2001年6月7日放送の【 連続テレビ小説「ちゅらさん」】58話のネタバレです。
現在は(2020年11月現在)NHKオンデマンドでも視聴可能です。
あらすじ
連日、病院のナースステーションに出向き、看護師の聡子に教わりながら、島田を看護する恵里。ある日、退院する子どもを笑顔で見送る看護師たちの姿に心を打たれ、看護師になろうと決意します。少女の頃、小浜島で和也の死に接したことや「命は宝(ぬちどぅたから)」というおばぁの言葉を思い出し、天職を得た気持ちでした。看護大学受験という人生の方向が見え始めたとき、恵里は大学病院の廊下で大人になった文也と再会します。
58話ネタバレ
連続テレビ小説 ちゅらさん 第58回 「太陽(てぃだ)、見つけた!」
古波蔵家
恵文「恵達も また いなくなって 平均年齢が上がったさ 古波蔵家。」
勝子「そうですね。」
ハナ「悪かったね。 もう一人 子供つくったらどうね?」
勝子「え?」
恵文「そうだね… え?!」
勝子「やだ? 何を言ってるんですか? ハハハ…。」
ハナ「鳴るよ! 恵達だね?」
勝子「もしもし…。 恵達!」
東京
一風館
恵達「あのさ 姉え姉えなんだけど。」
沖縄
古波蔵家
勝子「恵里が どうしたの? え? 看護婦さんになる?」
恵文「あきさみよ?」
勝子「どういう事? 何? 何があったの?」
東京
一風館
恵達「俺も よく分からんけど 突然 目覚めてしまったらしい。 すごく 1人で盛り上がって ああなったら どうしようもない。 俺は 一応 『冷静になろう』って 言ったからね。 後で『何で あんたがついてて』とか 言わないでよ! じゃあね!」
沖縄
古波蔵家
恵文「何? どういう事? 看護婦さんになるの? 恵里が?」
勝子「分からないさ でも 何だか 1人で 盛り上がってるらしいよ。」
恵文「また 突然だね 恵里は いつも。」
勝子「ホント。」
恵文「やはり 行った方がいいのでは?」
勝子「こないだ 行ったばっかりだよ!」
恵文「そうだけど。」
ハナ「今度は 誰の番か 分かってるね?」
恵文「え?」
勝子「おかあさん?」
ハナ「トゥヒャグヮ~!」
恵文「行くの?」
ハナ「トイレさ。」
恵文「何か それは? 紛らわしい。」
ハナ「行くのは まだ 早いさ フフフ…。 山は動いたねえ。」
恵文「どういう意味かね? 今の。」
勝子「さあ 分からないよ。 電話が鳴るのが分かる人だからね。」
恵文「そうだねえ。 でも 看護婦さんになるなら 沖縄に帰ってくるのでは?」
勝子「何で?」
恵文「看護婦さんなら沖縄でも出来るよ。」
勝子「ああ そうか!」
恵文「きっと帰ってくるさ そうだよ! 知り合いの お医者さんに お願いしてこようかね!」
勝子「文ちゃん! ちゃんと 恵里に 聞いてからじゃないと! あ…!」
その場を去る恵文
勝子「多分 それは ないと思うよ。」
東京
喫茶店
恵里「すごいですね 朝から。」
聡子「夜勤明けだから 私にとっては ディナーなわけ 分かる?」
恵里「なるほど。」
聡子「仕事が終わって ビール飲んで おいしい物 食べて 帰って寝る。 いいでしょ?」
恵里「いいと思います。」
聡子「でも 朝とか昼間に 1人で これを やってると 変な目で見られるの。」
恵里「ああ…。」
聡子「大抵は 疲れちゃって 何も食べず 帰って バッタリ寝ちゃうのよね。 それで おなかすいて 起きるのよ。 あの時の気分は情けないわ。」
恵里「あ… お一人なんですか?」
聡子「何で?」
恵里「何となく。」
聡子「皆 そうなのよね。 普通『ご結婚は?』と聞くでしょ? 何で 私の時だけ『お一人ですか?』なの? なんで?」
恵里「すみません。」
聡子「まぁ いいけど。 実際 1人だから。 あ ビリカラチョリソを 1つ。」
店員「はい。」
聡子「それはそうと あんた 本気なの?」
恵里「はい。 もちろん 本気です。」
聡子「大変な仕事だよ。」
恵里「分かってるつもりです。」
聡子「『分かってるつもりです。』? 何を言ってんの。 冗談じゃないわよ! そういう生意気 言わないで!」
恵里「え?!」
聡子「どんな仕事か あんたに 分かってる訳 ないでしょう! そういう 分かったような事を 言われると 頭くるのよ。 ホント。」
恵里「すみません。 すみません 本当に。」
聡子「ごめん! ちょっと きつかったかな?」
聡子「仕事自体が どんなに大変なのかは 口で言われても 分からないのよ。実際やってみないと。 あなたが 本気で やる気があって 学校に入ったとしたら システムとか 分かってる?」
恵里「はい さっき。」
聡子「『さっき』?」
恵里「あ! すみません。」
聡子「学校に入ったら 嫌というほど 教わるから 私は やめとく。」
恵里「はい。」
聡子「それよりも 女としてどうなのかを 教えてあげるね。 いい?」
恵里「はい。」
聡子「恋愛! 難しいわよ!」
恵里「え?」
聡子「普通の人と恋愛しても 時間が 合わないのよ。 変な時間が 休みで。 最初は 無理して 夜勤明けなのに 昼間から 映画なんか見にいって 気合入るの。」
聡子「つきあい始めの頃。 それで 恋愛映画 見ながら ガ~ッと 寝ちゃったりするのよ。 『無理しなくて いいよ』とか 言われるんだけど こっちが無理しないと つきあえないでしょ!」
恵里「はあ…。」
聡子「うまくいかなくなる事が多い。 でさ…。 いつでも会えるとかいう ロクでもない男に引っかかる。 いつでも会えるって事は 何も してなかったりするわけ。」
恵里「はあ。」
聡子「あと 性格 悪くなるかも。」
恵里「『性格』? 何でですか?」
聡子「全員とは言わないけど この仕事は 人に奉仕するというか 優しくするというか その気持ちが無いと できない。」
恵里「はい。」
聡子「でも 愛と奉仕の精神だけでは 実際に やっていけない。 分かる。」
恵里「はあ。」
聡子「あと スタイル悪くなる。 足 太くなるしね。 夜勤 続くと 体に よくないさそうな物ばかり 食べたくなるのよ。 お菓子とか。 仕事 大変なのに 太るというのは 悲しいよ。」
恵里「それ 皆 ご自分の事ですか?」
聡子「そうよ。 それからね。」
恵里「まだ あるんですか?」
聡子「あるわよ! 山ほど。 白衣が 一番 似合う人になるのよ。」
恵里「どういう意味ですか?」
聡子「つまり 私服が だんだん いいかげんに なったりするのね。 白衣って 結構 かわいいでしょ?」
恵里「ええ。」
聡子「男の患者さんに メチャクチャ もてるわけよ。 彼らにすれば 普通の暮らしの中で 女性に優しくされていない。 文字通り 私達が 天使に見えるらしい。」
聡子「結構 こっちも その気になって 偶然 外で 会ったりするでしょ? 退院した後とかに。 すると 向こうが 分からないのよ。 私の顔見て 『え?』『誰?』って 顔してるの。 名前言うと びっくりするの 明らかに がっかりしてる訳よ。」
恵里「ええ。」
聡子「よく スキー場で出会った 格好いいと思った男が 東京で会ったら『何だ こんなイモを 格好いいと 思ってしまったの?』というのが よく あるでしょ?」
店員「焼酎 梅割りです。」
聡子「ありがとう。」
聡子「どう? 嫌になった?」
恵里「え?」
聡子「ん?」
恵里「なってませんよ。」
聡子「何で?」
恵里「なってません。」
聡子「手ごわいわね。」
恵里「は?」
聡子「何でもない。」
恵里「質問していいですか?」
聡子「どうぞ。」
恵里「それなのに なんで看護婦の仕事を 続けてらっしゃるんですか?」
聡子「え?」
恵里「どうしてですか? 教えて下さい。」
聡子「何でだろう? 何でだろうね?」
恵里「質問してるのは 私ですから。」
聡子「そうでした。 すみません。 やはり あれかな?」
恵里「何ですか?」
聡子「それでも 辞めないのは 喜びが あるからかな?」
恵里「そうですか! よかった! お話聞けて。 本当に ありがとうございます!」
聡子「いえいえ どういたしまして。 ん? 私 機関銃 撃ちまくったのに 一発で 撃たれて死んだ気分よ。」
恵里「はい?」
聡子「ま いいか!」
恵里「本当に ありがとうございました。 私もおなかすいてきた。 食べよう。」
聡子「食べなさいよ おごってあげる。」
恵里「え? 本当ですか! うれしいな!」
聡子「私 ペースに巻き込まれた 気がするな。」
恵里「え?」
聡子「なんでもない。 気にしないで。 好きな物 選んで。」
恵里「本当ですか! 何にしよう。 私… 遠慮しませんよ。 迷ってしまう。」
会計中の文也と遥
遥「まだ 大丈夫だよね 生物学。」
文也「ああ。」
店員「1200円になります。」
恵里 何をしてるか! 悩んでいる場合じゃないよ!
恵里「この ジャンボハンバーグにします。」
ホラ 後ろ向きなさい 恵里!
ゆがふ
兼城「え? 看護婦に?」
恵里「はい なるんです!」
兼城「そうねぇ 波乱万丈だね 恵里ちゃんも!」
恵里「でも 店長 心配しないで下さいね『ゆがふ』の仕事も 続けますから。」
兼城「大丈夫なの?」
恵里「任せて下さい。 キーワードは 笑顔です。」
兼城「は?」
恵里「大変な勉強 必要なんですよ。 見て下さい。 ホラ!」
兼城「どれどれ。 何か 難しそうだね?」
恵里「ええ 頑張らないと。」
兼城「しょうがないよね。 人に命を預かる仕事なのに 簡単に なられても困るさ。」
恵里「そうですよね。 うん そうですね!」
公園
恵里「あ… 島田さん!」
島田「ああ。 仕事 終わった?」
恵里「はい。 これ 今日 買ってきたんですよ。 大変な勉強ですよね。 根性を出さないと 合格できませんよね。 何て言っていいか分かりませんが やはり 島田さんのお陰です。 ありがとうございました。」
島田「恵里ちゃん。」
恵里「はい。」
島田「年寄りの意見 聞く気あるかい?」
恵里「もちろんですよ。 子供の頃から 何かあると 必ず おばぁに相談してました 私は。」
島田「そう。」
恵里「はい 何でしょう?」
島田「私は 反対だな。」
恵里「え?」
島田「恵里ちゃんが看護婦になるって事。 私は 反対だ。」
恵里「どうしてですか?」
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