2001年5月23日放送の【 連続テレビ小説「ちゅらさん」】45話のネタバレです。
現在は(2020年11月現在)NHKオンデマンドでも視聴可能です。
あらすじ
突然、父・恵文が一風館にやってきました。恵里が心配で見に来たというのです。弟・恵達と恵文の歓迎会が開かれようとしていた夜、母・勝子まで現れました。翌日、古波蔵(こはぐら)家の主催で一風館の住人を招待して、恵里の誕生会が開かれました。「子どもたちは古波蔵家の宝物、よろしくお願いいたします」と頭を下げる両親に心を打たれ、恵里は恵文の三線(さんしん)に合わせて、琉球舞踊を披露します。
45話ネタバレ
連続テレビ小説 ちゅらさん 第45回 「東京ゆんたく」
いよいよ 『ゆがふ』の ランチタイムが 始まりました。
お客さんが 来てくれるかねぇ? 恵里は 期待と不安でいっぱい…
恵里「あ! いらっしゃいませ!」
黒島「すみませんでした!」
兼城「どうした?」
黒島「え? あの…。」
恵里「どうしたんですか?」
黒島「はい あの…。」
兼城「とにかく こっち来て 座りなさい。 きみ 名前は?」
黒島「黒島です。」
恵里「黒島さん? ひょっとして 八重山の人ですか。」
黒島「ええ まあ…。」
恵里「うわぁ うれしい! お客さん第1号ですよ 黒島さんが。 今日から ランチタイム始めたんです。 始めるきっかけは 黒島さんです。」
黒島「俺?」
恵里「そうですよ。 私の作った料理『おいしい』って 食べてくれて 涙 流してくれて…。 私 それが うれしくて 店長にお願いして…。 食べてって下さい。 何にします?」
黒島「あ いや…。」
恵文「恵里 この人は 何か話したい事が…。 聞いてあげよう。」
兼城「そうだね どうした? 言って…。」
黒島「あの…。 申し訳ありませんでした。」
恵里「どうしたんですか?」
黒島「あの…。」
恵里「それ…。 まさか…。」
黒島「申し訳ありませんでした 俺 西新宿の小さな町工場で 働いてたんですが 工場 地上げに遇って なくなってしまって。 金も仕事もなくて ブラブラ歩いてたら 自転車が止まっていて そこに これが置いてあって」
黒島「周りに 誰もいなくて 自分でも よく分からないけど 手が伸びてしまって…。 でも カバン開けたら 沖縄料理『ゆがふ』って 書いてあって『なんて事をしてしまった』と 思って…。それで…。 何度も 言いだそうと… でも 言いだせなくて…。」
黒島「でも 手は つけてません。 俺 死んだ おばぁに 子供のころから 言われていて 『何をやってもいいけど 一緒にお墓に入れなくなるような ことだけは するなよ』って…。 これ 使ってしまったら お墓に 入れなくなるかも と思って…。」
兼城「ふざけるな! ふざけちゃダメさ。 お金使わないから いいってもんじゃないよ! この子が どんな思いしたと思う? お金が なくなって。 沖縄から東京に出てきて すぐ 止めた自転車から お金が なくなって どんな思いで いたと思うのか!」
兼城「この子はね 『働いて返させて』と 俺に 頼んだんだよ。 え! 今日まで どんな思いしてると思うのか?! 何よりも 俺は 同じ沖縄の人間が 恵里ちゃんを悲しませたことが 本当に 許せないよ!」
黒島「申し訳ありません!」
恵文「黒島君とか言ったねぇ?」
黒島「はい。」
恵文「それは あれだね 神様が そうしてくれたんだね。 あんた まじめな青年に見えるさ。 きっと こんな事やったのは 初めてだったでしょう?」
恵文「それが 沖縄料理屋だったのは 神様が あんたを 止めてくれたんだよ。 いや 神様じゃなくて あんたの おばぁかもしれないね。『このままじゃ 一緒に お墓に 入れないぞ』ってさ…。」
黒島「警察に 行ってきます。」
恵里「ウソだったんですね?」
黒島「え?」
恵里「私の作った料理 おししいって 涙 流してくれたの。 ウソだったんですね? そうですよね ウソだった…。 いや ウソっていうか 悪いと 思って そう言ってくれたでしょ。 調子に乗ってしまったかな 私。」
黒島「そんなことないです。 ウソじゃないです。 本当です。 あの… 俺 八重山の生まれだから あんたの料理は おいしかった。 懐かしい味がした。 島の 八重山の 太陽(てぃだ)の匂いがした。 だから 涙が出るぐらい おいしかったです。 本当です。 信じて下さい!」
兼城「恵里ちゃん 食べてもらったら? そうしなさい。」
恵里「そうですね。 黒島さん お客さん第1号になって下さい。 お願いします!」
黒島「いや でも…。」
恵里「チョット 待ってて下さいね。」
黒島「あの…。」
兼城「恵里ちゃんは お金の事 全然 怒ってないんだ 不思議な子だね。」
恵文「恵里は そういう子ですよ。」
兼城「黒島君 警察は やめとこうね。 きみが 警察に行ったら 俺まで 行かんとならんさ。 俺 苦手だからさ。 いや 別に悪い事は してないよ。」
黒島「でも…。」
恵文「いいさぁ それよりも これっきりじゃなくて 時々 この店に 顔 出しなさい。 元気でやってる事を見せにくる…。」
黒島「はい。」
恵文「うん。」
兼城「おとうさん。」
恵文「はい 何でしょうか?」
兼城「ここ 私の店なんですけど おいしいとこ 独り占めするの やめてもらえませんか?」
恵文「あれ… チョット カッコよすぎたかねぇ。 ごめん つい 地が出てしまうさぁ。」
兼城「いや カッコいいとは ひと言も…。」
恵文「ハハハハハ ありがとう。 いや 褒めてないって。」
料理が完成する
恵里「どうですか…?」
黒島「おいしいです。」
恵里「よかったぁ!」
恵達「でも なんか おいしいとしか言えないでしょね。」
恵文「そうだよねぇ 今『おいしくない』とは 言えないよねぇ。」
恵里「そうか…。」
黒島「いや 本当です 本当に おいしい!」
恵文「そう? じゃ 恵里さん 私にも 八重山の太陽に匂いのする料理。」
恵里「お金 払ってね。」
恵文「え? 何でよ?」
恵里「当たり前さぁ。」
恵文「じゃ 一番安いの お願いします。」
恵達「俺も!」
恵里「かしこまりました。 少々 お待ち下さいませ。」
(戸が開く)
柴田「は~っ!」
恵里「柴田さ~ん。」
柴田「あんまり 時間がないんです 会社 遠いもんで…。 あの 後輩 連れてきました。 駅から 走ってきたから…。」
恵里「どうぞ どうぞ!」
柴田「お前ら 座れ。」
兼城「忙しくなってきたね。」
恵里「はい!」
恵達「身内だけじゃなぁ。」
(戸が開く)
OL「いいですか?」
恵里「いらっしゃいませ!」
恵文「ウェルカムです! 席へ どうぞ。」
兼城「だから 俺の店だってば。」
恵文「いいから いいから。メニューを。」
恵里「はい どうぞ。 メニューです。」
沖縄
古波蔵家
勝子「じゃ これ 今月分ね。」
島袋「はい 確かに。」
勝子「遅くなって ごめんね 島袋君。」
島袋「いえいえ 全然 気にしないで…。」
ハナ「そうね!」
島袋「少しは 気にして下さいね。 ダメさぁ おばぁは。」
勝子「はい これ パパイアイリチー 食べてって。」
島袋「ありがとうございます。 頂きま~す。」
勝子「パパイアを 野菜や カモボコと一緒に いためたの。」
島袋「おいしいですねぇ。 でも あれですねぇ。 何? なんか 私が 伺うたびに 古波蔵家は 一人ずつ減ってる?」
勝子「ああ 本当ねぇ。」
ハナ「そのうち 来ても 誰もいないかもしれないよ。」
島袋「え?」
勝子「そんなことないよ。」
島袋「はあ… でも 旦那さんは いつ お帰りになるんですか?」
勝子「さあねぇ。」
島袋「東京は 誘惑が多いからなぁ」
ハナ「あの男は 誘惑に弱いからねぇ。」
島袋「もしもし? 奥さん。 もしもし? 何か?」
勝子「どいて! おかあさん これ!」
ハナ「何?」
勝子「これです!」
ハナ「これだね。 勝子さん 行くよ。」
勝子「はい、。 …はい。」
島袋「あれ? あれ?」
勝子「行こう!」
島袋「どこに どこに行くんですか? これ もったいない…。」
福引
係員「はい 4等賞 ポケットティッシュ。 」
係員「はい 4等賞 ポケットティッシュ。ありがとうございました。 はい 次の方。 なんか 怖いねぇ。 引換券を どうぞ。」
勝子「よろしく!」
係員「はい 1回ね。」
勝子「ほ~う!」
(ハナの念じる声)
勝子「ほっ!」
係員「おっ! はい おめでとうございます! 赤の玉は 3等 黒砂糖です! はい どうぞ。」
勝子「しまった…。」
係員「あれあれ? そんなに 落ち込まなくてもねぇ。 はい 次の方 どうぞ。」
ハナ「待って!」
係員「え?」
空から引換券が降ってくるw
ハナ「1回だねぇ。」
係員「はい。」
勝子「は~っ!」
東京
一風館
みづえ「何だか 楽しくなったわね 人数が増えて…。」
恵文「ありがとうございます。」
恵里「すみません ホントに 余計なのが。」
恵文「恵達。」
恵達「俺かよ?」
容子「おいしそうねぇ。」
柴田「これ 何ですか?」
みづえ「ギリシャ料理 スブラキ。」
恵文「へえ ギリシャ料理ですか? すごいね。」
容子「レパートリー広いのねぇ みづえさん。 そうよ 広いのよ。」
真理亜「何でもいいから さっさと 食べようよ。」
恵文「ああ 柴田君 柴田君 ここへ 座りなさい。」
柴田「え?」
恵文「ここ。」
柴田「どうも…。」
恵文「どういたしまして…・」
恵里「お父さん。」
恵文「何よ?」
恵達「容子さん すみません ホントに。」
容子「いえいえ ハハハハ。」
恵文「ハハハハ ホントに 東京は 楽しいねぇ。 もう ず~っと いちゃおうかね。」
恵里「まったく…。 あ お母さんだ。」
恵文「何を言うか 恵里。 やめなさい そういう冗談を言うのは。 ねえ 容子さん。」
容子「ハハハハ。」
真理亜「いいから 早くしようよ。」
みづえ「じゃ どうぞ 食べて下さい。」
恵達「あ お母さん…。」
恵文「恵達まで いいかげんにしなさい!」
恵里「ホントだ。」
恵文「まだ言ってるから まったく。(驚く恵文w)」
勝子「こんばんは。」
恵里「どうしたの? お母さん。」
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