2001年4月4日放送の【 連続テレビ小説「ちゅらさん」】3話のネタバレです。
現在は(2020年8月現在)NHKオンデマンドでも視聴可能です。
あらすじ
またたく間に仲良くなった恵里、和也、文也。3人はさっそく、近くの森へ遊びに行きます。その森で、高い木に上った恵里は足を踏みはずし、和也がとっさに落ちてくる恵里を受け止めて助けます。遅れて小浜島(こはまじま)へやって来た和也の父・伸生は、和也の行為をほめますが、母の静子は和也の体を心配して取り乱します。和也はこの島で、最後の日々を過ごすためにやってきたのでした。
3話ネタバレ
連続テレビ小説 ちゅらさん 第3回 美(ちゅ)ら海の約束
恵里「行ってきま~す!」
恵達「チョット 待ってよ~!」
恵里「はよ せえ 低学年。」
恵達「うるさいな。」
文也「ケンカばっかりだね。」
恵里「そんな事な。 優しい姉え姉えさ。 な 恵達?」
恵達「ふん。 誰がよ。」
恵里「ケンカやらんの? 和也君と。」
文也「うん。 あんまり したことない。」
恵里「ふ~ん。 東京の人は しないわけ。」
文也「そんなこと ないけど。」
文也「5~6年が 一緒のクラスなの?」
恵里「うん。 そっちは?」
文也「え~と 6年生が 1クラス 40人くらいで 5組まで。」
恵里「え? チョット待って。 それが 1年から 6年まで いるわけ?」
恵達「決まってんだろ。 バ~カ。 痛っ!」
恵里「そうか。 そんなに いるんだ。 なんあ 気持ち悪くなってきたさ。」
文也「何で? 普通だよ。 もっと 多い学校も いっぱい あるよ。」
恵里「へえ。」
恵達「1学年200人として 1200人いる?」
恵里「小浜には 何人 人 いるんだっけ?」
恵達「全部で 500人ぐらい。」
恵里「想像できないねぇ。」
恵里「宮良のおばぁ 1200人もの人 見たこと ある?」
宮良のおばぁ「おばぁは そんなの 見てないねぇ。」
恵里「だよねぇ。 行ってくるねぇ。」
おばぁ「行っておいで!」
おばぁ「おや とても礼儀正しいねェ」
学校
先生「はい 紹介しましょうね。 今日から このクラスに入る 6年生の 上村文也君です。」
小さな学校なので 6年生の文也君は 5年生の恵里と 一緒のクラスに なりました
授業
文也「『今日は フランス語の 最後の おけいこです』。 この言葉は 私の気を転倒させた『ああ ひどい人たちだ』。 役場に掲示してあったのは これだったのだ」
一同「おお!」
女生徒「これが 本物の標準語だねぇ。」
恵里「いやあ 先生のとは 違うねえ。」
先生「そうさ どうせ 先生のは 八重山標準語さ。」
海
文也「きれいだね。 それ…。」
恵里「どれ?」
文也「ほら それそれ。」
恵里「これでしょ?」
恵里「見て。 これ きれいだよ。」
文也「ホントだ。」
和也「きれいだね。」
静子「そうね~。」
恵里「どう? 気に入った?」
和也「うん。」
恵里「小浜は いい所でしょう? 小浜が 1番さ。 ねえ おばぁ?」
和也「恵里は ほかに行った事あるの?」
恵里「石垣には 行った事あるよ。」
和也「そうか。」
恵里「何?」
和也「じゃ 分からないよ。」
恵里「え? 何が?」
和也「ほかに行った事のない人には この島の 本当の良さなんて 分かんないじゃないのかな? いろんな所 見て それでも やっぱり 『小浜が1番だ』 と思った時 本当の1番に なるんじゃないの?」
恵里「おばぁ?」
ハナ「おばぁも 同じに思うねぇ。」
そして 和也君と文也君が 来てから 1週間がたちました
こはぐら壮
掃除をしている静子
勝子「奥さん そんなこと 私 やりますから。」
静子「いいんです。 何もしてないと なんか 落ち着かなくて…。」
勝子「そうですか。 …あ 3時になったら ご主人 迎えに行きましょうね。」
静子「お願いします。」
三線に興味を示す和也
恵文「やってみるか?」
和也「え? いいんですか?」
恵文「いいんですよ ほれ…。 はい。 …これ 人さし指 入れてな。」
恵文「はい。 じゃ これを 持たずに上から 弾いて。 ほら 出たな 音が…。」
恵文「はい。 ここ つまんで はい。 うん 変わったな 音が…。」
勝子「あら 『ライ麦畑でつかまえて』? 懐かしいなあ おばさんも読んだ。」
和也「え? そうなんですか?」
勝子「うん 結構 本読むの 好きだった。 成績も 悪くはなかったよ。」
和也「へえ。」
勝子「うちの子は 本とか読まないからね 恵尚も 恵里も恵達も…。」
和也「『ケイショウ』?」
恵文「石垣島の高校 行ってるよ。」
勝子「寮に入ってるさ。 これも 全然 勉強 駄目でねぇ。」
恵文「ハッハッハッハ。」
和也「へえ… 高校か~。」
勝子「具合 どう?」
和也「はい お陰さまで。」
勝子「もうすぐ 着くね お父さん。」
和也「ええ。 あ さっきの話ですけど チョット 分かる気がします。」
勝子「何が?」
和也「なんか この島にいると あんまり 難しい事 くよくよ考えなくてもいいかなと そういう気持ちになるんですよね。」
恵文「そうだねぇ。」
勝子「でも それだけじゃねぇ。」
恵里と恵達が帰宅する
恵里「ただいま~!」
文也「ただいま!」
近くの森
和也「キジムナー?」
恵里「キジムナーが 住んでるかもしれないんだよ。」
和也「何 それ? お化け?」
恵里「お化けとは チョット 違うさ。 悪いものじゃないからね。 子供だよ。」
和也「精霊みたいなもんかな。」
恵里「ああ 先生も そう言ってたさぁ。 『セイレイ』 … 字 分からんけど。」
文也「どういうの?」
和也「妖怪みたいなもんだよ」
文也「やっぱ お化けじゃん。」
恵里「違うよ キジムナーは お化けじゃない こんな大きなガジュマルの木の 穴の中に住んでる 子供さ。 寂しくて 遊びたいだけなんだ。」
和也「へえ。」
恵里「先生 言ってたさぁ イタズラが好きだけど 本当は いい子って…。 私たちの事 ふだんは 守っていてくれる…。」
恵里「先生のね お父さんが 昔 森の中で 迷って 何時間もさまよった時 キジムナーが出てきて コッチコッチって ついていったら 森の出口で 後ろを見たら 誰もいなかったって」
和也「キジムナーねえ…。」
文也「信じるの?」
和也「信じるよ。」
恵里「あっ?」
和也「この鳥 ケガしてるみたいだ。」
鳥を保護しようとしてつまずく和也
文也「兄貴!」
恵里「和也君!」
文也「大丈夫? 兄貴。」
和也「ああ…。」
こはぐら壮
勝子「しょうがないでしょ そんなに むくれたって。」
恵達「だって 姉え姉えは いつも 僕の事 置いていくんだのに。」
勝子「だけど 何で 恵達は 低学年なのに 帰りが遅いわけ?」
恵達「『低学年』 って 言わんで。 放送委員だから 下校の放送する。 だから 遅いさ。」
かつこ「あ そうか。 だったら カッコいい。」
恵達「まあね。」
ハナ「狭い島さ 探さんうちから 見つかるはずよ。 とう 行ってごらん。」
恵達「いい…。」
外から恵文の声が聞こえる
恵文「はい ウェルカムですよ!」
勝子「どうも 遠い所 大変でしたね。」
恵文「どうぞ こちらへ はい。」
静子「あの 主人です。」
伸生「上村と申します。 このたびは 大変 お世話になっております。」
勝子「いえいえ そんな とんでもない。 和也君 元気になりました トッテモ。 文也君も もう すっかり 島の子に 溶け込んで。」
伸生「そうですか?」
静子「あの?和也は?」
勝子「3人で 遊びに行ってますけど もう 毎日 暗くなるまで 遊んでて。」
伸生「あの子がですか?」
森に向かう恵文 伸生 静子
村人「こんちは。」
恵文「こんちは。」
恵文「どんなですか? 日本の方は…。」
伸生「日本ですか? 相変わらずですね。」
恵文「忙しくやってますか やっぱり。」
伸生「ええ。」
近くの森
鳥を保護しようと木に登る恵里
文也「恵里 もう やめようよ 危ないって。」
恵里「し~っ!」
恵文「こちらです。」
伸生「おい。」
文也「お父さん。」
伸生「元気そうじゃないか。」
恵里「やった!」
足を踏みはずす恵里
恵里「あ~!」
文也「恵里!」
恵里を受け止める和也
伸生「おい 大丈夫か?」
静子「和也!」
伸生「和也! 和也!」
鳥を手当てする恵文とハナ
恵文「うん そこんとこは ええ。」
ハナ「これで いい?」
恵文「はい よし。 よしよしよし。」
恵達「姉え姉え。」
恵里「ん?」
恵達「元気だせ。」
恵里「ありがとう。」
勝子「申し訳ありません。」
和也「恵里は 大丈夫だったの?」
勝子「うん ありがとうねぇ 落ちて 頭でも 打ったら どんなになってたか 分からないもの。 和也君 本当に ありがとうね。 命の恩人だね 恵里の…。」
伸生「スゴイなあ お兄ちゃん。」
文也「うん。」
伸生「偉いぞ 和也。」
和也「うん 僕が 恵里を救ったんだね?」
伸生「ああ。」
文也「カッコよかったさ 兄貴。」
伸生「なんだ 言葉遣いまで 島の子供みたいになったな 文也。」
夕食
伸生「これは コンブですか?」
ハナ「コブイリチ…。」
勝子「おばぁが 作ったんです。」
伸生「ほう。 うん うまい。」
和也「これも おいしいよ。」
伸生「これは ゴーヤ。 ニガウリだろ?」
文也「なんだ 知ってるのか。」
和也「ねえ 明日 浜に行こう。」
伸生「ああ 行こう。」
文也「こんな大きいカニが いるんだよ。」
伸生「へえ。」
恵里「おばさん? 本当に ごめんなさい。」
静子「もう いいの。」
勝子「恵里 和也君は 元気になったけど まだ やっぱり 病気だからね。 あんまり ムチャさせたら 駄目よ。」
恵里「うん。 まだ 病気? 和也君。」
和也「まだ… 少しな。」
恵里「きっと 治ってしまうさぁ ここにいれば… ね。 八重山の太陽にあたって 海のにおいをかいでいれば 病気なんか 治ってしまうさぁ 絶対さぁ。」
和也「うん。」
静子「やめて! そういうの…。」