ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「ちゅらさん」1話「美(ちゅ)ら海の約束」ネタバレ

2001年4月2日放送の【 連続テレビ小説「ちゅらさん」】1話のネタバレです。

現在は(2020年7月現在)NHKオンデマンドでも視聴可能です。

あらすじ

沖縄が米軍の占領下から日本に復帰した1972年5月15日、八重山(やえやま)諸島小浜島(こはまじま)の古波蔵(こはぐら)家で、恵文(けいぶん)と勝子夫婦に元気な女の子が生まれました。その子は父の名から恵の一字をもらい、「恵里(えり)」と名づけられました。それから11年後、農業のかたわら、民宿「こはぐら荘」を営む古波蔵家に、久しぶりに客がやってきます。東京から来た一組の親子連れでした。

1話ネタバレ

連続テレビ小説 ちゅらさん 第1回 美(ちゅ)ら海の約束

1972年・昭和47年5月15日

沖縄は アメリカの占領下から 本土 つまり日本に復帰いたしました。

ここ八重山諸島の小浜島では テレビでは まだ 生放送を 見られなかったので 皆 そのニュースを ラジオで 聴いておりました。

そして わが 古波蔵家では もうひとつ 大きな出来事が…

古波蔵家

ラジオ「沖縄県の祖国復帰を記念して 万歳を三唱いたします」

勝子「恵尚 はい。」

ラジオ「沖縄県祖国復帰 万歳! 万歳! 万歳! 万歳!」

恵尚「おばぁ 今日から 日本になるって どういう事や?」

ハナ「どこになっても 沖縄は 沖縄やさぁ。」

恵尚「よく 分からん。」

恵文「これはあれだな これは 大和から 人がいっぱい来るかもしれない。」

恵尚「そうね?」

恵文「そうさぁ。 そうだ 思い切って ここも 民宿とかにしてみるかね。」

恵尚「もうかるの?」

恵文「もうかるさぁ。 大金持ちて~ 恵尚お坊ちゃま~。」

恵尚「大金持ち!」

恵文「なあ おばぁ。」

ハナ「お前が 何か 思いついて よかった試しがあるか?」

恵文「あるさ~。」

ハナ「全然ない。」

ラジオ「これをもちまして…」

勝子「あっ! 文ちゃん…。」

恵文「はい 何でございますか 社長夫人。」

勝子「産まれるみたい…。」

恵文「お産まれになる…。 えっ?」

ハナ「勝子さん 頑張ろうね。」

勝子「はい。」

恵文「元気な女の子さぁ。 世界で 1番『ちゅらさん』ど~!」

『ちゅらさん』とは 沖縄の言葉で 『美しい』という意味です。 こうして この物語の主人公は この世に 生を受けました。 名前は 『恵里』 古波蔵恵里と 名付けました

父親の名前から 『恵』の1文字をもらいました

恵文「こんなんでございます。 ヘッヘッヘ かわいいでしょ。」

11年後 1983年11月

勝子「恵里! 恵里! 起きなさい!」

恵里「ウワ~ ウワ~。」

そして 年月がたち 恵里は 11歳 小学校5年生です

恵文は 本当に 民宿を開き 古波蔵家の旗まで立てましたが

客は さっぱりで 最初の1年に 何組か 来ただけでした

勝子「恵里! 恵里!」

恵里の2年の後に 弟の恵達が 生まれ

古波蔵家は 家族が また 1人増えましたが 長男の恵尚は 少し離れた石垣島の高校へ入学 寮生活を送っています。

恵尚については 古波蔵家には チョット 複雑な事情がありますが それは また のちのち…

恵里「おはよう。」

恵文「はい おはよう。」

恵里「おばぁ おはよう。」

ハナ「おはよう。」

恵里「あ ポーク卵だ。 あれ 恵達 ポーク 食べんわけ?」

恵達「あ~ なんで~ 姉え姉え。 最後に食べようと思ったのに。」

恵里「あ そうね? ごめんごめん。」

恵達「何で~ あ~あ。 ポーク卵が ただの卵になったぁ。」

恵里「グジュグジュしない。 だから 低学年は 嫌いなわけさ。 子供だねえ いつまでたっても。」

恵達「自分だって 子供のくせに。」

恵里「高学年だからね 姉え姉えは。」

ハナ「これからの世の中は 厳しいんだからね。」

恵里「そうそう。」

勝子「まったく 毎日 1番 遅いからね 恵里は…。 沖縄の女はね 世界で 1番 働き者なんだよ。」

恵文「であるわけさ。」

恵里「何で?」

恵文「何でかねぇ。」

ハナ「沖縄の男が 全然 駄目だからさ。」

恵文「あれ 皆 何 見てるわけね?」

恵里「そうか…。」

恵文「何 恵里 納得してるわけね?」

学校

恵里「おはよう! あれ 恵達 低学年は あっち。」

恵達「来年は そっちに行くからよ。」

恵里のクラスは 5年生と6年生が 一緒です。 合わせて 10人です

きび畑

勝子「ほんとに もう…。」

サボっている恵文

この時 勝子さんの頭には ある考えが ありました。 でも なかなか それを 言えずにいたのでした

恵文「うっふ~。」

勝子「ええ 何 見てるの?」

恵文「いい女だなと 思ってさ。」

勝子「バッカだねえ!」

恵文「俺は 幸せもんだよ。」

勝子「はい 仕事 やるよう。」

恵文「はいはい。」

恵文「はいよ はいよ はいよ。」

勝子「恵文さん。」

恵文「何? 改まって。」

勝子「話がある。」

ハナ「おばぁは もう 寝ようねえ。」

勝子「おかあさんも いて下さい。」

ハナ「はい。」

恵文「勝子が 『恵文さん』て 呼ぶ時は なんか 怖いからや~。 俺は 何も やってないよ。 ホントだからよ。」

勝子「そうじゃなくて この家の事…。」

恵文「『この家』?」

勝子「那覇に行かない? 皆で ここを出て…。」

恵文「何で? 何で そんな事やるのか 実家が恋しくなったからか?」

勝子「そうじゃないの。 小浜はいい所だし 大好きよ。 でも 私 このままでいいのかなと 民宿には お客さん来ないし 畑だけじゃ 食べていくだけで やっとさぁ。」

勝子「確かに それで暮らしていく分は ここは 何とかなるから いいんだけど でも 最近思うわけ それでいいのかねえって。」

恵文「いいさ 全然 上等さぁ。」

ハナ「勝子さんの気持ちは おばぁには 分かるね。」

恵文「おばぁ!」

勝子「ありがとうございます。 子供なんかの事も 考えて 教育費だって かかるし これからの子は 大学にも いかせてやりたいさ。」

勝子「ここに ずっと こんなやってる だけじゃ いけない気がするわけ。 そう思わんねぇ? 文ちゃん…。」

恵文「だからよ…。 せめて 民宿でも 繁盛してくれればやぁ。」

そこで電話が鳴る

ハナ「だぁだぁ おばぁが 出るさ。」

ハナ「もしもし? はい『こはぐら壮』? ああ はいはい そうですよ。 はい? 予約がしたい?  何の? ああ 宿泊のね? はいはい チョット お待ち下さいませ 社長に代わろうねぇ。」

ハナ「社長!」

恵文「え? あ 俺か。」

恵文「もしもし? はいはい こはぐら壮社長の古波蔵恵文と いう者でございますです。 はい はい 上村様…。 はい 3名様で…。」

恵文「はい え~と 1泊ですね 2食ついてからに 3000円ということになってます。え あの… お子様はですね ご飯は いっぱい 食べますか? あ そうでもない。」

恵文「あの 半額でいいですね。 はい はい なるほどね はいはい それでは お待ち申し上げておりますです。 はい どうも…。」

恵文「お客さんだよ お客さん…。 東京からの長期のお客さんてよ。 お母さんと 男の子が 2人。」

勝子「へ~え。」

恵文「なあ 無理やらんでも 待ってれば いい事は あっちから やってくるさぁ。」

ハナ「とうなあ。 年寄りは もう 寝ようねえ。」

恵文「なあ 勝子。」

勝子「そうかもね で いつ来るって?」

恵文「あさって。」

勝子「大変! 掃除やらんと。」

恵文「ハッハッハッハ。」

当日

男「あら お客さんね?」

恵文「そうさぁ。 今日は何が?」

男「タマン エーグヮー ミーバイがあるさ。」

恵文「後で もらいにいくから よろしくね。」

男「はい またね。」

恵里「気持ちいいねぇ。 あ お父さん 来たよ~。」

恵文「おう。 いや~ 久しぶりのお客様だねぇ。」

恵里「私 初めてだ お客さん。」

恵文「であるか?」

(汽笛)

恵文「はい~ ウェルカムです~!」

船上

静子「お母さん やっぱり 嫌だな こんな島に ずっといるの。」

和也「もう 決めたんだから。 やっと 来れた。 僕は… この島で… この島で 死ぬんだね。」

静子「何 言ってるの和也。 この島で 元気になるんでしょ? そのために 来たんでしょ?」

この船に乗って やってきた 東京からのお客が 民宿・こはぐら壮の 最後のお客である事を まだ 誰の知りませんでした

そして この時の出会いが 恵里の一生のうちで 1番大きな出会いである事を 恵里は まだ 知りませんでした

恵里「ウェルカムです~!」

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