ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「ちゅらさん」69話「恋しくて肝(ちむ)どんどん」ネタバレ

2001年6月20日放送の【 連続テレビ小説「ちゅらさん」】69話のネタバレです。

現在は(2020年12月現在)NHKオンデマンドでも視聴可能です。

あらすじ

4年後、恵里は看護大学を卒業し、一風館に戻ってきました。聡子が看護師長を務める総合病院に就職しますが、そこには研修医として文也も勤務していました。看護師研修で失敗続きの恵里を文也が慰め、担当の少年の死を嘆く文也を恵里が元気づける日々でした。心優しい恵里に、文也は医者をめざした理由を話します。文也には彼女がいると知りながら、子どもの頃以上に思いを募らせ、心では泣きながらも笑顔を絶やさない恵里でした。

69話ネタバレ

連続テレビ小説「ちゅらさん」69話「恋しくて肝(ちむ)どんどん」ネタバレ

北栄総合病院

文也「医者も看護婦も 一緒だと思うよ。 現場は やっぱり 学校とは 全然 違うよね。 俺なんかも 結局 まだ 何も出来ないよ。」

恵里「文也君も?」

文也「うん。全然。 でも それは しかたないと思う。 何年か 学校で勉強してきただけの 人間が すぐに出来るほど 簡単な仕事じゃないって事だろ? それだけ すごい仕事に 就いたって事だろ? それを誇りに思わなくちゃ…。 違う?」

恵里「そうか… そうだよね。 そうだよねぇ。 そう考えれば 出来なくてもしょうがないよね。」

文也「いや しょうがなくは ないけどさ。」

恵里「あ! そっか。」

一風館

恵里「おはようございます! 徹夜ですか? 大変ですねぇ。 頑張って下さいねぇ。」

真理亜「いやに元気ね。 ヘロヘロだったのに?」

恵里「何言ってんですか 元気ですよ 私。」

真理亜「何で?」

恵里「知りたいですか?実はですね…。」

真理亜「やっぱ いいや。 朝から 頭 痛くなりたくないし。」

恵里「ん?」

真理亜「あのさ あんたさ…。 あの… どうせ あんたの事だから 『病気の人に 私の元気を 分けてあげたいわ』とか何とか 思ってんでしょう?」

恵里「はい そうです。 よく分かりますね やっぱ 作家さんは 違いますね。」

真理亜「やっぱりね。」

恵里「ダメですか?」

真理亜「だからね 私は 今 肉体的にも 精神的にも とても弱ってるわけ。」

恵里「はい 大丈夫ですか?」

真理亜「大丈夫よ それは いいのよ。 私が言いたいのはね そういう時に あんたみたいに元気なの見ると うっとうしいのよ 分かる?」

恵里「そうなんですか?」

真理亜「弱ってる時にね 余り元気すぎる人間 見るとね うっとうしかったり なんか 腹立ったりするのよ。 分かる?」

恵里「はあ… そうなんですか…。」

真理亜「そうよ。」

恵里「分かりました! ありがとうございました! じゃ 行ってきます!」

真理亜「だから… 全然 分かってないの! ああ… すごく 疲れた~。」

マンデリン

(目覚まし時計のベル)

恵達「だから 止めてけって いうのに もう…。」

恵達「起きてしまったさ もう…。 ロックに 早起きは 似合わないけど。」

北栄総合病院
内科病棟

奈々子「おはようございます。」

恵里「おはようございま~す。」

恵里は 元気でした。 少しでも つらい事や うまくいかない事があると 文也君に言ってもらった言葉を思い出して… 元気でした

奈々子「何?」

奈々子「はい 終わりましたよ~。」

恵里「あ それなら ビーチパーティーですよ。」

安藤「ビーチパーティーって ホントに 海辺で パーティーするの?」

恵里「そうですよ 楽しいですよ ステーキとか焼いたりして。 それにね ステーキが 安いんですよ。 だから いくら食べても 大丈夫ですよ。」

安藤「そっか~ 行きたいな 沖縄。 海か… もう一回 行きたいなぁ!」

恵里「何 言ってるんですか 安藤さん 退院したら 行けますよ。」

安藤「そうだね。」

恵里「あ その時は 教えて下さいね。 穴場のポイントとか 安くておいしいお店 紹介しますから。」

安藤「ありがとう。」

奈々子「(せきばらい)」

ナースステーション

奈々子「あのね。 入院してる患者さんに ステーキの話とか するんじゃないの。 お肉が食べたくても 食べられない人も いるんだから。 そうでしょう。」

恵里「はい そうですね。 すみませんでした。 あの 佐々木さん。」

奈々子「何?」

恵里「佐々木さんのポケットの中って どうなってるんですか?」

奈々子「は?」

恵里「いや なんか いつでも 使う物が すぐ出てきて 『四次元ポケット』みたい。 私なんか いつも 一つ一つ 取りに行って。」

奈々子「要領が悪いだけ あんたの。」

恵里「すみません。 あ そうだ さっきの丸くなった はさみ 何で 丸くなってる…。」

奈々子「ああ これね。 ほら はさみって 患者さんの近くで使う事あるよね。」

奈々子「間違って 患者さんを傷つけたり しないようね 丸くなってるの。 それに これだと ポケットに入れて おいても 穴があく心配ないし。」

恵里「ほう なるほど…。」

奈々子「そんなこと 実習で 説明されたでしょ?」

恵里「すみません そういえば なお…。」

祥子「フフフ。」

奈々子「チョット 失礼。」

恵里「え どこ行くんですか? どこですか? 私も行きます。」

奈々子「トイレよ。」

恵里「そうですか。」

奈々子「ついてないわ 私…。」

恵里「あ 佐々木さん そのまま どこかに 行ってしまわないで下さいね。 一度 こちらに戻られてから 次の業務に一緒に行って下さい。」

奈々子「分かったわよ。」

恵里「お願いしま~す。 行ってらっしゃい。」

聡子「何 絶好調?」

恵里「そうでも ないんですけどね。 最初は なんか 全然 自分が 何も 出来なくて 落ち込んだりして…。 でも こう考える事にしたんです。『出来なくても 当たり前だ』って。 そんな簡単な仕事じゃないし それだけ すごい仕事な訳だから。」

聡子「へえ いいこと言うわね。 誰かの受け売りでしょ?」

恵里「え? 分かります?」

聡子「分かるわよ 誰?」

恵里「えっとですね ないしょです。」

聡子「ああ そう…。」

恵里「とにかく 今は 先輩から 出来るだけのものを学ぼうと 必死な訳です。」

聡子「佐々木さんも 大変だ。 えらいのに 捕まっちゃったよね。」

恵里「はい。 …え?」

内科病棟

祥子「あの 婦長。」

聡子「ん? どうした?」

祥子「あの 古波蔵さんって…。」

聡子「うん。」

祥子「何で めげないんでしょうか?」

聡子「さあ…。」

祥子「隠してるけど 実は なんか すごい 優秀とか…。」

聡子「全然 まったく そんなことないわ。」

祥子「そうですか すみませんでした。」

その場を後にする祥子

奈々子「下柳さん!」

聡子「何? 何?」

奈々子「何でですか? 何で 私? 何で 私? 何で 私?」

聡子「何が?」

奈々子「あの子ですよ 古波蔵恵里…。 何で 私なんですか? 何でですか 何でですか? もう一人の新人は 優秀で楽なのに 何で何で 私なんですか? 教えて下さい。」

聡子「え… いや やっぱり あなたかなと思ってね。」

奈々子「は? 何ですか?」

聡子「あの いろいろ考えたんだけどね 彼女と組むには 余り繊細で デリケートな人だと 無理だと思った。」

奈々子「はあ…。」

聡子「どっちかって言うと 何があっても こたえない。 そういう人がいいなと思ったの。 で 考えた結果 あなたしかいない。」

奈々子「はあ…。」

聡子「だから 決めたの。 という訳で よろしくね。」

奈々子「え… チョット…。」

聡子「肩凝りに気をつけてね。」

奈々子「え? ついてない…。」

ナースステーション

恵里「先輩 トイレ 長いねぇ。 何やってんだろ?」

恵里「あ どうかされました?」

奈々子「どうもしないわよ。 どんどん 行くわよ。」

恵里「はい!」

小児科病棟

(ノック)

文也「よっ!」

哲哉「こんにちは。」

文也「こんにちは。 どうだ? 調子は。」

哲哉「分かんない。」

文也「そっか…。 じゃ~ん 約束してたジグソーパズル。」

哲哉「あ サンキュー。」

文也「どういたしまして。 今度 一緒に作ろうな。」

哲哉「うん。 ねえ 先生。」

文也「『先生』は やめろって てれくさいからさ。 まだ一人前じゃないって言ったろ。」

哲哉「僕は… 死んじゃうの?」

文也「何で?」

哲哉「だって 皆 優しいしさ。 こないだ お母さん泣いてるの 見ちゃったんだ。 だから『そうなのかな』って…。」

文也「考えすぎだよ 治るって。」

哲哉「うん…。」

文也「哲哉はさ…。 俺の兄貴と 同じ病気なんだ。」

哲哉「先生のお兄さん?」

文也「ああ…。」

哲哉「その人 元気なの? 治ったの?」

文也「ああ 元気だよ。 もう すっかり治っちゃってさ ピンピンしてるよ。」

哲哉「本当に?」

文也「沖縄って 知ってるか?」

哲哉「うん。」

文也「沖縄にさ 小浜島っていう 小さな島が あってさ メチャクチャきれいな いい所なんだ。 そこに いるよ。 海が よく見える所に 住んでる。」

哲哉「へえ…。」

文也「だから つまんないこと 考えないで 先生と看護婦さんの言うこと 聞いてれば 元気になるから。 な。」

哲哉「うん 分かった。」

文也「また 様子 見にくるからさ。」

哲哉「はい。」

内科病棟

小児科病棟の方で文也を見かける恵里

恵里「文也君…。」

奈々子「チョット… 何やってんの?」

恵里「あ すみません。」

遥「小児科 行った時の子でしょ?」

文也「うん。」

遥「今は 私たちは特定の患者に かかわっても しょうがないよ。 まだ 何も出来ないし それよりは 早く 一人前になる方が 先決よ。」

文也「分かってる。」

遥「なんか… こんなふうに言うと 私『冷たい女』って感じだけど。」

文也「いや そんなこと ないよ。」

遥「それに 確か あの子って…。」

文也「もう やめよう その話は。 やめよう。」

遥「うん。」

奈々子「お食事です 大森さん。」

恵里「お待たせしました。」

恵里は思い出してしまいました。 文也君の あの悲しそうな表情を 『あの時の文也君と同じだ』恵里は そう思いました

回想

恵里「文也君…」

文也「ん?」

回想終了

恵里「これで 大丈夫ですか?」

ですが あの時と 違って 今の自分は 文也君に 何も してあげられない。 文也君には 遥さんという人が… それが 寂しくて 切なくて たまりませんでした

恵里「あ 私 沖縄の出身なんですけど…。」

ナースステーション

祥子「お願いします。」

看護婦「お疲れさま。」

祥子「はい。」

奈々子「まだ?」

恵里「あ はい すみません。」

看護婦「お疲れ…。」

奈々子 恵里「お疲れさまで~す。」

祥子「お疲れさまでした。」

奈々子「お疲れさま。」

恵里「お疲れさまでした。」

奈々子「私 やっぱり ついてないわ。」

恵里「すみません。」

奈々子「あ 言っとくけど 私が 意地悪な訳じゃないからね。 それ 分かってよね。」

恵里「すみません。」

退勤後

祥子「古波蔵さん。」

恵里「あ はい。」

祥子「話… あるんだけど。」

70話

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