2001年6月21日放送の【 連続テレビ小説「ちゅらさん」】70話のネタバレです。
現在は(2020年12月現在)NHKオンデマンドでも視聴可能です。
あらすじ
4年後、恵里は看護大学を卒業し、一風館に戻ってきました。聡子が看護師長を務める総合病院に就職しますが、そこには研修医として文也も勤務していました。看護師研修で失敗続きの恵里を文也が慰め、担当の少年の死を嘆く文也を恵里が元気づける日々でした。心優しい恵里に、文也は医者をめざした理由を話します。文也には彼女がいると知りながら、子どもの頃以上に思いを募らせ、心では泣きながらも笑顔を絶やさない恵里でした。
70話ネタバレ
連続テレビ小説「ちゅらさん」70話「恋しくて肝(ちむ)どんどん」ネタバレ
ゆがふ
恵里「どうも!」
2人「どうも!」
恵里「話って 何?」
祥子「…というか ここは何?」
恵里「私が バイトしてた店 いい店でしょ?」
祥子「はあ。」
兼城「どうも いい店の店長です。」
柴田「いい店の常連です!」
恵里「店長! そんなに見つめられると 話が出来ないので。」
兼城「あ そうだよね! どうぞ ごゆっくりね。」
柴田「やっぱり 僕もですよね?」
恵里「ごめんね。」
祥子「ううん。」
恵里「で?」
祥子「私 何ていうのかな…。 ずっと小学校の成績 オール『4』なの。」
恵里「へえ… え?」
祥子「古波蔵さんは どうだった?」
恵里「私? 私は ムラがあるっていうか バラバラ。 『5』もあったけどね 体育とか。 『1』とった事もある。 実は理科。」
祥子「うらやましいな そういうの。」
恵里「そう?」
祥子「古波蔵さん うらやましい。 失敗しても 全然 平気だし。」
恵里「ん?」
祥子「私は 絶対 失敗したくなくて 生きてるから だからオール『4』なの。 失敗したくないって気持が強く『2』とか『1』は とらないの。]
祥子「冒険しないから『5』もてれない。 それが オール『3』でなくて オール『4』というところは 自分で言うのもなんだけど偉いと…。」
恵里「うん! 偉いさ。」
祥子「でも 何か うらやましいの。 古波蔵さんみたいな人が。 何ていうのかな? 全身 隙だらけ 穴だらけっていうか…。]
祥子「どんな失敗しても よみがえる。 打たれ強いのか 鈍感なのか? 私だったら たった一回の失敗でダメになってしまうタイプなの。 ガラス細工のようなハートの持ち主なの。」
恵里「はあ…。」
祥子「それで… それで!」
恵里「はい。」
祥子「お願いがあるの。」
恵里「『お願い』?」
祥子「うん。 言いにくいんだけど。」
恵里「何? 言って!」
祥子「やっぱ 言いにくいな。」
恵里「十分 言いにくい事 言ってるよ。 さっきから。」
祥子「そうかな。」
恵里「うん… で? 何?」
祥子「あのね 古波蔵さん!」
恵里「はい。」
祥子「私と…。 友達になって下さい!」
恵里「は?」
柴田「びっくりした『つきあって下さい』と言うのかと! すみません。」
祥子「ダメ?」
恵里「もう お友達さ 祥子ちゃんとは。」
祥子「え? そうなの?」
恵里「そうさぁ! ねえ!」
兼城「そうねぇ。」
祥子「そうなんだ!」
恵里「今日 飲もう。 飲んでしまう?」
柴田「飲みましょう!」
祥子「でも 私 お酒…。」
恵里「飲めないの?」
祥子「すごく強いんです。」
恵里「ハハハ…。 飲もう!」
柴田「どうぞ はいはい!」
何か よく分からんけど また面白い友達が出来て よかったね。
恵里「かんぱ~い。」
スタジオ
その頃 我らが 恵達は どうしていたかというと
バンドを売り込むための『ガムテープ』作りに励んでおりました。
あ! 違った。『ガムテープ』ではなく『デモテープ』だったかね? まぁ いいさ。 おばぁには よく分からんね ロックの事はね
仲間1「いい曲になったよ 恵達。」
恵達「ありがとう。」
仲間2「後は どう売り込むかだ。」
仲間3「業界に いいコネ ないかな。」
回想
我那覇「いつか プロ目指す時 訪ねてみろ」
恵達「我那覇 猛」
我那覇「弟だ 音楽プロデューサーをやってる」
回想終了
恵達「この人は どうですかね? 僕のロックの先生の弟さんなんですけど。」
仲間2「え! 有名じゃん この人!」
恵達「え? そうなの?」
仲間1「新人のバンドとか 売り出してるよ。」
仲間3「知ってるなら 早く言えよ!」
恵達「すみません。」
仲間2「参ったな! ついに来るのかな? 俺達の時代!」
という訳で 古波蔵恵達 目下 絶好調のようです。 この後 恵達は 少し 困った事になるのですが それは おいおい 分かっていくからねぇ
北栄総合病院
ナースステーション
恵里「おはようございます!」
一同「おはよう!」
祥子「おはよう。」
恵里「今日も一日 頑張りましょう!」
聡子「古波蔵さん!」
恵里「はい!」
聡子「X-レイの大貫さんに 安藤さんのカルテ 届けてほしいの。」
恵里「はい 分かりました。」
聡子「分かるわよね? レントゲン室よ。」
恵里「オリエンテーションの時に 回りましたから。 じゃ 行ってきます。」
小児科病棟
文也「おはようございます。」
看護婦「どうしたんですか?」
文也「これ 哲哉君に。」
看護婦「え? ご存じないんですか?」
文也「何がですか?」
病室に入る文也
文也「そんな…。」
レントゲン室を捜す恵里
恵里「どこだっけ? いまだに 大きな建物は 苦手さ。 小児科?」
看護婦「上村先生。」
文也「何で? 何でだよ! 何で 死んじゃうんだよ! 何で? 何で 死んじゃうんだよ!」
遥「上村! どうしたの?」
文也「嫌だよ…。」
看護婦「先生 やめて下さい。 ほかの患者さんに 聞こえます。」
遥「もうやめよう ねえ。」
文也「僕は 死ぬのが嫌なんだよ!」
恵里「文也君…。」
文也「すみません。 すみませんでした。」
退勤後
文也「あ! 恵里。 ありがとう。」
恵里「うん。」
文也「なんか 恰好 悪いとこ 見せちゃったな。 兄貴とさ…。」
恵里「え?」
文也「兄貴と同じ病気だったんだ あの部屋に居た子。」
恵里「え?」
文也「だから ずっと 気になっててさ。 俺には どうしようもないけど。 あの後 看護婦さん達に メチャクチャ 怒られた。」
文也「『気持ちは 分かるけど 医者としては 最低だ』って。『近くの部屋の子供達の事を 考えろ』って。」
恵里「そうか。」
文也「最低だよね 確かに。」
恵里「そんな事ない! 最低なんかじゃないさ。 文也君。」
恵里「文也君。」
文也「ん?」
恵里「文也君は ウチの兄い兄いに 会った事 なかったんだよね?」
文也「うん。」
恵里「そっか。」
文也「何?」
恵里「ウチの兄い兄い フラフラしてて どこで何やってるか 分からない。 私が 高校3年の時に 帰ってきて それでさ。 それで『世界を目指すのさ』とか 言って『これからは これだ』と言って 実は 私も その気になってた。」
恵里「こんなの作って売り出したんだよ。 ゴーヤーマンって いうんだけど。 でも 全然 売れなくて 古波蔵家は 借金までしたのに。 1万個 作って 売れたの 70個!」
文也「うわ!」
恵里「バカでしょう?」
文也「え? ハハハ…。 そりゃ バカだね。」
恵里「でしょう?」
文也「バカバカだ。」
恵里「おかしくて 思い出すだけで 涙が出てくるんだよね。」
文也「恵里。」
恵里「ん?」
文也「あの時と 同じだね。 兄貴が死んで 2人で兄貴の木を 植えた時と 同じだね。 恵里 俺の事 励まそうとして 入学式に 恵達が まゆ毛 そった話をして 笑わせてくれたよね。 変わらないんだな 恵里は。」
文也「俺…。俺さ。」
恵里「ん?」
文也「兄貴 小浜で死んで 石垣に帰る船の中で。 決めたんだ『医者になろう』って。」
恵里「え?」
文也「人が死ぬのを止められる 医者に なろうって。 絶対 そうなろうって決めたんだ。 それだけを 考えて生きてきた。 恵里は どんな事を考えて 生きてきたのかな?」
恵里は 言いたかったのです。『私は ずっと文也君と結婚するという約束を信じて 生きてきた』そう 言いたかったのです
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