2001年5月9日放送の【 連続テレビ小説「ちゅらさん」】33話のネタバレです。
現在は(2020年11月現在)NHKオンデマンドでも視聴可能です。
あらすじ
恵里はおばぁの手作り菓子を持って、引っ越しのあいさつにまわりますが、一風館の住人たちは一風変わっていました。真理亜は受け取りを拒否し、柴田は恵里に一目ぼれ、なぞの老人・島田は菓子を受け取るだけで顔も見せません。容子の紹介で、恵里はアパート近くの沖縄料理店「ゆがふ」でアルバイトを始めます。その店へ、肩を壊して社会人野球を断念した高校の同級生・誠が訪れ、一緒に沖縄に帰ろうと恵里を誘いますが…。
33話ネタバレ
連続テレビ小説 ちゅらさん 第33回 「哀愁のオキナワンボーイ」
回想
誠「野球 ダメになったさ 俺…。 右ヒジ こわしてしまってさ」
恵里「ヒジって 治らないの? そんなに 悪いの?」
誠「『そこまでする必要は 俺の右腕には ない』って 言われたよ 監督さんにさ。 どうしようも ないんだよ 現実ってヤツはさ。 恵里 しかたないさ」
回想終了
恵里「誠のバカを 元気にしとくかぁ。」
第1営業グループ
部長「おい きみ あれ 見てごらん。」
部長「もう いいかげん 慣れてもらわないとさぁ。 困るんだよ 恥ずかしいだろ? あの表 見て…。」
誠「はい すみません。」
部長「全く… 野球ダメと 押しつけられても 困るんだよな。 どうせ 野球だけ やってればいいと思ってたんだろ。 会社の事なんか 最初から 考えてなかったんだろ。」
誠「勉強します すみません。」
部長「頼むよ ホントに。(ため息)」
誠「すみません。」
ゆがふ
兼城「好きなのかね この店が。」
恵里「さあ…。」
兼城「もしかして 俺? 何で 黙ってるわけ?」
恵里「何でって…。」
兼城「おう!」
恵里「あ 誠!」
誠「ただいまさ 恵里。」
恵里「何が『ただいま』か… バ~カ。」
誠「そんなこと ないさぁ。 いつか 一緒に暮らして そういうふうに言うわけだから。」
恵里「なりませんよ。」
誠「いいさぁ いい感じだねぇ。 『お帰り。 ご飯にする? それとも おふろ?』」
恵里「ん?」
誠「『え? ヤダ 一緒に おふろなんて 恥ずかしいさぁ あ そうそう それよりさ お帰りのチューは? あ う~。』 うっ! 何? これ。」
恵里「豚足。 バ~カ ずっと やってれば。」
兼城「濃厚なチューだったねぇ ハッハッハ。」
恵里「惜しかったなぁ。 …気持悪い。」
恵里「何が 惜しかったか バ~カ。」
兼城「でも 昨日より 元気さぁ。」
誠「そりゃそうですよ。 この店と 恵里が いればさぁ この愛のない 砂漠のような 東京でも 生きていけるもんさぁ。」
恵里「何? それ。」
誠「『何 それ』って そういうことさ。 東京は どうも 好きになれん。」
恵里「何で? もともと 来るつもりじゃ なかったから?」
誠「それもある。 なんか 皆 冷たい感じが してさぁ。 沖縄の人みたいに あったかくないさぁ。 皆 自分の事しか 考えてない…。 な~んか 居場所が ないわけよ。」
誠「被害妄想なのかもしれないけど 営業とか 行くとさ 俺の沖縄のなまり? なんか 皆 それを聞くと 笑うっていうか 下の方に 低く見られてるような 感じがして… しゃべるのも なんか 嫌になってくるんだよねぇ。」
誠「この俺がさ 恵里。 この俺がよ 会社の中では 無口で 暗い男だと 思われてるわけよ。 信じられんだろう? 笑うよなあ 沖縄の仲間が 聞いたらさぁ。 黙れって言っても しゃべるような 俺がさ 笑うよな なあ 恵里。」
恵里「うん…。」
誠「だから 嫌いさぁ 東京は。 嫌いさぁ 東京の 人も空気も。 海も空も 全部 沖縄の方がいい。」
箸を乱暴に置く真理亜
真理亜「あ~あ。 お話にならないね。」
誠「え? 何がですか?」
真理亜「『話にならない』っていったの。」
誠「何が?」
恵里「あの…。」
真理亜「とっとと 帰りなさいよ 沖縄でも どこでも…。 そんなふうにね いやいや 居つかれたら 東京だって 迷惑よ。 帰れ!」
恵里「城ノ内さん…。」
真理亜「あんたは 黙ってて。 簡単なことよ。 嫌なら来るな 嫌なら 居るな 嫌なら 帰れ! 自分のマイナスを 東京のせいにするんじゃないわ。 卑怯だよ そんなの。 私は 東京生まれの 東京育ちなの 代々ね。」
真理亜「私も 思うよ。 『東京って 嫌なとこあるな』って。 でも 東京を嫌な街にしたのは あんたみたいな人たちよ。 東京に暮らしていながら 東京を好きになろうとしない 愛そうとしない どうせ いつかは 出ていくんだ それまで 我慢しているだけだ。」
真理亜「そんな人ばっかりの街がね いい街になんて なるわけがない。 私は そういう人たちに 東京に 居てほしくない 東京に対して 失礼よ それは。」
真理亜「そんなに 沖縄がいいなら 帰ればいい。 帰って 東京の悪口 言っていればいいでしょ。 『あそこは 人の住む町じゃない』とか何とか 言ってりゃいい。 でも… 私は そうは思わない。 ここは 人が暮らしてる町だよ。 沖縄と同じようにね。 違う?」
恵里「もう やめて下さい!」
真理亜「何でかな?」
恵里「そりゃ あなたの言ってる事 間違ってるとは思わないですよ でも でも ひどすぎます! 誠は… 誠は 今 傷ついてるんですよ。」
恵里「傷ついてる人間を そんなに これでもかって 痛めつけるのは 間違ってると思います。 絶対 間違ってる。 もう やめて下さい!」
誠「恵里…。」
真理亜「そう…。 傷は なめ合ったって 治るとは思わないけど。」
金を置いて店を出ようとする真理亜
兼城「彼女…。 また 来ようね。 今度 いい泡盛が入るからさ。 また 来てちょうだいよ。」
真理亜「今日のスーチカー おいしかった。 ごちそうさまでした おやすみなさい。」
不思議な人だねぇ この城ノ内真理亜という人は。 でも 私は なんとなく好きさぁ。 いろんな事情が ありそうだねぇ
素振りをしている誠
誠「チクショウ! チクショウ! う~っ! う~っ! う~っ…! う~っ!」
ゆがふ
恵里「二日酔いですか?」
兼城「かれこれ 2か月酔いさぁ。」
恵里「はい」
兼城「あ ありがとう。 どうしてるかね? 誠は。」
恵里「ええ 来てないですよね 随分。」
兼城「であるね 1週間ぐらい見てないね。」
恵里「はい。 どんなしてるんだろ? 私 誠の会社 行ってもいいですか。 心配だし ちょっと…。」
兼城「ほっときなさい やめときなさい。」
恵里「でも…。」
兼城「そっとしときなさい。 そのうち ヒョコッと 現れるよ。」
恵里「そうですかね。」
(戸が開く)
柴田「あれ? なんか 思いっきり 期待を 裏切ったという空気なんですが。」
兼城「であるわけさ えっと 名前は…。」
柴田「柴田です。」
兼城「ああ そうそう。」
恵里「どうぞ いらっしゃいませ。」
柴田「ありがとう。」
恵里「いいえ。」
柴田を思いっきり睨む兼城w
柴田「何ですか?」
恵里「誠… どんなしてるんだろう?」
一風館
管理人室
恵里「どうしたの?」
誠「俺さ… 俺よ。」
恵里「何?」
誠「沖縄に帰ることにする。」
恵里「え?」
誠「そうすることにした。」
恵里「何で?」
誠「『勇気ある撤退』というヤツだねぇ。」
恵里「仕事は?」
誠「辞表 出してきた。」
恵里「何で?」
誠「この間よ 悔しかったさぁ。 あの 誰だっけ? このアパートの黒いの着た 変な女。」
恵里「ああ 城ノ内さん?」
誠「そうそう 思いっきり 言われたからなぁ…。」
恵里「うん。」
誠「あんなに ボロクソに言われたの 生まれて初めてかもしれないな。」
恵里「うん…。」
誠「でもさ 悔しいけどよ 『しかたないかなあ』って 俺は 思った。 あの人の言うとおりだよなぁ。 悔しいけど 言うとおりだよな。 周りや 東京のせいにしてさ いじけてただけ…。 カッコ悪いさ そんな男。」
誠「それで 決めた。 『意地を張るの やめよう 素直に 負けを認めよう』って。『また ゼロから やり直そうかな』って…。 そう思ったさ。」
恵里「そう…。」
誠「でもよ 野球がダメだったとして 俺の人生は まだまだ 無限大の可能性を秘めてるわけだろ? もしかして 歌手になって スターになってしまうかも…。」
恵里「ないない。」
誠「何で?」
恵里「だって あんた 音痴さ。」
誠「そんなことないさぁ。」
恵里「せっかく 会えたのにねぇ 東京で。 心強かったのに 誠がいて。」
誠「なあ 恵里。」
恵里「ん?」
誠「俺 ずっとさ 冗談みたいに お前の事 好きとか 結婚しようとか 言ってたさぁ。」
盗み聞きをする真理亜w
恵里「うん 言ってたよ。」
誠「あれさ 忘れて…。」
恵里「え?」
誠「今から 冗談じゃなくて ちゃんとした気持ちを話すからさ。」
恵里「誠…。」
誠「恵里。」
恵里「はい。」
誠「俺と一緒に いないか? 俺と一緒に 沖縄に 帰ろう?」
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