2001年5月14日放送の【 連続テレビ小説「ちゅらさん」】37話のネタバレです。
現在は(2020年11月現在)NHKオンデマンドでも視聴可能です。
あらすじ
アルバイト先の「ゆがふ」の売上金を持って銀行に行く途中、恵里は、初恋の相手・文也にもらった思い出のスーパーボールを公園で落としてしまいました。探しているうちに売上金も盗まれ、途方に暮れる恵里。容子をはじめ一風館の住人の協力でスーパーボールは見つかります。「ゆがふ」の店長は「金はもういいよ」と慰めてくれました。数日後、弟・恵達が「ロックをやりたい」と、恵里の部屋に転がり込んできました。
37話ネタバレ
連続テレビ小説 ちゅらさん 第37回 「迷子のマブイ(魂)」
誠「恵里」
恵里「はい」
誠「俺と一緒に いないか? 俺と一緒に 沖縄に 帰ろう?」
恵里「ありがとう。 私は まだ帰れないよ。 まだ 何もしてないのに…。」
誠「俺は 沖縄に帰るけどさ 恵里は 頑張って この東京で 夢をつかめよ」
恵里「誠!」
誠「よ~し!」
誠が 沖縄に帰ってしまって 恵里は 心に ポッカリ 穴があいたようでした
一風館
恵里「私は 何をしたいんだろう?(ため息) こんなことじゃ ダメだ 私は…。 全然 ダメだ…。」
おやおや これは 重症だねぇ。 いわゆる五月病というヤツですかねぇ?
ゆがふ
兼城「(鼻歌) どうしたの? 恵里ちゃん。」
恵里「店長。」
兼城「はいよ。」
恵里「あ 柴田さんも…。」
柴田「はい? はいはい。」
恵里「あの ひとつ質問しても いいですか?」
兼城「いいよ。」
柴田「何でも 聞いて下さい ハハハハ。」
恵里「お二人は 生きてて楽しい?」
兼城「は?」
柴田「え?」
兼城「いや 生きてて楽しいですかって 言われても… ねぇ。」
柴田「ねえ。」
兼城「楽しくないこともないけどね。」
柴田「ねえ。」
兼城「でも 胸を張って 『生きてて楽しいです』って 言えるほどのこともないしねぇ。」
柴田「ねえ。」
兼城「でも 『楽しくない』って 言うのも 悔しいし なんか情けないし… ねえ。」
柴田「ねえ。」
恵里「いったい どっちなんですか?」
兼城「どっちって言われてもねぇ。」
柴田「ねぇ。」
恵里「何ですか? さっきから 『ねえ ねえ』 って。 ちっとも 分からないでしょ。 男なら ハッキリして下さい。」
柴田「すみません。」
兼城「ごめんなさい。」
恵里「もう いいです。 変な事 聞いて すみませんでした 忘れて下さい。」
柴田「え いや あの… お願いですから そんなふうに 切り捨てないで…。」
恵里「は? 別に切り捨てるなんて。」
柴田「このまま この話が終わるのは なんか 不本意っていうか…。」
恵里「じゃ 分かりました。 質問を変えます。」
2人「はい。」
兼城「そうして あの… 次の質問は 簡単なヤツを お願いね。」
恵里「『あなたは どんな時に 生きててよかったっていうか 幸せを感じますか?』
兼城「う~ん。 なんか また 難しいねぇ。」
柴田「どんな時かな…?」
兼城「どんな時って言われてもねぇ。」
柴田「う~ん。」
恵里「ないんですか?」
兼城「そんなことはないさ ねえ。」
柴田「そうですよ ありますよ きっと 探せば どっかに。」
恵里「は?」
兼城「あった。」
柴田「え? 何ですか? いいなぁ。」
兼城「俺の場合はね あれだね やっぱり ほら。」
柴田「何ですか?」
兼城「寝てる時かな?」
柴田「そうですよねぇ。 僕もねぇ 会社休みの日 朝 起きますよね。 それで 『今日は 休みなんだ まだ 寝てていいんだ』って思って もう一回 寝るんですよ その時は 幸せを感じるなぁ。」
兼城「分かるよ! 二度寝は 最高。 人生の至福の時さぁ。」
柴田「そうですよねぇ。」
2人「ハハハハ…。」
柴田「期待していた答えとは 明らかに 違ったようですね。」
兼城「であるみたい。」
恵里「あ いえ いいんです。 もう 気にしないで下さい。」
柴田「あ その顔は 明らかにガッカリしてる。 僕に対する評価が 下がってますよね? どうしよう。」
何処かへ行こうとする恵里
柴田「あ 待って下さい。 ごめんなさい。」
恵里「もう いいんです。 お二人に聞いた 私が 間違ってました。」
柴田「そんなふうに あきらめないで。 僕たちだって やればできる…。 ね?」
兼城「やれば やれば できる。」
恵里「なんでこうなっちゃうんだろうな。」
柴田「何でも言って下さい。 どうぞ。」
兼城「どうぞ。」
恵里「じゃ… 分かりました。 これが 最後の質問です。」
兼城「最後かぁ ドキドキするねぇ。」
柴田「ドキドキしますねぇ。」
恵里「お二人の… 夢は 何ですか?」
兼城「夢か…。」
柴田「夢ですか…。」
兼城「夢ねぇ…。」
柴田「何かなあ…。」
恵里「買い物に 行ってきま~す。」
店を出る恵里
柴田「ああいう質問に答えられない 僕たちって 情けないですねぇ。」
兼城「でも 恵里ちゃん どうしたんだろうねぇ。マブイでも 落としたのかね?」
柴田「『マブイ』?」
兼城「『魂』のことさ『魂が抜けたみたいになって 元気がない』という…。」
柴田「心配です。」
一風館
管理人室
みづえ「幸せねぇ…。 難しい質問ねぇ。 私はね 見れば分かるかもしれないけど まあ 育ちはいいの。」
恵里「はあ。」
みづえ「え?」
恵里「あ はい そう思ってました。」
みづえ「そう?やっぱりね。 はい どうぞ。」
恵里「頂きます。」
みづえ「私はね 末っ子だったから かわいがられて育ったの。 実際 かわいかったのよ。 だから 年ごろになったら まあ たくさん 縁談があって。]
みづえ「だけど 私が選んだ人は 軍人さん。 そして あの戦争。 とうとう 私の旦那様は 戦地から 帰ってこなかった。 それでね ここの家は もともと 私の父の家だったの。 それを改造して 下宿屋さんとして 始めたの。」
恵里「そうだったんですか?」
みづえ「私は いわゆる 未亡人ってわけでしょ。 だけど 若かったし きれいだったから モテてね。」
恵里「ハハハハ…。」
みづえ「言い寄ってくる男は もう 掃いて捨てるほどいたの。 でもね 帰ってこなかった 私の主人より ステキな人は いなかったのねぇ。]
みづえ「ホント ステキだったのよ。 ヒゲを生やすとね コールマン…。 あ 知ってる? コールマンって…。」
恵里「いえ。」
みづえ「あ 写真があるの。 持ってくるから 待っててね。」
恵里「あ いえ…。 はい…。」
みづえ「これよ はい 分かる?」
恵里「うわぁ ホントだ カッコいいですね。」
みづえ「うん いいでしょう? そして これが 私。」
恵里「あら 管理人さん きれい…。」
みづえ「そうでしょう。 あら?」
恵里「ん?」
みづえ「何の話から こういうことになったのかしら?」
恵里「あ… ハハハハ あ おいしいですね このコーヒー。」
1F廊下
島田と目が合う恵里
恵里「あの…。 チョット もしもし?」
無視して部屋に入る島田w
(ノック)
恵里「あ!」
島田「何?」
恵里「チョット お聞きしたいことが あるんですけど…。」
島田「何?」
恵里「あの… 島田さんは 今 幸せですか? どんな時が 幸せですか? 夢は 何ですか?」
島田「勧誘は お断りだよ。」
恵里「いえ あの そうじゃなくて…。」
ドアを閉める島田
恵里「あれ?」
2F廊下
恵里「とにかく チョット 聞いて下さい。」
容子「いいけど どこで話す?」
グアテマラ
(ノック)
真理亜「何なのよ いったい!」
恵里「お邪魔しま~す。」
容子「こんばんは。」
真理亜「え? 何? 何なのよ? いったい。」
容子「どうしたの?」
真理亜「『どうしたの』じゃなくて なぜ 私の部屋に入ってきて 座ってる? 何で 私が 立ってるの?」
容子「座れば あんたも。」
恵里「あ そうですよ 早く座って下さい。」
真理亜「は? 分かったわよ 座るわよ。」
恵里「もしかして お仕事中でした?」
真理亜「何してると思った?」
恵里「ごめんなさい もし あれだったら 続けて下さい。」
真理亜「あのねぇ。」
容子「私たちなら 気にしないで。」
恵里「なんか この部屋 いいんですよねぇ。」
容子「うん 落ち着くのよね。」
真理亜「勝手にしろ。」
容子「で 何? 話って。」
恵里「ええ…。」
容子「何だか分からなくなった訳だ? 自分が何をしたいのか 何をしたらいいのか? この東京で…。」
恵里「ええ そうなんです。」
容子「そうか。 …恵里ちゃん。」
恵里「はい。」
容子「幸せとか 夢とか そういう事は 人に質問して回って 何か 分かるものじゃないと思うけど。」
恵里「そうなんですか?」
容子「人は 参考になんかならないよ。 皆 違うんだから。 それに そんな事 質問されて サラサラと答えるなんて できるもんじゃないし できる人の答えなんて 私は 信じない。」
容子「人になんか 頼らないで 自分で考えなさいよ。 間違ってたのかなぁ あなたの面倒 見たの。 厳しくするば よかったのかなぁ。」
恵里「え?」
容子「そんなに 甘ったれの子供だとは 思わなかった。 ガッカリだなぁ。」
恵里「容子さん…。」
容子「私 部屋に戻るから 真理亜ちゃん あと よろしくね。」
真理亜「え? あ チョット…。」
気まずい真理亜w
真理亜「あのさ…。」
恵里「お邪魔しました。」
ゆがふ
兼城「恵里ちゃん 銀行 行ってきて…。 俺さ どうも 苦手で 銀行…。」
恵里「はい 分かりました。」
公園
文也から貰ったスーパーボールを落としてしまう恵里
恵里「あ!」
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