ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「ちゅらさん」28話「涙のアンダギー」ネタバレ

2001年5月3日放送の【 連続テレビ小説「ちゅらさん」】28話のネタバレです。

現在は(2020年11月現在)NHKオンデマンドでも視聴可能です。

あらすじ

受験の結果は不合格でしたが、東京で自分のやるべきことを探したいという恵里。東京行きを反対され、恵里は弟・恵達の助けを借りて家を出ますが、手荷物の中には手作りの菓子と家族の声のカセットテープが入っていました。上京した恵里は、沖縄で知り合った旅行代理店に勤める容子の住むアパート「一風館」に落ち着きます。管理人のみづえ、メルヘン作家・真理亜、会社員・柴田、なぞの老人・島田らとの新しい暮らしが始まります。

28話ネタバレ

連続テレビ小説 ちゅらさん 第28回 「涙のアンダギー」

恵里「私 卒業したら 東京に行く。 大学には いかない。 東京に行って 自分のやる事 ゼロから探す。」

勝子「何 言ってるの? 何それ?」

恵里「『何それ』って?」

勝子「メチャクチャだよ それは。」

恵里「だって…。」

勝子「お母さんも お父さんだって 大学受ける事を許しただけよ。 もし受かって 大学にいって それから 自分の生きる目的とか 夢とか そういうのを見つけて くれればいいと思ってたの。」

勝子「それだって 甘いと言えば甘いのかもしれない。 大学にいきたくたって いけない人は いっぱいいる。」

恵里「うん それは分かってる。」

勝子「だったら 東京に行きたいなら 『もう1回 チャンスを下さい』と 言うんなら 分かるよ。 でも ダメだったから 大学は いかないけど東京には行くって 子供じゃないでしょう。 恵里はもう。」

恵文「恵里。」

恵里「はい。」

恵文「学生でもなく『向こうへ行ってから 何をするか探す』なんて 一人娘の親としては 絶対賛成出来ないさ。 そんな危ない目に かわいい娘を遭わす訳には いかない。 分かる?」

ハナ「文也君と会ったからかね?」

恵里「え?」

ハナ「正直に言ってごらん。」

勝子「そうなの?」

恵里「わからない…。 分からないよ。 よく分からない 自分の頭の中。 うまく言葉になんか 出来ないよ。 自分でも 言ってる事 メチャクチャだって思うよ。 でも 行きたい気持 抑えられないんだもん。」

恵里「文也君の事 確かに それもあると思う。 でも それだけじゃないよ。 本当なんだよ。 琉美子にも言われて 『そのとおりだ』と思った。 私は 大学にいきたかった訳でなく 東京に行きたかっただけ。」

恵里「私は お父さんや お母さんや おばぁの大切な お金 無駄にした。 悪いと思ってる。 ごめんなさい。 でも 行きたい気持ちは どんどん強くなるの。」

恵文「東京に 何があるというの お父さんには分からんねぇ。」

恵里「こないださ 東京で感じた。 『バカみたい』って思うだろうけど 感じたんだよ。『ここに 私のいるべき場所がある』って。 東京で『誰かが私を必要としてる』と…。 本当だよ。 自分でも分かってるよ。 分かってるよ。 でも行きたい…。」

勝子「恵里。」

恵里「はい。」

勝子「お母さん どうしても それは認める訳には いかない。 ごめんね。」

古波蔵家

ハナ「ニライカナイという言葉 知っているか?」

恵文「神様の事かね?」

恵達「何?」

ハナ「沖縄ではね 海の向こうに 神様の国があるって 信じられていた訳さ。 皆 そう思って 海を見ていたさ。 『見えないくらい遠い海の向こうに すばらしい所がある』って。 そう思ってさ。 おばぁね 子供の頃 家出したさ。 そこに行きたくて。」

恵達「家出? おばぁが?」

ハナ「小浜でない どっかに 行ってみたくてさ…。 もう たまらなくって 毎日 海を見ていたさ。」

ハナ「『海の向こうに きっと おばぁの 行く場所がある。 そこに行けば きっと何かがある。 ワクワクする 何かがある』と思えて。 毎日 海をみていたさぁ。」

恵達「それで家出?」

ハナ「家出といっても 島を出るには 連絡船しかないさね。 でも それに乗ったら すぐ分かってしまうさ。 だからね 夜明けに 小さな サバニという船に乗って家出したさ。 サバニは揺れてね。」

ハナ「でも ちっとも怖くなかったよ。 おばぁはね その頃 小さな女の子だったからね。 サバニを うまく漕げなくてさ すぐに お父に捕まってしまったさ。 怒られたね。 お父は 泣いて怒ったさ。 おばぁも 泣いたよ。」

ハナ「でも おばぁは 何度も繰り返したよ。 もう止められないさ 行きたい気持ちを…。 どうする事も出来ないさ。 何度も何度も 繰り返したよ。」

勝子「『恵里も同じ』って事ですか?」

ハナ「分からんさ。 でも 恵里の話を聞いて あの頃の気持 思い出したわけ。」

多分 恵里は この時 既に決めていたんでしょう。 海の向こうへ 1人で旅立つ事を… 私が昔 サバニに乗って 出ていこうとしたようにねぇ

あの日以来 恵里は 自分の 今後の事を一切しゃべりません。 家族も 誰も その事に 触れません。 何もなかったかのように もうすぐ 恵里の卒業式を迎えます

那覇北高等学校

古波蔵家

恵文「あ ゴーヤーチャンプルーか。 久しぶりだね ゴーヤー。 やっと食べられるようになったね。」

勝子「あ そう そう これ!」

恵里 恵文「何?」

勝子「恵尚からの手紙 外国からだよぉ!」

恵里「うわ! 本当だ!」

恵達「何? これ!」

勝子「『前略 古波蔵家の皆様 そして ゴーヤーマン。 お元気で いらっしゃるで ございますでしょうか』。」

恵尚「『私は 更なるビジネスチャンスを 求め ここ常夏の島・ハワイ 通称・ハワイにおり 事業をおこし またまた 成功してしまいました。 そのうち ホノルル郊外に家を建てて 皆様を お迎え出来る日も 近いと思っております。 少々 お金を お送りしたいと思います』。」

勝子「『では皆様 お元気で。 恵尚』。」

恵文「ふ~ん。」

恵達「金 入ってたの?」

勝子「うん これ。」

恵達「3000円?」

勝子「うん。」

ハナ「何が ビジネスチャンスか? あほらしい!」

勝子「ホントにね。」

恵文「大金さ 3000円だって。」

勝子「そうだよねぇ。」

恵達「あれ? 消印 宮崎だよ。」

恵里「どれ? あ~ ホントだ!」

ハナ「うそも ロクにつけない男だねぇ。」

勝子さんも恵文も 恵達も 何となく感じていました。 恵里が きっと出ていくのだろうという事を…

那覇北高等学校

野球部

「卒業おめでとう!(クラッカーの音)」

恵里「どう? 社会人野球は?」

誠「厳しいさ なかなかね。 待ってろ もうすぐ プロポーズする。」

恵里「いらん そんなもの。」

誠「それまで 浮気するなよ。」

恵里「バ~カ!」

琉美子「ついていけない あんた達には。」

恵里「『あんた達』って一緒にしないで。」

誠「一緒! 似た物同士だろ。」

恵里「だから…。」

琉美子「それより 恵里 どうするのさ。」

誠「だから 恵里は俺の…。」

恵里「うるさい。 私 行くよ 東京 明日の朝に。」

琉美子「明日の朝?」

誠「お前 大学ダメだったんだろ?」

恵里「うん でも行く 家族にはないしょ。 言ったらダメだからね!」

誠「言うさ 将来の おとうさんと おかあさんだろ。」

恵里「言ったら絶交だよ。 一生 口きかないよ 一生!」

琉美子「本気なの?」

恵里「本気さ。 元気でね 琉美子。」

ライブハウス クロスロード

勝子「恵里! ここ!」

この夜 恵達は 初めての ライブを迎えました

我那覇「OK!」

恵文「いよ! 古波蔵恵達 日本一。」

ハナ「ちばりよ! 恵達!」

この日の恵達のライブは 皆 それぞれの お別れと 旅立ちの祝宴のようでした。 そして それぞれの物語が 始まる日でもありました

ですが せっかくの 恵達の初ライブも…

恵文「♪『ハイサイ おじさん 夕びぬ三合ビン小残とんな』。」

恵達「違うだろ? 違うだろ!」

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