2001年6月1日放送の【 連続テレビ小説「ちゅらさん」】53話のネタバレです。
現在は(2020年12月現在)NHKオンデマンドでも視聴可能です。
あらすじ
恵里はバイト先の「ゆがふ」で、自分が提案したランチ作りに精を出します。雑誌にも掲載されて店は大繁盛しますが、常連客からは心安らぐ場所ではなくなったと反発されます。そのため、店を紹介するテレビの生放送で、恵里はランチを止めると宣言します。落ち込んでいたその日の夜、一風館に大音量が鳴り響きました。肺炎をこじらせた島田がヘッドフォンを耳に当てたまま部屋で倒れていました。恵里は親身になって世話をやきます。
53話ネタバレ
連続テレビ小説 ちゅらさん 第53回 「暁(あかちち)のアリア」
一風館
ブルウマウンテン
恵里「島田さん! いるんでしょう? 開けて下さい! 開けないとドアを 壊しますからね! 薬 もらってきてますから 開けて下さい! 開けなさい! 開けろ!」
(ドアが開く)
島田「あ 何?」
恵里「『何』って 島田さん 大丈夫ですか?」
島田「何が?」
恵里「『何が』って 体に 決まってるでしょ?」
島田「大丈夫だから こうして 帰ってきたんだよ。」
恵里「大丈夫じゃないですよ。 『まだ 安静にしてなきゃいけない』って 病院の人も…。」
島田「自分の体の事は 自分が 一番よく 分かってるからね。」
みづえ「まあ そうね。」
島田「じゃ…。」
恵里「そんな…。」
容子「島田さん その言い方はないわよ。」
島田「え?」
容子「どんな騒ぎになったと 思ってるの? 夜中に 突然 大音響で オペラ流れてさ 大変だったんだよ。」
島田「いやいや。」
容子「恵里ちゃんが 一緒に 救急車乗って 付き添ってた。 それなのに なんなのかな その言い方。」
恵里「何で 島田さん 黙って 帰ってしまったんですか?」
島田「だから 大丈夫だったから あれ以上 病院にいる必要はない。」
恵里「『必要ない』って そんな… じゃ 何で 私に黙って帰った?」
島田「きみは あの時…。」
恵里「何ですか?」
島田「よく 寝てたんだ。」
容子「チョット… ホントに 怒るわよ。 何なの その言い方。」
島田「いやいや どう言ったらいいんだろ 確かに あんな音を出して 迷惑をかけたの 悪かったよ 謝ります。 どうも…。 ただね それから後のことは あなたたちが勝手にやったことだ。」
恵里「え?」
容子「勝手に? チョット!」
恵里「チョット 容子さん 駄目です。 病人なんですから 島田さんは…。」
容子「ムカツク~! 全く!」
恵里「とにかく安静にしてないと…。 それから これが 病院からの お薬です。 この白いのがね…。」
島田「分かった ACEか…。 これは 要らん。 どうもありがとう。 お金は 後で払うから。 それじゃ どうも。」
恵里「チョット 島田さん。」
ドアを閉めてしまう島田
容子「はあ 何なの あれ…。 ああ 私 会社行かないと…。」
みづえ「ああ…。」
容子「じゃあね。」
恵里「行ってらっしゃい。」
みづえ「行ってらっしゃい。 ご苦労さん。」
恵里「「(ため息)」
グアテマラ
恵里「どう思います? 真理亜さん。」
真理亜「(あくび)」
恵里「でも 病気の人を ほっとけないですよねぇ。 そう 病気の時って ホラ わがままになったり しますよね。 そうですよね?」
眠気で首を縦にふる真理亜w
恵里「そうですね 分かりました。 ありがとうございました。
沖縄
古波蔵家
ハナ「恵達。 お前 ずっと こっちに いるの? あきらめたの? 東京は。」
恵達「違うよ 金なくなったから 今度は 東京に行く金 貯めてるの。」
ハナ「ああ そうねぇ。」
勝子「大変だねぇ。」
恵達「まあね。」
恵文「ま ゆっくり やりなさい。」
恵達「嫌だ 全力で バイトしてますから。」
ハナ「ん?」
恵文「鳴るか? 恵里かね?」
うなずくハナ
恵文「もしもし? …あ 恵里! お父さんだよ。 見たさ テレビ。 ん?」
東京
一風館
マンデリン
恵里「ごめん お父さん 時間ない訳。 おばぁに 代わってくれる?」
沖縄
古波蔵家
恵文「はい じゃ 代わろうねぇ。」
勝子「私?」
恵文「おばぁ。」
ハナ「おばぁか 人気者は つらいね。」
勝子「何だって?」
恵文「さぁね。」
ハナ「もしもし? はい おばぁだよ。」
東京
一風館
マンデリン
恵里「あ おばぁ? あのさ いかすみ汁の作り方 教えて。」
沖縄
古波蔵家
ハナ「ああ また 食べ物の作り方か。 お昼の営業 やめたんでしょ?」
恵里「☎『そうじゃないさぁ。 病気の人に 作ってあげたいわけ。』」
ハナ「ああ 病気に人に? それなら イラブーの方がいいと思うけどねぇ。」
東京
一風館
マンデリン
恵里「イラブーは売ってないさ おばぁ こっちには。 『ゆがふ』でも 扱ってねいし それに 東京の初めての人に あれは きついさぁ。 え? 山羊汁? 山羊は もっとダメさ。 あんなの 売ってないよ。」
恵里「え? 動物園に? そりゃ いるかもしれないけど もう おばぁ 早くして。 うん… ああ そうかそうか うん。 ああ はいはい うん…。 分かった やってみる。 ありがとう おばぁ じゃあね。」
沖縄
古波蔵家
勝子「あ~!」
ハナ「恵里が 切ってしまったさぁ。」
勝子「いえ いいんです。」
恵文「勝子 いつもの私の気持 分かった?」
勝子「誰が 病気なのかしらねぇ? 容子さんかしらね。」
恵文「え?」
東京
一風館
マンデリン
恵里「よしよし。 あ 聞いてなかった。」
北栄総合病院
看護婦「お電話です。」
聡子「お電話 代わりました。 …はい? ああ あなたねぇ。 …え? 食事?」
一風館
恵里「☎『はい。 …え? 今日は まだ…。 いかすみ汁は 無理ですか? …ああ そうですか 分かりました。 ありがとうございました。』 なんだ~。 ん?」
北栄総合病院
看護婦「下柳さん。」
聡子「はい?」
看護婦「古波蔵さんから電話です。」
聡子「また? …はい もしもし?」
一風館
恵里「☎『あ すみません じゃ 今日は 何を食べさせたらいいですか? …ああ なるほど。 野菜中心の あっさりしたもの。 …ああ はい 分かりました。 ありがとうございました。』」
北栄総合病院
聡子「(ため息)一ぺんに聞けっての ホントに。」
(電話の呼び鈴)
聡子「はい もしもし? …また あんた?」
一風館
恵里「すみません いつごろから 食事は… ああ なるほど はい 分かりました。」
北栄総合病院
聡子「「チョット 待って 切らないで! もうない? よく考えて。」
一風館
恵里「…う~ん ないです。 また 何かあったら 電話させて いただきます。 ありがとうございました。」
北栄総合病院
聡子「☎『いや だから…。』 変な子…。」
一風館
グアテマラ
恵里「いかすみ汁 作ったんですけど 島田さん まだ 食べられない。 だから 食べて下さい。 おいしいですから ね。 ここに 置いておきますからね。 じゃ 私 仕事なんで。」
真理亜「うううう~ う~。 もう 何なのよ… う~。 もう… 眠いのに…。 エヘヘヘ…。 おいしい。」
ブルウマウンテン
恵里「島田さん 私 仕事に行きますが 今日は お食事は まだだそうです だから ここに 温かいアーサー汁 置いときますから 飲んで下さい。 じゃ 私 行きますからね。 もう 誰も 見てませんからねぇ。」
恵里「し~っ!」
みづえ「何してるの?」
恵里「し~っ!」
みづえ「かくれんぼ?」
恵里「違いますよ。 今 あそこに アーサー汁を 置いたんですよ。 しばらくしたら ドアが開いて 取りにくるかなぁと 思って。」
みづえ「なんか 開かないわね。」
恵里「そうですね。 あ じゃ 私 仕事に 行ってきます。」
みづえ「行ってらっしゃい。」
ゆがふ
兼城「へえ そうかぁ。 年寄りの独り暮らしというのは 大変だねぇ。」
恵里「そうですよねぇ。 なんか 最近 思うんですけど 東京では お年より なんていうか おとなしいですね。」
兼城「うん そうかもねえ。」
恵里「沖縄じゃ うちなんか おばぁが 一番偉いっていうか いばってる。」
兼城「沖縄のおばぁは また 特別さ。」
恵里「そうですかねぇ。」
兼城「うん。」
恵里「でも また あっという間に 前の『ゆがふ』に 戻ってしまいましたね。」
兼城「うん ま 金持ちには なれない 運命かもね。 ハハハ。」
(戸が開く)
兼城「いらっしゃい。 容子さん『ようこそ』なんて…。」
容子「ハハハ どうも。」
柴田「あの 僕も いますけど。」
兼城「見えてるから 適当に その辺に 座りなさい。」
容子「どうしたの? 恵里ちゃん。」
柴田「どうかしたんですか?」
恵里「2人とも 同じアパートで 病気の人が いるんですよ。 こんなとこで 寄り道してて いいんですか?」
容子「え? いいのよ ほっとけば あのオヤジ…。」
柴田「そうですよ。 容子さんから 聞きましたけど 恵里さんは 立派に やるべき事 やってますよ。 後は もう…。」
恵里「冷たいですねぇ。」
容子「そう言われちゃうと なんかねぇ。」
柴田「ねえ ねえ。」
兼城「じゃ こうしよう。 暇だから 店は 彼に手伝ってもらうんで 恵里ちゃんは その人の所に行ってあげなさい。」
柴田「は?」
恵里「え? いいんですか?」
容子「私は?」
兼城「容子さんは ここに いて頂くだけで OK!」
恵里「じゃ そうさしてもらいます。」
一風館
ブルウマウンテン
恵里「おじぃ…。」
島田さんも 大変なのに つかまったようだねぇ。 こういう時の恵里は 手ごわいよ。 おばぁでも かなわんさ。 そして 皆様 見てやって下さい。 この恵里の 生き生きとした顔を。 いい顔を しているねぇ
翌日
(ノック)
恵里「島田さん! おはようございます!」
(ノック)
恵里「島田さん! 朝食ですよ! 島田さん!」
(ドアが開く)
島田「もう いいかげんに してくれよ。」
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