ 男の子だと 母親似だとか言うでしょ? 逆だっけ? いいんだよね。 でもさ それって 外見の話でしょ 性格とかは どうなんだろうね。」

真理亜「ああ 強いほうに 似るんでしょ。」

文也「じゃあ 僕じゃ なさそうですね。 どうやら…。」

恵里「え? 何で?」

文也「いや なんとなく。」

恵達「姉え姉え似かぁ…。」

恵里「嫌なわけ? 恵達。」

恵達「嫌じゃないさ。 ま これからの時代 21世紀は 厳しいからね。 そのほうが いいかもしれんさ。 沖縄のゴキブリのように 殺しても なかなか 死なないような 強い生命力が必要なのかもね。」

恵里「なんね それは どういう意味ね?」

文也「はあ…。」

恵里「ん?」

みづえ「恵達君。」

恵達「すみません。」

恵里「ほら 怒られたさ 恵達。」

恵達「うるさいな!」

柴田「やっぱり 男の子かなぁ…。」

容子「あんた さっきから ず~っと 考えてたわけ?」

柴田「はい… いいですよね 文也君。」

文也「え?」

柴田「父と息子といえば キャッチボールですよ。 夕方の公園で キャッチボールをする…。 いいですね。 言葉なんかいらない。『ビュッ』と投げる。『バシッ』と受ける。『ビュッ』と投げる。『バシッ』と受ける。」

文也「いいですねえ キャッチボールか…。」

恵里「うん…。」

柴田「投げて 受ける その単純な繰り返し 父と息子に 言葉なんて いらない。 キャッチボールをすることで お互いの気持が 通じ合う。 父は 息子の投げる球で 彼の成長を 肌で感じる。」

柴田「ああ こんな球を投げられるようになったのか 息子もまた 父の強さ 大きさを 肌で感じる『お父ちゃん やっぱり スゴイ。 早くお父ちゃんみたになりたい』投げる 受ける バシッ! たった それだけのことなのに なんて すばらしいんだ!」

柴田「父は キャッチボールをしながら 夢をみる いつか 息子が成人したら 一緒に 酒を飲みにいこう。 そして 人生などを語るんだ。 父は 自分の知っていることを 息子に すべて 伝えたい。 その酒は うまいだろうなぁ。 まだ あどけない息子を眺めて 父はそんな 夢をみる。 ああ…。」

恵里「父と息子かぁ…。」

真理亜「そんな かわいかった息子が やがて どんどん 大きくなり あっという間に 父を追い越し あんなに 何でも しゃべって くれたのに 何も 話さなくなる。『メシ! うるせえな! 別に』そのくらいしか 言葉を聞かなくなって どれぐらいになるだろう。」

文也「え?」

真理亜「そして『たまには 久しぶりに キャッチボールでもするか』との 父の誘いに…。」

文也「うん。」

真理亜「『バカじゃねえの 1人でやれよ』と答える息子。」

文也「え?」

真理亜「それでも めげない父は『お前 将来 どんな大人に なりたいんだ?』と 質問する。 そして 返ってきた答えは?」

文也「答えは?」

恵里「答えは?」

柴田「答えは?」

真理亜「『俺は オヤジみたいにだけは なりたくねぇんだよ! けっ!」

容子「うわぁ。」

柴田「そ そんな…! あっ!」

真理亜「ま 現実は そんなもんよ。」

柴田「夢のある話をしているのに 何で そうなってしまうんですか?」

容子「あなたさ あのガスで失った自分を 今 取り戻そうとしてるでしょ?」

真理亜「うるさいなぇ。」

柴田「さ 気を取り直して 今度は 女の子の場合の話をしましょうか?」

恵里「あ いいですね。」

文也「女の子か どんなかな?」

柴田「それはですね。」

真理亜「受けて立つわよ。」

柴田「あ…! あ…! 文也君 文也君 文也君。」

文也「はい。」

柴田「真理亜さんが いない時に 男ゆんたくで 話しましょうか。」

文也「そ そうですね…。」

真理亜「なんだ。」

柴田「ふん!」

みづえ「幸せに きっと 恵里ちゃんと文也君の子供は…。」

恵里「そうですかね?」

みづえ「幸せよ こんなに 皆に 祝福されて 産まれてくるんだもの。」

恵里「あ はい。」

容子「みづえさん?」

恵里「どうかされました?」

みづえ「いえね 思い出してしまったのよ 私の子供のこと。」

恵里「え?」

柴田「子供?」

容子「みづえさんの子供?」

みづえ「いたの 私の子供。 5歳で 亡くなったの。」

容子「みづえさん…。」

みづえ「いたのよ 私の息子。『克宏』って名前でね。 お父さんが 戦争に行ってる間に 産まれて…。 それから 2人は とうとう 会えずに とうとう… 2人とも…。 体の弱い子でね。 あのころは 子供が病気で亡くなることが 多かったのよ。

みづえ「いろいろ 大変な 時代だったから 今なら 注射一本で治る病気で 克宏は…。 男の子で 小さいくせにね やっぱり 1人で寂しかったのか いっつも 私の後ろについて歩き お台所まで 入ってきて 私が 料理作るのを 一生懸命 見て 楽しそうにしてるのよ。」

みづえ「物のないころだったから そんな大した物は 作れなかった。 私 その時 子供に 言ったの。『今にね きっと いい時代が来る。 そしたら 世界中のおいしい物 お母さんが作って 食べようね』って…。 父の書斎に 世界のいろんな料理の 出ている本が あってね きれいな絵なんか 描いてあった。」

みづえ「 2人で それを見てはね『これは どんな果物なんだろうね きっと おいしいんだろうね…』そんなこと 言いながら よく見てたの。 私の教えた料理の名前をね 全部 覚えてしまって…。 食べたことも 見たことも ないのに…。」

真理亜「みづえさんの お料理って…。」

みづえ「うん その本で覚えた事が始まり。」

容子「そうだったんだ…。」

みづえ「ウフフ。 恵里ちゃん?」

恵里「はい。」

みづえ「丈夫な子供を産みなさいよ。」

恵里「はい。」

みづえ「さあ 食べて。」

恵里「はい。 おいしいです。」

みづえ「そう。 あ ごめんなさい 皆を黙らせてしまって…。 さあさあ 皆も 食べて…。 ね おいしいんだから。」

容子「うん 食べよう。」

真理亜「食べよう。」

柴田「そうですね 食べましょう。」

その後

恵里「大変なことなんだね 子供 産むって。」

文也「そうだね 新しい命… つくるんだもんなぁ…。」

恵里「うん…。 新しい命か…。 ここに いるんだねぇ。」

文也「うん。」

そう 大変なことさぁ でも すばらしいことだよ 恵里

112話

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