2001年5月4日放送の【 連続テレビ小説「ちゅらさん」】29話のネタバレです。
現在は(2020年11月現在)NHKオンデマンドでも視聴可能です。
あらすじ
受験の結果は不合格でしたが、東京で自分のやるべきことを探したいという恵里。東京行きを反対され、恵里は弟・恵達の助けを借りて家を出ますが、手荷物の中には手作りの菓子と家族の声のカセットテープが入っていました。上京した恵里は、沖縄で知り合った旅行代理店に勤める容子の住むアパート「一風館」に落ち着きます。管理人のみづえ、メルヘン作家・真理亜、会社員・柴田、なぞの老人・島田らとの新しい暮らしが始まります。
29話ネタバレ
連続テレビ小説 ちゅらさん 第29回 「涙のアンダギー」
古波蔵家
恵里「恵達 なかなか カッコよかったよ~。」
恵達「そう?」
勝子「カッコよかった。 お母さんもね 高校生の時 ロック好きだったんだよ。親の目 盗んで コザのライブハウス 行ったりしたんだから。」
恵達 恵里「へ~え。」
恵文「お父さんは どうだったかね? あれ? なに 黙るかなぁ。」
(笑い声)
恵里「でも 最後は 楽しかったねぇ。」
恵達「どこがだっつうの。」
ハナ「ロック 面白いねぇ。」
恵達「おばぁ 最後に カチャーシー踊ったの あれ ロックと違うからねぇ。」
ハナ「ああ 分かってるさぁ。(ギターを弾くまね)」
恵文「おばぁ 腰 痛めるぞ…。」
勝子「あ そうだ 恵里。」
恵里「ん?」
勝子「卒業おめでとう。」
恵文「おめでとう。」
ハナ「おめでとうねぇ。」
恵里「ありがとう。 あっ そうだ。 はい。 ありがとうございました。 楽しい 高校生活でした。」
勝子「はい ありがとう。」
恵文「大事に 貼っておこうねぇ。」
恵里「うん。 じゃ… そろそろ 寝ようかな。」
勝子「うん。 おやすみ。」
ハナ「おやすみねぇ。」
恵里「おやすみ…。」
勝子「恵里。」
恵里「ん?」
勝子「ううん なんでもない。 おやすみ 風邪ひかんでね。」
恵里「うん …おやすみねぇ。」
恵達「あ じゃ 俺も そろそろ 寝ようかね。」
勝子「うん おやすみ。」
ハナ「おやすみ。」
恵里と恵達の部屋
恵里「恵達。」
恵達「どうした?」
恵里「いや なんか 力抜けてさ。 しばらく会えないのかと思ったら。」
恵達「やめる?」
恵里「やめないよ。」
恵達「そう。 支度 出来てるの?」
恵里「ううん 荷物 詰めたりしたら 気付かれてしまうさ。」
恵達「要するに まだ?」
恵里「はい まだです。」
恵達「大丈夫なのか?」
恵里「大丈夫 大丈夫。 さっさと 支度しよう。」
タンスの引き出しを落とす恵里w
居間
ハナ「なんか ひっくり返したねぇ。 急いで 支度してるのかね?」
勝子「そうですかねぇ。」
恵文「おばぁ 言わんでくれ 我慢できなくなるから。」
ハナ「あい。」
恵里と恵達の部屋
恵達「何だ? これ。 まくら?」
恵里「それ ないと 寝られないのに。」
恵達「ダメ もう これは 後にする。 チョット どいて ほら。」
恵里「え? それも ダメ?」
恵達「当たり前だろ。 何で アルバム 3冊も 持っていく訳?」
居間
勝子「実はね おかあさん。」
ハナ「ん?」
勝子「私も 家出したことあるんですよ。 中学生の時。」
ハナ「そうなのねぇ。」
恵文「初耳だねぇ。」
勝子「あら 文ちゃんの知らないこと いっぱい あるよ。 神戸から 学校に教育実習にきていた先生 好きになって。」
恵文「え?」
勝子「でね その先生 倉田先生って いうんだけど その先生 神戸に帰ってしまって。」
ハナ「男を追ったんだねぇ。」
勝子「ええ 情熱的でしょ?」
ハナ「そういうの好きさ おばぁは。」
恵文「俺は 好きでないね。」
勝子「それで 神戸に どうしても行きたくて それで 家出 朝早く。」
恵文「で どうした訳? 神戸へ行った?」
勝子「ううん。 家を出てね チョット行ったら お父さんがいたの。 分かってたんだねぇ 私が行こうとしてたの。 で 連れ戻されたわけ。」
ハナ「そうね。」
勝子「あの時 その前の夜 お父さんや お母さん どんな気持ちだったんだろうなあと 今 思った。」
ハナ「そうだねぇ。」
恵里と恵達の部屋
恵達「どうよ? これで。」
恵里「あ そうだ 恵達 あっちの部屋から そ~っと行って 写真取ってきて。」
恵達「え?」
恵里「あの テレビの所にあるでしょう 皆で写ってるヤツ 兄い兄いも一緒に。」
恵達「ああ ゴーヤーマン発売記念のヤツ?」
恵里「うん あれ持っていきたい お願い。」
恵達「しょうがねぇな もう。 待ってろよ。」
居間
勝子「どうしたの? 恵達。」
恵達「ん? いや なんでもないよ。 あれは どこ行ったかねぇって 思ってさ。」
ハナ「何?」
恵達「ん? いやいや あった あった。 これ あった あった。 どうもね。 この人形もらってくよ。 じゃあね。 おやすみ。」
ハナ「写真 持っていったねぇ。」
勝子「あ 本当だ。」
恵里と恵達の部屋
恵里「ありがとう。 あ あとさ 台所から 私のコーヒーカップ 持ってきて。」
恵達「何で? そんなもの。」
恵里「お願い! あれ 好きなんだのに。」
恵達「『好きなんだのに』って 一度に言えよ。」
恵里「お願いします。」
居間
恵文「もう 寝たかねぇ?」
勝子「チョット のぞいてみようかね。」
ハナ「そうだねぇ。」
恵里と恵達の部屋
恵文「じゃ… 始めようかね?」
(すすり泣き)
勝子「うん。」
早朝
恵里「じゃあね 恵達。」
恵達「ああ。 うまくやれよ 姉え姉え。」
恵里「うん。」
移動中の恵里
恵里「軽くしたはずなのになぁ。」
恵里「あ!」
ハナ「『おばぁと勝子さんと2人で作った サーターアンダギーです。 これから住む所の 隣近所の人に配りなさい。 恵里『出じれ~旅』沖縄の言葉よ。 【一歩 外に出たら すべて 自分の力で決めて 行動しなければならない】という意味です。 ちばりよ~ 恵里!』。」
恵里「おばぁ…。」
勝子「『お金を少し 入れておきます。 いざという時に 使って下さい。 いざという時だよ。 それから 東京へ行ったら 容子さんを訪ねなさい。 お母さん 電話しておいたから。 いつでも いつでも 帰ってくるんだよ 恵里』。」
恵里「お母さん…。」
カバンに入れてあったカセットテープを再生する恵里
恵文「恵里 苦しい事があったら このお父さんの歌を聴きなさい では ♪~(三線と島唄) 」
(おばぁのくしゃみ)
恵文「おばぁ せっかく いい感じだったのによ~」
ハナ「出るものは しかたない」
恵文「もう一回 初めからね。『恵里 苦しい事があったら…。』」
勝子「それは もう いいでしょ」
恵文「であるねぇ ♪~(三線) ♪『私が あなたに惚れたのは ちょうど 19の春でした 今更 離縁と 言うならば…」
カセットテープを停止する恵里
恵里「行ってくるねぇ。」
タクシーから見守る恵文
恵文「頑張れ…。 恵里。 頑張れ。」
古波蔵家
恵達「はっ! 大変だ! 姉え姉えが いなくなったぞ! あれ?」
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