ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「ちゅらさん」2話「美(ちゅ)ら海の約束」ネタバレ

2001年4月3日放送の【 連続テレビ小説「ちゅらさん」】2話のネタバレです。

現在は(2020年8月現在)NHKオンデマンドでも視聴可能です。

あらすじ

民宿「こはぐら荘」にやってきたのは、上村(うえむら)静子と中学1年の長男・和也、小学6年の次男・文也の親子連れでした。恵里と弟の恵達(けいたつ)は、久しぶりの客に大はしゃぎ。夕食の席で、恵里は父の恵文が弾く三線(さんしん)に合わせて、見事な琉球舞踊を披露します。しかし、上村親子は深刻な事情を抱えていました。その夜、静子は長男の和也が不治の病で、もう長くないことを勝子に告げます。

2話ネタバレ

連続テレビ小説 ちゅらさん 第2回 美(ちゅ)ら海の約束

沖縄県小浜島の 民宿・こはぐら壮に 久しぶりのお客さんが やってきました。

そのお客さんは 何やら 深刻な 事情を抱えている様子です。

そんな事は 全く知らない こはぐら壮の娘 古波蔵恵里は 東京からのお客様に 興味深々 目を輝かせています

恵里「ウェルカムです!」

静子「すみません 無理なお願いして。」

恵文「いえいえ ハハハ…。 とんでもないです。」

恵文「だけど あれですね 東京の女性は どっか違いますですね。 いいにおいがするしね。 ハハハ…。」

静子「え?」

恵文「いやいや ハハハ…。」

和也「きみの名前は?」

恵里「古波蔵恵里。 皆『えりぃ』 って呼んでるさ。」

和也「よろしくね 『えりぃ』 僕が和也 で 弟の文也。」

恵里「カズヤと フミヤ…。」

和也「うん… 文也 お前もなんか しゃべれよ。」

文也「よろしく。」

恵里「高学年?」

文也「は… あ… 6年。」

恵里「じゃ 同じ高学年だね。」

文也「うん…。」

恵里「いつまで小浜にいるの?」

和也「いつまでかな…。」

恵里「ずっといれば いいさ。」

和也「そうだね ずっといたいね。」

恵里「うん!」

こはぐら壮

恵文「到着です ハイハイ! はい そうぞ!」

勝子「いらっしゃいませ!」

恵達「迎えに行きたかった。」

恵里「高学年になったらね。」

恵文「荷物はいいです。 どうぞ! ウェルカムです!」

勝子「どうぞ! 文ちゃん 荷物!」

恵文「はいはい…。」

恵文「痛え! 何するだ おばぁ!」

ハナ「ふん、このスケベエが」

恵文「あ! 邪魔 邪魔!」

夕食

恵達「わ~! 今日は ごちそうだ!」

勝子「恵達! もう…。」

ハナ「沖縄の物ばっかりで どうぞ! どうぞ!」

静子「あの 申し訳ありませんが この子だけ 食事がですね特別に。」

和也「お母さん いいよ。」

静子「だって…。」

和也「皆と同じがいい いいでしょ?」

静子「うん…。」

勝子「お体でも悪いんですか?」

静子「ええ… まあ…。」

勝子「そうですか…。」

恵里「和也君 病気なの?」

和也「ちょっとな。」

恵里「八重山の 太陽(てぃだ)に当たってれば 病気なんか治る。 ねえ おばぁ!」

ハナ「そうだねえ。」

和也「『てぃだ』?」

恵里「太陽の事さ。」

和也「そっかぁ。」

恵文「さあ どうぞ食べて下さい!」

勝子「そうですよ どうぞ!」

一同「いただきます!」

和也「これは何だろう?」

恵里「ゴーヤチャンプル。」

和也「これ 文也 好きだよ 食べてみな。」

文也「本当? ん… 苦いじゃんか! 兄貴!」

恵里「私も ちょっと嫌いさ。」

恵達「僕は 大丈夫。」

和也「これ おいしい! 今度は 本当だよ 文也。」

文也「あ! 本当だ。」

勝子「これ ミミガーといって 豚の耳。」

文也「豚の耳…?」

恵文「それでは はるばる東京より いらっしゃって下さりました 久しぶりのお客様に ウェルカムの 意味も込めまして 1曲 古波蔵恵里が躍りますです。 えりぃさん 準備。」

恵里「あい!」

静子「久しぶりなんですか? お客。」

勝子「え? ええ まあ…。」

ハナ「7~8年ぶりに なるのでは…。」

静子「え…。」

恵文の三線に

恵里の踊りを披露することに

上村家も楽しんでいる様子

就寝タイム

静子「和也 疲れてない?」

和也「うん なんか大丈夫…。 島の太陽に 当たってたからね。」

静子「そうかもね でも もう寝なさい。 お母さん 民宿の人達に いろいろ お願いする事あるから。」

和也「うん おやすみ。」

静子「おやすみ…。」

文也「おやすみなさい。」

静子「文也 明日 お母さんと学校 行く? 手続きは もう済んでるけど…。」

文也「いい 自分で行くから。」

静子「じゃ おやすみ。」

和也「お母さん 恵里と恵達には 言わないで…。」

静子「うん 分かった。」

古波蔵家

静子「あの ちょっと よろしいですか?」

勝子「あ どうぞ…。」

ハナ「お茶 いれようね。」

静子「もう 何軒も 病院という 病院で 診てもらいました…。 でも どこでも 結論は同じで『もう 治療の方法はない』って。 あとは『本人の生きようとする力が どれだけあるか』だって…。」

勝子「そんなに重い病気には 見えなかったけど…。」

静子「多分 気持ちに 今 張りがあるんだと思います。 さっきみたいに 笑ってるあの子 もう何年も見た事 ありませんでしたから。」

勝子「そうですか…。」

静子「ずっと 病院暮らしだったんです。 子供らしい 楽しい事 全然 知らなくて…。 そんなあの子が ある日 突然 言いだしたんです。 どうしても『こちらに行ってみたいんだって。 暮らしたいんだって。』 と…。」

恵文「何でですかね? 何で ここに?」

静子「あの…。 これ…。」

勝子「これ…!」

恵文「あ これを見てからに? これはね もう 10年ほど前に小浜から 東京に行った島の人に 作ってもらって 東京の代理店とかいうんですか? 旅行の。 そこに置いてもらったんですよ。 これがねえ なんでかね また?」

静子「飛んできたんだそうです。」

勝子「飛んで?」

静子「ええ 病院の屋上のベンチ。」

静子「あの子のお気に入りの場所があって。」

ハナ「神様が『ここに来なさい』って 言うたのかね?」

静子「あの子も そう言ってました。 『運命なんだよ』って…。 『だから どうしても行きたい… この島で 僕は死にたい』って…。」

静子「だから来ました。 でも 私 最後まで反対したんです。 医療施設の事を考えると 東京に いた方が いいに決まってるし。 主人は東京で 小さな貿易会社 経営してますから 生活のことを 考えると 一緒には来られないし。 」

静子「主治医に相談しました。『それだけ行きたがってるのなら その場所に行けば あの子の生きる力が強くなるかもしれない』って…。 だから来ました。」

勝子「そうですか…。 この島にも 診療所はあるし 石垣には 総合病院もあります。 一応 連絡しておきましょうね。」

静子「ありがとうございます。」

恵文「神様が連れてきてくれた お客さんだね。 ゆっくりやっていって下さいねえ。」

静子「はい。 ありがとうございます。」

ハナ「 イチャリバ チョーデー  ヌー ヒダティヌ アガ。」

静子「え?」

ハナ「沖縄では『一度 会えば 皆 兄弟。 何の隔てがあるか』と言うわけ。」

静子「は…。」

和也と文也

和也「文也…。」

文也「ん?」

和也「恵里 かわいい子だよな。」

文也「そうか?」

和也「俺の頼み 聞いてくれるか?」

文也「何?」

和也「ここに いつまで いられるか 分かんないけど…。 この島での事 見た事 感じた事… 忘れないでくれ。 いっぱい楽しんでくれ。 それで… ずっと覚えててくれよ。 な!」

文也「なんで?」

和也「だってさ その思い出の中には 俺がいるだろ? だから… ずっと覚えててくれ。」

文也「分かったよ。」

和也「恵里の事 好きになっても いいんだぞ。」

文也「うるせえよ!」

和也君は 文也君が 泣き顔を見せまいとして  部屋を出て行ったのだと 分かっていました

静子「文也 どうしたの?」

静子「文也…。 ごめんね…。 ごめんね 文也。」

静子「泣かないで… 文也。 分かったから…。」

恵里には 事情は 分かりませんでした。 ですが 和也君の病気も 文也君の つらい事も 

『きっと 八重山のてぃだ・太陽に当たって海を見ていれば 消えてしまうに違いない』 そう信じていました…

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